【カルチョのたしなみ】サン・シーロがより身近に
2015.04.30 15:00 Thu

▽この5月からミラノ万博が始まることはご存じだろうか。最近のセリエAを見ている人であれば、“EXPO”と書かれたユニフォームや広告を目にした人は結構いると思う。この“EXPO”、われわれカルチョファンには一見関係なさそうだが、万博特需を甘く見てはいけない。ミランとインテルのホームスタジアム「サン・シーロ」、正式名称「ジュゼッペ・メアッツァ」が、より身近になったのだ。
▽じつはミラノの街は、“EXPO”に向けて何年も前から工事を進めてきた。その一つが、新しい地下鉄の整備。紫の路線「M5」の登場である。
▽これまで、サン・シーロに行くための最もポピュラーな手段は、ミラノ中央駅から地下鉄で乗り換えありの最短10駅で「Lotto(ロット)」駅まで行き、そこから徒歩約20分、もしくはスタジアム行きの混雑したバスに乗るものだった。イタリア人からしても面倒なのに、言葉も分からない状態で行くのは非常にきつい。
▽29日、サン・シーロ行きの電車が動き出したということで、早速乗ってみた。

[ガリバルディからサン・シーロまで]
▽車掌が電車に乗っていない最先端(と思われる)電車で、終点まで行くだけでいい。電車の先頭と最後尾は大きなガラス張りになっている。「子供は大喜び」と最初は思ったが、ここは地下鉄。無機質なコンクリートの塊ばかりで、なぜガラス張りにしたのかはイマイチ分からない。そんなことを考えていたら、まだ工事中のため止まらない駅がいくつかあったものの、約20分で終点に到着した。

▽改札を出て、「Stadio Meazza(スタディオ・メアッツァ=メアッツァ・スタジアム)」の矢印に向かって進み地上に上がれば、目の前にはスタジアムが見える。試合日には駅から出る段階で試合のチケットが必要になる模様。回転ゲートも用意されていた。

[駅の出口。奥にはサン・シーロの姿が]
▽イングランドやスペインやドイツのチームのスタジアムには、もっと快適な交通手段があるところもあるだろう。しかし、イタリアではなかなかない。ローマのオリンピコも、トリノのユヴェントス・スタジアムも、ビッグクラブのスタジアムでありながら、観光客には優しくない場所にある。
▽工事の遅れはいつもどおり発生していると聞くが、“EXPO”のおかげでミラノの街は少し便利になった。インテルやミランの試合を現地で見たいけど不安がある、という方には、以前よりも格段に行きやすくなったことを、覚えておいていただきたい。
【著者紹介】
ペッピーノ伊藤
1984年生まれ。埼玉出身。イタリアはミラノを拠点とし、インテル&ミランを中心に現地で取材や執筆を行っている。もはやジュゼッペ・メアッツァの住人と言っても過言ではない。その献身性には定評があり、ミラノでは彼が寝ている姿を見たものはいないとまで言われている。その鉄人ぶりはハビエル・サネッティと双璧を成す。
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