【プレミアプレビュー】リーグ無敗の新生ユナイテッドが首位奪還目指すレッズに立ちはだかる《マンチェスター・ユナイテッドvsリバプール》
2019.02.24 13:00 Sun
プレミアリーグ第27節、マンチェスター・ユナイテッドvsリバプールが日本時間24日23:05にオールド・トラフォードでキックオフされる。スールシャール暫定監督就任以降、リーグ無敗を継続する4位のユナイテッド(勝ち点51)と、同勝ち点で並ぶ暫定首位のマンチェスター・シティから首位奪還を狙う2位のリバプール(勝ち点65)による今季2度目のノースウエスト・ダービーだ。
ユナイテッドは奇しくも今回の対戦相手リバプールとの前回対戦での大敗を受けて、モウリーニョ前監督の退任およびスールシャール暫定監督の就任が決定した。そして、この監督交代をキッカケに完全復活した赤い悪魔は先週に行われたチャンピオンズリーグ(CL)のパリ・サンジェルマン(PSG)戦で新体制初黒星を喫したものの、プレミアリーグでは8勝1分けと9戦無敗を継続。CL出場圏内の4位に急浮上している。さらに、FAカップではトップ4争いのライバルであるアーセナル、チェルシー相手にいずれも快勝と、現役時代にサー・アレックス・ファーガソンの薫陶を受けたノルウェー人指揮官の下でかつての常勝軍団の雰囲気を醸し出している。
一方、2018年は圧巻の強さを見せつけたリバプールだったが、2019年に入ると度重なる負傷者の影響もあり急失速。新年初戦となったシティとの直接対決での敗戦を含め、公式戦8試合で3勝2敗3分けの戦績だ。それでも、ミッドウィークに行われたCLバイエルン戦ではディフェンスリーダーのDFファン・ダイクを欠く中、ゴールこそ奪えなかったものの上々の内容でゴールレスドローという結果を手にしている。この試合の消化によってシティとの消化試合数が並ぶため、勝ち点1でも首位に返り咲けるが、悲願のプレミア初制覇に向けては難所オールド・トラフォードから勝ち点3を持ち帰りたい。
なお、スールシャール暫定監督はユナイテッドの指揮官としてリバプールと対戦するのはこれが初めてだが、カーディフを率いた2013-14シーズンにはロジャーズ前監督(現セルティック)が率いたリバプールと1度だけ対戦。その試合ではFWルイス・スアレス(現バルセロナ)にハットトリックを許すなど3-6の大敗を喫している。その一方、現役時代のリーグ戦での戦績は4勝4敗1分けの全くの五分で通算2ゴールを記録している。
▽マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン
DF:ヤング、バイリー、リンデロフ、ショー
MF:エレーラ、マクトミネイ、マタ、ポグバ
FW:ルカク、ラッシュフォード
負傷者:DFバレンシア、ダルミアン、ロホ、FWマルシャル
出場停止者:なし
ただ、就任以降相手の分析力に長けた采配を見せているスールシャール監督が対リバプール仕様としてサイドバックやセンターバック、ラッシュフォードの相棒に変更を行う可能性もあるはずだ。
▽リバプール予想スタメン

DF:アーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソン
MF:ワイナルドゥム、ヘンダーソン、ファビーニョ
FW:サラー、フィルミノ、マネ
負傷者:DFジョー・ゴメス、ロブレン、MFチェンバレン
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱中のジョー・ゴメス、マッチフットネスに問題を抱えるチェンバレンの2選手の欠場が確定。ただ、ロブレンに関してはベンチ入りの可能性がある。
前回対戦では[4-2-3-1]の布陣を採用して快勝を収めているが、ユナイテッドが新体制で戦い方を変えてきたこともあり、バランス重視の[4-3-3]を採用する見込みだ。直近のバイエルン戦をサスペンションで欠場したファン・ダイクが先発に戻り、ナビ・ケイタに代わってファビーニョが本職のセントラルMFに戻る以外に大きな変更はなさそうだ。
★注目選手
◆マンチェスター・ユナイテッド:GKダビド・デ・ヘア
前回対戦でもシュートの雨あられを浴びたリバプール戦ではトッテナム戦ほどではないにしろ、試合を通して押し込まれる状況が続くはずだ。その中でデ・ヘアがいかに相手の決定機を凌ぎ続けられるかが、ユナイテッド勝利のカギを握る。
◆リバプール:DFアンドリュー・ロバートソン
今回の対戦ではユナイテッドが新体制移行で大きく戦い方を変化させた中、通常の[4-3-1-2]の布陣を採用してきた場合、2トップの右を務める絶好調のラッシュフォードとマッチアップする可能性が高い。前線でボールを収めるタイプではない相手10番はファン・ダイクとのマッチアップを避けてサイドに流れる形が想定されており、守備時のロバートソンの対応が重要になるはずだ。加えて、持ち味の攻撃参加から決定的な仕事も果たしたい。
ユナイテッドは奇しくも今回の対戦相手リバプールとの前回対戦での大敗を受けて、モウリーニョ前監督の退任およびスールシャール暫定監督の就任が決定した。そして、この監督交代をキッカケに完全復活した赤い悪魔は先週に行われたチャンピオンズリーグ(CL)のパリ・サンジェルマン(PSG)戦で新体制初黒星を喫したものの、プレミアリーグでは8勝1分けと9戦無敗を継続。CL出場圏内の4位に急浮上している。さらに、FAカップではトップ4争いのライバルであるアーセナル、チェルシー相手にいずれも快勝と、現役時代にサー・アレックス・ファーガソンの薫陶を受けたノルウェー人指揮官の下でかつての常勝軍団の雰囲気を醸し出している。
一方、2018年は圧巻の強さを見せつけたリバプールだったが、2019年に入ると度重なる負傷者の影響もあり急失速。新年初戦となったシティとの直接対決での敗戦を含め、公式戦8試合で3勝2敗3分けの戦績だ。それでも、ミッドウィークに行われたCLバイエルン戦ではディフェンスリーダーのDFファン・ダイクを欠く中、ゴールこそ奪えなかったものの上々の内容でゴールレスドローという結果を手にしている。この試合の消化によってシティとの消化試合数が並ぶため、勝ち点1でも首位に返り咲けるが、悲願のプレミア初制覇に向けては難所オールド・トラフォードから勝ち点3を持ち帰りたい。
◆マンチェスター・ユナイテッド◆
【4-3-1-2】
【4-3-1-2】
▽マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:デ・ヘアDF:ヤング、バイリー、リンデロフ、ショー
MF:エレーラ、マクトミネイ、マタ、ポグバ
FW:ルカク、ラッシュフォード
負傷者:DFバレンシア、ダルミアン、ロホ、FWマルシャル
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては最終ラインのバックアッパーの3選手の欠場が確定。一方で、先日のPSG戦で負傷したマルシャルのほか、マティッチがメンバーから外れており、中盤アンカーの代役としてマクトミネイが先発か。
ただ、就任以降相手の分析力に長けた采配を見せているスールシャール監督が対リバプール仕様としてサイドバックやセンターバック、ラッシュフォードの相棒に変更を行う可能性もあるはずだ。
◆リバプール◆
【4-3-3】
【4-3-3】
▽リバプール予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:アリソンDF:アーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソン
MF:ワイナルドゥム、ヘンダーソン、ファビーニョ
FW:サラー、フィルミノ、マネ
負傷者:DFジョー・ゴメス、ロブレン、MFチェンバレン
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱中のジョー・ゴメス、マッチフットネスに問題を抱えるチェンバレンの2選手の欠場が確定。ただ、ロブレンに関してはベンチ入りの可能性がある。
前回対戦では[4-2-3-1]の布陣を採用して快勝を収めているが、ユナイテッドが新体制で戦い方を変えてきたこともあり、バランス重視の[4-3-3]を採用する見込みだ。直近のバイエルン戦をサスペンションで欠場したファン・ダイクが先発に戻り、ナビ・ケイタに代わってファビーニョが本職のセントラルMFに戻る以外に大きな変更はなさそうだ。
★注目選手
◆マンチェスター・ユナイテッド:GKダビド・デ・ヘア

Getty Images
マンチェスター・ユナイテッドの注目プレーヤーは、“聖ダビド”の異名を持つ守護神デ・ヘアだ。今季序盤戦はロシア・ワールドカップのショック、モウリーニョ前体制で精彩を欠いた最終ラインに引きずられる形で本来のパフォーマンスを取り戻せずにいたが、スールシャール新体制移行後はやや隙も多い最終ラインを圧巻のパフォーマンスで支える。とりわけ、先日のトッテナム戦では勝ち点0でもおかしくないほど多くのピンチに晒されながらも、再三のスーパーセーブでクリーンシートを達成。まさに守護神という活躍ぶりだった。前回対戦でもシュートの雨あられを浴びたリバプール戦ではトッテナム戦ほどではないにしろ、試合を通して押し込まれる状況が続くはずだ。その中でデ・ヘアがいかに相手の決定機を凌ぎ続けられるかが、ユナイテッド勝利のカギを握る。
◆リバプール:DFアンドリュー・ロバートソン

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リバプールの注目プレーヤーは攻守両面で安定感際立つロバートソンだ。加入2年目を迎えて完全覚醒のスコットランド代表DFは豊富な運動量、球際の強さ、抜群の攻撃センスを生かして多くの試合で左サイドに優位性をもたらす、ディフェンスリーダーのファン・ダイクと共にチームに欠かせないリーダーだ。前回対戦では相手が右ウイングを置かない変則の布陣を採用した中、終始高い位置を取って攻撃をけん引していた。今回の対戦ではユナイテッドが新体制移行で大きく戦い方を変化させた中、通常の[4-3-1-2]の布陣を採用してきた場合、2トップの右を務める絶好調のラッシュフォードとマッチアップする可能性が高い。前線でボールを収めるタイプではない相手10番はファン・ダイクとのマッチアップを避けてサイドに流れる形が想定されており、守備時のロバートソンの対応が重要になるはずだ。加えて、持ち味の攻撃参加から決定的な仕事も果たしたい。
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