【ブンデス総括&ベスト11】超WSの最優秀選手はレヴァンドフスキ

2016.05.27 12:00 Fri
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▽グアルディオラ体制3シーズン目の集大成となったバイエルンが、史上初のブンデス4連覇を達成した。今季もロッベンとリベリの両輪はケガに見舞われたが、それを見越して補強していたドグラス・コスタが出色のパフォーマンスを発揮して代役以上の存在感を示した。また、バックラインに負傷者が続出したものの、グアルディオラ監督の巧みな選手起用によって見事に乗り切って見せた。

▽バイエルンと優勝争いを演じたドルトムントの復活も目覚ましかった。トゥヘル新監督の引き出しの多さによって時に選手たちが混乱する場面もあったが、多彩な攻めでバイエルンを凌ぐ82ゴールを生み出し、観る者を魅了するサッカーを展開した。そんな中で香川も9ゴールを決め、チーム共々復活を遂げた。

▽CL出場権争いではシーズン終盤に地力を示したレバークーゼンとボルシアMGが昨季に続き、CL出場権を獲得。一方で原口のヘルタ・ベルリンは終盤に失速し、7位フィニッシュとなった。残留争いでは日本人3選手が所属するハノーファーが早々に降格となり、名門のシュツットガルトが41年ぶりの2部降格となった。そして、長谷部のフランクフルトが最終節ブレーメンとの残留を懸けた直接対決に敗れたものの、プレーオフに回った末に残留を果たした。
★最優秀選手
ロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)
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▽シーズン前半戦を牽引したドグラス・コスタや、キャリアハイの20ゴールを荒稼ぎしたミュラーらチームメートたちも最優秀選手に相応しい働きを見せたが、コンスタントにゴールを重ねて30得点の大台に乗せ、得点王に輝いたレヴァンドフスキを選出した。好不調の波がなく、高水準のプレーを常に発揮できるポーランド代表アタッカーの存在が、自陣に引くチームが大半な中でその守備網を攻略する要因となっていた。

★最優秀監督
トーマス・トゥヘル(ドルトムント)
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▽就任3シーズン全てで優勝に導いたグアルディオラ監督や、ボルシアMGを復活させたシューベルト監督も最優秀監督に相応しいところだが、ドルトムントにかつての輝きをもたらしたトゥヘル監督を選出。複数のシステムを使い分け、大胆なターンオーバでELとの過密日程を見事に乗り切った。バイエルンの独走かと思われたシーズンだったが、第33節まで優勝を決めさせない健闘を見せた。
期待以上
★チーム
マインツ
▽就任2季目を迎えたM・シュミット監督が残留を目標としていたチームをCL出場権争いに導いた。開幕前にチームの心臓であったガイス、得点源の岡崎を失いながらも新戦力の武藤やコルドバをうまくチームにフィットさせ、シーズンを通して安定した戦いを続けた。結果的にチームは6位でシーズンを終え、来季のEL出場権を手にしている。

★選手
マハムド・ダフード(ボルシアMG)
▽ドルトムントのヴァイグル、ヘルタ・ベルリンのカルーらと迷ったが、ボルシアMGを復調させた立役者の一人であるダフードを選出。開幕5連敗スタートとまさかの躓きを見せたチーム状況の中、U-19ドイツ代表MFでシリア出身の20歳は、無尽蔵のスタミナを生かし、ボックス・トゥ・ボックスのプレーで攻守に貢献。5ゴール9アシストをマークして最終的に4位フィニッシュを果たしたチームの主軸として活躍した。

期待外れ
★チーム
シュツットガルト
▽5度の優勝を誇る名門が41年ぶりの降格にさらされた。ツォルニガー新監督に率いられたチームは超攻撃サッカーを展開したものの守備が疎かになり、開幕5連敗と躓いた。その後も低調な戦いが続いた中、11月にツォルニガー監督を解任。後任にU-23チームを率いていたクラムニー監督を迎えて復調したかに思われたシュツットガルトは第27節終了時点で11位まで浮上したが、終盤に泥沼の6連敗を喫し、17位に終わって悪夢の降格となった。

★選手
ユリアン・ドラクスラー(ヴォルフスブルク)
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▽CLではチームを8強に導く活躍を見せたが、リーグ戦では20試合の出場で5ゴールと物足りない出来に終わった。シーズン前にデ・ブライネやペリシッチの抜けた穴を埋める存在として、シャルケから移籍金3600万ユーロで引き抜いたものの、その期待に応えたとは言い難かった。

【ベストイレブン】
(C) CWS Brains, LTD.
GK:ノイアー
DF:ラーム、フンメルス、アラバ
MF:ミュラー、ヴァイグル、ムヒタリャン、ドグラス・コスタ
FW:レヴァンドフスキ、エルナンデス、オーバメヤン

GK マヌエル・ノイアー(バイエルン)
▽レバークーゼンのレノも素晴らしいパフォーマンスを見せていたが、ダントツのリーグ最少失点を誇ったノイアーを選出。少ない守備機会ながら集中を切らさず、安定感あるプレーを続けた。相変わらず守備範囲も広く、リベロとしても機能していた。
34試合(先発33)、3021分

DF フィリップ・ラーム(バイエルン)
▽サイドバックとは思えないポジション取りで攻撃にアクセントを付けた。オーバーラップを仕掛ける際にはサイドライン際ではなく中央寄りを駆け上がり、攻撃に変化を加えた。その戦術眼の高さによってグアルディオラ監督の複雑な戦術を体現していた。
26試合(先発25)、2199分
1得点

DF マッツ・フンメルス(ドルトムント)
▽負傷に泣かされるシーンが目立つ近年だったが、今季は大きなケガをすることなく戦い抜いた。ソリッドな守備でチームを締めた上、持ち前の攻撃センスで何度も好機を演出。彼の絶妙なスルーパスや正確なロングフィードから生まれたゴールは数多かった。来季は古巣バイエルンに復帰する。
30試合(先発29)、2496分
2得点

DF ダビド・アラバ(バイエルン)
▽センターバックに多くの負傷者が出たことから、本職の左サイドバックよりも今季はセンターバックでのプレー機会が大半となった。それでも戦術理解度の高さと、器用さを駆使してそつなくこなして見せた。攻撃面においても正確なビルドアップで起点となり、プレーの幅をさらに広げるシーズンとなった。
30試合(先発27)、2492分
2得点

MF トーマス・ミュラー(バイエルン)
▽大台の20ゴール超えを達成。これまでの最多ゴール数だった13得点を大きく超えるキャリアハイのゴールを挙げた。右サイドからダイアゴナルに動いてDFの視野から消えるプレーは一級品。神出鬼没な動きでゴールを陥れ続けた。
31試合(先発26)、2355分
20得点(PK5)

MF ユリアン・ヴァイグル(ドルトムント)
▽2部の1860ミュンヘンから移籍してきたU-20ドイツ代表MFがドルトムント移籍初年度で飛躍を遂げた。トップリーグデビューながら、バルセロナのブスケッツを彷彿とさせるボール奪取能力と散らしのうまさで中盤を制圧。即座にチームにフィットし、代えの利かない存在となって、ユーロ2016のドイツ代表候補に選出されている。
30試合(先発25)、2246分
0得点

MF ヘンリク・ムヒタリャン(ドルトムント)
▽シーズンを通してハイパフォーマンスを維持し、11ゴール20アシストと大暴れした。ドルトムントが優勝していればMVP筆頭の存在。スタメンを固定しない傾向にあったトゥヘル監督だが、アルメニア代表のプレーメーカー兼ゴールゲッターであるムヒタリャンをスタメンから外すことは稀だった。2列目ならどこでもプレー可能な器用さは、トゥヘル監督の多彩な戦術に対応するには最適だった。
31試合(先発28)、2576分
11得点

MF ドグラス・コスタ(バイエルン)
▽後半戦はややインパクトが薄れた印象だが、それでもシーズン前半戦の活躍は鮮烈だった。ロッベンとリベリの穴を埋める以上の活躍を見せ、結果的に4ゴール14アシストをマーク。バイエルンの十八番であるサイド攻撃を活性化させる存在として、グアルディオラ監督に重宝された。
27試合(先発23)、1971分
4得点

FW ピエール=エメリク・オーバメヤン(ドルトムント)
▽昨季後半からストライカーとしてプレーし、今季はセンターフォワード1本でプレー。開幕からの8試合連続ゴールを含む25ゴールを挙げ、ドルトムントのエースストライカーとして確固たる地位を築いた。圧倒的なスピードを生かしたカウンターはもちろんのこと、周囲とも連動できる細かなテクニックを併せ持っていることから、前線でノッキングを起こすことが極端に減った。香川やロイス、ムヒタリャンと形成したカルテットは、“ファンスタスティック4”と称えられた。
31試合(先発28)、2473分
25得点(PK3)

FW ハビエル・エルナンデス(レバークーゼン)
▽2010年夏に母国メキシコを離れて以降、欧州の地でついに自身の居場所を見つけ出した。マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリーといったビッグクラブではスーパーサブとしてのプレーが続いたが、今季移籍したレバークーゼンでは先発の座を奪取。不調に陥ることなく、持ち前の得点感覚を駆使して17ゴールを挙げた。シーズン後半戦はポジションを争ったキースリンクとも共存できることを示し、来季以降の活躍も期待させている。
28試合(先発25)、2173分
17得点(PK1)

FW ロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)
▽大台の30ゴールに乗せ、自身2度目の得点王に輝いた。コンスタントにゴールを重ね、不調に陥る時期がなかった。また、味方を生かすポストワークも健在で前線の基準点として活躍。バイエルン移籍2年目に遺憾なく真価を発揮した。
32試合(先発29)、2653分
30得点(PK2)

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