【編集部コラム】成功へのラストチャンスか…“24歳”での欧州挑戦
2016.06.20 13:25 Mon
▽今シーズンの明治安田生命J1リーグも1stステージが終わりを告げようとしている中、2人の日本代表Jリーガーに欧州移籍の話が浮上した。ガンバ大阪のFW宇佐美貴史、そしてジュビロ磐田のMF小林祐希。“プラチナ世代”と呼ばれる両選手が注目を集めている。
◆“24歳”という年齢はギリギリのタイミング
▽宇佐美、小林ともに現在24歳。この24歳という年齢は、欧州で活躍する上では決して早くないことが分かる。
◆かつての海外組も“24歳”が転機に
▽24歳という年齢を聞いた時、日本では“若手”というイメージが浮かぶだろう。学年で言えば、大卒2年目。社会人2年目と考えれば、“若手”と言ってしまうのも無理は無い。しかし、サッカーの世界では決して“若手”とは言えない。現在フランスで行われているユーロ2016を見ても、高校生のイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードが出場するほどだ。日本人選手でも、ザルツブルクでプレーするFW南野拓実、ヤング・ボーイズでプレーするFW久保裕也、ザンクト・パウリでプレーするFW宮市亮は10代で欧州へと渡っている。
▽宇佐美と小林に限らず、その他にも欧州移籍の噂が挙がっている選手は少なくない。しかし、過去を振り返れば、日本のサッカー界を背負うべき選手たちは24歳で大きな転機を迎えていた。宇佐美と小林にとってシーズン中の難しい時期ではあるが、今後のキャリアを考えた場合には、今が決断を下すときなのかもしれない。そして、“24歳”が近づいているリオ五輪に臨む選手たちにも、そのキッカケを掴む活躍を見せてもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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▽宇佐美にはブンデスリーガのアウグスブルクが獲得に興味を示しており、小林にはオランダのヘーレンフェーンが獲得のオファーを出していると報じられている。宇佐美はバイエルン、ホッフェンハイムとすでにドイツの2クラブでのプレー経験があるが、小林は移籍が決まれば初の海外挑戦となる。▽両選手ともクラブで中心的な役割を担い、6月に行われたキリンカップサッカー2016の日本代表にも招集されている。“若手”と表現されることが多い2選手だが、欧州への挑戦を選択するのであれば、このタイミングを逃す訳にはいかないだろう。▽宇佐美、小林ともに現在24歳。この24歳という年齢は、欧州で活躍する上では決して早くないことが分かる。
Getty Images
▽日本代表のエースであり、ミランの10番を背負うFW本田圭佑。星稜高校卒業後、名古屋グランパスに加入した本田は、21歳の時にVVVフェンロへと移籍。2010年1月にCSKAモスクワへと完全移籍した。当時は23歳だったが、24歳になる年にステップアップを果たし、現在の地位に登りつめた。Getty Images
▽日本代表で10番を背負うドルトムントのMF香川真司も同様だ。2006年にセレッソ大阪でプロデビューを果たした香川は、21歳でドルトムントへと移籍。ユルゲン・クロップ監督(現・リバプール監督)の下で結果を残すと、23歳でマンチェスター・ユナイテッドへと移籍を果たした。Getty Images
▽最近“アモーレ”で話題をさらったインテルの日本代表DF長友佑都は、24歳で転機を迎えた。苦労人のエピソードで知られる長友は、明治大学在学中にFC東京へと入団。23歳でセリエAのチェゼーナへと移籍すると、24歳でインテルに加入した。その後の活躍は言うまでもない。Getty Images
▽レスター・シティに所属し、奇跡のプレミア制覇に貢献した日本代表FW岡崎慎司も24歳で清水エスパルスからシュツットガルトへ移籍。サウサンプトンでプレーする日本代表DF吉田麻也も21歳でVVVフェンロへと移籍し、24歳でサウサンプトンへと加入している。◆かつての海外組も“24歳”が転機に
Getty Images
▽過去を振り返っても24歳という年齢は重要な年となっている。2006年のドイツ・ワールドカップを最後に現役を引退した中田英寿氏は、21歳でベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)からセリエAのペルージャへと移籍。その後、ローマへと移籍するが、ローマの王子様こと元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティの牙城を崩せず、パルマへと移籍した。中田の評価をさらに上げたパルマへの移籍が、24歳だった。Getty Images
▽現在も精度の高いキックで見るものを魅了する横浜F・マリノスのMF中村俊輔も同様だ。中村は24歳の時にセリエAのレッジーナへと移籍。その後に加入したセルティックでは、今もなおレジェンドとして扱われるほどの活躍を見せた。◆若手とは認識されない“24歳”
▽24歳という年齢を聞いた時、日本では“若手”というイメージが浮かぶだろう。学年で言えば、大卒2年目。社会人2年目と考えれば、“若手”と言ってしまうのも無理は無い。しかし、サッカーの世界では決して“若手”とは言えない。現在フランスで行われているユーロ2016を見ても、高校生のイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードが出場するほどだ。日本人選手でも、ザルツブルクでプレーするFW南野拓実、ヤング・ボーイズでプレーするFW久保裕也、ザンクト・パウリでプレーするFW宮市亮は10代で欧州へと渡っている。
▽宇佐美と小林に限らず、その他にも欧州移籍の噂が挙がっている選手は少なくない。しかし、過去を振り返れば、日本のサッカー界を背負うべき選手たちは24歳で大きな転機を迎えていた。宇佐美と小林にとってシーズン中の難しい時期ではあるが、今後のキャリアを考えた場合には、今が決断を下すときなのかもしれない。そして、“24歳”が近づいているリオ五輪に臨む選手たちにも、そのキッカケを掴む活躍を見せてもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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