日大藤沢最高タイ8強、ディエゴ3戦連発

<高校サッカー:日大藤沢3-0開志学園>◇3回戦◇3日◇ニッパ球
日大藤沢(神奈川)が開志学園(新潟)を下し、15大会前(99年度)に並ぶチーム過去最高タイの8強に進出した。「日藤のマラドーナ」ことFW田場ディエゴ(3年)が、全3得点に絡む活躍。1アシスト、1起点の後に3戦連発となるゴールを決めた。

日藤のマラドーナがまた決めた。FW田場が、まず前半22分のアシストで魅了した。右サイドからペナルティーエリアに進入。DF3人をかわし、ゴールライン際からマイナスのパスを送る。あとはMF中村が蹴り込むだけの、完璧な崩しで先制点をお膳立てした。ディエゴの名の由来となったマラドーナの5人抜きには及ばずも「足元に吸いついてましたね」と自賛するドリブルで均衡を破った。

その5分後に右クロスで2点目の起点になると、最後は自分だ。40分、縦パスにGKの目の前で追いつくと、反時計回りに体を回転させて右足でゴール右上を射抜いた。全3得点に絡んで控室に戻ると、たまらず絶叫した。「今日の俺、すげえ。絶好調だ～!」。

2回戦に続くゲーム主将としても8強入りに貢献したが、鼻をへし折られたから今がある。夏休み直前、佐藤輝勝監督(35)と衝突した。練習試合前のアップで手を抜いたと見られ「やる気ないなら帰れ」と怒鳴られた。勝ち気な田場も「なに言ってんだよ」と応戦。言い合いの末に5カ月間、先発から外された。
一方、その夜に監督から電話があった。「明日からノルマを課す」。112人の部員の中で唯一、田場だけが監督と交換ノートを開始。8月1日から31日まで毎日、意見をかわす中で自己中心的な性格も直した。「1点目のアシストは、前なら自分で打って枠外だった。周りを信じるようになった」と精神面も伸びた。

明日5日の準々決勝は初の4強をかけて静岡学園と対戦する。同じく3戦連発のMF中村と得点王を争う田場は「日本一も、得点王も狙ってます」と自信たっぷりに言った。【木下淳】提供:日刊スポーツ