【ELグループステージ展望】サムライ8人にユナイテッド&アーセナル、ローマ勢参戦!

2019.09.19 18:00 Thu
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2019-20シーズンのヨーロッパリーグ(EL)・グループステージが19日に開幕する。昨シーズンと同様、優勝チームに翌シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権が与えられるELに、今シーズンは8人の日本人選手がグループステージから参加。また、アーセナルやマンチェスター・ユナイテッド、セビージャ、ローマ、ラツィオなどの優勝候補も参戦する。
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ここでは、注目クラブや日本人選手の所属するチームを中心にグループステージを展望していきたい。◆優勝候補筆頭のアーセナルやユナイテッド、ローマ勢参戦
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今大会の優勝候補は昨季準優勝のアーセナルやマンチェスター・ユナイテッド、大会最多優勝を誇るセビージャ、ローマとラツィオのセリエA勢だ。
昨季、初のロンドン勢対決となったチェルシーとの決勝で完敗したアーセナルは、その敗戦をキッカケに今夏緊縮財政が伝えられた中で積極補強を敢行。クラブ史上最高額でFWニコラ・ペペを獲得したほか、DFダビド・ルイス、DFティアニー、MFセバージョスらを新たにスカッドに加えた。ここまでのリーグ戦では思うように結果は出ていないが、グループステージ開幕時点で有力な優勝候補と言える。そのアーセナルはグループFで昨季ベスト4のフランクフルトと同居も、その他の2チームがスタンダール・リエージュ、ヴィトーリアと実力差があるだけに、昨季と同様にフランクフルト戦を除いては大幅なターンオーバーを敢行する見込みだ。

また、アーセナルと共に優勝候補に挙がるユナイテッドは2016-17シーズン以来、2度目のEL制覇を目指す。アーセナル同様に国内リーグでの4位フィニッシュが困難なタスクであるだけに、リーグと並行して同タイトルを目指す。今夏の移籍市場では余剰人員の整理を中心に行いつつ、DF史上最高額でDFマグワイア、すでに存在感を示すDFワン=ビサカ、MFダニエル・ジェームズの英国産タレントを獲得。アカデミーの若手を積極登用するスールシャール監督の下、ここまでは発展途上という印象だ。ただ、ELの舞台で積極的に若手を起用し、成長の場とできれば、リーグ戦にも好影響を与えられるはずだ。とりわけ、新星FWグリーンウッドやMFチョンなどのブレイクが期待される。なお、ユナイテッドはグループLでFW浅野拓磨のパルチザン、DF菅原由勢のAZと同居している。
両クラブに比べてやや格が落ちるものの、大会最多優勝を誇るセビージャ、ELで実績十分のローマとラツィオのセリエA勢も優勝候補だ。とりわけ、モンチSDの復帰にロペテギ新監督を招へいした新生セビージャは開幕からラ・リーガで首位を走る好調なスタートを切っている。今夏、FWハビエル・エルナンデスやMFジョルダン、FWルーク・デ・ヨングなどヨーロッパ各国から10人以上の新戦力を迎え入れたチームは、大きな伸びしろを残すにも関わらず、開幕からきっちり結果を残している。リーグ戦と共にELでも新戦力が実戦での連携を構築できれば、シーズン中盤、後半戦に向けて大きなチーム力アップに繋がる。対戦相手にも恵まれており、ロペテギ監督は大胆な選手起用に踏み切れるはずだ。

ELへの名称変更後、イタリア勢として初制覇を目指すローマとラツィオの強豪2チームでは、ローマがフォンセカ新監督を招へいし大幅なスカッド刷新に動いたのに対し、ラツィオはシモーネ・インザーギ監督の下で継続路線を進めている。共に開幕3試合では思うように結果は出ていないが、指揮官の采配力、スカッドの質を考えれば、順当に決勝トーナメント進出を果たせるはずだ。

◆グループLで浅野vs菅原! 新加入組はアピールの場に
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今シーズンのELグループステージでは、8人の日本人選手がプレーすることになる。

昨季、ベスト4に進出したMF長谷部誠とMF鎌田大地を擁するフランクフルトは、前述のように優勝候補アーセナルと同組に。フランクフルトは昨季の躍進が引き金となり、前線で特大の輝きを放った3人のストライカーが今夏引き抜きにあっており、シント=トロイデンからのレンタルバックでトップ下を主戦場にプレー機会を得ている鎌田は、彼らの後釜として自身初のELの舞台で大暴れを見せたい。ベテランの長谷部に関してはコンディションを考慮してリーグ戦優先の起用法になりそうだが、重要な試合では必ず出番が訪れるはずだ。

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また、今夏共に新天地を求めたパルチザンの浅野拓磨と、AZのDF菅原由勢は初のELの舞台でユナイテッドと同じグループLに同居することになった。両選手ともに開幕から定期的にプレー機会を与えられており、浅野は左ウイングやセンターフォワード、菅原は右サイドバックで起用されており、直接対決ではマッチアップの可能性が高い。また、注目を集めるユナイテッドとの対戦では今後のステップアップに繋がる積極的なプレーを期待したい。

また、日本代表の主力を担うFW中島翔哉とFW堂安律の2選手は今夏、ポルト、PSVとヨーロッパ屈指のビッグクラブへのステップアップを果たした。そのビッグクラブでの定位置争いはし烈を極めており、今回のELでは共にアピールの場としたい。とりわけ、直近のポルティモネンセ戦でセルジオ・コンセイソン監督の怒りを買ったと報じられる中島に関しては、失った信頼を取り戻すような働きを見せたい。なお、ポルトはフェイエノールト、レンジャーズという名門、PSVはスポルティングという強豪と対戦する。

その他では昨季CLデビューを飾ったFW西村拓真を擁するCSKAモスクワは、エスパニョール、ルドゴレツらと同じ組に、ELでのプレー経験豊富なFW久保裕也を擁するヘントは、ヴォルフスブルク、サンテチェンヌと同じ組に入っている。
【ELグループステージ出場チーム】

【グループA】
セビージャ(スペイン)
アポエル(キプロス)
カラバフ(アゼルバイジャン)
デュドランジュ(ルクセンブルク)

【グループB】
ディナモ・キエフ(ウクライナ)
コペンハーゲン(デンマーク)
マルメ(スウェーデン)
ルガーノ(スイス)

【グループC】
バーゼル(スイス)
FCクラスノダール(ロシア)
ヘタフェ(スペイン)
トラブゾンシュポル(トルコ)

【グループD】
スポルティング・リスボン(ポルトガル)
PSV(オランダ)※堂安律
ローゼンボリ(ノルウェー)
リンツ(オーストリア)

【グループE】
ラツィオ(イタリア)
セルティック(スコットランド)
スタッド・レンヌ(フランス)
クルージュ(ルーマニア)

【グループF】
アーセナル(イングランド)
フランクフルト(ドイツ)※長谷部誠&鎌田大地
スタンダール・リエージュ(ベルギー)
ヴィトーリア・ギマランエス(ポルトガル)

【グループG】
ポルト(ポルトガル)※中島翔哉
ヤング・ボーイズ(スイス)
フェイエノールト(オランダ)
レンジャーズ(スコットランド)

【グループH】
CSKAモスクワ(ロシア)※西村拓真
ルドゴレツ(ベラルーシ)
エスパニョール(スペイン)
フェレンツヴァーロシュ(ハンガリー)

【グループI】
ヴォルフスブルク(ドイツ)
ヘント(ベルギー)※久保裕也
サンテチェンヌ(フランス)
オレクサンドリーヤ(ウクライナ)

【グループJ】
ローマ(イタリア)
ボルシアMG(ドイツ)
イスタンブール・バシャクシェヒル(トルコ)
ヴォルフスベルガー(オーストリア)

【グループK】
ベシクタシュ(トルコ)
ブラガ(ポルトガル)
ウォルバーハンプトン(イングランド)
スロヴァン・ブラチスラヴァ(スロバキア)

【グループL】
マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
アスタナ(カザフスタン)
パルチザン(セルビア)※浅野拓磨
AZ(オランダ)※菅原由勢

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