ネクスト・ビエリやリバウドの後継者をご紹介!【注目のヤング・ガンズ!FW編】

▽若くしてビッグクラブで活躍する選手は多くいる。チェルシーのGKティボー・クルトワ(22)、ユベントスのMFポール・ポグバ(21)、バルセロナのFWネイマール(23)――名前を挙げればキリがないが、まだまだ逸材は存在する。

▽今回は、超ワールドサッカー編集部が将来的にビッグクラブの注目を集めるであろう若手をピックアップ。全3回にわたって厳選した注目の若手選手を、FW、MF、GK&DFとポジション別に欧州4大リーグ+αの5名ずつ紹介する。第1回目となる本稿はFW編だ。

シモーネ・ザザ(23)
[サッスオーロ/イタリア]
【背番号】No.10
【ポジション】センターフォワード
【身長/体重】186cm / 81kg

▽貪欲にゴールを狙う姿勢と豪快なシュートが持ち味の左利きストライカー。その風貌から元ユベントスの点取り屋であるジャンルカ・ビアリを想起させるが、一方で同じレフティーであり、プレースタイルも酷似することから、“重戦車”と称されたクリスティアン・ヴィエリを引き合いに出す声もある。
▽有能な選手を輩出するアタランタの下部組織出身ではあるが、19歳の時に契約更新がこじれて同クラブから契約を打ち切られた過去がある。その後は2部や3部のクラブでプレーするなど下部リーグで揉まれてきた。2013年にはセリエA初昇格を果たしたサッスオーロに移籍。献身的な守備と果敢にゴールへ迫る動きで相手DFに脅威を与え、今季はリーグ16試合で8ゴールを奪う活躍を見せている。

▽デビューから2試合目でゴールを記録したイタリア代表では、アントニオ・コンテ監督の信頼を勝ち取り、レギュラーの座を得ている。優先的に買い戻しオプションを行使できるユベントスへの加入も噂されており、このまま好パフォーマンスを維持し続ければ、ビッグクラブへの移籍は必至だ。

サイード・ベラヒノ(21)
[WBA/イングランド]
【背番号】NO.18
【ポジション】センターフォワード
【身長/体重】180cm/82kg▽今季、WBAで公式戦26試合に出場して15ゴールを記録するベラヒノは、イングランド代表の次代を担うセンターフォワードとして注目されている。ベラヒノをひと言で表すと、「万能FW」。前WBA指揮官のアーバイン監督が「サイードはウェイン・ルーニーのようだ」と称賛するように、テクニック、戦術理解度、フィジカル、メンタルのいずれも高いレベルに到達できる素質がある。

▽WBAでの活躍が注目され、昨年11月にはイングランド代表にも招集されたベラヒノだが、ここまでの道のりは平たんではなかった。アフリカの小国であるブルンジ出身のベラヒノは、10歳のときに内戦から逃れるため、母親と共にイングランドへと移住。初めて代表に招集された際にも、「僕は手のかかる子供だったが、母親がいつもそばにいてくれた。僕が誤った道を歩まないように必死になって育ててくれた。母親のおかげで、僕は今ここにいるんだ」と語るなど、母親への感謝を忘れなかった。

▽プレミアリーグ第25節を終えて14位と残留を争うWBAで、10ゴールを挙げているベラヒノに続くスコアラーは、3ゴールのFWイデイェ・ブラウンだ。まさにWBAの攻撃陣で獅子奮迅の活躍を見せているベラヒノには、リバプールやトッテナムなどの強豪が獲得に興味を示していると伝えられる。「僕には大きな野望があるから、目標を叶えたい」と語るベラヒノ。近い将来のステップアップは間違いなさそうだ。

ルシアーノ・ビエット(21)
[ビジャレアル/スペイン]
【背番号】No.7
【ポジション】センターフォワード、セカンドトップ
【身長・体重】173cm / 68kg

▽アトレティコ・マドリーを率いるディエゴ・シメオネ監督がラシン・クラブ時代に見いだした若き才能は、多くのビッグクラブとの関連が噂されるなか、2014年の夏にビジャレアルへの移籍を決断。リーガ屈指の名将と呼ばれるマルセリーノ監督の下で大きく飛躍しようとしている。

▽今シーズンの序盤はベンチでキックオフを迎えることが多かったものの、第11節以降はレギュラーの座を奪取。先発の座を掴んでからはゴールも量産しており、ここまでの20試合(先発13試合)で、チーム最多の10得点を記録している。

▽ビジャレアルでは2トップの一角として、サイドに流れてのチャンスメイクからゴール前でのフィニッシュに至るまで、幅広い役割を担っている。魅力は機動力と決定力の高さで、小回りのきくターンとキレのあるドリブルは相手DFにとっての脅威だ。また、シュートの精度も高く、ミドルレンジからも強烈なシュートを放っていく。

▽ボックス付近でボールを受けてからシュートに持ち込むまでの動きもさることながら、ボックス内でボールに合わせるのも上手い。チームは来季のチャンピオンズリーグ出場も狙える位置につけており、上手さと泥臭さを併せ持ったアルゼンチンの小兵にかかる期待は大きい。

ダビー・ゼルケ(20)
[ブレーメン/ドイツ]
【背番号】No.27
【ポジション】センターフォワード
【身長/体重】192cm/75kg

▽2014年に行われたU-19欧州選手権で大会MVPと得点王に輝き、ドイツ代表を優勝に導いた20歳の大型ストライカー。エチオピア人の父とチェコにルーツを持つ母の間に生まれたゼルケは、192cmと長身ながら足下の技術に長けている。最大の武器はしなやかな身のこなしから繰り出されるスピードに乗ったドリブルだ。

▽所属先のブレーメンではチームの点取り屋であるアルゼンチン人FWフランコ・ディ・サントと共に2トップを形成。サイドに流れてチャンスメイクを担うことも可能な器用さを併せ持ち、ストライカータイプのディ・サントをうまく生かしている。

▽昨季トップチームデビューを果たしたゼルケは、今季のブンデスリーガで17試合に出場して5ゴールをマーク。低迷が続くブレーメンの中でブレイクの兆しを見せ、ドイツ代表でも引退したクローゼの穴を埋める存在として、招集への期待が高まっている。

アンデルソン・タリスカ(21)
[ベンフィカ/ポルトガル]
【背番号】No.30
【ポジション】攻撃的MF、センターフォワード
【身長/体重】188cm / 74kg

▽パワフルかつ繊細な左足を持つセレソン期待の若手アタッカー。自身の最大の特長でもある強烈な左足のミドルシュートから、母国の英雄であるリバウド氏の後継者と評されることも多い。だが、188cmの長身とリーチの長さを生かしたボールキープや高速ドリブル、味方をシンプルに使うプレーなど、よりモダンなアタッカーという印象だ。

▽昨年夏に母国のバイアからポルトガル屈指の名門ベンフィカに加入したタリスカ。当初はブラジルでの実績や線の細さから、さほど期待されていなかったが、若手の育成に定評があるジョルジェ・ジェズス監督の指導の下、いきなりポテンシャルを開花。2列目とセンターフォワードのポジションを主戦場に、今季のリーグ戦で9ゴールを挙げる活躍を披露している。また、昨年11月にはドゥンガ監督率いるセレソンに初招集を受けるなど、今や世界屈指の若手選手との評価を受けている。

▽実質プロ3年目でありながらアタッカーとして必要なものをハイレベルで備えているタリスカには、「労働許可証が下りれば、すぐにでも獲得したかった」とチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督が明かすなど、すでにビッグクラブが激しい獲得レースを繰り広げている。その去就を含め、セレソンの次代を担う“ニュー・リバウド”の今後の活躍に注目したいところだ。