再開のJリーグ、5人の交代枠は必要か?/六川亨の日本サッカー見聞録

2020.06.06 17:00 Sat
©︎J.LEAGUE
Jリーグは昨日6月5日に臨時の理事会を開催し、7月4日に再開するJ1リーグの最終節を12月19日にすると発表した。合わせて今シーズンは1試合の交代枠を3人から5人に拡大するが、「交代回数はハーフタイムを除き3 回までとする」ことで合意した。

すでに反町康治JFA(日本サッカー協会)技術委員長が就任会見でも述べていたが、今回の交代枠の変更は、FIFA(国際サッカー連盟)も「特例として今シーズンに限る」ルールとなっている。

そこで反町技術委員長は、自ら「天皇杯はどうなるんだろう」と“ボケた”が、来年1月1日が今シーズンに含まれるのかどうかの判断は微妙なところ。たぶん大丈夫だろうから言及したのだと推測している。
気になるのは、やはり再開・開幕の決まったJリーグの日程だ。昨日の理事会では、開幕カードの発表があるのかと期待した。しかし、それ以前にJ2リーグの松本が日程の激化からルヴァン杯を欠場。さらにJ3リーグのFC東京―U-23もホームゲーム(味の素フィールド西が丘、駒沢オリンピック公園陸上競技場、夢の島陸上競技場)の会場確保が困難として今シーズンのリーグ戦の辞退を表明し、いずれも理事会で承認された。

J1リーグに限らず、日程の再編はやはり難航しているのだろう。ルヴァン杯はグループリーグをホーム&アウェーの2回戦制から1回戦に変え、プレーオフは取りやめて8チームによる決勝トーナメントに変更した(各グループ1位の4チームと成績上位の2位1チームに、ACL出場の3チーム)。
今後もクラブ存続のために、試行錯誤を繰り返しながら奮闘する関係者は少なくないと思う。できれば、56クラブが無事に今シーズンを終えられることを祈るばかりだ。

といったところで、冒頭に紹介した選手交代枠の拡大である。これまでは「3人を3回」交代できた。それが5人に拡がったものの、交代は「ハーフタイムを除き3回」ということで、4回に制限されることになる。5人の交代枠を使い切るには、どこかで2人を同時に交代する必要が生じる。

ただしこのルール、あまり現実性を帯びているとは思えない。スタメン11人のうちGKを除けばフィールドプレーヤーは10人。監督はベストの10人をピッチに送り込むのは当然だ。そのうち、ケガ人でも出なければ交代選手を起用することはない。次に想定されるのはビハインドのチームが劣勢を挽回するケースで、攻撃的な選手を増やすというパターンだ。

ただ、それにしてもスタメンの半数以上を交代で送り込むのは「異常事態」と言っていいだろう。何のための「スタメン」だったのか、どちらで起用された選手も戸惑うのは当然だろうし、監督としての資質を疑われてもおかしくない。

恐らく交代枠の拡大は、新型コロナウイルスの感染により登録選手の縮小を懸念した救済措置でもあると思うが、現状ではリーグ戦の再開・開幕のためにJリーグは万難を排して取り組んできた。その目処が立ったからこそ再開・開幕を決めたのだと思う。

導入を決定したものの、5人の交代枠を使う監督が果たしているのかどうか。負傷離脱などのアクシデントは別にして、むしろそちらの方が興味津々である。それで結果を残したら、賞賛すべきかどうか。これはこれで迷うところでもある。

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