ウェルベックが疑惑PKなど2Gに絡む活躍! ミランに連勝のアーセナルがベスト8進出《EL》

2018.03.16 07:13 Fri
Getty Images
▽ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16・2ndレグ、アーセナルvsミランが15日にアーセナル・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが3-1で勝利した。この結果、2戦合計5-1としたアーセナルの準々決勝進出が決定した。
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▽ラウンド16最注目カードとなったミランとアーセナルによる強豪対決初戦は、接戦が予想されながらも地力の差を見せつけたアーセナルが敵地で2-0の先勝を収めた。
▽公式戦4連敗の泥沼の中で敵地での初戦を制したアーセナルは、週末のワトフォード戦もリーグ12試合ぶりのクリーンシートで3-0の大勝。好調を維持するチームはそのワトフォード戦で温存したコシエルニーやラムジー、ウィルシャーに加え、負傷明けのモンレアルとベジェリンが復帰し、現状で起用可能なベストメンバーで臨んだ。

▽一方、公式戦13試合負けなしの好調さが嘘のように攻守に覇気のない戦いに終始し、ホームで痛恨の完敗となったミラン。それでも、直近のジェノア戦では後半ラストプレーの場面でFWアンドレ・シウバが値千金のセリエA初ゴールを奪い、鬼門ルイジ・フェラーリスで劇的な勝利を飾った。そのジェノア戦からはボナヴェントゥーラ、ビリア、カリニッチに代えて、モントリーボ、クトローネ、アンドレ・シウバを起用。クトローネ、アンドレ・シウバを2トップに配した[4-4-2]で臨んだ。

▽試合は開始1分に右サイドのスペースに飛び出したボリーニからの折り返しをゴール右のアンドレ・シウバがワンタッチで合わすが、これはわずかに枠の右に外れて電光石火の先制点とはならず。それでも、逆転突破に3点が必要なアウェイチームが前から圧力をかける積極的な入りを見せた。
▽一方、いきなり肝を冷やしたものの、その後は冷静にボールを動かして相手のプレスをいなして主導権を握るアーセナル。1stレグと同様にエジルの展開から左サイドのムヒタリアンが攻撃の起点となり、幾つか際どいクロスを供給していく。だが、10分には腰を痛めたコシエルニーがプレー続行不可能となり、チャンバースが緊急投入される事態となった。

▽前半半ばまでは相手のハイプレスを剥がして中盤で質の高いパスワークを見せるアーセナルが完全にペースを握る。25分にはロングカウンターからエジルのラストパスに抜け出したウェルベックがボックス左から強烈なシュートを放つが、これはGKドンナルンマの好守に遭う。

▽すると36分には開始直後の決定機以降、ほとんどチャンスを作れずにいたミランがワンチャンスを生かして先制する。ボックス手前左でリカルド・ロドリゲスから短いパスを受けたチャルハノールがカットインから右足を強振。低くて鋭いシュートがゴール右隅の絶妙なコースに突き刺さった。

▽ミランの先制点をキッカケに試合が大きく動く気配を見せた中、ここで主役になったのは審判団だった。38分、ボックス右でエジルのスルーパスに抜け出したウェルベックがR・ロドリゲスとの交錯で倒れ込む。リプレーで確認すると、接触直前でR・ロドリゲスは腕を引っ込めてウェルベックとの接触はなかったものの、目の前に居た追加副審はウェルベックのシミュレーションを取らず、主審にPKを取るようにアドバイス。ミラン側の猛抗議も実らず、このPKをウェルベック自ら決めて試合は1-1の振り出しに戻った。

▽さらにこの直後の場面ではリカルド・ロドリゲスのクロスがボックス内でクリアを試みたDFチャンバースの腕に当たるも、審判団はここでもPKを取らず。続けざまの不利な判定に憤るミランのプレーがやや荒くなる中、前半終了間際にはウィルシャーの強烈なミドルシュートでアーセナルに追加点のチャンスも、ここはGKドンナルンマのビッグセーブに阻まれた。

▽結局、1-1のスコアで折り返した試合は前半終盤の熱量を引き継ぐ形でオープンな展開に。立ち上がりの48分にはミランがケシエのミドルシュートで相手ゴールに迫ると、アーセナルも50分にボックス左でエジルからパスを受けたムヒタリアンが枠の左隅を捉えた決定的なシュート。だが、これはGKドンナルンマに阻まれる。

▽何とか早い時間帯に1点がほしいミランは59分、高い位置でのパスカットからアンドレ・シウバの右クロスをゴール前のクトローネが右足ボレーで合わすが、これはわずかに枠の右。さらに67分にクトローネを下げてカリニッチを投入すると、自陣から右サイドを持ち上がったボヌッチからの絶妙なアーリークロスをそのカリニッチが頭で合わすが、これはGK正面を突く。

▽70分には逃げ切りを図るアーセナルがムヒタリアンに代えてエルネニー、逆転を目指すミランがチャルハノールを下げてボナヴェントゥーラを投入。だが、試合は意外な形で動く。71分、ボックス手前でボールを受けたジャカが左足を一閃。低い弾道のシュートがゴール右隅を捉えると、GKドンナルンマがうまく弾き切れず、ボールはゴールネットに吸い込まれた。

▽若き守護神の痛恨ミスで致命的な失点を喫したミランは最後の交代カードとしてケシエに代えてロカテッリを投入。一方、突破に大きく近づくアーセナルはエジルに代えてコラシナツを投入し、完全に試合をクローズしにいく。その後、86分にはボックス左でウィルシャーの入れたクロスの流れからラムジーのヘディングシュートのこぼれ球をウェルベックが頭で流し込み、試合を決定付ける3点目が生まれた。

▽そして、2戦合計5-1でミランを退けたアーセナルがベスト8進出を決めた。一方、追い上げムードの中で不運な判定が続いて流れを失ったミランは無念の敗退となった。

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プレミアリーグ第35節、トッテナムvsアーセナルが28日にトッテナム・ホットスパースタジアムで行われ、アウェイのアーセナルが2-3で勝利した。超WSの選手採点結果と寸評は以下の通り。 ▽トッテナム採点 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20240429_0_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> GK 13 ヴィカーリオ 5.5 2失点はノーチャンスで後半にサカのシュートをビッグセーブ。だが、以前から狙われているセットプレー守備はチームと共に要改善 DF 23 ペドロ・ポロ 5.5 守備面ではやや苦戦を強いられたが、攻撃面ではソン・フンミンの決定機を演出するなどクルゼフスキと共に右サイドでアクセントを付けた 17 ロメロ 6.5 反撃の狼煙を上げるゴールに加え、攻守両面で八面六臂の見事なパフォーマンスを披露。ダービーの意味を理解するプレーぶりだった 37 ファン・デ・フェン 6.0 3失点共に大きな責任はなし。幻のゴールに加え、ビハインドを追う状況でリスク管理を一手に引き受けて広大なスペースをカバーした 33 ベン・デイビス 5.5 PK奪取という大きな仕事を果たす。試合の入りは良い潰しができていたが、2失点目含めてサカに苦戦を強いられた (→ロ・チェルソ -) MF 21 クルゼフスキ 6.0 3失点目ではハヴァ―ツのマークを離してしまったが、攻撃面では久々に好調時の躍動感を披露。攻撃の起点として攻め手を担った 30 ベンタンクール 5.0 試合の入りは悪くなかったが、全体的にプレースピード、精度がいまひとつだった (→サール 5.5) 攻守両面で活動量は見せたが、攻撃面ではアクセントになり切れず 10 マディソン 4.5 試合の入りは悪くなかったが、時間の経過と共にトーンダウン。潰される場面も少なくなく、攻撃を司ることができなかった (→リシャルリソン 5.5) 勝ちたい気持ちを全面に押し出したプレーを見せ、前線で動きの量を出して味方を生かした 5 ホイビュア 4.5 出足の鋭い潰しなど良いプレーもあったが、痛恨のオウンゴール。さらに、攻撃面でもマイボール時の判断、精度で物足りず (→ビスマ 5.5) 自陣での危ういプレーもあったが、後方でつなぎの起点に 16 ヴェルナー 5.0 前半30分過ぎに負傷交代。ホワイトやサカの守備に対して、効果的な仕掛けを見せられず (→ブレナン・ジョンソン 6.0) ヴェルナー負傷でスクランブル投入。左右のサイドで推進力を示した FW 7 ソン・フンミン 5.5 プレッシャーがかかるPKを決めた。ただ、試合を通してのパフォーマンス、キャプテンとしてのリーダーシップは十分ではなかった 監督 ポステコグルー 5.0 後半に2点を奪って意地は見せたが、セットプレーの脆弱な守備、被カウンター時の脆さと、ハイリスク・ローリターンの戦いに… ▽アーセナル採点 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20240429_0_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> GK 22 ラヤ 5.0 軽率なプレーで失点に関与。点差や時間帯を考えれば、リスクを冒す必要は全くなかった。ハイボール処理では概ね安定も危うい場面もあった DF 4 ホワイト 6.0 サカのサポートを受けながら守備面ではソリッドな対応を見せた。攻撃では直近の試合に比べてアクセントを付けられなかったが、及第点の出来。セットプレーではヴィカーリオを苦しめた 2 サリバ 6.0 普段に比べて傑出したパフォーマンスとまではいかなかったが、要所を締める守備で勝利に貢献 6 ガブリエウ 6.0 相手のアタッカー陣相手によく戦った。サリバ同様にそつのないプレーだった 8 冨安健洋 5.5 クルゼフスキやジョンソンの対応に苦慮。攻撃でも細かいミスが散見されたが、久々のリーグ戦フル出場で最低限の仕事はこなした MF 8 ウーデゴール 6.0 過密日程でチェルシー戦に比べると、身体の重さが見受けられたが、前半の好パフォーマンスで流れを引き寄せた (→キヴィオル -) 5 トーマス 6.0 中盤のフィルター役として奮闘。繋ぎの局面ではミスもあったが、経由点としては機能した 41 ライス 6.5 ハヴァーツの3点目をアシスト。やや軽率な形でのPK献上で難しい終盤にしてしまったが、相手にボールを持たれる展開の中でよく粘った。さすがに連戦の影響もあって攻撃面ではさほど存在感を示せず FW 7 サカ 7.0 オウンゴール誘発に見事なフィニッシュで前回対戦に続くゴールを記録。攻撃の起点として常に相手の脅威となった 29 ハヴァーツ 7.0 決勝点に加えてサカのゴールをアシスト。前線で起点を担いつつ、守備でもチームを助けた 19 トロサール 6.0 攻撃面では3試合連続ゴールを逃したが、守備面で冨安を献身的にサポート。攻撃では経由点として機能 (→マルティネッリ 5.5) カウンターで決定的な仕事はできなかったが、最終盤の守備では持ち味の機動力を生かした 監督 アルテタ 6.5 ミス絡みの失点から最後は5バックでの逃げ切りという難しい試合になったが、準備期間の少ない中で相手の弱点を効果的に突いて勝ち切った ★超WS選定マン・オブ・ザ・マッチ! サカ(アーセナル) ハヴァーツの活躍も素晴らしかったが、難しい流れで決めた2点目の価値を高く評価したい。全体的に疲労感が出ていたチームの中で後半も右サイドで攻撃の起点となり続けてチームを引っ張った。 トッテナム 2-3 アーセナル 【トッテナム】 ロメロ(後19) ソン・フンミン(後42)【PK】 【アーセナル】 OG(前15) サカ(前27) ハヴァーツ(前38) 2024.04.29 00:12 Mon

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アーセナルはブラジル代表DFガブリエウ・マガリャンイス(26)との契約延長を望んでいるようだ。 ガブリエウは2020年夏にリールから加入。ミケル・アルテタ監督からの信頼を掴み主力センターバックとしての立場を築くと、DFウィリアム・サリバとのコンビは抜群の安定感を見せており、今季も公式戦46試合に出場している。 マンチェスター・シティ、リバプールとの熾烈な優勝争いを繰り広げるチームで欠かせない存在となっているガブリエウ。アーセナルでの契約は2022年10月に延長したこともあり、2027年夏まで残されている。 しかし、イギリス『デイリー・メール』によるとクラブはここまでの貢献に報いるため、新契約をオファーする計画とのこと。ピッチに集中してもらうため、シーズン中に正式な交渉に入る可能性は低いものの、両者の間にはポジティブな雰囲気があるようだ。 ガブリエウには昨夏の移籍市場でサウジアラビアからの関心が囁かれていたこともあり、アーセナルは新契約締結によって今夏はこうした関心をシャットアウトしたい模様。クラブはここ数カ月で次々に主力選手との契約延長を発表しており、ガブリエウもこの流れに続くことが期待されている。 2024.04.27 17:10 Sat

【プレミアリーグ第35節プレビュー】今季2度目のノースロンドンダービー! シティはフォレスト相手に5連勝狙う

先週末に行われた変則開催の第34節はアーセナルとリバプールがいずれも快勝。ただ、ミッドウィーク開催となった第29節延期分はアーセナル、マンチェスター・シティが勝利した一方、リバプールがマージーサイド・ダービーで痛恨の敗戦。三つ巴の争いから一歩後退する形となった。 昨シーズンに続きアーセナルとシティの一騎打ちの様相を呈す最終盤のリーグタイトル争いにおいて、今節はその行方を左右するノースロンドン・ダービーが開催される。 5位のトッテナム(勝ち点60)は、13日に行われた前々節でニューカッスル戦相手に0-4で敗戦し、2年連続セント・ジェームズ・パークで惨敗。4位のアストン・ビラ(勝ち点66)との暫定勝ち点差が6ポイントに広がった。後半戦に入って以降、対戦相手の徹底した対策を上回ることができず、勝ち点3奪取に苦戦。現状でも自力でのトップ4フィニッシュの可能性は残しているが、3強に加えてチェルシーとのダービーを残すなどアストン・ビラに比べて厳しい日程となっており、ここからの逆転は至難の業だ。その最終盤の重要な戦いに弾みを付けると共に、宿敵の優勝阻止を狙う上でホーム開催のダービーでの勝利は必須だ。 対するアーセナル(勝ち点77)は前節、ウォルバーハンプトンとのアウェイゲームに2-0の完勝。さらに、第29節延期分ではホーム開催のチェルシーとのダービーに5-0の歴史的大勝。DFホワイトとMFハヴァーツの2ゴール共演など5ゴールを挙げた上、相手に一矢報いることも許さない完璧なパフォーマンスを披露。70分過ぎに多くの主力をベンチに下げる余裕の采配もみせ、今回のダービーに万全の状態で臨む構えだ。現状ではシティの取りこぼしが逆転優勝に必須となるが、このダービーを制することができれば、マンチェスター・ユナイテッド戦を除き比較的勝ち点3獲得が容易な相手と対戦するため、敵地での大一番を制して望みを繋げたいところだ。 スパーズの後押しを期待しつつ、今節での首位浮上を目指すマンチェスター・シティ(勝ち点76)は、残留圏内ギリギリの17位に位置するノッティンガム・フォレストとのアウェイゲームでリーグ5連勝を狙う。先週末はMFベルナルド・シウバのゴールによってチェルシーとのFAカップ準決勝を1-0で制したグアルディオラのチームは、第29節延期分ではブライトンとのアウェイゲームに4-0で完勝。DFウォーカーの2アシストにMFフォーデンの2ゴールなど自慢の攻撃が機能し、リーグ戦では4試合ぶりのクリーンシートも達成した。残留に向けてなりふり構わぬ戦いを見せるフォレストとのアウェイゲームは決して簡単な試合とはならないが、現状のパフォーマンスを鑑みれば確実に勝ち点3を敵地から持ち帰る可能性は高そうだ。 その2強の取りこぼしを期待しつつ、わずかな逆転優勝の可能性に賭ける3位のリバプール(勝ち点74)は、8位のウェストハムとのアウェイゲームに臨む。第29節延期分のエバートンとのマージーサイド・ダービーでは課題の決定力不足に加え、セットプレーの拙い守備から2ゴールを奪われて敵地グディソン・パークで0-2の完敗となった。その厳しい敗戦から中2日のランチタイムキックオフという過酷な状況で臨む、難敵ハマーズとのアウェイゲームではFWサラーやFWヌニェスら攻撃陣の奮起に期待しつつ、バウンスバックの勝利を期待したい。フェイエノールトのスロット監督招へいへ大きな進展が見られる中、スタメン復帰も見込まれるMF遠藤航ら新指揮官に向けた各選手のアピールにも注目だ。 週明けにカンファレンスリーグ(ECL)準決勝のオリンピアコス戦を控える4位のアストン・ビラは、9位のチェルシーとのビッグマッチに臨む。前節はボーンマス相手に先制を許したものの、FWロジャーズ、FWディアビ、FWベイリーと2列目のアタッカー陣のゴールによって3-1の逆転勝利。2連勝でトッテナムとの勝ち点差を広げることに成功。エースFWワトキンスの抜群の存在感に加え、駒が揃う守備陣の安定感が光る。 対するチェルシーはFAカップ準決勝敗退に加え、第29節延期分ではアーセナルに屈辱の惨敗を喫して公式戦連敗。今季無冠が確定すると共に、来季のヨーロッパ出場権争いにおいても崖っぷちの状況だ。今回の一戦に向けてはコンディション不良でダービーを欠場したMFパーマーの復帰は朗報だが、MFエンソ・フェルナンデスがヘルニアの手術で今季終了、MFチュクエメカ、FWスターリングが新たに負傷と、引き続き厳しい台所事情での戦いとなる。難所ビラ・パークでの一戦は厳しい戦いとなるが、公式戦連敗ストップへ気概を示したい。 FAカップ優勝と共にリーグ戦でのEL出場権確保を目指す6位のマンチェスター・ユナイテッドは、降格圏の19位バーンリー相手に久々のリーグ連勝を狙う。チャンピオンシップ(2部)のコヴェントリー・シティ相手に3点差を追いつかれる失態を演じながらも、PK戦を制して宿敵シティが待つFAカップ決勝に駒を進めた赤い悪魔。また、第29節延期分では最下位のシェフィールド・ユナイテッドに2度先行を許す不甲斐ない戦いに終始したものの、MFブルーノ・フェルナンデスの2ゴール1アシストの活躍で4-2と逆転勝利し、リーグ5戦ぶりの白星を収めた。前節、そのブレイズとの裏天王山に快勝して残留への望みを繋いだバーンリーとのホームゲームでは一部主力の復帰が見込まれる中、確実に勝ち点3を取り切りたい。 残留争いではシェフィールド・ユナイテッドに今節での降格の可能性。7位のニューカッスル戦で勝ち点3を逃した場合、残り試合すべてで勝利しても最多勝ち点は「25」となるため、17位のフォレスト(勝ち点26)に新たな勝ち点剥奪処分といった処分が科されない限り、逆転は不可能となる。その他ではDF橋岡大樹を擁する18位のルートン・タウン(勝ち点25)は、12位のウォルバーハンプトンから何とか勝ち点3をもぎ取ってシティ戦で取りこぼし濃厚なフォレストを上回りたいところだ。 ◆プレミアリーグ第35節 ▽4/27(土) 《20:30》 ウェストハム vs リバプール 《23:00》 フルアム vs クリスタル・パレス マンチェスター・ユナイテッド vs バーンリー ニューカッスル vs シェフィールド・ユナイテッド ウォルバーハンプトン vs ルートン・タウン 《25:30》 エバートン vs ブレントフォード 《28:00》 アストン・ビラ vs チェルシー ▽4/28(日) 《22:00》 ボーンマス vs ブライトン トッテナム vs アーセナル 《24:30》 ノッティンガム・フォレスト vs マンチェスター・シティ 2024.04.27 12:00 Sat
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