自走できた森保ジャパンが誇る攻撃ユニット、課題は後半の決定機逸/日本代表ポイントレビュー

2019.09.11 08:30 Wed
Getty Images
日本代表は10日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でミャンマー代表と対戦した。7大会連続のW杯出場を目指す日本代表にとって、大事な初戦。過酷なアウェイの地で、2-0と勝利を収めた。

高温多湿な気候に加え、雨季の終盤ということもあり、環境面では日本と大きく異なる中での試合となり、日中に加え、キックオフ時も強い雨に見舞われた。
さらに、芝の状態も良いとはいえず、長さに加え、雨による緩さも目立った中、日本は前半からしっかりと対応力を見せつけた。試合のポイントを振り返る。

◆自走できた前線のユニット

この試合のポイントはしっかりとコンディションにアジャストしたことと言えるだろう。選手個々のフィジカルコンディションは去ることながら、ピッチコンディションに合わせた戦いを見せた。
立ち上がり、日本の攻撃陣は得意の細かいパスをつなぐ連携プレーではなく、積極的に浮き球のパスを使うことを選択する。長い芝、緩いピッチを考えると、明らかにボールが転がらない。自分たちの本来の戦い方ではないものの、しっかりとボールをつないでいった。

試合は、16分に中島翔哉(ポルト)が左サイドからカットインし、得意の角度から豪快にゴールを決める。厳しい戦いになる理由は、押し込んでいる時間帯に得点を奪えないことが多いが、このゴールが日本を楽にさせたことは間違いない。

そして26分には、得意の細かいつなぎから堂安律(PSV)がボックス手前で左足を振り抜く。これはGKにセーブされるも、跳ね返りを拾った堂安は、再び強引に打つのではなく、今度は優しいクロス。フリーで抜け出た南野拓実(ザルツブルク)がドンピシャで合わせて追加点を奪った。

この日の攻撃ユニットは、森保体制が始まってから主軸をになっている4人。中島、南野、堂安に、トップに入る大迫勇也(ブレーメン)を加えたメンバーだ。1年前に組んだこのユニットが、しっかりとW杯予選の初戦で結果を残したことは、森保監督にとっても大きいだろう。

特に、この試合では大迫と南野の関係、そして堂安の判断力が光った。大迫はノーゴールに終わったものの、この試合の前半はトップの位置ではなく、下がり目にポジションを取り、中盤でゲームメイクに参加するシーンも多く見られた。

一方で、南野がトップに入る役割や、下がり目の位置から裏に飛び出す動きを見せていた。ミャンマーが大迫を警戒してくることは明白であり、大迫がトップからポジションをズラすことで、南野、中島、堂安が動くスペースが生まれた。これは、引いて守るミャンマーに対して、スペースがない中で4人がポジションを取っても効果的ではないこともあるだろう。

後半に入ると、ミャンマーのプレスの位置が高くなったこともあり、大迫は積極的にポストに入る場面が増えた。日本の選手たちも芝に慣れ、縦パスが入るシーンも増え、実際に決定機も増えた。ピッチ内だけではないものの、しっかりと判断し、戦い方を変えられたことはプラスだ。

また、右サイドの堂安のプレーも、ここ数試合のパフォーマンスに比べると高かったと言える。強引なシュート、無理な突破という場面はほとんど見られず、守備面でも大きく貢献。機を見つけては個人技を見せるなど、好感触を見せてくれた。また、同サイドの酒井宏樹(マルセイユ)の上がりを促す動きも多く、効果的なサイド攻撃も発揮できたと言える。

同じポジションに久保建英(マジョルカ)というライバルが生まれたこと、また久保だけでなく、伊東純也(ヘンク)などもいることが刺激になったのかもしれない。この先には新天地でのポジション争いもある堂安だが、10月の予選でも成長した姿を見せてもらいたい。

中島の先制点も含め、この4人が自走できることは今の日本代表の強みであり、アウェイの地でもしっかりと力を発揮できたことは、この先の戦いに向けてはプラス材料と言える。

◆気になる後半のパフォーマンス

試合を通じてゴールを目指し、シュート数も多かった日本。攻撃の姿勢をやめなかったこと、さらに守備はしっかりとオーガナイズされ、ほぼ完璧な試合運びを見せたことは評価して良いだろう。

しかし、5日のキリンチャレンジカップ2019のパラグアイ代表戦(2-0)に続き、前半で2点をリードしながら後半は無得点という展開に終わった。

ミャンマー戦は圧倒的に試合の主導権を握り、シュートチャンスも数多く作っていた中で後半無得点。この先の予選、さらには最終予選を考えると心配せざるを得ない部分だ。

もちろん、無得点の背景にはミャンマーの決死の守備や、GKの好セーブもあった。しかし、決め切らなければいけない場面も確実にあった。途中出場の伊東が背後をとり、GKと一対一になったシーンや、クロスから大迫がヘディングで折り返し、フリーの柴崎岳(デポルティボ・ラ・コルーニャ)がボレーを放ったシーンなどだ。

ミャンマーの選手たちは、限界までプレーし、終盤には足がつる選手や炒めて倒れ込む選手が多くいた。日本の選手たちはただそれを待つことしかできないが、それは2点リードしていたからであり、仮にイーブンの状況であれば、焦ることは間違いない。

日本からなんとかして勝ち点を獲ろうと考える他のチームを考えれば、アウェイゲームでは時間稼ぎに遭う可能性も少なくないだろう。そういった点では、試合を決定づける3点目を奪えなかったことは残念であり、2試合続けて後半のパフォーマンスが上がらなかったことは、環境面の難しさなどを考慮しても、この先の課題と考えた方がいいだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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伊藤洋輝が問題を抱えてドイツ帰還? 指揮官が明かすも「日曜日には十分だろう」と週末は出場か

日本代表DF伊藤洋輝が問題を抱えてドイツに戻っていたようだ。 今シーズンはシュツットガルトでブンデスリーガ18試合に出場し2アシストを記録している伊藤。急遽中止になるというトラブルもあった中、21日には2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の北朝鮮代表戦に左サイドバックとしてフル出場を果たしていた。 予定よりも早くチームに戻ることができた伊藤。上位を争い、来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得のため、残りシーズンで結果を残していきたいシュツットガルトだが、日本から帰国した伊藤は問題を抱えていたという。 31日に控えているブンデスリーガ第27節のハイデンハイム戦に向けた記者会見に臨んだセバスティアン・ヘーネス監督。代表選手の状態について語る中、伊藤にも言及した。 ケガ人がいる中で、伊藤については、腰に軽い問題を抱えながら戻ってきたとのこと。ただ、27日からランニングを開始できたようで「日曜日には十分だろう」と、ハイデンハイム戦の出場は問題ないと考えているようだ。 伊藤が北朝鮮戦で大きく痛むシーンはなかったと思われるが、いくつか接触プレーはあったのも事実。悪化しないという点では、アウェイでの北朝鮮戦が中止になったことはプラスと言えるのかもしれない。 2024.03.29 09:55 Fri

「今回もニッコニコ」もはや恒例!1人だけ笑顔の日本代表集合写真がまたも話題に「待ってました!」「いつも笑顔が素敵」

日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)が、やはり笑顔だ。 3月の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮代表との連戦に臨む予定だった日本。だが、アウェイの平壌で開催予定だった試合が中止となったことで、ホームでの1試合のみで活動を終えた。 週末の試合に向けて選手たちが各自のクラブへと戻っている中、21日に行われたホームゲームで先発していた上田も28日にインスタグラムを更新。「応援ありがとうございました!」とファンやサポーターへの感謝の思いを綴っていた。 そんな中、その上田の投稿に添えられていた1枚の写真が話題だ。 上田は、キックオフ前にスターティングメンバー11人が並んで撮影される集合写真もアップ。他の10人がいかにも試合前というようなきりっとした表情を見せる中、上田だけは満面の笑顔だった。 上田が集合写真の撮影時に笑顔を見せるのは恒例のこと。アジアカップ2023の時も度々話題となっていたが、今回はそのアジアカップ以来の代表戦ということもあり、ファンからは「綺世いつも笑ってて可愛い!!!」、「いつも笑顔が素敵」、「今回もニッコニコ」、「スマイル待ってました!」、「とびきりの笑顔で可愛い」とまたも反響が集まっている。 今回はアウェイでの試合が中止となったこともあり、上田の笑顔も並んだ集合写真はこの時だけ。6月の2次予選でも、またこのとびきりの笑顔が見られるだろうか。 <span class="paragraph-title">【写真】1人だけ爽やかな笑顔!日本代表の集合写真(2枚目)</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/C5BhsnPtqYw/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); 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