【特集】超WS厳選コパ・アメリカ若手ブレイクスルー候補

2015.06.11 14:00 Thu
▽日本時間12日(金)の午前8時30分からコパ・アメリカ2015の開幕戦であるグループAの第1節、チリ代表vsエクアドル代表が行われる。チリで開催されるコパ・アメリカ2015の開幕に先立ち、超WSでは今大会で大きく飛躍する可能性のある若手をピックアップ。厳選した4選手のプロフィールや特徴を紹介する。

◆MFカゼミロ(ブラジル)
Getty Images
所属クラブ:レアル・マドリー
生年月日:1992年2月23日(23歳)
身長・体重:180cm/74kg

★ポルトで急成長の舵取り役
▽サンパウロ州出身の23歳。各年代のブラジル代表に選出されてきたエリートは、2013年に世界屈指のメガクラブであるレアル・マドリーのカスティージャ(Bチーム)への移籍を果たした。しかし、トップチームで与えられたチャンスでインパクトを残すことができず、挫折を味わったカゼミロは、翌年の7月にポルトへ武者修行に出た。
▽すると、CL常連のポルトで見事に才能を発揮。中盤アンカーの位置でレギュラーの座を即座に掴み取ると、無理の利く対応を随所に見せてピンチの芽を摘み取り、広大なスペースをケアする役割を忠実にこなした。そして、ポルトの6年ぶりとなるCLベスト8進出に大きく貢献。とりわけ、決勝トーナメント1回戦バーゼルとの2ndレグでは出色のパフォーマンスを発揮し、持ち味のソリッドな守備に加え、強烈かつ正確無比な直接FKでゴールネットを豪快に揺らして見せた。また、CL準々決勝のバイエルンとの1stレグでも持ち前のフィジカルを武器に、バイタルエリアを完璧に締めて番狂わせを演じた。

▽極めて高い守備力と非凡な攻撃センスを併せ持っていることを証明したカゼミロに対し、ポルトは買い取りオプションの行使を申し出たが、レアル・マドリーは即座に10億円を支払い、買い戻しオプションを行使。レアル・マドリーの期待の高さが窺える中、成長を遂げたカゼミロがセレソンの一員としても自身の能力を発揮できるかに注目だ。
◆MFジョルジアン・デ・アラスカエタ(ウルグアイ)
Getty Images
所属クラブ:クルゼイロ
生年月日:1994年6月1日(21歳)
身長・体重:173cm/67kg

★ウルグアイ国民待望の若手ファンタジスタ
▽2012年に母国のデフェンソールでトップチームデビューを果たしたデ・アラスカエタは、デビューシーズンにリーグ戦14試合に出場し、3ゴールを記録。この活躍でレギュラーの座を掴むと、翌シーズンは卓越したクリエイティビティと戦術眼を武器にデフェンソールの攻撃をけん引し、コパ・リベルタドーレスのベスト4進出に貢献した。

▽この活躍が多くのビッグクラブの目に止まると、2015年1月にブラジル屈指の名門であるクルゼイロに移籍。背番号10を託された若き司令塔は、今年4月に行われたコパ・リベルタドーレスのミネロス戦で圧巻のバイシクルシュートを決めるなど、早くもクラブのアイドルとなっている。

▽ウルグアイ代表では、2013年に行われたU-20ワールドカップでチームを準優勝に導く大活躍を見せると、2014年9月に行われた韓国代表で待望のフル代表デビューを飾った。その後、定期的に招集を受けたデ・アラスカエタは、コパ・アメリカに向けた調整試合のグアテマラ戦で代表初ゴールを記録し、良い形で今大会を迎えることになった。

▽柔らかなボールタッチと視野の広さを武器に相手の逆を取るドリブルと、相手の急所を射抜くラストパスを最大の特長とするデ・アラスカエタは、スペイン代表MFアンドレス・イニエスタと同タイプの攻撃的MFだ。近年、ストライカーやセンターバックのポジションで偉大なタレントを輩出しているウルグアイだが、MFアルバロ・レコバを最後に超絶技巧と遊び心に溢れたプレーで人々を魅了する創造性のあるMFが不在となっている。ウルグアイ国民が待望する若手ファンタジスタは、その創造性を武器にチームを連覇に導けるか。

◆FWアンジェロ・エンリケス(チリ)
Getty Images
所属クラブ:ディナモ・ザグレブ(マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1994年4月13日(21歳)
身長・体重:180cm/71kg

★才能を開花させたホスト国のストライカー
▽チリの国内クラブであるウニベルシダ・デ・チリで頭角を現したエンリケスは、2012年に当時18歳でマンチェスター・ユナイテッド入り。しかし、そこからレンタル移籍したウィガンやサラゴサでは目立った結果を残せず、なかなか評価を上げることができなかった。

▽それでも、2014-15シーズンに加入したディナモ・ザグレブで得点を量産。公式戦37試合30ゴールの記録を残すなど、一気に才能を開花させた。レンタル元のユナイテッドから買い取りオプションを取り付けていたディナモ・ザグレブは、これを行使するとみられている。

▽180cmとストライカーとしては決して大きくないものの、ヘディングを得意としているエンリケス。相手のディフェンスライン裏を突いて抜け出すプレーも上手く、ゴールパターンは多彩だ。また、ボックス内で構えるだけでなく、ビルドアップにも積極的に参加する。

▽チリ代表ではここまで、5試合に出場して2ゴールを記録。まずはベンチスタートとなる見込みだが、チームにいないタイプのセンターフォワードだけに、初優勝を狙うチリの重要な存在になってもおかしくない。

◆FWデルリス・ゴンサレス(パラグアイ)
Getty Images
所属クラブ:バーゼル
生年月日:1994年3月23日(21歳)
身長・体重:172cm/kg

★勝負度胸満点のスピードスター
▽わずか15歳で母国のルビオ・ヌーでプロキャリアをスタートさせた早熟の天才FWは、2012年にポルトガルの名門、ベンフィカに移籍。その後、レンタル先のグアラニとオリンピア(いずれもパラグアイ)で着実に結果を残すも、ベンフィカではトップチームに昇格することはできなかった。

▽それでも、2014年夏に日本代表FW柿谷曜一朗らと共にバーゼルに加入したデルリス・ゴンサレスは、リーグ戦25試合に出場し3ゴールを記録。クラブのリーグ6連覇に貢献している。また、自身初の参戦となったチャンピオンズリーグでは、レアル・マドリーとポルトという強豪を相手にゴールを奪うなど、大舞台での勝負強さを発揮した。

▽早熟なクラブでのキャリアとは裏腹にパラグアイ代表では、ここまで8試合の出場で1ゴールと思うような活躍を披露できていない。今大会でもFWロケ・サンタクルスやFWルーカス・バリオス、FWラウール・ボバディージャといった経験豊富なベテランたちのバックアッパーという位置付けだ。

▽しかし、圧倒的なスピードとボールスキルを誇るデルリス・ゴンサレスの個の打開力は、彼ら主力FWにない大きな武器だ。加えて、果敢に相手のバックラインと駆け引きを仕掛ける同選手のプレーは、ボールを保持する格上との対戦で大きな効力を発揮するはず。勝負度胸満点の若きスピードスターは、今大会でブレークを果たせるか。

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