長友佑都が語る日本代表の理想と現実。4年前は「理想ばかりを追い求めていた」

2018.06.06 12:40 Wed
ロシア・ワールドカップに臨む日本代表は5日、オーストリアのゼーフェルトで事前合宿2日目を迎えた。長友佑都が8日に控えるスイス戦のポイントを語った。

初戦のコロンビア戦まで2週間を切った日本代表は、本格的なセットプレーでの攻守を入念に確認。得点力不足に悩む現状に起爆剤を用いたい狙いと、ガーナ戦を受けて守備での対策が詰められた。長友も「チャンスがあってもゴールが決めきれていない」と危機感を募らせ、「ボールに合わせるクロスとか、FKでもボールに合わせる精度の部分、感覚を長い時間で確かめられた」と振り返った。

特に意識した点として「もっと速いクロスとか、バリエーションをどんどん増やしていくこと」を挙げた長友。「やっぱりただ単に(クロスを)上げるだけでは正直、厳しいんでね。ガーナ戦でも何度も上げてますけど結局、得点には結びつかなかったり、相手に跳ね返されて、逆にカウンターになってしまうことがあった」と課題の修正部分をピックアップした。

■世界で戦う上での理想と現実セットプレーでの戦い方ももちろん、今の西野ジャパンはどのような戦い方でコロンビア、セネガル、ポーランドと戦うのかが注目されている。

「正直、ボールを自分たちが支配して持ちたい」と語りつつも、それは「甘くない」と長友。その理由として「ワールドカップは相手の方がクオリティが上だし、フィジカル面も上だと思う。だから、みんなが引いてブロックを作って守るって時間はやっぱり増えると思うけど、それだけでは勝つことは難しい」と理想と現実の狭間を痛感している。そのなかでも「西野さんはポゼッションの練習や、ボールの握り方をトライしています。でも、自分的には相手にボールを握られていたとしても全然焦りはなくて、ちゃんと取りに行く場所、はめる場所をみんなが明確にしていれば、むしろそっちの方が脅威になるかなと思う」と現実的な戦い方を強く推した。

理想と現実の狭間に置かれた状況は4年前も同じだった。ブラジルの時は「理想ばかりを追い求めてしまって、結局ワールドカップの舞台で結果が出なかった。それを経験して、理想ばかりでは勝てない」ことを身に染みて感じたという。

ブラジルでの失敗を経て「自分たちが下手だということを、自分たちが強くないことをまずはしっかりと認めて、自分たちにできるサッカーを100%出し切る」ことを長友自身は重要視している。

■「難しい状況の方が燃える」初戦のコロンビア戦まで実戦で連携などを確認できるのは、あと2試合。まずは8日のスイスとの親善試合が控える。スイスはFIFAランク6位の強豪。スペインと1-1で引き分けるなど、その実力は確かなものがある。長友と対峙することになるであろうジェルダン・シャキリは、スイスで最も警戒すべき選手の一人だ。

「カットインさせてシュートをさせると彼の特徴が出るので、そこは消しに行きたい。ただ、シャキリだけじゃなくて、リヒトシュタイナーがめちゃくちゃスプリントしてくるんで、前の選手との受け渡しだったり、マークの受け渡しはすごく難しくなる。1対2の状況を作られる可能性もたくさんあるので、すごく難しい状況にはなる」

そう言って警戒した長友だが「難しい状況の方が燃えるし、今まで何度も長友はもう厳しいんじゃないか、って言われたりもしてきましたけど、その度にそれを反骨心にして、這い上がってやるって気持ちでやってきた。むしろ自分にとっては難しい状況の方が楽しみな部分がある」と気負いすることは微塵もなかった。

日本代表は8日のスイス戦、12日のパラグアイ戦を経てロシア入りし、19日にコロンビアとのグループリーグ初戦を迎える。


提供:goal.com

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