【原ゆみこのマドリッド】他人のせいにしてはいけない…
2015.12.05 13:30 Sat
▽「アルコルコナソの方がまだマシだったかも」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日、大方の予想通りだったものの、レアル・マドリーをコパ・デル・レイから敗退したものとするという競技委員会の決定が伝わってきた時のことでした。いやあ、2009年、マドリーが当時は2部Bだったマドリッド郊外のチーム、アルコルコンのホームで4-0と大敗。2ndレグでも1-0でしか勝てず、リーガ1部チームにとって最初のラウンドである32強対戦で敗退したことは今でもクラブと当時、指揮官だったペレグリーニ監督(現マンチェスター・シティ)の黒歴史として語り継がれていますけどね。
▽それでも1月のミッドウィークが暇になってしまうのは同じとはいえ、少なくともあの時はサンティアゴ・ベルナベウでのremontada(レモンターダ/逆転劇)に向け、世間のムードを盛り上げたりとか、2試合分の興奮はあったんですが、今回はカディス(2部B)との1stレグを終えた時点で彼らの大会は終了。もちろん、チームの一大事に、大敗したクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)の後、ベニテス監督バックアップという名目で、自身に注がれたpanolada(パニョラダ/お別れの意味でハンカチを振ること)と「Frorentino, dimision!/フロレンティーノ、ディシオン(ペレス会長、辞めちまえ)」のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)にも動じてないということを示すため、緊急記者会見を行った先週に続き、カディス戦の翌日には再び、ペレス会長がスタジアムのアンテパルコ(貴賓席前ホール)に姿を現したんですけどね。
▽いきなり「El Real Madrid no incurrió en alineación indebida/エル・レアル・マドリッド・ノー・インクリオ・エン・アリネアシオン・インデビダ(レアル・マドリーは不適切な選手起用はしなかった)」と開き直ったのにはただただ、口をアングリ開けるばかり。そう、問題は昨季ビジャレアルにレンタル移籍していたチェリシェフがカディス戦に先発したことで、彼は前のクラブで出場したコパ・デル・レイの準決勝2ndレグで3枚目のイエローカードをもらい、次戦は累積警告で出場停止だったものの、その時点でバルサに負けたビジャレアルが敗退となり、今季の大会に処分が持ち越しに。それを「サッカー協会は規則にあるよう、選手にnotificación personal/ノティフィカシオン・ペルソナル(個人的な通達)を行っていないし、クラブも連絡を受けていない。ビジャレアルからも何も聞かされてない」って、いえ、7月には全クラブに処分選手の一覧がFAXで一斉通達されているはずなんですよ。
▽水曜の試合当日、チェリシェフがメンバーに入っているのを見て、その事実に気づいていた元2部Bの審判員がキックオフよりかなり前にクラブに送った警告のFAX同様、まかり間違ってそれが届いてなかったとしたって、ビジャレアルが今季は彼らとプレーしない選手の処分の心配までしなければいけない義理はないはずですしね。第一、そんな基本的なこと、普通はクラブのどこかの部署がルーチンワークとしてチェックするものでは?
▽いえ、この国の人たちの事務能力の低さはかなりのモノなので、昨年などは退場になった女子選手に対する処分通達を協会が古いFAXナンバーに送ってしまうという、救えないミスも発覚。その結果、次戦に当該女子選手がプレーしたことを対戦相手に訴えられ、不適切な選手起用により試合は3-0の敗戦と見なすと競技委員会が一旦は決定したものの、クラブのTAD(スポーツ行政法廷)への上訴が実り、覆された前例もあったため、FAXが届いた届かないと揉めるのは、この夏、デ・ヘアの移籍手続きが完了できなかった責任をマンチェスター・ユナイテッドと押し付け合った時同様、単なる水掛け論になるんですけどね。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している
▽それでも1月のミッドウィークが暇になってしまうのは同じとはいえ、少なくともあの時はサンティアゴ・ベルナベウでのremontada(レモンターダ/逆転劇)に向け、世間のムードを盛り上げたりとか、2試合分の興奮はあったんですが、今回はカディス(2部B)との1stレグを終えた時点で彼らの大会は終了。もちろん、チームの一大事に、大敗したクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)の後、ベニテス監督バックアップという名目で、自身に注がれたpanolada(パニョラダ/お別れの意味でハンカチを振ること)と「Frorentino, dimision!/フロレンティーノ、ディシオン(ペレス会長、辞めちまえ)」のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)にも動じてないということを示すため、緊急記者会見を行った先週に続き、カディス戦の翌日には再び、ペレス会長がスタジアムのアンテパルコ(貴賓席前ホール)に姿を現したんですけどね。
▽いきなり「El Real Madrid no incurrió en alineación indebida/エル・レアル・マドリッド・ノー・インクリオ・エン・アリネアシオン・インデビダ(レアル・マドリーは不適切な選手起用はしなかった)」と開き直ったのにはただただ、口をアングリ開けるばかり。そう、問題は昨季ビジャレアルにレンタル移籍していたチェリシェフがカディス戦に先発したことで、彼は前のクラブで出場したコパ・デル・レイの準決勝2ndレグで3枚目のイエローカードをもらい、次戦は累積警告で出場停止だったものの、その時点でバルサに負けたビジャレアルが敗退となり、今季の大会に処分が持ち越しに。それを「サッカー協会は規則にあるよう、選手にnotificación personal/ノティフィカシオン・ペルソナル(個人的な通達)を行っていないし、クラブも連絡を受けていない。ビジャレアルからも何も聞かされてない」って、いえ、7月には全クラブに処分選手の一覧がFAXで一斉通達されているはずなんですよ。
▽いえ、この国の人たちの事務能力の低さはかなりのモノなので、昨年などは退場になった女子選手に対する処分通達を協会が古いFAXナンバーに送ってしまうという、救えないミスも発覚。その結果、次戦に当該女子選手がプレーしたことを対戦相手に訴えられ、不適切な選手起用により試合は3-0の敗戦と見なすと競技委員会が一旦は決定したものの、クラブのTAD(スポーツ行政法廷)への上訴が実り、覆された前例もあったため、FAXが届いた届かないと揉めるのは、この夏、デ・ヘアの移籍手続きが完了できなかった責任をマンチェスター・ユナイテッドと押し付け合った時同様、単なる水掛け論になるんですけどね。
※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している
レアル・マドリーの関連記事
|
|
レアル・マドリーの人気記事ランキング
1
代表戦で衝突のアルダ・ギュレルとソボスライがSNSで場外戦…出場時間揶揄に対してマドリーMFが痛烈な返し
レアル・マドリーのトルコ代表MFアルダ・ギュレルとリバプールのハンガリー代表MFドミニク・ソボスライがSNS上で場外戦を繰り広げている。 両国は今回のインターナショナルマッチウィークに行われたUEFAネーションズリーグ(UNL)2024-25・リーグA/B昇降格プレーオフで激突。 トルコホームの1stレグをトルコが3-1で先勝していたなか、ハンガリーホームで行われた23日の2ndレグもトルコが3-0で快勝。2戦合計6-1の完勝でリーグA昇格を決めていた。 同試合ではチーム2点目を挙げたギュレルが1年前のフレンドリーマッチでも衝突が伝えられ、今回の再戦でもバチバチとやり合っていたソボスライに激しく詰め寄られた際に「黙れ」のジェスチャーを行い、小競り合いとなっていた。 ここまでであれば、試合中によくある揉め事として流されるはずだったが、試合後も怒りが収まらないハンガリー代表のキャプテンはハンガリー『Nemzeti Sport』がインスタグラムに投稿した当該のやり取りを収めた写真に対して、「1088」とのコメントを残した。 この数字はカルロ・アンチェロッティ監督の下、ポジション争いで苦戦するギュレルのマドリーでの今シーズンのプレータイムを揶揄したものとされ、物議を醸していた。 これに対して血気盛んな20歳MFも黙っておらず、自身のインスタグラムのストーリーズで反撃。「この男は冗談だ。6ゴールで黙るには十分じゃないのか?」とのキャプションとともに同じ画像とトルコの3-0のスコアを写した画像を投稿。 さらに、画像をよく確認すると、ハンガリーのスコアの下に「ソボスライ 1インスタグラムコメント」と細かな加工も加えられており、痛烈に煽り返した。 ここに至る両選手の衝突の経緯はわからず、外野がとやかく言うべきではないが、ひとまず互いに冷静さを取り戻し、今後は場外戦ではなく改めてピッチの上で白黒つけたいところか。 2025.03.25 06:30 Tue2
エッシェンが2012年レアル移籍のドタバタ裏話を明かす「バスを止めてくれ!と狂ったように叫んだ」
元ガーナ代表MFマイケル・エッシェンが、レアル・マドリー移籍の経緯を明かした。スペイン『アス』が伝えている。 2005年から2014年の間、チェルシーで活躍したエッシェン。2012-2013シーズンには、当時チェルシー加入時の恩師であったジョゼ・モウリーニョ監督が率いていたレアル・マドリーへ1年間のレンタル移籍で加入していた。 <div style="margin:0 auto; min-width:300px; " id="cws_ad"><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJiUm1zTmlFUyIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div> エッシェンは、南アフリカ人スポーツジャーナリスト、キャロル・シャバララ氏と、インスタグラムのライブ配信を通してのインタビューに応えると、この移籍が決定するまでの経緯を回顧。移籍市場最終日のわずか数時間で移籍が決まったと明かし、映画のようなドタバタ移籍劇について語った。 <span class="paragraph-title">◆知らない番号から突然の電話…</span> 「(2012年8月31日)私はUEFAスーパーカップを戦うためにチェルシーのチームとモナコにいた。その時見覚えのない番号から電話があったんだ」 「私は出たくなかったが、その日私と同じ部屋にいた従兄弟が電話に出るよう言ってきたんだ」 「電話が鳴り続けたので、電話に出た。『もしもし?』と言った瞬間に相手からも、『もしもし?』と聞こえた。すぐに誰が電話をしてきたか分かって、従兄弟に『ジョゼ・モウリーニョからだ』と教えたよ」 「彼は『アーセナルに移籍するそうじゃないか』と言ってきたので、そんなことないと伝えたよ。アーセナルからは何の連絡もなかったからね」 「そしたら彼が『アーセナルには行かずに俺のところへ来い』と言ったんだ。彼にどこのことか聞いたら、『レアル・マドリー』と言った。私は彼に準備はできてると言ったよ」 <span class="paragraph-title">◆試合前のドタバタ劇</span> 「あれは移籍市場最終日のことで、ジョゼは私の代理人の電話番号を聞いてきた。私はスーパーカップの試合中に抜け出すことになっても行く準備はできてると伝えた」 「ラサナ・ディアラがロシアに移籍する予定で、彼の移籍が成立したら私の移籍の手順を進めると教えてくれた。私は『分かった、部屋でリラックスして待ってるよ』と答えた」 「彼は、数時間待ってくれ、そしたらかけ直すと言っていた」 「数時間して私の代理人に何が起きたか話した。マドリーへの移籍についてジョゼと話したこと、彼の番号を教えたことを伝えた。彼はマドリーは戻ってくるから落ち着けと言っていた」 「ラス(ラサナ・ディアラ)のロシアへの移籍が決まったから、私たちは計画を変更しなきゃならなかった。チームは(スーパーカップの)アトレティコ戦に向けてホテルを出る寸前だったからね。マドリーの代理人は私の代理人と一緒にいて、私はスタジアムに行くためにもうバスに乗っていたんだ。私もスタジアムに行く予定だったが、代理人がホテルに戻ってこいと言ってきた。FAXを送らなきゃいけなかったらしい。だから私は運転手にバスを止めてくれと狂ったように叫ばなければならなかった」 <span class="paragraph-title">◆「バスを止めてくれ!」</span> 「チームメイトはみんな私を見て『ミケルどうした?』って感じだった。彼らに私はバスから降りなきゃいけないと伝えて『またね』と言った」 「そんなこんなでパスが止まって、私はホテルに戻って代理人を待っていた。それから彼が来てFAXを何枚か送ったんだ。ありがたいことに全ての処理が時間内に間に合ったよ。それから私は少なくともスパイクを取りに行かなきゃいけないからスタジアムに行ってくると代理人に伝えた」 「スタジアムに着いたころにはもう試合は終わっていた。私がピッチにいたチームメイトに加わったが、何人かは既に私の移籍について知っていた。他のチームメイトは何があったのか聞いてきたので、彼らに移籍することを伝えなきゃならなかった。レアルへの移籍の話が来てホテルに戻って書類を書く必要があったと説明したよ。だからスパイクを取りにいくついでにみんなにさよならを言わなきゃならなかった」 「表彰式の後、みんなでロッカールームに戻った時、みんなにちゃんとしたお別れを言った。スパイクとすね当てだけ持って、ロマン・アブラモビッチを含めみんなに挨拶した。アブラモビッチは幸運を祈ってくれた。その後私はホテルに戻り、次の日にはマドリー行きの飛行機に乗っていた」 「私はスパイクとすね当てと、ジーンズとシャツ一枚、それからチェルシーのジャージだけ持ってマドリーへ行ったんだ。空港に着くとジョゼが待っていてくれた。挨拶を済ますと、病院でメディカルを受けて、次の日にはトレーニングに参加したよ」 激動の移籍最終日の出来事を明かしたエッシェン。移籍したマドリーでは主力として公式戦35試合に出場し2ゴール1アシストを記録した。 2020.05.19 11:15 Tue3
バルベルデのシュートが隣のマンション直撃!家主は悲鳴もファンは物件に嫉妬?「試合見放題じゃん」「この部屋住みたい」
レアル・マドリーのウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデが驚愕のシュートを放った。 7日にバジェカスで行われたラ・リーガ第13節のラージョ・バジェカーノ戦を2-3で落とし、今シーズンリーグ戦初の黒星を喫したマドリー。バルベルデはフル出場を果たしていた。 ラージョ戦の後半アディショナルタイムにはこんな珍事が。1点を追いかけるマドリーが左CKを獲得すると、マルコ・アセンシオのキックのこぼれ球がバルベルデのもとへと転がる。 バルベルデは難しい体勢からダイレクトでシュートを放ったが、上手く捉えられなかったボールは枠の大きく上を飛んでいくと、そのままゴール裏のないスタジアムを越え、隣接しているマンションの一室へと吸い込まれていった。 バルコニーで観戦していた家主は試合の動画を撮影していたようで、シュートが向かってくる瞬間もリアルタイムで撮影。その動画には、「そこゴールちゃう、家や」、「どこまで飛ばすんだ」といったコメントのほか、「この部屋住みたい」、「試合見放題じゃん」とサッカーファンにとっては好立地の物件を羨む声が上がっている。 なお、このボールはさすがにボールボーイも回収できず、住民がゲットしたようだ。 <span class="paragraph-title">【動画】シュートが一直線に向かってくる!マンションの住民が実際に撮影していた映像</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="es" dir="ltr">¿Te imaginas que un balón chutado por Fede Valverde entre por tu terraza y acaba en tu salón? <br><br>Ayer ocurrió. Hamza estaba viendo el Rayo - Real Madrid desde su balcón y...<br><br>Entramos en su casa para que nos lo cuente él mismo. <br><br> <a href="https://t.co/awKGahVOco">https://t.co/awKGahVOco</a> <a href="https://t.co/sT8JNuVyPo">pic.twitter.com/sT8JNuVyPo</a></p>— Relevo (@relevo) <a href="https://twitter.com/relevo/status/1589947999899504640?ref_src=twsrc%5Etfw">November 8, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2022.11.09 12:05 Wed4
コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun5
