【プレミアリーグ前半戦総括】超WS選出の最優秀選手はファン・ダイク!
2019.01.10 18:00 Thu
★リバプールが無敗で折り返し、シティ&トッテナムが猛追
昨季圧倒的な強さで優勝を飾ったマンチェスター・シティが2連覇に向けて今シーズンも快調なスタートを切った。しかし、そんな王者の貫禄を霞ませるチームが現れた。
クロップ体制4年目を迎えたリバプールは昨季のチャンピオンズリーグ(CL)で決勝に進んだ勢いそのままに好スタートを切った。第5節でトッテナムを下すなど開幕からの連勝を「6」まで伸ばしたが、第7節チェルシー戦、第8節シティ戦、第11節アーセナル戦ではいずれもドロー。しかし、チェルシー戦は試合終了間際に同点に追いつき、シティ戦はハイレベルな睨み合いが続いた末のドロー。予想を上回るパフォーマンスを見せつけられたアーセナル戦も悲観する内容では全くなかった。それよりも、試合を重ねるごとに、復調した昨季得点王FWサラーや難なくクロップスタイルにアジャストしたFWシャキリが揃って活躍したチームが第17節でマンチェスター・ユナイテッドを圧倒した試合は圧巻だった。結局、リバプールは前半戦を16勝3分けの無敗で折り返した。
王者シティの先を行ったのはリバプールだけではない。前半戦を15勝4敗で折り返したトッテナムが、クラブ史上最多の勝ち点を積み上げて2位に入った。第4節と第5節で連敗を喫した際は今後が危ぶまれるも、リバプール、シティ、アーセナルといった上位クラブ相手の黒星を除けば、下位相手から安定して勝利を挙げられたことがこの順位にいる最も大きな要因だろう。
3位で折り返したシティは第15節まで13勝2分けで首位につけていた。昨季に続く桁外れの攻撃力を継続し、守備でも隙を作らせない完璧なフットボールを展開。しかし、第16節でチェルシーの堅守を前に敗れ去ると、年末の第18節クリスタル・パレス戦と第19節のレスター・シティ戦でまさかの連敗。その2試合では守備の連係ミスが目立ち、世間ではリバプールへのクリスマスプレゼントだと騒がれた。
チェルシー同様、ウナイ・エメリ監督を招へいし新指揮官の下で新シーズンをスタートさせたアーセナルは、シティ、チェルシーと続いた開幕2戦で連敗スタートを切ったものの、その後は対戦相手にも恵まれたこともあり7連勝。第17節でサウサンプトンに敗れるまで15試合無敗を継続。しかし、無敗とはいえ格下相手の引き分けやトップ6との力の差を痛感させられた新生ガナーズは、ハイレベルな争いを見せる上位陣についていくことはできなかった。
「3年目が肝」と言われるモウリーニョ監督はやはり最後のシーズンとなった。ユナイテッドは開幕から負けと引き分けを積み重ね、第17節のリバプール戦での惨敗を最後にポルトガル人指揮官が解任の憂き目に。完全に覇気を失った赤い悪魔の再建を託されたのはクラブのレジェンド、スールシャールだった。ノルウェー人指揮官率いるユナイテッドは、第18節でこれまでの鬱憤を晴らすかのように大量5得点を奪い快勝を収めると、続く第19節でも前監督と不仲説もあったMFポグバの2ゴールなどで、連勝してシーズンを折り返した。
その他では、前半戦はFW岡崎慎司がノーゴールに終わったレスターは7位で折り返すまずまずの結果に。フォクシーズの前半戦のハイライトは何と言っても第18節と第19節で、チェルシー、シティを相手に連勝を飾ったこと。“ビッグ6キラー"ヴァーディの活躍と、リカルド・ペレイラのスーパーゴールで勝利をもぎ取り、気持ちよくシーズンを折り返した。
一方、DF吉田麻也のサウサンプトンは厳しい前半戦に。第4節のクリスタル・パレス戦で初勝利を挙げるも、以降は第16節まで勝利なし。その間、12月4日に昨季までライプツィヒを率いていたハッセンヒュッテル新監督を招へい。第17節のアーセナル戦、第18節のハダースフィールド戦で連勝し、16位でシーズンを折り返した。なお吉田は8試合の出場だった。
また、今季からFW武藤嘉紀が加入したニューカッスルは第10節まで未勝利と最悪の船出に。しかし、その後は3連勝を収め前半戦はなんとか15位に踏みとどまった。プレミア初挑戦の武藤は第8節のユナイテッド戦で初ゴールを記録した。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆DFヴィルヒル・ファン・ダイク(リバプール)
サラー、フィルミノ、マネによる強力攻撃ユニットに注目が集まりがちだが、それよりも特筆すべきは失点の少なさ。前半戦はわずか7失点で、複数失点した試合はゼロ。今季新加入の守護神アリソンと共にその堅牢な守備を築いたのはディフェンスリーダーのファン・ダイクだ。昨年1月に加入し2シーズン目を迎えているオランダ代表DFはサウサンプトン戦の途中交代を除いてフル稼働。高さ・スピード・読みを兼ね備え、さらにその強烈なキャプテンシーでリバプール守備陣をまとめ上げ、無敗のチームを攻守両面で支えた。
★最優秀監督
◆マウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)
リバプールのクロップ監督も見事だが、ここはトッテナムを2位に導いているポチェッティーノ監督を推したい。就任5年目の今季は、ワールドカップによって例年よりも選手たちのリフレッシュが望めないにもかかわらず、夏にまさかの補強ゼロで新シーズンに臨むことになった。案の定、負傷者は続出。DFヴェルトンゲンやMFムサ・デンベレ、DFダビンソン・サンチェスなどの主力選手のいずれかを常に欠いた状態での試合が続いた。そんな中でも複数のシステムを使い分け、巧みにチームをオーガナイズ。MFムサ・シソコの覚醒にも助けられ、前半戦はプレミア創設以降ではクラブ史上最高の15勝4敗という成績を収めた。
【期待以上】
★チーム
◆ウォルバーハンプトン
期待以上の成果を収めたのが、昨季のチャンピオンシップ王者ウォルバーハンプトンだ。世界最高の代理人、ジョルジュ・メンデスを後ろ盾に、近年ポルトガル化が進むウルブスは、昨夏もスポルティング・リスボンからポルトガル代表GKルイ・パトリシオや、同MFモウティーニョら即戦力を補強。そして、両者とも前半戦全試合に出場する活躍を披露した。ポルトガル人指揮官ヌーノ・エスピーリト・サントに率いられた狼軍団は7シーズンぶりのプレミアの波に苦しめられたものの、序盤からシティやユナイテッド、アーセナル相手にドローに持ち込む熱戦を展開。ついには第15節のチェルシー戦で大金星を勝ち取った。また、ユナイテッドと引き分けた9月には4試合で3勝1分けの好成績を残し、同監督は月間最優秀監督に選ばれている。
★選手
◆FWジェルダン・シャキリ(リバプール)
降格したストーク・シティから1350万ポンド(約20億円)の移籍金でやってきたスイス人アタッカーは当初、指揮官の慎重な起用法もあり適応は遅れた。それでも、途中出場から流れを変えるジョーカーとして機能し始めると、周囲との連携構築も重なりサラー、フィルミノ、マネという強力ユニットに組み込まれることに。圧巻だったのは第17節のユナイテッド戦。同点で迎えた70分に途中出場したシャキリはそこから2点を決めて、リバプールを勝利に導いたのだ。加入当初はトリデンテの控えと考えられていたシャキリだが、見事にクロップ監督の信頼を掴み、前半戦は14試合で6ゴール2アシストという記録を残した。
【期待外れ】
★チーム
◆マンチェスター・ユナイテッド
前半戦の期待外れチームはユナイテッド一択だろう。3年目のモウリーニョに率いられたレッドデビルズには過去の黄金時代のような圧倒的な強さはなく、格下相手との試合でも紙一重の戦いが続いた。全く調子が上がらないチームは監督と選手らの不仲説まで浮上。そして、第17節のリバプール戦を最後にモウリーニョ政権は崩れ去った。しかし、後任指揮官に就任したスールシャール監督がかつてのユナイテッドを取り戻そうと奮闘中。就任からのリーグ戦2試合で合計8得点を奪って連勝。第18節のカーディフ戦では、サー・アレックス・ファーガソン元監督の最終戦以来となる5得点を決めるなど、後半戦での復活を予感させるゲームを見せた。
★選手
◆FWアレクシス・サンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)
期待外れの選手もユナイテッドから。昨年1月に鳴り物入りで加入したサンチェスだが、昨季からの低パフォーマンスが今季も続き、前半戦でフル出場したのは開幕節の1試合のみとなった。試合に出ても周囲との連係が合わず、孤立してしまう場面が散見された。さらに悪いことに、11月末にトレーニングでハムストリングを負傷し、試合が重なる大事な12月に丸々1カ月間離脱することとなった。他にも期待を裏切った選手はいたものの、プレミア史上最高給プレーヤーへの批判は避けられない。
【後半戦展望】※勝ち点と順位は第19節終了時点のもの
★リバプールはスパーズ&シティからの猛追を振り払えるか、チェルシーら第2勢力はCL出場権を絶対目標にどこまで上がれるか
首位を走るリバプールの背後にピタリとつけていたシティが前半戦最後に2連敗を喫してしまったことでシーズン折り返しの地点で、首位リバプール(勝ち点51※)と2位のトッテナム(勝ち点45)の差は「6」となった。シティ(勝ち点44)は連敗が響いて3位に。
後半戦もリバプールを中心に回ることは間違いない。格下相手に取りこぼすことがほとんど期待できないため、トッテナムやシティは直接対決で勝ち点を詰めていくしかない。また、各チームの日程に注目すると、リバプールはすでに国内カップ戦で敗れているため、トッテナムやシティよりも疲労の蓄積は少ない。トッテナムはEFLカップではチェルシーとのビッグマッチが控えているうえ、主力のFWソン・フンミンがアジアカップ参加による一時離脱を余儀なくされてしまうため、厳しい状況となる。
これら3クラブとはやや差の開いたチェルシー(勝ち点40)は、CL出場圏内の4位をキープしつつ、上位との差を埋めていきたい。5位のアーセナル(勝ち点38)も同様で、これ以上の取りこぼしは許されない。6位に沈むユナイテッド(勝ち点37)はこれからが地力の見せ所だ。連勝スタートを切ったスールシャール監督の下、どこまで勝ち点を積み上げられるか。
残留争いでは、最下位のハダースフィールド(勝ち点10)から16位のサウサンプトン(勝ち点15)まで、勝ち点差「5」の間で5チームがひしめき合っている。19位のフルアム(勝ち点11)はラニエリ新監督がどこまでチームを建て直せるかにかかっている。18位のバーンリー(勝ち点12)は堅守速攻が機能した昨季の7位躍進が見る影もなく、ショーン・ダイク監督は後半戦序盤が正念場となりそうだ。
昨季圧倒的な強さで優勝を飾ったマンチェスター・シティが2連覇に向けて今シーズンも快調なスタートを切った。しかし、そんな王者の貫禄を霞ませるチームが現れた。
クロップ体制4年目を迎えたリバプールは昨季のチャンピオンズリーグ(CL)で決勝に進んだ勢いそのままに好スタートを切った。第5節でトッテナムを下すなど開幕からの連勝を「6」まで伸ばしたが、第7節チェルシー戦、第8節シティ戦、第11節アーセナル戦ではいずれもドロー。しかし、チェルシー戦は試合終了間際に同点に追いつき、シティ戦はハイレベルな睨み合いが続いた末のドロー。予想を上回るパフォーマンスを見せつけられたアーセナル戦も悲観する内容では全くなかった。それよりも、試合を重ねるごとに、復調した昨季得点王FWサラーや難なくクロップスタイルにアジャストしたFWシャキリが揃って活躍したチームが第17節でマンチェスター・ユナイテッドを圧倒した試合は圧巻だった。結局、リバプールは前半戦を16勝3分けの無敗で折り返した。
3位で折り返したシティは第15節まで13勝2分けで首位につけていた。昨季に続く桁外れの攻撃力を継続し、守備でも隙を作らせない完璧なフットボールを展開。しかし、第16節でチェルシーの堅守を前に敗れ去ると、年末の第18節クリスタル・パレス戦と第19節のレスター・シティ戦でまさかの連敗。その2試合では守備の連係ミスが目立ち、世間ではリバプールへのクリスマスプレゼントだと騒がれた。
上位3チームから少し水をあけられた感があるのは4位のチェルシーだ。今季から新たにサッリ監督を招へいしたブルーズは、イタリア人指揮官が古巣ナポリから連れてきたMFジョルジーニョを中心にスペクタクルなパスサッカーを披露し第12節まで無敗を保った。だが、第13節でトッテナムに無残に敗れ去ると、以降対戦相手にジョルジーニョ封じを徹底され、起点を失ったチームはそれまでのパスサッカーが見る影もなくなった。結果、アザール頼みとなったサッカーは安定感を欠き、第15節のウォルバーハンプトン戦、第18節のレスター戦で黒星を喫した。ここまで取りこぼしが目立ち前半戦は勝ち点「40」にとどまった。
チェルシー同様、ウナイ・エメリ監督を招へいし新指揮官の下で新シーズンをスタートさせたアーセナルは、シティ、チェルシーと続いた開幕2戦で連敗スタートを切ったものの、その後は対戦相手にも恵まれたこともあり7連勝。第17節でサウサンプトンに敗れるまで15試合無敗を継続。しかし、無敗とはいえ格下相手の引き分けやトップ6との力の差を痛感させられた新生ガナーズは、ハイレベルな争いを見せる上位陣についていくことはできなかった。
「3年目が肝」と言われるモウリーニョ監督はやはり最後のシーズンとなった。ユナイテッドは開幕から負けと引き分けを積み重ね、第17節のリバプール戦での惨敗を最後にポルトガル人指揮官が解任の憂き目に。完全に覇気を失った赤い悪魔の再建を託されたのはクラブのレジェンド、スールシャールだった。ノルウェー人指揮官率いるユナイテッドは、第18節でこれまでの鬱憤を晴らすかのように大量5得点を奪い快勝を収めると、続く第19節でも前監督と不仲説もあったMFポグバの2ゴールなどで、連勝してシーズンを折り返した。
その他では、前半戦はFW岡崎慎司がノーゴールに終わったレスターは7位で折り返すまずまずの結果に。フォクシーズの前半戦のハイライトは何と言っても第18節と第19節で、チェルシー、シティを相手に連勝を飾ったこと。“ビッグ6キラー"ヴァーディの活躍と、リカルド・ペレイラのスーパーゴールで勝利をもぎ取り、気持ちよくシーズンを折り返した。
一方、DF吉田麻也のサウサンプトンは厳しい前半戦に。第4節のクリスタル・パレス戦で初勝利を挙げるも、以降は第16節まで勝利なし。その間、12月4日に昨季までライプツィヒを率いていたハッセンヒュッテル新監督を招へい。第17節のアーセナル戦、第18節のハダースフィールド戦で連勝し、16位でシーズンを折り返した。なお吉田は8試合の出場だった。
また、今季からFW武藤嘉紀が加入したニューカッスルは第10節まで未勝利と最悪の船出に。しかし、その後は3連勝を収め前半戦はなんとか15位に踏みとどまった。プレミア初挑戦の武藤は第8節のユナイテッド戦で初ゴールを記録した。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆DFヴィルヒル・ファン・ダイク(リバプール)

Getty Images
サラー、フィルミノ、マネによる強力攻撃ユニットに注目が集まりがちだが、それよりも特筆すべきは失点の少なさ。前半戦はわずか7失点で、複数失点した試合はゼロ。今季新加入の守護神アリソンと共にその堅牢な守備を築いたのはディフェンスリーダーのファン・ダイクだ。昨年1月に加入し2シーズン目を迎えているオランダ代表DFはサウサンプトン戦の途中交代を除いてフル稼働。高さ・スピード・読みを兼ね備え、さらにその強烈なキャプテンシーでリバプール守備陣をまとめ上げ、無敗のチームを攻守両面で支えた。
★最優秀監督
◆マウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)

Getty Images
リバプールのクロップ監督も見事だが、ここはトッテナムを2位に導いているポチェッティーノ監督を推したい。就任5年目の今季は、ワールドカップによって例年よりも選手たちのリフレッシュが望めないにもかかわらず、夏にまさかの補強ゼロで新シーズンに臨むことになった。案の定、負傷者は続出。DFヴェルトンゲンやMFムサ・デンベレ、DFダビンソン・サンチェスなどの主力選手のいずれかを常に欠いた状態での試合が続いた。そんな中でも複数のシステムを使い分け、巧みにチームをオーガナイズ。MFムサ・シソコの覚醒にも助けられ、前半戦はプレミア創設以降ではクラブ史上最高の15勝4敗という成績を収めた。
【期待以上】
★チーム
◆ウォルバーハンプトン

Getty Images
期待以上の成果を収めたのが、昨季のチャンピオンシップ王者ウォルバーハンプトンだ。世界最高の代理人、ジョルジュ・メンデスを後ろ盾に、近年ポルトガル化が進むウルブスは、昨夏もスポルティング・リスボンからポルトガル代表GKルイ・パトリシオや、同MFモウティーニョら即戦力を補強。そして、両者とも前半戦全試合に出場する活躍を披露した。ポルトガル人指揮官ヌーノ・エスピーリト・サントに率いられた狼軍団は7シーズンぶりのプレミアの波に苦しめられたものの、序盤からシティやユナイテッド、アーセナル相手にドローに持ち込む熱戦を展開。ついには第15節のチェルシー戦で大金星を勝ち取った。また、ユナイテッドと引き分けた9月には4試合で3勝1分けの好成績を残し、同監督は月間最優秀監督に選ばれている。
★選手
◆FWジェルダン・シャキリ(リバプール)

Getty Images
降格したストーク・シティから1350万ポンド(約20億円)の移籍金でやってきたスイス人アタッカーは当初、指揮官の慎重な起用法もあり適応は遅れた。それでも、途中出場から流れを変えるジョーカーとして機能し始めると、周囲との連携構築も重なりサラー、フィルミノ、マネという強力ユニットに組み込まれることに。圧巻だったのは第17節のユナイテッド戦。同点で迎えた70分に途中出場したシャキリはそこから2点を決めて、リバプールを勝利に導いたのだ。加入当初はトリデンテの控えと考えられていたシャキリだが、見事にクロップ監督の信頼を掴み、前半戦は14試合で6ゴール2アシストという記録を残した。
【期待外れ】
★チーム
◆マンチェスター・ユナイテッド

Getty Images
前半戦の期待外れチームはユナイテッド一択だろう。3年目のモウリーニョに率いられたレッドデビルズには過去の黄金時代のような圧倒的な強さはなく、格下相手との試合でも紙一重の戦いが続いた。全く調子が上がらないチームは監督と選手らの不仲説まで浮上。そして、第17節のリバプール戦を最後にモウリーニョ政権は崩れ去った。しかし、後任指揮官に就任したスールシャール監督がかつてのユナイテッドを取り戻そうと奮闘中。就任からのリーグ戦2試合で合計8得点を奪って連勝。第18節のカーディフ戦では、サー・アレックス・ファーガソン元監督の最終戦以来となる5得点を決めるなど、後半戦での復活を予感させるゲームを見せた。
★選手
◆FWアレクシス・サンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)

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期待外れの選手もユナイテッドから。昨年1月に鳴り物入りで加入したサンチェスだが、昨季からの低パフォーマンスが今季も続き、前半戦でフル出場したのは開幕節の1試合のみとなった。試合に出ても周囲との連係が合わず、孤立してしまう場面が散見された。さらに悪いことに、11月末にトレーニングでハムストリングを負傷し、試合が重なる大事な12月に丸々1カ月間離脱することとなった。他にも期待を裏切った選手はいたものの、プレミア史上最高給プレーヤーへの批判は避けられない。
【後半戦展望】※勝ち点と順位は第19節終了時点のもの
★リバプールはスパーズ&シティからの猛追を振り払えるか、チェルシーら第2勢力はCL出場権を絶対目標にどこまで上がれるか
首位を走るリバプールの背後にピタリとつけていたシティが前半戦最後に2連敗を喫してしまったことでシーズン折り返しの地点で、首位リバプール(勝ち点51※)と2位のトッテナム(勝ち点45)の差は「6」となった。シティ(勝ち点44)は連敗が響いて3位に。
後半戦もリバプールを中心に回ることは間違いない。格下相手に取りこぼすことがほとんど期待できないため、トッテナムやシティは直接対決で勝ち点を詰めていくしかない。また、各チームの日程に注目すると、リバプールはすでに国内カップ戦で敗れているため、トッテナムやシティよりも疲労の蓄積は少ない。トッテナムはEFLカップではチェルシーとのビッグマッチが控えているうえ、主力のFWソン・フンミンがアジアカップ参加による一時離脱を余儀なくされてしまうため、厳しい状況となる。
これら3クラブとはやや差の開いたチェルシー(勝ち点40)は、CL出場圏内の4位をキープしつつ、上位との差を埋めていきたい。5位のアーセナル(勝ち点38)も同様で、これ以上の取りこぼしは許されない。6位に沈むユナイテッド(勝ち点37)はこれからが地力の見せ所だ。連勝スタートを切ったスールシャール監督の下、どこまで勝ち点を積み上げられるか。
残留争いでは、最下位のハダースフィールド(勝ち点10)から16位のサウサンプトン(勝ち点15)まで、勝ち点差「5」の間で5チームがひしめき合っている。19位のフルアム(勝ち点11)はラニエリ新監督がどこまでチームを建て直せるかにかかっている。18位のバーンリー(勝ち点12)は堅守速攻が機能した昨季の7位躍進が見る影もなく、ショーン・ダイク監督は後半戦序盤が正念場となりそうだ。
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▽リバプールのレジェンドGKであるトミー・ローレンス氏が10日、77歳で死去した。 ▽1957年10月に17歳でリバプールとプロ契約を結んだローレンス氏は、トップリーグで2度の優勝、FAカップで1度の優勝に貢献。名将ビル・シャンクリー体制となって低迷期からの脱却を図っていた時代のリバプールを支えた守護神だった。 ▽リバプールでは1971年に退団するまで公式戦390試合に出場した。 2018.01.11 01:00 Thu4
まさにアンフィールド劇場! リバプールがジョタ劇的弾で3点差追いつかれての痛恨ドローゲームを劇的4連勝に変える! スパーズは新体制初黒星《プレミアリーグ》
プレミアリーグ第34節、リバプールvsトッテナムが4月30日にアンフィールドで行われ、ホームのリバプールが4-3で勝利した。 逆転でのトップ4フィニッシュへわずかながら可能性を残す7位のリバプール(勝ち点53)。前節はアウェイで復調のウェストハムと対戦し、苦戦しながらも2-1の逆転勝利。ノッティンガム・フォレスト戦に続き接戦をモノにして3連勝を達成した。今季最後の対ビッグ6戦で2度目の4連勝を狙うクロップのチームは、そのハマーズ戦から先発3人を変更。マティプとヘンダーソン、ジョタに代わってコナテとエリオット、長期離脱明け後初スタメンとなるルイス・ディアスが起用された。 一方、5位のトッテナム(勝ち点54)はライアン・メイソン新体制の初陣となった前節にマンチェスター・ユナイテッドと対戦。前半に2点のビハインドを背負ったが、盛り返した後半に2点差を追いついてドローに持ち込んだ。鬼門アンフィールドでの中2日でのアウェイゲームで新体制初勝利を目指した新生スパーズは先発2人を変更。ラングレとリシャルリソンに代えてベン・デイビスとクルゼフスキを起用した。 注目の名門対決はホームのリバプールが電光石火の先制点を奪う。開始3分、バイタルエリアでのガクポのボールキープから右サイドのサラーに展開。ボックス右角でDF3人を引き付けたサラーからマイナスのパスを受けたアレクサンダー=アーノルドが高精度のクロスをファーのスペースへ落とすと、これにフリーで反応したカーティス・ジョーンズが左足ダイレクトで合わせた。 ホームで最高の入りとなったホームチームは、さらに畳みかける。5分、再びバイタルエリアでのアレクサンダー=アーノルドの粘りから右に張ったサラーの足元にボールが入る。ここでサラーがポケットへのランニングを見せたガクポにスルーパスを送ると、ガクポがゴールラインぎりぎりで折り返す。これにニアで反応したディアスがスタメン復帰を自ら祝う8カ月ぶりのゴールとした。 これで完全にノッたクロップのチームは、明らかに動揺するアウェイチームを一方的に攻め立てて早い時間帯に試合を決めようと攻勢を継続。すると、14分にはボックス内でややボールコントロールが大きくなったガクポがDFロメロにアフターで倒される形となってPKを獲得。これがリバプールでの通算300試合目となったエースのサラーが中央の上部へ強烈なシュートを突き刺し、自身のメモリアルゲームをゴールで祝った。 一方、21分までの5失点を喫した前々節のニューカッスル戦の再現かのような低調な入りとなり、早くもアウェイまで駆けつけた一部サポーターがスタジアムをあとにする様子も映されたトッテナム。前半のうちに1点を返せば、ユナイテッド戦のような展開に持ち込むことも可能だが、相手の攻勢を何とか凌ぐので精一杯という状況が続く。 その後、3点リードによってリバプールがペースを落としたことで、防戦一方の状況を脱したトッテナムは、覚悟を決めた前線からの守備に加え、相手のプレスを何とかいなすパスワークでボールを前進させる場面を増やしていく。そして、前半終盤にかけて決死の猛攻を仕掛けていく。 39分、ロバートソンからボールを奪ってのショートカウンターからケインの絶妙なラストパスを受けたソン・フンミンのボックス内でのシュートはDFファン・ダイクの見事なゴールカバーに阻まれる。だが、この直後には自陣低い位置でのビルドアップから左サイドでの鮮やかなパス交換を見せる。そして、スキップの圧巻のダイレクトスルーパスに抜け出した左サイドのペリシッチがファン・ダイクを振り切ってロバートソンの頭上を越える浮き球クロスを供給すると、フリーのケインが右足ボレーで叩き込んだ。 前半の内に反撃の狼煙を上げるゴールを挙げて勢いを取り戻したメイソンのチームは、直後の41分にもビッグチャンス。再びロバートソンのところで引っかけたカウンターからボックス内に持ち込んだクルゼフスキが左足のシュートを狙ったが、これはGKアリソンの左足を使ったビッグセーブに阻まれた。畳みかける連続ゴールはならずも、ピッチサイドのクロップ監督に苦い表情を浮かべさせるなど勝ち点の望みを繋げて前半を終えることになった。 迎えた後半、互いに戦術面の修正と共にメンタル面を引き締めて臨んだ中、立ち上がりは拮抗した展開に。それでも、前半終盤からのよい流れを継続するトッテナムが続けて決定機を創出していく。 54分にはクルゼフスキとケインの見事なラストパスからソン・フンミン、ケインが続けてボックス付近で際どいシュートを放つが、いずれも左右のポストに嫌われる。さらに、57分にはペドロ・ポロがクロスを匂わせつつ、ボックス右角から強烈なミドルシュートを枠に飛ばすが、これはGKアリソンの好守に阻まれた。 以降は次の1点をどちらが奪うかで大きく試合の流れが変わりそうな緊迫感のある攻防が続いていく。その中でこの試合に関してはオープンな攻防でやや劣勢のリバプールはテンポをコントロールしつつ、63分にはディアスとエリオットを下げてジョタとヘンダーソンの主力コンビをピッチへ送り込んだ。 一方、前半途中から[3-5-2]の形で戦っていたトッテナムは66分にクルゼフスキを下げて右のインサイドハーフにパプ・サールを投入。このタイミングではリシャルリソンやダンジュマを投入してギャンブルに出ることを見送った。 一連の交代ではリバプールがうまく膠着状態に持ち込んだかに思われたが、トッテナムが再び鮮やかなコンビプレーでゴールをこじ開ける。77分、ハーフウェイライン付近でボールを受けたロメロがウェーブの動きでディフェンスラインの背後を狙ったソン・フンミンへ完璧なスルーパスを供給。そのままボックス内に持ち込んだ韓国代表FWが2試合連続となるゴールを記録した。 これで一気に勝敗がわからなくなると、押せ押せのトッテナムはこのタイミングで勝負に出る。直前にジョタとの接触で流血したスキップを下げて84分に元エバートンのエースFWリシャルリソンを投入。さらに、90分には両ウイングバックを下げてルーカス・モウラ、ダンジュマとピッチ内に5人のストライカーを同居させることに。 すると、指揮官の勝負手が土壇場での同点ゴールをもたらす。6分が加えられたアディショナルタイムの93分、相手陣内左サイドで得たFKの場面でキッカーのソン・フンミンが右足インスウィングの正確なボールをゴール前のスペースに落とすと、これに飛び込んだリシャルリソンがヌニェスと交錯しながらも頭でわずかにコースを変えてピッチに叩きつけると、GKアリソンの頭上を越えたボールがゴールネットを揺らした。 元トフィーズのエースの今季リーグ戦初ゴールによってさすがに一瞬静まり返ったアンフィールドだったが、そのわずか1分後にはこの試合最大の歓声がスタジアムを包んだ。94分、GKアリソンのロングフィードをルーカス・モウラが不用意にフリックの形で後ろにボールを下げると、これを狙っていたジョタがかっさらってそのままボックス左に持ち込むと、左足の正確なシュートをゴール右隅に流し込んだ。 そして、3点差を追いつかれての痛恨のドローゲームとなりかけた一戦を劇的な4-3の勝利に変えたリバプールが、シックスポインターを制して4連勝。上位陣の勝利で勝ち点差こそ縮まらなかったが、5位浮上に成功した。一方、2試合連続で複数失点から追いつく気概を見せたトッテナムだったが、脆弱な守備と勝負弱さによって新体制初黒星と共に4戦未勝利となった。 2023.05.01 02:42 Mon5