【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.49“プレミア新定番3バック”破竹の13連勝/チェルシー[2016-17]
2019.04.30 12:00 Tue
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。
日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。

この年、前シーズンに失意の10位に終わったチェルシーがプレミアリーグを制覇できた理由はコンテ監督の手腕に他ならない。気短なオーナーの9人目の正式指揮官に採用されたイタリア人監督は、ユベントスでセリエA3連覇を、イタリア代表ではユーロ2016でベスト8に導いた実績を持っていた。
しかし、そんな名将も世界最高と言われるプレミアリーグの荒波を簡単に乗り越えられたわけではない。ビッグマッチ連戦となった第5節と第6節のリバプール、アーセナル戦では大きな力の差を見せ付けられ連敗を喫した。だがここで、コンテ監督は大胆な策に打って出た。
続く第7節のハル・シティ戦。コンテ監督はそれまでの4バックから3バックに変更。するとその試合を2-0でモノにしたチームはそこから破竹の勢いで13連勝を記録。1シーズンにおける記録では、この翌シーズンにマンチェスター・シティが18連勝するまで、アーセナルと並ぶリーグ記録だった。
第20節でトッテナムに土をつけられるものの、勢いはとどまることなく白星を重ねた。初めて首位に立った第12節から一度もその座を譲ることなく、最終的にチェルシーは勝ち点93を積み上げて2シーズンぶりの優勝を成し遂げた。プレミア初挑戦だったイタリア人指揮官は、英国でもその辣腕を遺憾なく発揮したのだった。
コンテ監督が急遽採用した3バック。それまで4バックが主流だった近年のプレミアリーグでは、下位チームがビッグクラブ相手に採用する以外なかなか例を見ないものだった。
そんな奇策を弄したブルーズだったが、選手たちは見事に順応してみせた。とりわけ、この布陣で重要となった両ウイングバックでは、右にはこれまで不遇の時を過ごしていたMFヴィクター・モーゼスが、左には新加入のDFマルコス・アロンソがかっちりハマり、豊富な運動量を持った攻撃的な両者のタイミング抜群の攻め上がりは、相手に止める術はなかった。
また、守備ではその夏に前年度優勝のレスター・シティから獲得したMFエンゴロ・カンテが規格外の存在感を発揮。ボールを追わせれば確実に回収してくれるという安心感を全選手が感じていた。パリ・サンジェルマンから2年ぶりに復帰したDFダビド・ルイスも3バックの一角として、DFギャリーケイヒル、DFセサール・アスピリクエタらと共に堅い守備を構築。時折見せる高精度のロングフィードは一つの武器だった。
そして、プレミアに旋風を巻き起こした3バックは他のチームにも影響を与え、かつてアーセナルを率いていたアーセン・ヴェンゲル監督までもが3バックを採用したほどだった。
DF:マルコス・アロンソ(26)
快進撃を見せたチェルシーのキーマンとしてこの男は外せない。レアル・マドリー出身だというスペイン人DFは、それまでボルトンやサンダーランドに在籍していた経歴を持っているものの、イングランドではあまり名の知られていないプレイヤーだった。
移籍後初出場となった第6節のアーセナル戦は苦いデビュー戦となったものの、そこから彼の評価は一変することになる。前述したように左ウイングバックで価値を見出したマルコス・アロンソは、そこから急ピッチで成長。ウイングバックということだけあって目立ったのはその攻撃力だ。同サイドのMFエデン・アザールの恩恵も受け、効果的な攻撃参加でチームをサポート。大成功を収めた初年度はリーグ戦31試合で6ゴール3アシストを記録した。
日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。
vol.49
2016-2017シーズン/チェルシー
~影響力大の3バック~

(C)CWS Brians,LTD.
監督:アントニオ・コンテ
獲得タイトル:プレミアリーグ
攻撃力8:★★★★★★★★☆☆
守備力7:★★★★★★★☆☆☆
タレント8:★★★★★★★★☆☆
連係9:★★★★★★★★★☆
選手層6:★★★★★★☆☆☆☆
首位で駆け抜けたプレミアリーグ
この年、前シーズンに失意の10位に終わったチェルシーがプレミアリーグを制覇できた理由はコンテ監督の手腕に他ならない。気短なオーナーの9人目の正式指揮官に採用されたイタリア人監督は、ユベントスでセリエA3連覇を、イタリア代表ではユーロ2016でベスト8に導いた実績を持っていた。
しかし、そんな名将も世界最高と言われるプレミアリーグの荒波を簡単に乗り越えられたわけではない。ビッグマッチ連戦となった第5節と第6節のリバプール、アーセナル戦では大きな力の差を見せ付けられ連敗を喫した。だがここで、コンテ監督は大胆な策に打って出た。
第20節でトッテナムに土をつけられるものの、勢いはとどまることなく白星を重ねた。初めて首位に立った第12節から一度もその座を譲ることなく、最終的にチェルシーは勝ち点93を積み上げて2シーズンぶりの優勝を成し遂げた。プレミア初挑戦だったイタリア人指揮官は、英国でもその辣腕を遺憾なく発揮したのだった。
プレミアの新定番となった3バック
コンテ監督が急遽採用した3バック。それまで4バックが主流だった近年のプレミアリーグでは、下位チームがビッグクラブ相手に採用する以外なかなか例を見ないものだった。
そんな奇策を弄したブルーズだったが、選手たちは見事に順応してみせた。とりわけ、この布陣で重要となった両ウイングバックでは、右にはこれまで不遇の時を過ごしていたMFヴィクター・モーゼスが、左には新加入のDFマルコス・アロンソがかっちりハマり、豊富な運動量を持った攻撃的な両者のタイミング抜群の攻め上がりは、相手に止める術はなかった。
また、守備ではその夏に前年度優勝のレスター・シティから獲得したMFエンゴロ・カンテが規格外の存在感を発揮。ボールを追わせれば確実に回収してくれるという安心感を全選手が感じていた。パリ・サンジェルマンから2年ぶりに復帰したDFダビド・ルイスも3バックの一角として、DFギャリーケイヒル、DFセサール・アスピリクエタらと共に堅い守備を構築。時折見せる高精度のロングフィードは一つの武器だった。
そして、プレミアに旋風を巻き起こした3バックは他のチームにも影響を与え、かつてアーセナルを率いていたアーセン・ヴェンゲル監督までもが3バックを採用したほどだった。
ピックアップ・プレイヤー
DF:マルコス・アロンソ(26)
快進撃を見せたチェルシーのキーマンとしてこの男は外せない。レアル・マドリー出身だというスペイン人DFは、それまでボルトンやサンダーランドに在籍していた経歴を持っているものの、イングランドではあまり名の知られていないプレイヤーだった。
移籍後初出場となった第6節のアーセナル戦は苦いデビュー戦となったものの、そこから彼の評価は一変することになる。前述したように左ウイングバックで価値を見出したマルコス・アロンソは、そこから急ピッチで成長。ウイングバックということだけあって目立ったのはその攻撃力だ。同サイドのMFエデン・アザールの恩恵も受け、効果的な攻撃参加でチームをサポート。大成功を収めた初年度はリーグ戦31試合で6ゴール3アシストを記録した。
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