【W杯グループG最終節プレビュー】主力温存濃厚のイングランドvsベルギーの首位決戦

▽ロシア・ワールドカップ(W杯)グループG最終節が28日に開催する。27:00に同時刻開催で行われる最終節では、既に突破が決定したイングランドとベルギーの首位攻防戦、パナマとチュニジアの大会初勝利を懸けた一戦が行われる。◆順位表(第2節終了時点)
1.イングランド 6pt､2勝､0分､0敗､8得点､2失点､+6
1.ベルギー 6pt､2勝､0分､0敗､8得点､2失点､+6
3.チュニジア 0pt､0勝､0分､2敗､3得点､7失点､-4
4.パナマ 0pt､0勝､0分､2敗､1得点､9失点､-8※勝ち点で並んだ場合、得失点差、総得点、当該対決の戦績、反則ポイントの順で順位が決定
◆チーム情報:選手層試される首位通過懸かる一戦
▽首位通過が懸かるイングランドvsベルギーの一戦。チュニジアとの初戦を辛勝したイングランドだが、第2戦のパナマ戦ではエースFWケインのハットトリックを含めセットプレーを軸に大量6ゴールを奪って6-1の快勝を収め2強2弱と目されたグループリーグをきっちり突破した。ベルギーとの首位を懸けた一戦に向けては3連勝で首位を狙いたいところだが、決勝トーナメント1回戦の相手が不透明なことや2位通過のヤマが比較的ラクな対戦相手が目立つため主力を投入してまで無理に勝ちに行く必要はなさそうだ。したがって、累積警告で出場停止の危険性があるDFウォーカーやDFマグワイア、疲労が懸念されるMFヘンダーソンやMFヤングのベテランなど複数のポジションでターンオーバーを行う可能性が高そうだ。

▽一方、エースFWルカクが2試合連続2ゴールを記録するなど自慢の攻撃陣が個の力を発揮してパナマ、チュニジアに大勝して早々に突破を決めたベルギー。だが、そのルカクやMFアザール、FWメルテンスと前線の3人が負傷を抱えており、決勝トーナメントに向けて不安を残す。そのため、今回の一戦ではGKクルトワ、DFアルデルヴァイレルトを除き大幅なターンオーバーを行う模様だ。その一方で、キャプテンのDFコンパニ、DFヴェルメーレンとここまでコンディションに不安を抱えてきた2人のベテランDFの復帰が見込まれる。◆注目選手:レギュラーを脅かすのは
▽互いに大幅なターンオーバーが予想される中、両指揮官がどの選択を選ぶかは微妙なところだ。そのため、互いに複数の控え選手を注目選手に挙げたい。イングランドではW杯デビューが見込まれる19歳DFアーノルドに加え、MFダイアー、ラッシュフォードに注目。今大会ではトリッピアー、ヘンダーソン、ケインと彼らと同じポジションの主力が印象的なパフォーマンスを披露しており、ここからのポジション奪取は難しい。だが、彼らの有事に備えると共にサウスゲイト監督に新たな選択肢を与えるという部分で勝利に直結するプレーに加え、彼らにはない自身の特長を披露したいところだ。

▽一方、ベルギーでは強力3トップの代役が見込まれるFWバチュアイ、MFトルガン・アザール、MFティーレマンスの3選手に注目。とりわけ、ルカクの代役を担うバチュアイは今大会ですでにゴールを記録しているもののそれ以上に決定機逸が目立っており、より決定機が少ない今回のイングランド戦では決定力に磨きをかけたい。同様に兄エデンの代役を担うトルガン、チーム最年少のティーレマンスにはチームレベルが近いイングランド相手に存在感を示したい。

◆イングランド予想スタメン◆ベルギー予想スタメン

◆チーム情報:目指すは今大会初勝利
▽既にグループ敗退が決定しているパナマvsチュニジアだが、今大会初勝利を懸けて白熱の一戦が期待される。パナマはベルギーとの初戦では前半に粘りを見せた一方で後半に崩れて0-3、イングランドとの第2戦では前半にセットプレーから与えた5失点が響き1-6の大敗と改めてW杯のレベルの高さを痛感する結果となった。それでも、イングランド戦ではW杯史上初のゴールを記録するなど、きっちり爪痕を残しており、今回のチュニジア戦では初勝ち点、初勝利を目指す。

▽一方、勝ち点1奪取濃厚な状況から最終盤の失点で敗れたイングランド戦に続きベルギー戦では2-5の大敗を喫したチュニジア。それでも、2試合を通じて3ゴールを奪えており、攻撃面の機能性は十分だ。今大会で初めて格下と目されるパナマとの一戦では直近2戦のようにカウンター一辺倒の展開とはならないだけに遅攻などこれまで見せられなかった攻撃の形をみせ、勝利で今大会を終えたい。
◆注目選手:歴史的初ゴールの後は初勝利
▽パナマの注目選手はイングランド戦で歴史的なW杯初ゴールを記録した重鎮DFバロイだ。今大会ではバックアッパーと精神的な支柱という裏方の仕事に徹してきたが、パナマ代表史上屈指のDFはセットプレーからワンチャンスを生かし切って見事にゴールをこじ開けた。そして、DFムリージョの出場停止に伴いこのチュニジア戦では先発出場が濃厚だ。そのため、歴史的初ゴールの次は本職の守備で相手攻撃陣を封じて歴史的初勝利に貢献したい。

▽一方、チュニジアの注目選手は中盤の底で奮闘するMFスクヒリだ。チュニジアにルーツがあるものの、フランスで生まれ育ち今年3月に本大会に向けて代表初招集となった23歳MFは持ち味のボール奪取能力と正確なパス捌きでここ2戦劣勢を強いられたチームの中でまずまずのインパクトを残した。今回のパナマ戦では自身のもう1つの持ち味である強烈なミドルシュートを武器に攻撃面でも存在感を示したい。

◆パナマ予想スタメン◆チュニジア予想スタメン◆最終節
▽6/28
《27:00》
イングランド vs ベルギー
パナマ vs チュニジア