プレビュー:初対戦も縁の深い両チーム《アーセナルvsモナコ》
2015.02.25 12:00 Wed
▽CL決勝トーナメント1回戦1stレグのアーセナルvsモナコが25日にエミレーツ・スタジアムで開催される。両クラブの公式戦における対戦は今回が初めてとなる。
▽ドルトムントとの一騎打ちとなったグループDを2位で通過したアーセナルは、15シーズン連続で決勝トーナメント進出を決定。ここ最近のラウンド16では、2シーズン連続でバイエルンと対戦するなど、優勝候補との対戦が続いていたが、今回は比較的力が劣るモナコを引き当てた。また、現在公式戦3連勝中と、良い状態で1stレグを迎えられるはずだ。
▽対するモナコは、本命不在と言われたグループCでレバークーゼンやゼニト、ベンフィカといった実力クラブを抑えて首位通過を決めた。特筆すべきは6試合で1失点という失点数の少なさ。また、わずか4得点で勝ち点11を稼ぎ出した勝負強さも際立っている。直近17試合で12勝1敗4分けと、好調を継続するモナコだが、バックラインを筆頭に負傷者の多さが気がかりな点だ。
◆ヴェンゲルが古巣と初対戦、縁の深い両クラブ
▽1987年から94年までモナコで指揮を執っていたヴェンゲル監督は、公式戦の舞台で初めて古巣と対戦する。現在、65歳のフランス人指揮官は前日会見の場で、かつて7年間を過ごしたモナコについて、「私にとってビッグクラブで指揮を執る初めてのチャンスだった。当時、私は非常に若かったし、モナコが選んでくれたことをいつでも感謝している」と、古巣への敬意を示した。
▽また、ヴェンゲル監督の存在に加えて、元フランス代表FWティエリ・アンリ(ユベントスを経由)や同MFエマヌエル・プティ、トーゴ代表FWエマヌエル・アデバヨール(現トッテナム)などモナコからアーセナルに旅立ち、同クラブの主軸を担った選手も多くおり、縁の深い関係となっている。共に“赤と白”をチームカラーとする両クラブの初対戦は、ヴェンゲルという偉大な指揮官の存在を含めて感慨深いものとなるはずだ。
【4-3-3】
▽アーセナル予想スタメン
GK:オスピナ
DF:チャンバース、メルテザッカー、コシエルニー、モンレアル
MF:カソルラ、コクラン、エジル
FW:ウェルベック、ジルー、サンチェス
負傷者:DFドビュッシー(肩)、MFアルテタ(足首)、ディアビ(ふくらはぎ)、チェンバレン(そ径部)、ラムジー(ハムストリング)
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。また、直近のクリスタル・パレス戦でMFウィルシャーがベンチ入りを果たし、長期離脱組以外に目立った負傷者もいない。クリスタル・パレス戦と全く同じ11人を予想スタメンに選んだが、MFエジルやFWウェルベックのポジションに関してはメンバー変更の可能性があるかもしれない。
◆モナコ◆
【4-2-3-1】
▽モナコ予想スタメン
GK:スバシッチ
DF:ファビーニョ、ワラス、アブデヌール、クルザワ
MF:ディラール、コンドグビア、ベルナルド・シルバ、モウチーニョ、カラスコ
FW:ベルバトフ
負傷者:DFクルザワ(左太もも)、ラッジ(左ヒザ)、R・カルバリョ(ふくらはぎ)、MFバカヨコ(左太もも)、カラスコ(右太もも)、FWラシナ・トラオレ(右足骨折)
出場停止者:MFトゥララン
▽キャプテンのMFトゥラランがグループステージでの累積警告により1stレグを欠場する。また、バックラインと守備的MFを中心に多数の負傷者を抱えている。守備の要であるDFリカルド・カルバリョとトゥラランの代役は、DFワラスと1列ポジションを下げたMFモウチーニョが務める見込みだが、右サイドバックのレギュラーのDFファビーニョをセントラルハーフで起用し、18歳DFアルマミー・トゥーレを右サイドバックで起用するプランもあるようだ。システムに関しては[4-3-3]と[4-2-3-1]を併用しているが、起用できる駒次第では[4-4-2]の採用も視野に入れているはずだ。
★タクティカル・プレビュー
◆ポゼッションとカウンターという明確な構図
▽公式戦初対決となる両チームだが、今大会屈指の攻撃力を誇るアーセナルのアタッキングフットボール、グループステージ最少失点を誇るモナコの堅守速攻という互いの持ち味が真っ向から激突する展開になるはずだ。
◆ポイントは先制点
▽試合のポイントとしては、多士済々の攻撃陣を擁すアーセナルが、直近の公式戦10試合でわずか2失点しかしていないモナコの堅守をどうやってこじ開けるかだ。また、どの時間帯にゴールが生まれるかという部分も重要となる。
▽仮に、アーセナルが早い時間にゴールを奪えれば、前がかりになった相手に対して2点、3点と畳み掛けられる可能性は高い。逆に0-0の時間が長く続くようだと、焦って前がかりになり過ぎたところを、モナコにロングカウンターで突かれる危険性も出てくる。
◆堅守攻略の鍵はピッチをワイドに使った攻め
▽ホームで先勝を狙うアーセナルは、今大会屈指の堅守を誇るモナコの守備攻略を目指す。モナコは今回の一戦でR・カルバリョとトゥラランという百戦練磨のベテランを欠くものの、ジャルディム監督が植え付けた組織的な守備は健在。とりわけ、守護神のスバシッチを軸とした中央のブロックは強固だ。アーセナルとしては、ピッチの幅を最大限に使った攻撃を軸に相手守備陣に揺さぶりをかけたいところだ。
▽恐らく、モナコはこの試合で前線にベルバトフ1人を残し、自陣に[4-5-1]のコンパクトなブロックを敷き、徹底的にアーセナルのプレースペースを消しにかかるはずだ。特に、中央のエリアはサイドバックの絞りと、セントラルハーフをバックラインに吸収させる形で対応してくるはずだ。これに対して、アーセナルは試合序盤はいつも通りの仕掛けでまずは様子を見たい。ここで相手守備のバランスを崩せなければ、よりサイドを重視した攻めにシフトするのが得策だろう。
▽この際にジルーをターゲットにしたクロスを狙っていくのも一つの手だが、相手センターバックのアブデヌール、ワラスは空中戦を得意としており、GKスバシッチもハイボールの処理が安定しているだけに、良いクロスが入らない限り、この形からゴールを奪うのは難しいかもしれない。逆に有効と思われるのが、両ウイングによるカットインとサイドバックのフォローアップを生かした仕掛けだ。前述したモナコの2センターバックは人に強い反面、カバーリングやスペースケアを苦手とする。したがって、サンチェスやウェルベックらが斜めにドリブルで突っかけ、そのタイミングでサイドバックが深い位置にオーバーラップして攻撃に絡めば、守備のバランスを崩せる可能性が高い。
◆ロングカウンターの精度とベルバトフの個人技
▽一方、守勢に回ることが予想されるモナコとしては、自陣で守備を固めてロングカウンターでアウェイゴールを狙うという戦い方がベースとなる。守備の局面では要のトゥラランとR・カルバリョを欠くことに加え、その他の選手もコンディションに不安を抱えており、採用するシステムを含め読み辛い面がある。ただ、どんなメンバー、システムを採用するにしても守備の共通意識を確認していくことが重要となる。
▽逆に攻撃面に関しては、両翼のスピードを生かしたロングカウンター以外に攻撃の形がないため、負傷者の影響はそれほどない。基本的には自陣の低い位置で奪ったボールを両ウイングのMFカラスコとMFディラールにシンプルに預け、彼らの持ち上がりから前線のベルバトフへラストパスを供給する形の攻めが多くなるはずだ。この際に守備でも貢献が求められる両ウイングがどこまでロングスプリントを繰り返せるかが、モナコの攻撃の鍵となる。加えて、ムラはあるものの好調時は圧倒的な個人技で局面を打開できるベルバトフとベルナルド・シルバの奮起にも期待したい。また、プレースキックの名手であるモウチーニョのキックを生かしたセットプレーも重要な得点源となるだろう。
▽ドルトムントとの一騎打ちとなったグループDを2位で通過したアーセナルは、15シーズン連続で決勝トーナメント進出を決定。ここ最近のラウンド16では、2シーズン連続でバイエルンと対戦するなど、優勝候補との対戦が続いていたが、今回は比較的力が劣るモナコを引き当てた。また、現在公式戦3連勝中と、良い状態で1stレグを迎えられるはずだ。
▽対するモナコは、本命不在と言われたグループCでレバークーゼンやゼニト、ベンフィカといった実力クラブを抑えて首位通過を決めた。特筆すべきは6試合で1失点という失点数の少なさ。また、わずか4得点で勝ち点11を稼ぎ出した勝負強さも際立っている。直近17試合で12勝1敗4分けと、好調を継続するモナコだが、バックラインを筆頭に負傷者の多さが気がかりな点だ。
▽1987年から94年までモナコで指揮を執っていたヴェンゲル監督は、公式戦の舞台で初めて古巣と対戦する。現在、65歳のフランス人指揮官は前日会見の場で、かつて7年間を過ごしたモナコについて、「私にとってビッグクラブで指揮を執る初めてのチャンスだった。当時、私は非常に若かったし、モナコが選んでくれたことをいつでも感謝している」と、古巣への敬意を示した。
▽また、ヴェンゲル監督の存在に加えて、元フランス代表FWティエリ・アンリ(ユベントスを経由)や同MFエマヌエル・プティ、トーゴ代表FWエマヌエル・アデバヨール(現トッテナム)などモナコからアーセナルに旅立ち、同クラブの主軸を担った選手も多くおり、縁の深い関係となっている。共に“赤と白”をチームカラーとする両クラブの初対戦は、ヴェンゲルという偉大な指揮官の存在を含めて感慨深いものとなるはずだ。
◆アーセナル◆
【4-3-3】
▽アーセナル予想スタメン
GK:オスピナ
DF:チャンバース、メルテザッカー、コシエルニー、モンレアル
MF:カソルラ、コクラン、エジル
FW:ウェルベック、ジルー、サンチェス
負傷者:DFドビュッシー(肩)、MFアルテタ(足首)、ディアビ(ふくらはぎ)、チェンバレン(そ径部)、ラムジー(ハムストリング)
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。また、直近のクリスタル・パレス戦でMFウィルシャーがベンチ入りを果たし、長期離脱組以外に目立った負傷者もいない。クリスタル・パレス戦と全く同じ11人を予想スタメンに選んだが、MFエジルやFWウェルベックのポジションに関してはメンバー変更の可能性があるかもしれない。
◆モナコ◆
【4-2-3-1】
▽モナコ予想スタメン
GK:スバシッチ
DF:ファビーニョ、ワラス、アブデヌール、クルザワ
MF:ディラール、コンドグビア、ベルナルド・シルバ、モウチーニョ、カラスコ
FW:ベルバトフ
負傷者:DFクルザワ(左太もも)、ラッジ(左ヒザ)、R・カルバリョ(ふくらはぎ)、MFバカヨコ(左太もも)、カラスコ(右太もも)、FWラシナ・トラオレ(右足骨折)
出場停止者:MFトゥララン
▽キャプテンのMFトゥラランがグループステージでの累積警告により1stレグを欠場する。また、バックラインと守備的MFを中心に多数の負傷者を抱えている。守備の要であるDFリカルド・カルバリョとトゥラランの代役は、DFワラスと1列ポジションを下げたMFモウチーニョが務める見込みだが、右サイドバックのレギュラーのDFファビーニョをセントラルハーフで起用し、18歳DFアルマミー・トゥーレを右サイドバックで起用するプランもあるようだ。システムに関しては[4-3-3]と[4-2-3-1]を併用しているが、起用できる駒次第では[4-4-2]の採用も視野に入れているはずだ。
★タクティカル・プレビュー
◆ポゼッションとカウンターという明確な構図
▽公式戦初対決となる両チームだが、今大会屈指の攻撃力を誇るアーセナルのアタッキングフットボール、グループステージ最少失点を誇るモナコの堅守速攻という互いの持ち味が真っ向から激突する展開になるはずだ。
◆ポイントは先制点
▽試合のポイントとしては、多士済々の攻撃陣を擁すアーセナルが、直近の公式戦10試合でわずか2失点しかしていないモナコの堅守をどうやってこじ開けるかだ。また、どの時間帯にゴールが生まれるかという部分も重要となる。
▽仮に、アーセナルが早い時間にゴールを奪えれば、前がかりになった相手に対して2点、3点と畳み掛けられる可能性は高い。逆に0-0の時間が長く続くようだと、焦って前がかりになり過ぎたところを、モナコにロングカウンターで突かれる危険性も出てくる。
◆堅守攻略の鍵はピッチをワイドに使った攻め
▽ホームで先勝を狙うアーセナルは、今大会屈指の堅守を誇るモナコの守備攻略を目指す。モナコは今回の一戦でR・カルバリョとトゥラランという百戦練磨のベテランを欠くものの、ジャルディム監督が植え付けた組織的な守備は健在。とりわけ、守護神のスバシッチを軸とした中央のブロックは強固だ。アーセナルとしては、ピッチの幅を最大限に使った攻撃を軸に相手守備陣に揺さぶりをかけたいところだ。
▽恐らく、モナコはこの試合で前線にベルバトフ1人を残し、自陣に[4-5-1]のコンパクトなブロックを敷き、徹底的にアーセナルのプレースペースを消しにかかるはずだ。特に、中央のエリアはサイドバックの絞りと、セントラルハーフをバックラインに吸収させる形で対応してくるはずだ。これに対して、アーセナルは試合序盤はいつも通りの仕掛けでまずは様子を見たい。ここで相手守備のバランスを崩せなければ、よりサイドを重視した攻めにシフトするのが得策だろう。
▽この際にジルーをターゲットにしたクロスを狙っていくのも一つの手だが、相手センターバックのアブデヌール、ワラスは空中戦を得意としており、GKスバシッチもハイボールの処理が安定しているだけに、良いクロスが入らない限り、この形からゴールを奪うのは難しいかもしれない。逆に有効と思われるのが、両ウイングによるカットインとサイドバックのフォローアップを生かした仕掛けだ。前述したモナコの2センターバックは人に強い反面、カバーリングやスペースケアを苦手とする。したがって、サンチェスやウェルベックらが斜めにドリブルで突っかけ、そのタイミングでサイドバックが深い位置にオーバーラップして攻撃に絡めば、守備のバランスを崩せる可能性が高い。
◆ロングカウンターの精度とベルバトフの個人技
▽一方、守勢に回ることが予想されるモナコとしては、自陣で守備を固めてロングカウンターでアウェイゴールを狙うという戦い方がベースとなる。守備の局面では要のトゥラランとR・カルバリョを欠くことに加え、その他の選手もコンディションに不安を抱えており、採用するシステムを含め読み辛い面がある。ただ、どんなメンバー、システムを採用するにしても守備の共通意識を確認していくことが重要となる。
▽逆に攻撃面に関しては、両翼のスピードを生かしたロングカウンター以外に攻撃の形がないため、負傷者の影響はそれほどない。基本的には自陣の低い位置で奪ったボールを両ウイングのMFカラスコとMFディラールにシンプルに預け、彼らの持ち上がりから前線のベルバトフへラストパスを供給する形の攻めが多くなるはずだ。この際に守備でも貢献が求められる両ウイングがどこまでロングスプリントを繰り返せるかが、モナコの攻撃の鍵となる。加えて、ムラはあるものの好調時は圧倒的な個人技で局面を打開できるベルバトフとベルナルド・シルバの奮起にも期待したい。また、プレースキックの名手であるモウチーニョのキックを生かしたセットプレーも重要な得点源となるだろう。
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