もしオフサイドがなかったら?FIFA幹部のファン・バステンが新ルール導入に独自見解

2017.01.19 12:40 Thu
FIFA技術開発部門のチーフオフィサーであり、かつての往年の名FWマルコ・ファン・バステンがドイツメディア『ビルト』のインタビューで、“オフサイドがなかったらサッカー界はこうなるのではないか”という独自の見解を示している。

「オフサイドがなかった場合、サッカーがどのように機能するか興味深い。もし、そうなったらハンドボールのように9人のプレーヤーとGKがペナルティーエリアに密集するだろうね。すべてのチームがガッチリ守り、堅守からの速攻という戦術に頼るようになるだろう」

「FWはDFの最終ラインより裏に立つようになるし、そうなるとDFは最終ラインを下げて対応せざるを得なくなる。そうするとミドルレンジからのシュートも有効になるだろうね」

「そうなったら試合は今のサッカーとは異なる魅力になるかもしれない。攻撃のチャンスは増えるし、試合の見応えも十分なはずだ。実際にフィールドホッケーではオフサイドはないし、問題はないよね?」

また、勝負の行方を大きく左右するPKについても「今ではPKが当たり前になってしまったが、シュートアウトで決めるのもいいかもしれないね。ペナルティーエリア内でファウルとジャッジが判定したら、攻撃側の選手はゴール前25メートル付近からドリブルをスタートする。GKはペナルティーエリアから出ることはできず、攻撃側は8秒以内にゴールを奪わないといけない、とかね」と、シュートアウト導入についても含みを持たせた。

シュートアウトは現在のアイスホッケーのゲームウイニングショットに近いルールとなっており、アメリカのMLSでは黎明期に導入されていたことがある。フルタイムで同点の場合は引き分けにならず、サドンデス方式でのシュートアウト合戦で勝敗を付けていたが、現在ではFIFAの規定に合わせる形で廃止されている。

サッカー界の常識を変える一つの意見として以上のようにファン・バステンが言及している。昨年末のFIFAクラブ・ワールドカップで“ビデオ判定制度”が導入された一方で、競技としてのバランスを大きく変える新たな試みが、サッカー界に導入される可能性は現時点で限りなく低いものと思われる。それでも、現在FIFA技術開発部門に籍を置くファン・バステンの意見だけに、その重みも十分。果たして、サッカー界を変えるルールがいかにして検討されるのか、今後もFIFAやファン・バステンの動向に注目が集まる。

提供:goal.com

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