【リーガエスパニョーラ第2節プレビュー】王者マドリーは新生バレンシア戦! 柴崎&乾は強豪に挑む

▽先週末に開幕した2017-18シーズンのリーガエスパニョーラ。今季も優勝争いの最右翼の王者レアル・マドリーとバルセロナの2強が順当に勝利した一方、昨季3位のアトレティコ・マドリー、4位セビージャが揃ってドロースタート。ビジャレアルやビルバオも勝ち点を取りこぼす、波乱の幕開けとなった。また、エイバルMF乾貴士とヘタフェMF柴崎岳の日本人選手は揃って開幕スタメンを飾り、上々のスタートを切った。

▽去就注目のMFベイルの開幕弾などで難所リアソールで3-0の快勝スタートを飾ったレアル・マドリーは、第2節で同じく開幕戦を勝利したバレンシアとホーム開幕戦に臨む。この一戦に向けては5試合出場停止中のFWクリスティアーノ・ロナウド(3試合目)、前節退場のDFセルヒオ・ラモスという2人の主力が欠場となる。加えて、対戦相手のバレンシアはDFガブリエウ、DFムリージョ、MFコンドグビアとここに来て守備陣を中心に補強を敢行しており、智将マルセリーノの采配を含め難しい戦いを強いられるはずだ。

▽FWネイマールの電撃退団、FWルイス・スアレスらの負傷離脱と苦戦が予想された中、FWメッシをトップ下に配した[4-3-1-2]の布陣変更と、MFセルジ・ロベルトら代役の活躍でベティスとの開幕戦を2-0で制したバルセロナは、連勝を懸けてアラベスとのアウェイゲームに臨む。今節に向けてはネイマール後釜候補のドルトムントMFデンベレの獲得が大筋で決定するなど、ネイマールとの泥沼の係争は脇に置いてもクラブとして少しずつ光明を見いだしたバルセロナは、DFピケやMFイニエスタらの復帰も迫っており、良い形でこの試合を迎えられるはずだ。ただ、対戦相手のアラベスは昨季と大きく陣容が変わったものの、昨季直接対決ではカンプ・ノウで敗れ、コパ・デル・レイ決勝でも苦戦した曲者だ。バルセロナとしてはベティス戦で3本のポスト直撃で開幕弾を逃したエースの今季リーグ初ゴールできっちり勝ち切りたいところだ。
▽昇格組ジローナとの開幕戦でまさかの2-2のドロースタートとなったアトレティコは、さらに同試合で退場したエースFWグリーズマンが主審への暴言で2試合の出場停止を科される緊急事態だ。今季初勝利を目指す今節は、今夏獲得したMFビトロをレンタルで貸し出しているラス・パルマスとのアウェイゲームに臨む。注目はシメオネ監督がグリーズマンの代役にどの選手を起用するか、という部分だが、ジローナ戦で途中出場し、ゴールを記録したFWコレアがFWトーレスと2トップを組む可能性が高い。

▽アトレティコと共にエスパニョールとの開幕戦を1-1で引き分け、ドロースタートとなったセビージャだが、こちらはチャンピオンズリーグ(CL)プレーオフ勝ち抜けを最優先とした事情もあり、大幅なターンオーバーを行った末の結果ということもあり、そこまでネガティブな要素はない。幸い、イスタンンブール・バシャクシェヒルとの熾烈な2試合を勝ち切ってCL本戦行きを決定し、これからは落ち着いてリーガの戦いに臨める。▽今季初勝利を目指す第2節の対戦相手は、日本代表復帰を決めた柴崎を擁する昇格組ヘタフェだ。ビルバオとの開幕戦では終始押し込まれる展開の中、後半に退場者を出すも、持ち味の堅守速攻を軸に敵地から勝ち点1を持ち帰る上々のプリメーラ復帰戦となった。リーガデビューを果たした柴崎もキープ力やミスのないボール捌きなど、新たな10番として才能の片りんを窺わせた。ホーム開幕戦で今季初勝利を目指す今節も相手が格上だけに粘り強い守備から一発を狙う試合展開になるはずだ。

▽柴崎と同様に開幕戦でスタメンを飾ったエイバル3年目の乾は、鋭い仕掛けで再三の決定機を演出するなど、昨季終盤の好調を継続してマラガ戦勝利に大きく貢献した。そして、連勝を狙う今節はビルバオとのバスク自治州ダービーに挑む。昨季の対戦ではバスクの雄を相手に力の差を見せつけられたエイバルだが、ビルバオは直前にヨーロッパリーグ(EL)プレーオフを戦っており、コンディション面で不安を抱えている。エイバルとしては持ち味のハードワークで疲労を抱える相手にアグレッシブな戦いをみせ、乾ら攻撃陣がアタッキングサードで違いを作れるかが、勝敗のカギを握る。

▽その他の注目試合は、昨季EL出場権を争ったレアル・ソシエダとビジャレアルの一戦。開幕戦でセルタとの打ち合いを制したソシエダは、今季の大ブレークを予感させるFWオヤルサバルやFWファンミ、FWウィリアン・ジョゼと攻撃陣がきっちり結果を残した。一方、昨季2部優勝チームのレバンテとのバレンシア自治州ダービーでまさかの敗戦を強いられたビジャレアルは、FWバッカやFWウナル、MFフォルナルスら新加入組の奮起に期待が集まる。