一部解除の緊急事態宣言、Jリーグ再開の日程と検査/六川亨の日本サッカー見聞録

2020.05.15 11:00 Fri
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©︎J.LEAGUE
JリーグとNPB(日本野球機構)の「第7回新型コロナウイルス対策連絡会議」が5月11日の午前に、そして同日の午後からはJリーグの「第5回合同実行委員会」が開催された。

結論から先に言うと、この日もJリーグとプロ野球の再開・開幕の日程について具体的に話し合われることはなかった。午前中の会議で明らかになったことは、緊急事態宣言の解除について座長の賀来満夫ドクターは「人口と比べて感染者の減少」と「医療体制が整っているか」の2点を指摘しつつ、「我々が基準を出すことはない」と明言した。

そして「政府専門家の解除基準に従う」ことと、再開・開幕後の問題点としては選手・スタッフの移動で感染拡大のリスクが伴うため、「首長の同意が必要になるだろう」(三鴨廣繁ドクター)ということだった。

まずは緊急事態宣言が解除されない限り、Jリーグもプロ野球も再開・開幕はありえない。幸いなことに14日、政府は特定警戒都道府県のうち茨城、石川、岐阜、愛知、福岡の5県と合わせ、39県の解除を決定。さらに来週の21日、残る8都道府県も解除されるかもしれない。

次回の「新型コロナウイルス対策連絡会議」は22日に予定されており、21日に解除が決定すれば(なおかつ解除地区で感染者が増加しなければ)、22日はいよいよ再開・開幕に向けて具体的な日程などが話し合われる可能性もある。村井満チェアマンも「22日は何らかが示されるタイミングだと思うので、練習の再開を議論できるかもしれない」と期待する。

午後からの合同実行委員会では、8日に韓国のKリーグが再開したこと。16日にはブンデスリーガが再開予定で、さらにラ・リーガも再開に向け練習のための検査を実施し、ピッチを開放したことを受け、Jリーグも個人トレーニングやグループトレーニングのプロトコル(規定)とガイドラインの作成に着手することを明かした。

ただ、問題がないわけでもない。全体練習のスタートと無観客とはいえ試合を再開・開催するにはPCR検査が欠かせない。Kリーグもブンデスリーガも全員が受診しているものの、日本では検査態勢が両国に比べて格段とに劣っている。

このため村井満チェアマンは、PCR検査に加え、精度は落ちるが15分で結果の分かる抗原検査や、10人まとめてのPCR検査で陰性なら全員にOKを出すなど様々な方法が考えられるとして、「今日は少し薄日が見えた」と再開・開幕に手応えを感じたようだ。

気になる再開・開幕日だが、選手からは試合に向けたコンディション作りのために、最低4週間の練習期間が必要と訴えられている。このため最短で6月27日と28日の土日が有力になる。1ヶ月以上の練習期間では7月の4日、5日の土日ということになるだろう。今後は韓国やドイツ、スペイン、そしてイングランドなど再開(または、再開を議論)しているリーグの情報を集めて練習再開の叩き台を作ることになる。

8日に再開したKリーグの全北現代対水原三星戦をYouTubeで観戦したが、前半は両チームとも運動量をセーブしている印象を受けた。やはり中断のブランクがあったからだろうが、いまはサッカーのクオリティーを問うべきではない。まずはピッチで選手が躍動する姿を見せることが復活への第1歩となるのだから。

なお、Jリーグは本日18時、25ページからなる「新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン案」を策定した。こちらは専門家などの意見も踏まえ、Jリーグの理事会および実行委員会との承認によって制定される。

【文・六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
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