【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.43“フランス版「バルサ」”若き日のアザール/リール[2010-11]
2019.04.24 22:00 Wed
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。

2000年代のリーグ・アンは、7連覇を達成したリヨンが絶対王者として君臨していた。しかし、その強さが終焉を迎えると、2008-09シーズンにボルドー、2009-10シーズンにマルセイユと、シーズン毎に王者が入れ替わる本命なしの状況となった。そして迎えた2010-11シーズン、覇権を奪ったのは古豪・リールだった。2008年夏にルディ・ガルシア監督(現マルセイユ監督)を招へいしたリールは、アザールやジェルビーニョといった才能溢れるアタッカーを擁して攻撃的なサッカーを展開。ガルシア監督2年目のシーズンにリーグ最多の72得点を挙げて4位でフィニッシュすると、翌シーズンは守備の安定を図って優勝にまい進した。
第14節に首位の座に躍り出たリールは、そのまま優勝戦線を引っ張る存在となる。第32節で首位の座をマルセイユに奪われたが、1週間で奪い返すと、第35節のサンテチェンヌ戦を2-1で勝利して優勝決定。古豪・リールが57年ぶりのリーグ・アン制覇を成し遂げた。
2シーズン連続(2009-10シーズンと2010-2011シーズン)でリーグ最多の得点数を記録したチームは、“フランス版バルサ”と称されるほど、攻撃において魅力を有した。その中で個性的な選手をうまくまとめたガルシア監督の手腕は、称賛されるべきものだった。
中盤はフィルター能力に優れるマブバをアンカーに置き、インサイドハーフにバルモンとキャバイエを起用。パスセンスに溢れる前者と、飛び出しやミドルシュートが持ち味の後者が攻守に存在感を放った。
そして、攻撃のキーマンは20歳のアザールと23歳のジェルビーニョという両翼。スピード溢れるドリブルで相手の守備を切り裂いた彼らは、アザールが7ゴール11アシスト、ジェルビーニョが15ゴール11アシストという素晴らしい数字を残した。そして、最前線のムサ・ソウはナントでの不遇を乗り越え、25得点をマークして得点王に輝いた。
FWエデン・アザール(20)
2007年にリールの下部組織からトップチームデビューを果たしたアザールは、すぐさまその才能を遺憾なく発揮した。2008-09シーズンと2009-10シーズンにリーグ・アンの年間最優秀若手選手賞を受賞すると、リーグ制覇を成し遂げた2010-2011シーズンはリーグMVPに選出。抜群のスピードとキレのあるドリブルで攻撃を牽引し、リールに57年ぶりの優勝をもたらした。
PR
日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。vol.43
2010-2011シーズン/リール
〜フランス版“バルサ”〜

(C)CWS Brians,LTD.
監督:ルディ・ガルシア(47)
獲得タイトル:リーグ・アン
攻撃力9:★★★★★★★★★☆
守備力7:★★★★★★★☆☆☆
タレント7:★★★★★★★☆☆☆
連係7:★★★★★★★☆☆☆
選手層6:★★★★★★☆☆☆☆
57年ぶりの栄冠
2000年代のリーグ・アンは、7連覇を達成したリヨンが絶対王者として君臨していた。しかし、その強さが終焉を迎えると、2008-09シーズンにボルドー、2009-10シーズンにマルセイユと、シーズン毎に王者が入れ替わる本命なしの状況となった。そして迎えた2010-11シーズン、覇権を奪ったのは古豪・リールだった。2008年夏にルディ・ガルシア監督(現マルセイユ監督)を招へいしたリールは、アザールやジェルビーニョといった才能溢れるアタッカーを擁して攻撃的なサッカーを展開。ガルシア監督2年目のシーズンにリーグ最多の72得点を挙げて4位でフィニッシュすると、翌シーズンは守備の安定を図って優勝にまい進した。
フランス版“バルサ”
2シーズン連続(2009-10シーズンと2010-2011シーズン)でリーグ最多の得点数を記録したチームは、“フランス版バルサ”と称されるほど、攻撃において魅力を有した。その中で個性的な選手をうまくまとめたガルシア監督の手腕は、称賛されるべきものだった。
守備の中心は、元フランス代表の守護神・ランドローとラミ。特に、ディフェンスリーダーを担ったラミはフィジカルを生かした守備でレ・ブルーに名を連ねる存在となる。また、右サイドバックのドビュッシーは果敢な攻撃参加を披露して得点にも絡むプレーも披露した。
中盤はフィルター能力に優れるマブバをアンカーに置き、インサイドハーフにバルモンとキャバイエを起用。パスセンスに溢れる前者と、飛び出しやミドルシュートが持ち味の後者が攻守に存在感を放った。
そして、攻撃のキーマンは20歳のアザールと23歳のジェルビーニョという両翼。スピード溢れるドリブルで相手の守備を切り裂いた彼らは、アザールが7ゴール11アシスト、ジェルビーニョが15ゴール11アシストという素晴らしい数字を残した。そして、最前線のムサ・ソウはナントでの不遇を乗り越え、25得点をマークして得点王に輝いた。
ピックアップ・プレイヤー
FWエデン・アザール(20)
2007年にリールの下部組織からトップチームデビューを果たしたアザールは、すぐさまその才能を遺憾なく発揮した。2008-09シーズンと2009-10シーズンにリーグ・アンの年間最優秀若手選手賞を受賞すると、リーグ制覇を成し遂げた2010-2011シーズンはリーグMVPに選出。抜群のスピードとキレのあるドリブルで攻撃を牽引し、リールに57年ぶりの優勝をもたらした。
PR
リールの関連記事
|
リールの人気記事ランキング
1
リールがムバッペ弟のエタンを完全移籍で獲得!3年契約を締結
リールは4日、U-19フランス代表MFエタン・ムバッペ(17)を完全移籍で獲得した。契約期間は2027年6月30日までとなる。 レアル・マドリーに所属するキリアン・ムバッペを兄に持つエタンは、2017年にフランス屈指の育成組織を持つPSGのアカデミーに加入。順調にステップアップを重ねると、2022年には15歳ながらU-19チームでプレーしていた。 飛び級でU-19フランス代表にも招集される逸材は、かつてレアル・マドリーで活躍した元アルゼンチン代表MFフェルナンド・レドンドを彷彿とさせる、高精度の左足を生かしたパスと戦術眼を特長とするエレガントなMFとしてクラブ内での評価も非常に高く、昨年12月のリーグ・アンでトップチームデビューを飾ると、2023-24シーズンは公式戦5試合に出場していた。 リールへの移籍が決定したエタンは、公式サイトで以下のように喜びを語った。 「リールに加入出来てとても嬉しい。新しいチームメイト、スタッフ、ファンに会うのが待ちきれない。僕の年齢では、フランスにとどまることが成長するための最良の選択肢だった。リールは最高の選択肢だったと思う。フランスで最高のクラブのひとつだ。ここでプレーできることを本当に誇りに思う」 2024.07.05 07:30 Fri2
珍しい?! メッシが相手選手とのユニフォーム交換を申し出
パリ・サンジェルマン(PSG)のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが対戦相手のユニフォームを求める珍しいシーンがあった。 PSGは6日、リーグ・アン第23節でリールとのアウェイゲームに臨むと、ここまで11位と低迷する昨シーズンの王者を相手に5-1の快勝。メッシもリーグ戦では第14節のナント戦以来となるゴールを含む1得点1アシストの活躍を見せた。 そのメッシが対戦相手である若手DFのユニフォームを欲したと、アルゼンチン『Tyc Sports』が伝え、話題を呼んでいる。 リールのイングランド人DFアンヘル・ゴメスは試合後、通用口でメッシにユニフォームが欲しいと申し出たようだ。メッシは申し出に快く応じ、シャツを脱いで渡すと、受け取ったアンヘル・ゴメスは礼を言って去ろうとした。 だが、メッシは笑いながらアンヘル・ゴメスを引き留める。与えるだけではなく、ユニフォーム"交換"を申し出た。 メッシが自分のユニフォームを欲するとは思ってもいなかったアンヘル・ゴメスは、驚きつつも大慌てで自分のシャツを脱ぐ。それを渡すと、2人は握手をし、あらためてそれぞれのドレッシングルームへと下がっていった。 ファンから求められた場合は当然渡すだけの一方通行となってしまうが、選手間であれば交換が可能だ。これまでにもバルセロナ時代にエルチェのGKエドガル・バディアからユニフォームを求められた際、お返しを求めた例がある。 過去のインタビューでは「一度だけジネディーヌ・ジダンに頼んだことがある」と語っているように、自分から相手のユニフォームを求めることは少ないメッシ。今回もこのような形で相手をリスペクトする姿勢を示したため、メッシが相手チームのユニフォームを欲するという稀有な姿を見られることとなった。 <span class="paragraph-title">【動画】珍しい光景?!メッシが対戦相手のユニフォームを要求</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="es" dir="ltr">Así se dio el cambio de camisetas entre Leo Messi y Angel Gomes, tras el partido en la <a href="https://twitter.com/hashtag/Ligue1xESPN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Ligue1xESPN</a>. ¿Lo mejor? El jugador de Lille se iba sin entregarle la suya al 30: no podía creerlo. <br><br> Video exclusivo de <a href="https://twitter.com/PSG_inside?ref_src=twsrc%5Etfw">@PSG_inside</a> <a href="https://t.co/z76YXqtaiQ">pic.twitter.com/z76YXqtaiQ</a></p>— SportsCenter (@SC_ESPN) <a href="https://twitter.com/SC_ESPN/status/1490788750133182473?ref_src=twsrc%5Etfw">February 7, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2022.02.08 22:10 Tue3
新たな人生を迎えたアザールが引退後の生活を語る「最高だよ。家族との時間を楽しんでいる」
現役引退を発表した元ベルギー代表MFエデン・アザールが、アメリカ『TNTスポーツ』のインタビューで引退を後悔していないことを主張している。 アザールは下部組織から所属していたリールで注目を集めると、2012年7月に移籍したチェルシーで世界トップクラスの選手に成長。公式戦通算352試合出場110ゴールを記録し、プレミアリーグやヨーロッパリーグ(EL)、FAカップ、EFLカップでの優勝に尽力した。 その後、2019年7月にレアル・マドリーへ移籍。スター選手の到来には大きな期待が寄せられていたが、度重なるケガもあり本来のパフォーマンスはまったく披露できずに昨シーズン限りでクラブを退団すると、10月10日に現役引退を発表した。 30日にパリで行われた2023年のバロンドール授賞式にプレゼンターとして参加したアザールは、『TNTスポーツ』のインタビューで引退を全く後悔していないことを主張。新たな生活に満足していることを話した。 「最高だよ。子どもたちがいるし、家族との時間を楽しんでいる。やりたいことができるし、申し分のない生活だよ。全てを説明することはできないけど、僕は平穏な日々を過ごしているし、決断はとても正しかったと思う。いまは幸せに暮らしている。サッカー以外にもやりたいことがたくさんあるから、冷静に決断できたんだ」 「今でもテレビでサッカーを見ることはある。他のこともするけど、今のところサッカーが恋しいとは思わない。数ヶ月後にはどうなっているかわからないけどね」 「僕はピッチで楽しむことができなくなったら、すぐに現役から退くといつも言ってきた。お金を稼ぐためだけに、どこかでプレーするつもりもなかった。だから、引退がベストな解決策だったんだ」 2023.11.01 00:30 Wed4
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.43“フランス版「バルサ」”若き日のアザール/リール[2010-11]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.43</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2010-2011シーズン/リール 〜フランス版“バルサ”〜</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2010-11liile.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ルディ・ガルシア(47) 獲得タイトル:リーグ・アン 攻撃力9:★★★★★★★★★☆ 守備力7:★★★★★★★☆☆☆ タレント7:★★★★★★★☆☆☆ 連係7:★★★★★★★☆☆☆ 選手層6:★★★★★★☆☆☆☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">57年ぶりの栄冠</div> 2000年代のリーグ・アンは、7連覇を達成したリヨンが絶対王者として君臨していた。しかし、その強さが終焉を迎えると、2008-09シーズンにボルドー、2009-10シーズンにマルセイユと、シーズン毎に王者が入れ替わる本命なしの状況となった。そして迎えた2010-11シーズン、覇権を奪ったのは古豪・リールだった。 2008年夏にルディ・ガルシア監督(現マルセイユ監督)を招へいしたリールは、アザールやジェルビーニョといった才能溢れるアタッカーを擁して攻撃的なサッカーを展開。ガルシア監督2年目のシーズンにリーグ最多の72得点を挙げて4位でフィニッシュすると、翌シーズンは守備の安定を図って優勝にまい進した。 第14節に首位の座に躍り出たリールは、そのまま優勝戦線を引っ張る存在となる。第32節で首位の座をマルセイユに奪われたが、1週間で奪い返すと、第35節のサンテチェンヌ戦を2-1で勝利して優勝決定。古豪・リールが57年ぶりのリーグ・アン制覇を成し遂げた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">フランス版“バルサ”</div> 2シーズン連続(2009-10シーズンと2010-2011シーズン)でリーグ最多の得点数を記録したチームは、“フランス版バルサ”と称されるほど、攻撃において魅力を有した。その中で個性的な選手をうまくまとめたガルシア監督の手腕は、称賛されるべきものだった。 守備の中心は、元フランス代表の守護神・ランドローとラミ。特に、ディフェンスリーダーを担ったラミはフィジカルを生かした守備でレ・ブルーに名を連ねる存在となる。また、右サイドバックのドビュッシーは果敢な攻撃参加を披露して得点にも絡むプレーも披露した。 中盤はフィルター能力に優れるマブバをアンカーに置き、インサイドハーフにバルモンとキャバイエを起用。パスセンスに溢れる前者と、飛び出しやミドルシュートが持ち味の後者が攻守に存在感を放った。 そして、攻撃のキーマンは20歳のアザールと23歳のジェルビーニョという両翼。スピード溢れるドリブルで相手の守備を切り裂いた彼らは、アザールが7ゴール11アシスト、ジェルビーニョが15ゴール11アシストという素晴らしい数字を残した。そして、最前線のムサ・ソウはナントでの不遇を乗り越え、25得点をマークして得点王に輝いた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">FWエデン・アザール(20)</span> 2007年にリールの下部組織からトップチームデビューを果たしたアザールは、すぐさまその才能を遺憾なく発揮した。2008-09シーズンと2009-10シーズンにリーグ・アンの年間最優秀若手選手賞を受賞すると、リーグ制覇を成し遂げた2010-2011シーズンはリーグMVPに選出。抜群のスピードとキレのあるドリブルで攻撃を牽引し、リールに57年ぶりの優勝をもたらした。 2019.04.24 22:00 Wed5