カタールのW杯招致に新たな疑惑…競合国でネガティブキャンペーンを実施か

2018.07.30 06:40 Mon
2022FIFAワールドカップの開催地招致を巡り、カタールが競合国の招致を妨害するキャンペーンを秘密裏に実施していたのかもしれない。複数のイギリスメディアが、この疑惑を報じている。

『サンデータイムズ』によると、カタールのW杯組織委員会はアメリカの広告会社と元CIAの諜報員を雇い、W杯開催のライバル、主にアメリカとオーストラリアでネガティブキャンペーンを行ったという文書を入手したと掲載した。

主な目的は、W杯開催が国内で支持されていないという印象を与えるプロパガンダだったとしているが、カタールのW杯組織委員会は否定。W杯開催地の選定に関し、FIFAは「他国の招致活動について、いかなる文書や声明で妨害してはならない」とのルールを設けているため、もしカタールの工作が事実であれば、明確なルール違反となる。

なお、カタールW杯については汚職疑惑が取りざたされていたが、FIFAが2年間調査した結果、汚職の疑惑は晴らされていた。ただし、今回『サンデータイムズ』が入手した文書を、FIFAは調査中に入手できなかったようだ。

カタール最高委員会も『サンデータイムズ』の報道を否定。「私たちは徹底的に調査され、アメリカの弁護士、マイケル・ガルシア氏が率いる正式な調査を含む、招致に関連する全ての情報を開示している」との声明を発表し、「FIFAの規則に従い、全ての招致活動が行われた」と強調する。また、FIFAも「マイケル・ガルシア氏により、徹底的な調査が行われ、その結論は彼の報告書に記されている」とのコメントを発表した。

今回の報道に関して『BBC』のスポーツ担当編集者のダン・ロアン氏は、「今回の情報をマイケル・ガルシア氏が知らなかった場合、カタールでのW杯開催が危ぶまれることになる」と解説。そして「カタールは現在、近隣諸国の外交紛争に巻き込まれている。今回の文書がリークされた背景には、そうした外交問題の影響が考えられる」と指摘する。

さらに、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が、2022年のW杯から出場国を48に増やそうとしていることを踏まえ、今回の騒動がカタールから同意を得るための材料になる可能性を示唆した。


提供:goal.com

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