Jリーグは延期で調整/六川亨の日本サッカーの歩み

2020.03.09 18:50 Mon
©超ワールドサッカー
新型コロナウイルスの対策連絡会議の第2回目が3月9日に都内のホールで行われ、会議後にJリーグの村井満チェアマン、NPB(日本野球機構)の斉藤惇コミッショナー、そして感染症の専門ドクター3氏(賀来満夫座長、三鴨廣繁氏、舘田一博氏)が記者会見に臨んだ。

会議にはJリーグとJFA(日本サッカー協会)、NPBの主要メンバーの他に、今回はJOC(日本オリンピック委員会)、団体球技リーグの組織である日本トップリーグ連携機構(会長は川淵三郎氏)、高野連、ジャパンラグビートップリーグ、ECSA(エクサ。日本トップリーグ連携機構とコンサートプロモーターズ協会が設立した組織)などの他団体もオブザーバーとして参加した。

結論から言うと、18日から再開予定のJリーグ、20日開幕するプロ野球はドクター3氏から「延長が望ましい」と助言されたため、Jリーグは12日の理事会、NPBは9日午後の代表者会議で最終結論を出すものの、3月はいっさい試合を行わない方向で調整に入ることになった。
賀来座長によると「現段階で感染者が増加している中で、Jリーグとプロ野球の開催について3名で協議して話した。感染増加の抑制に見通しが立たず、政府は小中学校の休校と入国制限を出したが、それを評価するのは難しい」とし、「できるだけリスクを避ける対応を取って欲しい」と要請。

三鴨ドクターは「クラスター感染(家族内感染)が増えている。無観客試合でも(18日と20日の開催は)準備が足りない。ウイルスは飛沫感染と接触感染も極めて重要なファクター」として、「不特定多数が集まると、トイレや観客席をしっかり消毒する必要がある。選手が使うロッカーやベンチもしっかり清掃しなければならない」と話し、現状でも不足しているマスクや消毒液、体温を計るサーモメーターを1試合で万単位が集まるスタジアムに用意するのは「18日、20日までには間に合わない」と警鐘を鳴らした。
そして館田ドクターは「インフルエンザのように、温かくなっても収束しないだろう。限りなく感染者をゼロにするため、Jリーグとプロ野球、我々が一緒になって対応しないといけない」と今後の見通しを語った。

Jリーグは9日の午後6時からweb会議を実施し、最終的には12日の理事会で最終判断を下すが、3月での再開を断念して状況の変化を見つつ、4月での再開を目指すことになりそうだ。そして9日の会議にはJFAの須原清貴専務理事ら3名が参加していたため、3月末のU-23日本代表の2試合の中止に続き、同じく3月末に予定されているW杯アジア2次予選についても開催か延期の判断を近日中に下すだろう。

サッカー界はもちろんのこと、あらゆるスポーツ団体、そしてコンサートなど音楽業界にとっても未曾有の事態と言える。これほどまで世界的に試合が中止・延期されたのは第二次世界大戦以来ではないだろうか。

7月に開幕する東京五輪への影響も懸念されるが、6月にはEUROが開幕する。その前の3月末にはEUROのプレーオフが予定されているものの、W杯予選と同様に延期になれば、本大会にも影響が出かねない。先行きが不透明な中で、FIFA(国際サッカー連盟)やUEFA
(欧州サッカー連盟)、そしてAFC(アジアサッカー連盟)が今後どのような判断を下すのか注目したい。

J1の関連記事

横浜F・マリノスが、「ファン・サポーターの皆さまへ」として声明を発表した。 今シーズンはスティーブ・ホーランド監督の下でスタートした横浜FM。AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)と並行して戦うシーズンとなった中、明治安田J1リーグでは開幕4試合勝利なしとつまづいたスタートとなった。 その後、初白 2025.05.17 22:45 Sat
明治安田J1リーグ第17節の浦和レッズvsFC東京が17日に埼玉スタジアム2002で行われ、3-2でホームの浦和が勝利した。 リーグ戦2試合未勝利となっている4位浦和(勝ち点26)は、ドローで終えた前節のアルビレックス新潟戦からスタメンを4人変更。金子拓郎や松本泰志、長沼洋一、GK牲川歩見に代えて大久保智明、サミ 2025.05.17 18:20 Sat
17日、明治安田J1リーグ第17節の湘南ベルマーレvs横浜FCがレモンガススタジアム平塚で行われた。 連敗を「2」でストップさせた湘南と、ミッドウィークに連勝を逃した横浜FCの一戦。湘南は前節と同じ11名をピッチに送り込むことに。中2日での試合となった横浜FCは4名を変更し、伊藤槙人、駒井善成、室井彗佑、櫻川ソロ 2025.05.17 17:30 Sat
17日、明治安田J1リーグ第17節の鹿島アントラーズvs清水エスパルスが県立カシマサッカースタジアムで行われた。 現在6連勝で首位を快走中の鹿島と、3試合勝利がない清水の対戦。鹿島は前節から3名を変更。荒木遼太郎、三竿健斗、レオ・セアラが外れ、ターレス・ブレーネル、知念慶、田川亨介が入った。 対する清水は2 2025.05.17 17:02 Sat
thumb 17日、明治安田J1リーグ第17節でアビスパ福岡と名古屋グランパスがベスト電器スタジアムで対戦した。 一時は首位に立つも6戦未勝利で12位まで転落した福岡。3連敗中と苦しい流れの中、前節からは4名を変更。永石拓海、橋本悠、見木友哉、シャハブ・ザヘディが外れ、村上昌謙、田代雅也、前嶋洋太、紺野和也が入った。 2025.05.17 16:35 Sat

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly