【リーガエスパニョーラ第22節プレビュー】注目のアルゼンチン人指揮官対決! CL控える2強は取りこぼし防げるか

▽先週末に行われた第21節では、悪天候の影響でセルタとの一戦が中止となった首位レアル・マドリーが思わぬ休息となった。一方、2位のバルセロナは一部主力を温存しながらもビルバオに快勝し、3位のセビージャは堅守の6位ビジャレアルとゴールレスドローとなり、2強追走のチャンスを逃した。そのほかでは、4位のアトレティコ・マドリーがFWトーレスの久々の2ゴールで快勝し、MF乾貴士がリーグ戦13戦ぶりに不出場となったエイバルは、不調バレンシアを一蹴し、メスタージャでの初勝利を手にした。▽来週ミッドウィークからチャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメントがスタートするため、決勝トーナメント進出チームにとっては、再び過密日程を強いられることになる。
▽その先陣を切って14日にパリ・サンジェルマン(PSG)とのラウンド16初戦を戦うバルセロナは、今節で12位アラベスと対戦。今週ミッドウィークに共にコパ・デル・レイ決勝進出を決めた両者にとっては、コパ決勝の前哨戦となる。なお、カンプ・ノウで行われた前回対戦では昇格組のアラベスがリーガ連覇中の王者相手に大金星を挙げており、苦杯を舐めたバルセロナにとってはリベンジマッチとなる。

▽とはいえ、より優先度が高いPSGとのアウェイゲームを控えるため、“MSN”や負傷明けのMFブスケッツ、MFイニエスタなど、一部主力を温存する可能性も考えられる。とにかく、今回の一戦ではコパ決勝に向けて苦手意識を払しょくすると共に、できるだけ早い時間帯に試合を決めて、PSGとの大一番に備えたいところだ。

▽バルセロナの翌日にナポリとのCLラウンド16を控えるレアル・マドリーは、セルタ戦中止の影響でコンディションは万全。だが、直前の中止はモチベーション面やコンディショニング面で少なからずマイナスの要素を与えた可能性もあり、ナポリ戦を控える中で戦う最下位オサスナ相手のアウェイゲームは難しい試合となりそうだ。MFモドリッチやMFハメス・ロドリゲスの復帰によって、選手層の問題を解消したことで、積極的にターンオーバーを採用するジダン監督は、今回の一戦でも一部主力を入れ替える可能性が高い。一方、開幕からわずかに1勝と厳しい残留争いを強いられているオサスナだが、本拠地エル・サダールではセビージャと接戦を演じるなど、上々の戦いができているだけに首位チーム相手にドローに持ち込める可能性はゼロではない。▽ここ2戦未勝利とやや調子を落とす3位セビージャは、2強と異なり来週ミッドウィークにCLの試合がないため、万全の状態で11位ラス・パルマスとのアウェイゲームに臨める。前節のビジャレアル戦ではMFナスリのPK失敗の影響もあり、勝ち切れなかったものの、相手GKアセンホの好守がなければ、勝ち点3を獲得できた内容だったため、このラス・パルマス戦に向けて大きな変更の必要はない。一方、上位勢に強さを見せるラス・パルマスは前節、降格圏に低迷するグラナダに敗戦するなど、一時の勢いを失っている。それでも、今冬の移籍市場終盤にFWヘセ・ロドリゲス、MFハリロビッチと前線にタレントを獲得しており、質の高いポゼッションサッカーの終着駅となるアタッカー陣が機能すれば、セビージャ相手にも好勝負を演じられるはずだ。

▽セビージャと同様に再来週にCLを戦うアトレティコは、10位セルタと対戦。奇しくも今週ミッドウィークにコパ準決勝敗退となった両者は、1歳違いの元アルゼンチン代表の同胞指揮官が率いるチーム同士の対戦という意味でも注目を集めている。46歳のシメオネ監督率いるアトレティコは、ミッドウィークのバルセロナ戦で連覇中の王者をあと一歩のところまで追いつめるもドローどまりで逆転でのコパ決勝進出を逃した。この試合では攻守両面で相手を圧倒した場面もあったが、シメオネのチームらしい勝負強さを失っている点が気がかりだ。今回の一戦では前回対戦で4-0の大勝を収めたセルタ相手に勝負強さを発揮したい。

▽対して47歳のベリッソ監督が率いるセルタは、調子の波こそ大きいものの、コパでレアル・マドリーを破り、リーガでもバルセロナに勝利するなど、ビエルサ門下の好チームだ。ビエルサ流のマンマークを生かしたオールコートプレス、ショートパスを駆使したポゼッションスタイルを志向するベリッソ監督は、前回対戦で大敗した同胞指揮官率いる格上相手にも勇敢な戦いを見せてくれるはずだ。

▽そのほかの試合では、EL出場圏内のトップ6に肉薄する7位エイバルと、降格圏の19位に低迷するグラナダの一戦に注目したい。エースFWセルジ・エンリクの2戦合計3ゴールの活躍など、攻撃陣の爆発で2連勝中のエイバルでは、前節に連続スタメン出場が12試合でストップした乾の出場の可否に注目したい。一方、難敵ラス・パルマス相手に7戦ぶりの白星を収めたグラナダは、今季初の連勝で悲願の残留に向けて勝ち点を積み重ねることができるか。