【ELプレビュー】前人未到の3連覇か、15年ぶりの戴冠か《リバプールvsセビージャ》
2016.05.18 13:00 Wed
▽2015-16シーズンのヨーロッパリーグ(EL)決勝、リバプールvsセビージャが18日の日本時間27:45からスイスのバーゼルにあるザンクト・ヤコブ・パルクで行われる。前人未踏のEL3連覇を目指す王者セビージャと、2001年以来(当時はUEFAカップ)の優勝を目指すリバプールが、UEFAコンペティションで初めて対峙するビッグマッチだ。
▽決勝トーナメントに入ってアウグスブルク、マンチェスター・ユナイテッド、ドルトムントを連破したリバプールは、準決勝でビジャレアルと対戦。敵地での1stレグを0-1で落とすも、奇跡の逆転劇を演じた準々決勝のドルトムント戦に続いてアンフィールドで3-0の勝利を収め、逆転でのファイナル進出を決めた。
▽オーウェンやヘスキー、ジェラードらを擁し、カップトレブル(UEFAカップ、FAカップ、リーグカップ)を達成した2001年以来のEL制覇を目指すクロップ率いるチームは、直近のリーグ戦2試合をドローで終え、2015-16シーズンのプレミアリーグをヨーロッパ出場圏外の8位でフィニッシュ。この結果、ELを制覇できなければ、来季のヨーロッパのコンペティションへの出場を逃すことになる。(EL優勝チームには来季のチャンピオンズリーグ本選出場権が与えられる) 悲壮な決意を持って今シーズン最後のビッグマッチに臨むリバプールは、アンフィールドの加護なしで勝利を掴み取れるか。
▽一方、CL敗退組のセビージャは、決勝トーナメントからの参戦となった今季のELでモルデ、バーゼル、ビルバオを連破し、シャフタールの待つ準決勝へ進出。準決勝では敵地での1stレグを2-2のドローで終えると、得意のホームできっちり3-1の勝利を収めて3年連続のファイナル進出を決めた。
▽ただ、直近のリーガ10試合を2勝7敗1分けという低調な戦績で終えたチームは、2015-16シーズンのリーガエスパニョーラをELプレーオフ圏内の7位でフィニッシュ。22日に行われるバルセロナとのコパ・デル・レイ決勝に勝利すれば、来季のELストレートインを決定できるが、前人未踏のEL3連覇を成し遂げて来季もCLの舞台でプレーしたいところだ。
▽リバプール予想スタメン
GK:ミニョレ
DF:クライン、ロブレン、コロ・トゥーレ、アルベルト・モレーノ
MF:ララナ、ミルナー、フィルミノ、カン、コウチーニョ
FW:スタリッジ
負傷者:DFジョー・ゴメス(ヒザ)、FWオリジ(足首)
出場停止者:DFサコー
▽セビージャ予想スタメン
GK:ソリア
DF:マリアーノ、ラミ、カリソ、エスクデロ
MF:コケ、ヌゾンジ、バネガ、クリホヴィアク、ビトロ
FW:ガメイロ
負傷者:DFトレムリナス(ヒザ)、MFクローン=デリ(ヒザ)、レジェス(虫垂炎)
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。負傷者に関しては、ヒザのケガで今シーズン絶望のクローン=デリと、先日にそれぞれヒザと虫垂炎の手術を受けたトレムリナスとレジェスが欠場となる見込みだ。スタメンに関しては、直近のビルバオ戦で温存されたメンバーを予想スタメンに挙げたが、センターバックのラミの相棒と左サイドバック、ビトロの逆サイドのウイングに関しては、コロジェチャクやコノプリャンカが起用される可能性もあるはずだ。また、GKに関してもEL全試合で起用されているソリアに代わって、リーガとCLで正GKを務めているセルヒオ・リコが起用される可能性もある。
★タクティカル・プレビュー
◆スタメンの人選で窺えるゲームプラン
▽共に熱狂的なサポーターを持ち伝統的にカップ戦を得意とするなど、共通点の少なくない両チーム。加えて、今季の国内リーグの順位もほぼ同じと、拮抗した試合展開が予想される。今回が初対決といえども互いにチームスタイルが明確であるため、様子見の時間が長く続くことはあまり考えられない。ただ、両指揮官共に今季は固定メンバーで戦うことは少なく、各ポジションに持ち味が異なる多士済々のタレントを抱えており、スタメンの人選で、ある程度ゲームプランが透けて見えるかもしれない。
▽リバプールに関しては、立ち上がりから攻撃的に戦うのであれば、フィルミノをトップ下で起用する[4-2-3-1]。逆に、序盤はバランスを重視するのであれば、中盤に3人のセントラルMFを起用する[4-1-4-1]を採用し、勝負どころでフィルミノ(オリジ)などのアタッカーを投入する狙いを持っているはずだ。一方、セビージャはビトロと逆サイドのウイングに、サイドバックが本職のコケを起用するか、ドリブラーのコノプリャンカを起用するかで、ゲームプランが大きく変わることになる。
◆ハイインテンシティで優位に運べるか~リバプール~
▽前述したようにスタメンの人選によって試合への入り方こそ変わるものの、クロップ監督はこの試合でもゲーゲンプレッシングを生かしたハイインテンシティの戦い方を採用するはずだ。ただ、主力メンバーで臨んだ先週ミッドウィークのチェルシー戦では、ここまでの勤続疲労によって、全体的な運動量やプレー精度が落ちており、コンディション面が気がかりだ。仮に、チェルシー戦のように攻守のバイタリティを欠くようだと、難しい戦いを強いられることになるだろう。
▽また、カウンタースタイルを得意とするセビージャは、この試合でポゼッションを放棄してボールの主導権を譲ってくる可能性もある。そうなると、リバプール十八番のショートカウンターを封じられることになり、攻撃力が半減することになる。そのため、課題である遅攻の改善が求められるところだ。
▽やや調子を落とすコウチーニョを起点に、フィルミノやララナ、スタリッジがオフ・ザ・ボールで絶えずボールを引き出す動きをみせ、引いた相手の守備を揺さぶり、コンビネーションプレーで仕留めたい。さらに相手のカウンターの脅威に晒される中、古巣対戦のA・モレーノとクラインのサイドバックコンビが、積極的な攻撃参加で攻撃に幅と厚みを加えられるかも重要なポイントだ。
▽守備面に関しては、カウンターへの対策とセットプレーの守備が重要。とりわけ、国内リーグ低迷の原因の1つとなっているセットプレーの守備は、一発勝負の決勝において重要度が増す。セビージャはバネガとコノプリャンカという一線級のプレースキッカーとイボーラやクリホヴィアク、ラミと強力なターゲットを擁している。加えて、エメリ監督は意外性のあるサインプレーなど、緻密なセットプレーを準備しており、リバプールとしては最大限の注意を払いたいところだ。
◆ハイプレスへの対応とエメリ采配が鍵~セビージャ~
▽一方、EL2連覇の自信と経験、コンディション面で一日の長があるセビージャだが、個々のタレントの質ではやや分が悪いため、自分たちの土俵で戦うことよりも相手のストロングを消すような戦い方が望ましい。スペイン屈指の戦術家であるエメリ監督としては、自身の手腕の見せどころとなるはずだ。
▽対リバプールという点で最も気を付けたいのは、ゲームテンポのコントロールと相手のハイプレス対策だ。国内リーグではタフなチームとして知られるセビージャだが、時に2度追い、3度追いを辞さない猛烈なプレッシングを仕掛けてくるクロップリバプールに対して、中盤でボールが行ったり来たり、というトランジションゲームを展開すれば、先にガス欠となることは明白だ。したがって、相手にボールの主導権を握らせてゲームをスローダウンしつつ、アップテンポの展開が続く際には危険のないエリアで意図的にファウルを犯してゲームを止めて、アクチュアルプレーイングタイムを減らすという“大人な戦い方”も必要となってくる。
▽ハイプレスへの対応に関しては、自陣で無理に繋がないという大原則に加え、圧倒的なフィジカルとリーチを生かしたボールキープを特長とするヌゾンジとクリホヴィアクに、前向きな形でボールを持たせるようなビルドアップを心掛けたい。さらに、トップ下に入るバネガはポジションにこだわらず、サイドバック裏のスペースや相手セントラルMF脇のスペースでボールを引き出したい。
▽攻撃面でのポイントは、卓越したスピードと質の高い動き出しでディフェンスラインと駆け引きできるガメイロのパフォーマンスだ。前向きな守備をベースとするリバプールだが、スピードのないセンターバックが比較的高い位置取りでプレーするディフェンスラインと、守備範囲の狭いGKミニョレの間にできるスペースは泣きどころだ。加えて、左サイドバックのA・モレーノは攻撃から守備への切り替えに甘さがあるため、ヨーロッパ屈指のラインブレイカーであるガメイロの特長が出やすい。したがって、守備から攻撃の切り替えの部分では常にガメイロの動き出しを意識し、低弾道のロングフィードに定評があるラミやホットラインを築くバネガらが、裏への速い縦パスを狙っていきたい。
▽また、接戦が予想される中で注目したいのが、卓越した用兵でセビージャにEL連覇をもたらしてきたエメリ監督の選手交代策だ。戦況に応じて最善の一手を繰り出す智将は、準々決勝のビルバオ戦でも途中交代で入った選手やポジションを入れ替えた選手が得点に絡むなど、選手交代で流れを変えられる指揮官だ。この一戦におけるポイントは、イボーラ投入のタイミングやウイングのメンバー選考、ここまで限定的な出場に留まっている大砲ジョレンテの起用の有無だ。仮に試合が僅差で後半を迎えた場合は、エメリ監督の渾身の一手に注目してほしい。
▽決勝トーナメントに入ってアウグスブルク、マンチェスター・ユナイテッド、ドルトムントを連破したリバプールは、準決勝でビジャレアルと対戦。敵地での1stレグを0-1で落とすも、奇跡の逆転劇を演じた準々決勝のドルトムント戦に続いてアンフィールドで3-0の勝利を収め、逆転でのファイナル進出を決めた。
▽オーウェンやヘスキー、ジェラードらを擁し、カップトレブル(UEFAカップ、FAカップ、リーグカップ)を達成した2001年以来のEL制覇を目指すクロップ率いるチームは、直近のリーグ戦2試合をドローで終え、2015-16シーズンのプレミアリーグをヨーロッパ出場圏外の8位でフィニッシュ。この結果、ELを制覇できなければ、来季のヨーロッパのコンペティションへの出場を逃すことになる。(EL優勝チームには来季のチャンピオンズリーグ本選出場権が与えられる) 悲壮な決意を持って今シーズン最後のビッグマッチに臨むリバプールは、アンフィールドの加護なしで勝利を掴み取れるか。
▽ただ、直近のリーガ10試合を2勝7敗1分けという低調な戦績で終えたチームは、2015-16シーズンのリーガエスパニョーラをELプレーオフ圏内の7位でフィニッシュ。22日に行われるバルセロナとのコパ・デル・レイ決勝に勝利すれば、来季のELストレートインを決定できるが、前人未踏のEL3連覇を成し遂げて来季もCLの舞台でプレーしたいところだ。
◆リバプール◆
【4-2-3-1】
【4-2-3-1】

GK:ミニョレ
DF:クライン、ロブレン、コロ・トゥーレ、アルベルト・モレーノ
MF:ララナ、ミルナー、フィルミノ、カン、コウチーニョ
FW:スタリッジ
負傷者:DFジョー・ゴメス(ヒザ)、FWオリジ(足首)
出場停止者:DFサコー
▽ドーピング違反を犯したDFサコーが、準決勝に続いて出場停止となる。負傷者に関してはオリジの復帰が微妙なところだが、直近のWBA戦で復帰したキャプテンのMFヘンダーソンとFWイングスが戦列に戻ってきている。システムに関しては、攻撃的な[4-2-3-1]とバランス重視の[4-1-4-1]のいずれかを採用することになる。前者を採用した場合、トップ下にFWフィルミノが入り、カンとミルナー、ヘンダーソン(ジョー・アレン)のいずれかがセントラルMFに入る見込みだ。後者を採用した場合は、フィルミノかスタリッジのいずれかが1トップに入り、前述した3選手がセントラルMFを務めることになる。また、負傷明けのヘンダーソンをスタメンで起用できる場合、ミルナーを右ウイングに上げてララナを中央で起用するプランもありそうだ。
◆セビージャ◆
【4-2-3-1】
【4-2-3-1】

GK:ソリア
DF:マリアーノ、ラミ、カリソ、エスクデロ
MF:コケ、ヌゾンジ、バネガ、クリホヴィアク、ビトロ
FW:ガメイロ
負傷者:DFトレムリナス(ヒザ)、MFクローン=デリ(ヒザ)、レジェス(虫垂炎)
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。負傷者に関しては、ヒザのケガで今シーズン絶望のクローン=デリと、先日にそれぞれヒザと虫垂炎の手術を受けたトレムリナスとレジェスが欠場となる見込みだ。スタメンに関しては、直近のビルバオ戦で温存されたメンバーを予想スタメンに挙げたが、センターバックのラミの相棒と左サイドバック、ビトロの逆サイドのウイングに関しては、コロジェチャクやコノプリャンカが起用される可能性もあるはずだ。また、GKに関してもEL全試合で起用されているソリアに代わって、リーガとCLで正GKを務めているセルヒオ・リコが起用される可能性もある。
★タクティカル・プレビュー
◆スタメンの人選で窺えるゲームプラン
▽共に熱狂的なサポーターを持ち伝統的にカップ戦を得意とするなど、共通点の少なくない両チーム。加えて、今季の国内リーグの順位もほぼ同じと、拮抗した試合展開が予想される。今回が初対決といえども互いにチームスタイルが明確であるため、様子見の時間が長く続くことはあまり考えられない。ただ、両指揮官共に今季は固定メンバーで戦うことは少なく、各ポジションに持ち味が異なる多士済々のタレントを抱えており、スタメンの人選で、ある程度ゲームプランが透けて見えるかもしれない。
▽リバプールに関しては、立ち上がりから攻撃的に戦うのであれば、フィルミノをトップ下で起用する[4-2-3-1]。逆に、序盤はバランスを重視するのであれば、中盤に3人のセントラルMFを起用する[4-1-4-1]を採用し、勝負どころでフィルミノ(オリジ)などのアタッカーを投入する狙いを持っているはずだ。一方、セビージャはビトロと逆サイドのウイングに、サイドバックが本職のコケを起用するか、ドリブラーのコノプリャンカを起用するかで、ゲームプランが大きく変わることになる。
◆ハイインテンシティで優位に運べるか~リバプール~
▽前述したようにスタメンの人選によって試合への入り方こそ変わるものの、クロップ監督はこの試合でもゲーゲンプレッシングを生かしたハイインテンシティの戦い方を採用するはずだ。ただ、主力メンバーで臨んだ先週ミッドウィークのチェルシー戦では、ここまでの勤続疲労によって、全体的な運動量やプレー精度が落ちており、コンディション面が気がかりだ。仮に、チェルシー戦のように攻守のバイタリティを欠くようだと、難しい戦いを強いられることになるだろう。
▽また、カウンタースタイルを得意とするセビージャは、この試合でポゼッションを放棄してボールの主導権を譲ってくる可能性もある。そうなると、リバプール十八番のショートカウンターを封じられることになり、攻撃力が半減することになる。そのため、課題である遅攻の改善が求められるところだ。
▽やや調子を落とすコウチーニョを起点に、フィルミノやララナ、スタリッジがオフ・ザ・ボールで絶えずボールを引き出す動きをみせ、引いた相手の守備を揺さぶり、コンビネーションプレーで仕留めたい。さらに相手のカウンターの脅威に晒される中、古巣対戦のA・モレーノとクラインのサイドバックコンビが、積極的な攻撃参加で攻撃に幅と厚みを加えられるかも重要なポイントだ。
▽守備面に関しては、カウンターへの対策とセットプレーの守備が重要。とりわけ、国内リーグ低迷の原因の1つとなっているセットプレーの守備は、一発勝負の決勝において重要度が増す。セビージャはバネガとコノプリャンカという一線級のプレースキッカーとイボーラやクリホヴィアク、ラミと強力なターゲットを擁している。加えて、エメリ監督は意外性のあるサインプレーなど、緻密なセットプレーを準備しており、リバプールとしては最大限の注意を払いたいところだ。
◆ハイプレスへの対応とエメリ采配が鍵~セビージャ~
▽一方、EL2連覇の自信と経験、コンディション面で一日の長があるセビージャだが、個々のタレントの質ではやや分が悪いため、自分たちの土俵で戦うことよりも相手のストロングを消すような戦い方が望ましい。スペイン屈指の戦術家であるエメリ監督としては、自身の手腕の見せどころとなるはずだ。
▽対リバプールという点で最も気を付けたいのは、ゲームテンポのコントロールと相手のハイプレス対策だ。国内リーグではタフなチームとして知られるセビージャだが、時に2度追い、3度追いを辞さない猛烈なプレッシングを仕掛けてくるクロップリバプールに対して、中盤でボールが行ったり来たり、というトランジションゲームを展開すれば、先にガス欠となることは明白だ。したがって、相手にボールの主導権を握らせてゲームをスローダウンしつつ、アップテンポの展開が続く際には危険のないエリアで意図的にファウルを犯してゲームを止めて、アクチュアルプレーイングタイムを減らすという“大人な戦い方”も必要となってくる。
▽ハイプレスへの対応に関しては、自陣で無理に繋がないという大原則に加え、圧倒的なフィジカルとリーチを生かしたボールキープを特長とするヌゾンジとクリホヴィアクに、前向きな形でボールを持たせるようなビルドアップを心掛けたい。さらに、トップ下に入るバネガはポジションにこだわらず、サイドバック裏のスペースや相手セントラルMF脇のスペースでボールを引き出したい。
▽攻撃面でのポイントは、卓越したスピードと質の高い動き出しでディフェンスラインと駆け引きできるガメイロのパフォーマンスだ。前向きな守備をベースとするリバプールだが、スピードのないセンターバックが比較的高い位置取りでプレーするディフェンスラインと、守備範囲の狭いGKミニョレの間にできるスペースは泣きどころだ。加えて、左サイドバックのA・モレーノは攻撃から守備への切り替えに甘さがあるため、ヨーロッパ屈指のラインブレイカーであるガメイロの特長が出やすい。したがって、守備から攻撃の切り替えの部分では常にガメイロの動き出しを意識し、低弾道のロングフィードに定評があるラミやホットラインを築くバネガらが、裏への速い縦パスを狙っていきたい。
▽また、接戦が予想される中で注目したいのが、卓越した用兵でセビージャにEL連覇をもたらしてきたエメリ監督の選手交代策だ。戦況に応じて最善の一手を繰り出す智将は、準々決勝のビルバオ戦でも途中交代で入った選手やポジションを入れ替えた選手が得点に絡むなど、選手交代で流れを変えられる指揮官だ。この一戦におけるポイントは、イボーラ投入のタイミングやウイングのメンバー選考、ここまで限定的な出場に留まっている大砲ジョレンテの起用の有無だ。仮に試合が僅差で後半を迎えた場合は、エメリ監督の渾身の一手に注目してほしい。
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