フランスが3大会連続のベスト8! 初出場モロッコを4発撃破、準々決勝は開催国オーストラリアと激突【2023女子W杯】

2023.08.08 21:57 Tue
Getty Images
8日、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)ラウンド16のフランス女子代表vsモロッコ女子代表がハインドマーシュ・スタジアム(アデレード)で行われ、4-0で勝利したフランスの準々決勝進出が決まった。

3大会連続のベスト8進出を目指すフランス(グループF・1位)と初出場ながらも強豪ドイツ女子代表を抑えてグループステージを通過したモロッコ(グループH・2位)による一戦。FIFAランキング5位のフランスに同72位のモロッコが挑む構図となった。
フランスはグループ最終節のパナマ女子代表戦で温存したキャプテンのDFワンディ・ルナールがスタメンに復帰。身長187cmの世界No.1センターバックが初出場チームの中で唯一ラウンド16進出を果たしたモロッコの前に立ち塞がる。

試合前の予想通り、立ち上がりから攻勢をかけるのは自力で勝るフランス。しかし、パナマ戦でハットトリックを達成した最前線のFWカディディアトゥ・ディアニにボールが渡らず、モロッコが無理に出てこないこともあって静かな展開が続く。

それでも、男子のロシアW杯でモロッコ代表を指揮した経験を持つエルヴェ・ルナール監督率いるフランスに焦りはなし。15分、DFサキナ・カルシャウィがボックス左の角度がない位置からマイナスのクロスを上げると、モロッコは警戒すべきディアニをフリーに。ディアニは強烈なヘディング弾を叩き込んだ。
パリ・サンジェルマン(PSG)所属の2人がゴール&アシストという形で先制したフランスは20分に早くも追加点。今度は右サイドに流れたディアニが中央へマイナスの折り返しを送ると、後方からスプリントしたMFケンザ・ダリが勢いそのままに右足ダイレクトでゴール左隅へ流し込んだ。

フランスの勢いは止まらず、23分に3点目。モロッコがゴールライン付近からクリアしようと蹴ったボールはディアニの足に当たってゴール方向へ。すかさず反応したFWウジェニー・ル・ソマーが蹴り込み、瞬く間にリードは3点となった。立ち上がりこそ沈黙したディアニだが、これで1ゴール2アシストとなった。

早い段階でベスト8進出に大きく近づいたフランス。守備ではDFルナールの統率する最終ラインが綻ぶ気配はなく、モロッコに付け入る隙を一切与えない。何人かの主力を温存して3失点を喫したパナマ戦の不安定さはどこにも見当たらず、被シュート「0」というパーフェクトな前半となった。

対するモロッコは後半立ち上がりからようやくらしさを発揮。最終ラインの背後を狙う意識が強まり、49分には韓国女子代表戦でモロッコのW杯初ゴールを挙げたFWイブティサム・ジェライディがボックス内でGKとの一対一に。しかし、抜き去ることができず、この試合最初のシュートは打たせてもらえない。

フランスは無理に攻撃に出る必要がなくなったうえ、押し込まれても焦らず対応。H・ルナール監督は中心選手のMFサンディ・トレッティを64分で下げ、19歳のMFヴィッキー・ベチョを投入するなど、開催国のオーストラリア女子代表と激突することになる準々決勝を見据えた采配へシフトする。

すると、そのベチョから準々決勝進出を大きく手繰り寄せる4点目。70分、セットプレーの流れから右サイドに流れたベチョがクロスを上げると、ファーサイドに走り込んだル・ソマーがヘディング弾を叩き込む。2ゴールの34歳ル・ソマーは代表通算92得点としている。

結局、格下モロッコを攻守両面で圧倒したフランスが4-0の完勝に。危なげなくゲームを進め、3大会連続のベスト8進出となったと同時に、開催国オーストラリアと激突する準々決勝へと駒を進めた。

フランス女子代表 4-0 モロッコ女子代表
【フランス】
カディディアトゥ・ディアニ(前15)
ケンザ・ダリ(前20)
ウジェニー・ル・ソマー(前23、後25)

ワンディ・ルナールの関連記事

H・ルナール監督退場もW・ルナール主将の決勝点でフランスがスウェーデンに辛勝!スペインやドイツも連勝発進【女子ユーロ予選】

女子欧州選手権(ユーロ)2025予選のグループステージ第2節が9日に各地で行われた。 グループA3、アウェイでのスウェーデン女子代表戦に臨んだフランス女子代表は、エルヴェ・ルナール監督が退場処分を受けたが、辛くも勝利を収めた。 フランスは序盤から好機を量産するもゴールが割れず。逆に前半終了間際にはコソヴァレ・アスラニにあわやの場面を作られたが、セルマ・バシャのゴールカバーで事なきを得た。 両者無得点で迎えた58分には、ウジェニー・ル・ソマーが相手との激しい接触でピッチに倒れ込むと、このプレーと判定に異を唱えたフランス指揮官にはレッドカードが提示されることに。ルソメも62分にマリー・アントワネット・カトトとの交代となる。 スコアが動いたのは80分、フランスはCKの二次攻撃からサキナ・カルシャウイがクロスを送ると、ファーのカトトが頭で落とし、キャプテンのワンディ・ルナールが力強く蹴り込んだ。 試合終了間際にはバシャも2枚目のイエローカードで退場となったが、そのまま逃げ切り勝ち。2連勝を飾っている。 同じくグループA3、初戦はスウェーデンと引き分けたイングランド女子代表は、アイルランド女子代表との敵地戦で2-0と勝利している。 グループA2では初戦大勝のスペイン女子代表がチェコ女子代表を逆転で下して2連勝。同じくベルギー女子代表に勝利したデンマーク女子代表も連勝をスタートを切った。 グループA1ではイタリア女子代表がフィンランド女子代表に敗れる波乱。そのイタリアに初戦で敗れたオランダ女子代表は、開始6分に挙げたリネト・ベーレンスタインのゴールを守り切り、初戦でフィンランドに大勝したノルウェーを下すなど、早くも混戦模様を呈している。 その他の結果は以下の通り。 ▼女子ユーロ2025予選GS第2節 ◆リーグA ▽グループA1 フィンランド 2-1 イタリア オランダ 1-0 ノルウェー ▽グループA2 デンマーク 4-2 ベルギー スペイン 3-1 チェコ ▽グループA3 スウェーデン 0-1 フランス アイルランド 0-2 イングランド ▽グループA4 ポーランド 1-3 オーストリア ドイツ 3-1 アイスランド ◆リーグB ▽グループB1 アゼルバイジャン 0-4 スイス トルコ 2-1 ハンガリー ▽グループB2 イスラエル 2-4 セルビア スコットランド 1-0 スロバキア ▽グループB3 ボスニア・ヘルツェゴビナ 1-3 北アイルランド マルタ 0-2 ポルトガル ▽グループB4 コソボ 0-6 ウェールズ クロアチア 1-0 ウクライナ ◆リーグC ▽グループC1 リトアニア 1-0 キプロス ベラルーシ 3-0 ジョージア ▽グループC2 北マケドニア 0-5 スロベニア モルドバ 0-1 ラトビア ▽グループC3 モンテネグロ 5-1 フェロー諸島 ▽アンドラ 0-3 ギリシャ ▽グループC4 ブルガリア 2-3 アルメニア ルーマニア 1-0 カザフスタン ▽グループC5 アルバニア 2-0 エストニア ※奇数のためルクセンブルクは今節試合なし <span class="paragraph-title">【動画】フランスを勝利に導くルナールの決勝点!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="b_aHNVbcAmw";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> <span class="paragraph-title">【ハイライト動画】パリ五輪ではなでしこと同組、スペインがチェコに逆転勝ち</span> <span data-other-div="movie2"></span> <script>var video_id ="xOt4CwP4FZE";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.10 18:45 Wed

モーガンとブロンズが6度目! W杯準優勝のイングランドが最多7名選出の女子ワールドイレブンが発表!

国際サッカー連盟(FIFA)は15日、国際プロサッカー選手会(FIFPro)と共同主催する2023年の女子ワールドイレブンを発表した。 FIFA/FIFProワールドイレブンは2005年からスタート。女子は2015年から始まっていた。 世界69カ国、2万8000人以上のプロフットボーラーが投票。2022年8月1日から、2023年8月20日までの成績に基づいて投票され、GK1人、DF、MF、FWが3人選ばれ、残りの1人はそれ以外の最も票を集めた選手となった。 15日に開催された『ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ』で11人のメンバーが発表。女子最優秀選手のスペん女子代表MFアイタナ・ボンマティや最優秀女子GKのイングランド代表GKメアリー・アープスなどが選出された。 2023年に行われたオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップで優勝したスペイン女子代表からはわずか2名。一方で、準優勝だったイングランド女子代表からは最多の7名が選出される事態となった。 スペインとイングランド以外では、アメリカ女子代表FWアレックス・モーガン、そしてオーストラリア女子代表FWサマンサ・カーが選出されている。 また、アープスの他、アレックス・グリーンウッド、エラ・トゥーン、アレッシア・ルッソ、ローレン・ジェームズが初めてベストイレブン入り。モーガンとルーシー・ブロンズは6度目の受賞となり、フランス女子代表DFワンディ・ルナールの7回まで、あと1回と迫っている。 ◆2023 女子ワールドイレブン GK メアリー・アープス(イングランド/マンチェスター・ユナイテッド) DF アレックス・グリーンウッド(イングランド/マンチェスター・シティ) ルーシー・ブロンズ(イングランド/バルセロナ) オルガ・カルモナ(スペイン/レアル・マドリー) MF アイタナ・ボンマティ(スペイン/バルセロナ) エラ・トゥーン(イングランド/マンチェスター・ユナイテッド) キーラ・ウォルシュ(イングランド/マンチェスター・シティ→バルセロナ) FW アレックス・モーガン(アメリカ/サンディエゴ・ウェーブ) アレッシア・ルッソ(イングランド/マンチェスター・ユナイテッド→アーセナル) ローレン・ジェームズ(イングランド/チェルシー) サマンサ・カー(オーストラリア/チェルシー) <span class="paragraph-title">【動画&写真】女子ワールドイレブンに選ばれた選手たち</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="en" dir="ltr"> This is the 2023 FIFA FIFPRO Women&#39;s <a href="https://twitter.com/hashtag/World11?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#World11</a>, as chosen by players worldwide.<a href="https://twitter.com/FIFAWWC?ref_src=twsrc%5Etfw">@FIFAWWC</a> | <a href="https://twitter.com/FIFAcom?ref_src=twsrc%5Etfw">@FIFAcom</a> | <a href="https://twitter.com/hashtag/TheBest?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#TheBest</a> <a href="https://t.co/DYq0F2NAzJ">pic.twitter.com/DYq0F2NAzJ</a></p>&mdash; FIFPRO (@FIFPRO) <a href="https://twitter.com/FIFPRO/status/1746985079367204956?ref_src=twsrc%5Etfw">January 15, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/FIFAWWC?ref_src=twsrc%5Etfw">@FIFAWWC</a> | <a href="https://twitter.com/FIFAcom?ref_src=twsrc%5Etfw">@FIFAcom</a> | <a href="https://twitter.com/hashtag/TheBest?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#TheBest</a> <a href="https://t.co/zeeQXhi0MN">pic.twitter.com/zeeQXhi0MN</a></p>&mdash; FIFPRO (@FIFPRO) <a href="https://twitter.com/FIFPRO/status/1746986332642005322?ref_src=twsrc%5Etfw">January 15, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.16 11:05 Tue

激闘制したオーストラリアが初のベスト4入り!10人目までもつれたPK戦の末フランスを下す【女子W杯2023】

オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)準々決勝、オーストラリア女子代表vsフランス女子代表が12日にブリスベン・スタジアムで行われ、0-0のまま規定の120分を終了。PK戦スコア7-6でオーストラリアがベスト4進出を決めた。 前日になでしこジャパンがスウェーデン女子代表に敗れたため、アジア勢唯一の生き残りとなったオーストラリア。初のベスト4入りを目指すトニー・グスタフソン監督率いる"マチルダス"はラウンド16のデンマーク女子代表戦で復帰したエース、サマンサ・カーをベンチスタートとし、グループステージ最終戦から3戦連続同じスタメンとなった。 一方、ラウンド16のモロッコ女子代表戦を貫録の勝利で飾ったフランスは、そこからスタメンを1人変更。エルヴェ・ルナール監督はエーヴ・ペリセに代えてマエル・ラクラを起用し、ワンディ・ルナールの相方に。4大会連続4度目のクオーターファイナルに臨んだ。 W杯開幕直前の7月14日にも顔を合わせていた両チーム。当時は5万人を超えるメルボルンの大観衆の前で、メアリー・ファウラーの決勝点により、オーストラリアがフランスを1-0で下していた。 この試合もオーストラリアがプレーする度に大歓声が起こる中で、先にゴール迫ったのはフランス。8分、ロングボールの処理をアランナ・ケネディが誤ると、カディディアトゥ・ディアニが強さを見せて浮き球を収めてフィニッシュ。これは左に外れる。さらに続いたCKからは、ウジェニー・ル・ソマーのシュートにゴール前でフリーのラクラ合わせるも、クロスバーの上へ。オーストラリアは難を逃れた。 対するホスト国は中盤球際での勝負で徐々に上回り、23分にステフ・キャトリーの低い右CKからニアでケイトリン・フォードがフリック。ただ、依然としてゴールに近づくのは"レ・ブルー"で、28分にはショートカウンターからル・ソマーが強烈な右足、4分後にはセットプレーの二次攻撃からこぼれ球に反応したラクラと、シュート数を重ねていく。 それでも、終盤にはオーストラリアに千載一遇の決定機が到来。41分、右クロスのこぼれ球をフランスGKとDFが譲り合い、連係ミスを突いたエミリー・ファン・エグモンドがさらって折り返すと、がら空きのゴールへファウラーが蹴り込む。だが、カバーに入ったエリサ・デ・アルメイダがスーパーブロック。ホームサポーターは、歓喜を予感し挙げた諸手で頭を抱えることとなった。 両者無得点で迎えた後半はオーストラリアが攻勢に出る。早々にFKのチャンスを得れば、50分にはハイプレスで相手GKのパスミスを誘発し、拾ったファウラーが狙う。 直後には自陣でのパスミスからフランスにCKを与え、流れが止まったかに思われたオーストラリアだったが、役者の登場で再び息つく間もない攻勢に。55分、ファン・エグモンドに代わってついにカーがピッチへ立つと、いきなりカーの持ち上がりからヘイリー・ラソの左足が枠を捉える。 これはGKポーリーヌ・ペイロー=マニャンの好セーブに阻まれたが、さらにCKの二次攻撃から攻め残っていたケネディがヘディングを放ち、60分には右クロスからファウラーの左足。だが、一撃はGKの正面に飛び、その後の連続CKも得点には結び付かない。 守勢の続いていたフランスも19歳ヴィッキー・ベショを右サイドハーフに投入して盛り返し。こちら側から度々セットプレーを獲得し、一刺しを狙う。 後半終盤は互いが攻め気を披露しながら、最終ラインの集中力は切れず。90分を終えても決定打が生まれぬまま、試合は延長戦へと突入した。 スタジアムが一瞬どよめいたのは100分、フランスはやはりベショの個から右CKを獲得し、クロスにW・ルナールが合わせてネットを揺らす。だが、競り合いの際にフォードを引っ張って倒したとして主審はファウルの判定を下した。 冷や汗を欠いたオーストラリアは104分にラソに代えてコートニー・ヴァインを投入。早速1分後にフォードのクロスへニアに飛び込み、惜しいシーンを作る。 次第にオーストラリアはつなぎに精度を欠き始めると、延長後半はフランス優勢の時間となり、107分にはベショの一撃。これはGKマッケンジー・アーノルドの好セーブに遭うも、直後には左をえぐったセルマ・バシャのマイナスパスからグレイス・ゲヨロが鋭い折り返し。GKを抜けたが、オーストラリアもベショの前でキャトリーが辛うじてかき出した。試合はその後も両者決めて欠き、両者無得点のままPK戦に突入した。 フランスの先攻でスタートしたPK戦は、1人目バシャのキックをGKアーノルドがストップ。ただ、両チーム成功してのオーストラリア2人目キャトリーのキックを、終了間際に投入されたGKソレーヌ・デュランがセーブし、振り出しに。 3人目、4人目はともに成功すると、フランス5人目ペリセのシュートをGKアーノルドがまたもストップ。決めれば勝利という中でGKアーノルドがオーストラリアの5人目として登場したが、右を狙った一発はポストに嫌われた。 互いに6人目から8人目までが成功し、9人目が失敗すると、迎えた10人目、フランスはベシャのキックは左ポストを直撃したのに対し、オーストラリアはヴァインが決めてついに決着。収容人数MAXとなった4万9461人の前で、激闘を制したオーストラリアが初の4強入りを決めた。 オーストラリア女子代表 0-0[PK7-6] フランス女子代表 2023.08.12 19:17 Sat

H・ルナール監督率いるフランスが今大会初勝利!主将W・ルナールのヘディング弾でブラジルを退ける【2023女子W杯】

29日、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)グループFの第2節、フランス女子代表vsブラジル女子代表がブリスベン・スタジアム(ブリスベン)で行われ、 カタールW杯ではサウジアラビア代表を率いてアップセットを演じたエルヴェ・ルナール監督が指揮を執るフランス。マリーアントワネット・カトト、デルフィーヌ・カスカリーノ、アマンディーヌ・アンリといった主軸がケガで招集を見送られた影響もあってか、初戦はジャマイカ女子代表を圧倒的に押し込みながらも0-0に終わった。 グループステージ突破のために勝利必須の今節は、セルマ・バシャが先発に。開幕直前のオーストラリア女子代表との強化試合で左足首を負傷し、初戦を欠場していたが、[4-4-2]の左サイドハーフで攻撃にアクセントを加える。 ウジェニー・ル・ソマーが惜しいヘディングを放つなど、13分に序盤から攻勢の続くフランスは勢いのまま4分後に先手を取った。 中盤経由からフリーで受けた左サイドバックのサキナ・カルシャウィが早いタイミングでファーへクロスを送ると、カディディアトゥ・ディアニが頭で折り返してル・ソマーが流し込むようなヘッド。H・ルナール監督の就任に伴って代表に復帰したフランス女子歴代最多得点を誇るエースが、代表でのゴールを通算「90」へ伸ばし、試合を動かした。 一方、アメリカ女子代表を率いて北京オリンピック2008、ロンドンオリンピック2012と連覇を果たし、2011年ドイツ女子W杯もなでしこジャパンに次ぐ準優勝という成績を残した名将、ピア・スンドハーゲ監督率いるブラジル。初戦はアリ・ボルジェスのハットトリックなどで4-0とパナマ女子代表に貫録勝ちを収めたが、勝てばノックアウトステージ進出が決まるこの日はやや受け身に回ったか、追いかける展開に。 史上初のW杯6大会連続ゴールが懸かるマルタは初戦に続いてベンチスタートとなったが、[4-4-2]の2トップ、ジェイゼ・フェレイラとデビーニャによる前線からプレッシャーで徐々に流れを引き寄せると、23分にはデビーニャのラストパスからアドリアーナがフリーで右足のフィニッシュ。これは枠を外してしまったが、折り返しての58分に試合を振り出しに戻す。 左サイドの深い位置で時間を作り、細かいパス回しからボックス手前のケロリンがシュート。ディフレクションしたボールが裏へ抜けたデビーニャの下へこぼれると、巧みなコントロールから落ち着いて右隅へと流し込んだ。 追い付かれて以降は思うように前線にボールが収まらないフランス。その中で66分にはボランチの一角、グレイス・ゲヨロがボックス内に顔を出してのフィニッシュを見せるが、ブラジルもGKレティシアが好守を見せる。 これを機に今度はフランスの時間が増え始めると、83分に右CKからついに勝ち越す。バシャの正確なキックに合わせたのは、ファーへ回り込んでフリーとなったマークを振り切った187cmの長身ワンディ・ルナール。前監督との確執で一時は代表引退も示唆したキャプテンが値千金のヘディング弾で"レ・ブルー"に再びリードをもたらした。 再度のビハインドを負ったブラジルもマルタを含む3枚替えでゴールを目指すが、最終盤のFKも一歩及ばず。今会場最多を記録した4万9378人の観衆の前で、フランスが今大会初勝利を手にしている。 フランス女子代表 2-1 ブラジル女子代表 【フランス】 ウジェニー・ル・ソマー(前17) ワンディ・ルナール(後38) 【ブラジル】 デビーニャ(後13) 2023.07.29 21:17 Sat

視聴者数は驚異の140万人! 監督問題に揺れたフランス女子代表、ルナール新監督の下で連勝発進!

エルヴェ・ルナール監督の下で新たな船出を迎えたフランス女子代表が、好スタートを切った。 フランス女子代表は一部の選手と前コリーヌ・ディアクル監督との間に軋轢が生じ、主将DFワンディ・ルナールらがボイコットする事態にまで発展。事態を重く見たフランスサッカー連盟(FFF)は3月9日に同監督の解任し、30日にエルヴェ・ルナール監督(54)の就任を発表した。 ルナール監督は、ガーナ、ザンビア、アンゴラ、コートジボワール、モロッコと代表チームを率いた他、ソショーやリールなど、これまでフランスのクラブも指揮。2019年7月からはサウジアラビア代表の監督に就任し、カタール・ワールドカップ(W杯)初戦ではアルゼンチン代表を相手に1-2で勝利する番狂わせを演じていた。 ルナール監督とサウジアラビア代表の契約は2027年まで残っていたが、双方合意の上で契約を解除。7月に開幕を控えるオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)まで時間がない中、新指揮官は母国のために男気を見せた。 本大会へ向けた強化試合を行ったフランスは7日にコロンビア女子代表と対戦し、0-2のビハインドから大量5得点を奪っての大逆転勝ち。11日には東京オリンピックの金メダルチーム、カナダ女子代表相手にも2-1で勝利を収めた。 メンバーには前監督との確執が影響で代表引退を発表していたキャプテンのDFワンディ・ルナールも再招集され、同じく代表を離れることになっていたエースのFWウジェニー・ル・ソマーも2年ぶりに代表へ復帰。これについてルナール監督はフランス『レキップ』で「(ル・ソマーに)電話したのは彼女を信じているからだ」とコメント。2戦ともに先発起用されたストライカーは、コロンビア戦で見事2ゴールを記録し、指揮官の期待に応えている。 また、ルナール監督は選手が赤ちゃんを連れて代表活動に参加することにも賛同。出産後初招集となったリヨンMFアメル・マイリは、生後9カ月の娘のマリアムちゃんを連れて活動に参加したが、指揮官は今回の同伴実現を歓迎した。 さらにFFFによれば、『W9』で放送されたカナダ戦は、約140万人の視聴者 (視聴率6.8%)を記録したとのこと。これはW杯や欧州選手権を除くと、メディアメトリーが視聴者数を記録し始めた2012年以降、フランス女子チームにとって最高数になったとのことだ。 ルナール監督はカナダ戦後、「この9日間は素晴らしいものだった」とコメント。新チームでのW杯制覇へ向け、高揚感を覗かせた。 「難しい側面もあったが、内容には満足している。我々はゲームを支配し、違いを生み出すことができたが、避けられたかもしれないが最終的にはプレッシャーに晒されることになった」 「ただ、犯してはならないミスであっても、それはサッカーの一部。このコースは素晴らしかったし、女子の選手たちは素晴らしかった。私は彼女たちを祝福し、すべてのスタッフと同様に感謝している。この9日間は素晴らしいものだった。一緒に旅をして、さらなる高みを目指すために、この結束を維持していきたいね」 大きな注目を集めることになったフランス女子代表。本大会直前の指揮官交代は衝撃を持って報じられたが、災い転じて福となりそうだ。 <span class="paragraph-title">【動画】女子の前でも熱弁!試合前に熱く語り、勝利が選手を称えるルナール監督</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="I_0kbYdfj0Y";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> <span class="paragraph-title">【動画】ルナール監督の期待にエースが応えフランスが5-2でコロンビアに勝利</span> <span data-other-div="movie2"></span> <script>var video_id ="aGULMZPFuag";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> <span class="paragraph-title">【動画】ルナール新監督のフランスが東京五輪金のカナダに勝利</span> <span data-other-div="movie3"></span> <script>var video_id ="KIXYlx0J3SY";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.04.13 20:30 Thu

フランスの関連記事

元フランス代表DFカランブー氏の家族が故郷・ニューカレドニアで殺害…暴動に巻き込まれたと告白「家族2人が頭を銃で撃ち殺された」

1998年のフランス・ワールドカップ(W杯)でフランス代表の一員として優勝を経験したクリスティアン・カランブー氏(53)の家族が、騒動に巻き込まれて他界していたという。フランス『Europe1』が伝えた。 カランブー氏の家族が事件に巻き込まれたのはニューカレドニア。自身の故郷でもあるフランス領での事故に巻き込まれた。 ニューカレドニアでは、投票制度の改革が物議を醸しており、デモが発生。その力が強まり、襲撃を受けた警察官が射殺するなど事件が起きている。 そんな中、7人の命が奪われた暴動の中でカランブー氏の姪と甥が巻き込まれたとのこと。2人が命を落としたという。カランブー氏が自ら明かした。 「私は家族を亡くした。だから黙っていた。喪に服しているからだ。家族の2人が頭を銃で撃ち殺された。言葉は強いが、これは暗殺であり、捜査が行われることを願っている」 カランブー氏は、ニューカレドニアで生まれ、すぐにフランスへと移住。ナントの下部組織に加入すると、そのままファーストチームに昇格。サンプドリアやレアル・マドリー、ミドルズブラ、オリンピアコス、セルヴェット、バスティアでプレーし。2006年に現役を引退した。 1992年からフランス代表としてもプレー。53試合に出場し、1996年のユーロで存在感を示すと、1998年のフランスW杯で優勝。2000年のユーロでも優勝に貢献していた。現在はオリンピアコスでスポーツ・ディレクターを務めている。 2024.05.28 22:35 Tue

偉大なるジルー、その分岐点は若き日のフランス代表デビュー戦…惚れ込んだヴェンゲル氏「夢中になってしまった」

フランス代表歴代最多得点者のFWオリヴィエ・ジルー(37)。その選手キャリアにおける分岐点は、自身のA代表デビュー戦を観戦したアーセン・ヴェンゲル氏との出会いだった。 今季でミランを退団、フランス代表からもユーロ2024を最後に引退、MLSはロサンゼルスFCへの移籍を持って、欧州で見納めとなるであろう37歳ジルー。 モンペリエ時代の11-12シーズンにリーグ・アン優勝&得点王。翌季から5年半アーセナルに在籍し通算105得点。チェルシー時代は控えを抜け出せずも、34歳で加入したミランがクラブキャリアのハイライトか。1年目でスクデット奪還に大貢献、得点数だけでは語れない技量・存在感で3年間チームを引っ張り、その威圧感は老練なカルチョのDFを苦しめた。 また、フランス代表では3度のW杯出場に2018年ロシア大会優勝、そして同国代表歴代最多の57得点。ティエリ・アンリ氏の得点記録を抜くのがジルーになるなど、一体誰が予想しただろうか。まさに、年齢を重ねるごとに輝きを増していったストライカーだ。 フランス『Canal+』は、そんなジルーの半生を追いかけたドキュメンタリー番組を制作し、選手キャリアの分岐点として、当時アーセナル指揮官だったヴェンゲル氏の目に留まった“2011年11月11日”をピックアップ…ヴェンゲル氏自ら証言する。 「初めてオリヴィエを観た日のことをよく覚えている。当時彼はモンペリエの選手で、すでにそれなりの成績を収めていたが、そのプレーをこの目で確認し、『ああ、この男はフットボールを完全に理解している』と確信した。私は彼に夢中になってしまった(笑)」 “2011年11月11日”は、ジルーがフランス代表初キャップを飾ったアメリカ代表戦。スタッド・ド・フランスで観戦してジルーに惚れ込んだヴェンゲル氏は自らジルーへ接触。2012年夏のアーセナル加入に漕ぎ着けた。 しかし、代理人のミシェル・マヌエロ氏は当時、ジルーに「アーセナルなんか行くべきじゃない」とアドバイスしたと言う。 「私は彼に言った。『アーセナルはダメだ。ロビン・ファン・ペルシがいるんだぞ。ピッチ脇で味方のゴールに拍手する時間を過ごすことになるぞ』ってね。どう考えてもオリヴィエにストライカー以外はできないし、不可能なミッションに挑もうとしているように思えたんだ」 「彼は『わかった、他のクラブも考えてみよう』と言ったんだ。ところが1カ月半後、突然『やっぱりアーセナルへ行く』ってね(笑)」 ジルーがアーセナル行きを決めると、ほどなくしてマヌエロ氏の懸念だったファン・ペルシ氏がマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が決定。結果的に、ジルーは加入後すぐにセンターフォワードの定位置に収まった格好だ。 フランス代表デビュー戦にて、ヴェンゲル氏に認められたところから階段を駆け上がっていったジルー。13年もの歳月が経ち、男はフランス代表で通算131キャップ、通算57得点で歴代最多得点者となっている。 2024.05.27 14:00 Mon

ジルーがユーロ最後にレ・ブルーにも別れ! 今夏のMLS行きに続く大きな決断…「道を譲る」

ミランのフランス代表FWオリヴィエ・ジルー(37)が近々の代表引退を表明した。 ミランでの3シーズンを経て、この夏にメジャーリーグサッカー(MLS)のロサンゼルスFCに舞台を移すジルー。その前に代表としてユーロ2024に臨むが、この大会をもってレ・ブルーのユニフォームとも別れを告げるようだ。 今年9月で38歳になるが、ディディエ・デシャン監督のもとで主力としてユーロを迎えようとするなか、フランス代表通算131キャップを誇り、57ゴールの歴代最多得点者はフランス『レキップ』のインタビューで明らかにした。 「正直なところ、これがレ・ブルーで最後の大会になると言わざるをえない。もちろん、すごく寂しくなるだろうけど、フランス代表としてはユーロをもって終わりだと思う。僕らは若い選手に道を譲る必要がある」 この夏にクラブレベルで第一線から退くだけでなく、2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)制覇も経験した代表キャリアにもひと区切りをつけるジルーは有終の美となるだろうか。 2024.05.24 09:25 Fri

ユーロ控えるフランス代表に懸念材料…守護神メニャンが指を負傷か

ユーロ2024を控えるフランス代表GKマイク・メニャンが指を負傷したようだ。フランス『レキップ』が報じている。 レ・ブルー歴代最多出場記録保持者であるウーゴ・ロリスの代表引退以降、ディディエ・デシャン監督率いるチームの守護神を務めるメニャン。そして、来月には守護神として臨む最初の大舞台であるユーロ本大会が控える。 しかし、その大舞台を前に同選手は新たなケガを負った模様だ。 外転筋の負傷で直近のリーグ戦4試合を欠場していたメニャンは、セリエA最終節のサレルニターナ戦の復帰に向けて調整を進めていたが、このトレーニング中に指を負傷したという。 現時点で負傷箇所や程度は不明だが、状態を確認するために精密検査を受けることになるという。 なお、デシャン監督は6月7日までに大会の登録メンバーを決定する必要があり、メニャンとしてはそれまでに何とか間に合わせたいところだ。 2024.05.23 22:16 Thu

フランス代表選出のコマンが左ヒザを負傷? 状態次第でユーロ出場危機か

バイエルンのフランス代表FWキングスレー・コマンは、ユーロ2024出場に暗雲が立ち込めているようだ。 今シーズン、バイエルンで公式戦27試合出場5ゴール3アシストの成績を残したコマン。しかし、中盤以降は度重なるケガに苦しめられており、4月に右足の内転筋を負傷すると、そのまま試合に出場することなくシーズンを終えた。 それでも、フランス代表のディディエ・デシャン監督は6月から開催するユーロのメンバーにコマンを選出。状態には不安が残るも、大会開幕までには復帰できると見込んでの選出だった。 しかし、ドイツ『スカイ・スポーツ』によると、コマンは20日のリハビリトレーニング中、左ヒザを負傷した模様。まだ状態については明確な診断が下っていないものの、ケガの度合いによってはユーロ出場が厳しくなる可能性がある。 今シーズンは無冠に終わったバイエルンで厳しい時期を過ごしただけに、心機一転ユーロでの活躍が期待されていたが、果たして。 2024.05.21 16:20 Tue

女子ワールドカップの関連記事

2027年女子W杯の開催地がブラジルに! 初の南米開催

2027年女子ワールドカップ(W杯)の開催地がブラジルに決定した。 17日にバンコクで行われた国際サッカー連盟(FIFA)の総会にて、加盟協会による投票が行われ、119票を集めたブラジルに。もう1つの候補先だったベルギー、オランダ、ドイツ(BNG)の3カ国共催案は78票にとどまった。 イギリス『BBC』によると、FIFA会長のジャンニ・インファンティーノ氏は「ブラジルを祝福する。我々はブラジルで最高のW杯を迎えることだろう。そして、ファンタスティックだったBNGの入札にも感謝する」と話す。 女子W杯が南米の地で開催されるのは初。前回の2023年大会はオーストラリア&ニュージーランドの共催で行われ、ブラジル大会が節目の第10回大会となる。 2024.05.17 15:55 Fri

アメリカ&メキシコが2027年の女子W杯招致を撤回…2031年をターゲットに「記録的な大会を開催する」

アメリカサッカー連盟とメキシコサッカー連盟は30日、2027年の女子ワールドカップ(W杯)の招致に関して、立候補を取り下げることを発表した。なお、2031年のW杯招致に動くという。 2023年にオーストラリアとニュージーランドの共催で行われ、スペイン女子代表が初優勝を果たしていた。 2026年にはアメリカ、メキシコ、カナダの共催で男子のW杯が開催。32チームから48チームに出場国が拡大して行われる。 その翌年に女子W杯を開催しようとしていたが、今回は立候補を撤回。代わりに、2031年の女子W杯を男子と同等の投資をして開催を目指すと発表した。 「今回の修正された入札により、2026年の男子W杯の教訓と成功を踏まえ、さらに開催都市への支援を強化し、パートナーシップやメディア契約を拡大。さらにファンとの交流を深め、2031年に記録破りの大会を開催できるようにします」 なお、今回のアメリカ&メキシコの撤退により、残る開催地候補は、ブラジルかドイツ、ベルギー、オランダの共催の2つに絞られることとなった。 開催地は5月17日にタイのバンコクで開催されるFIFA総会で開催国が選定される。 2024.04.30 20:25 Tue

W杯連覇の元アメリカ女子代表コーチにパワハラ疑惑…現在は女子大で指導も選手が言葉の暴力訴え「きみたちはダメだと罵るだけ」

元アメリカ女子代表アシスタントコーチで、現オレゴン大学女子サッカー部の監督を務めるグレアム・アベル氏に、ハラスメント疑惑が浮上している。アメリカ『オレゴニアン』が伝えている。 アベル氏は2015年、2019年と、アメリカの女子ワールドカップ(W杯)連覇を支え、2020年から同職に就いた。 大学では新型コロナウイルスの影響から解かれた2021年が9勝4敗6分、2022年が4勝8敗7分という成績に終わり、昨年は0勝16敗3分の未勝利に。今季前には12人の選手が卒業や転校でチームを離れることとなった。 これは名簿の41%を占め、全米大学体育協会(NCAA)の調べで2022年に移籍ポータルに入った同カテゴリーの学生がわずか13%だったことを考えると、異例の数字と言える。 同紙は過去に在籍していた14人の元選手にインタビューを実施。匿名ながらうち12人が詳細を語り、全員がアベル氏から暴言を受けたと述べた。この中には前述の今季移籍組6人が含まれているとのことだ。 「彼はスタッフ全員をロッカールームから遠ざけたあと、ゴミ箱を蹴り、ホワイトボードを投げ、ゴミ箱の上に座って叫び始めました。試合でどのようなミスしたのかを教えて欲しいと思い、私と別の選手がそう伝えたのですが、彼は『きみたちはダメだ』と罵るだけでした」 複数の選手によると、試合後のアベル氏の暴挙には、物を投げる行為も含まれており、危うく選手2人の頭に水筒が当たりそうなったこともあったという。練習では間違ったタッチやミスと認識されると、強い言葉を投げかけられ、練習全体から外されることもあったようだ。 「彼は機会を与えてくれたのに、私はそれを無駄にしていると思っていました。けど、シーズンが終わってみると、シーズンを通して自分にどれほどの負担がかかっていたかが分かりました」 一方、別の選手は全体的にポジティブな経験を詳しく述べ、「普通のコーチング」だったと説明。2019年当時は代表選手のDFベッキー・サワーブランも「素晴らしい関係性」だったと述べており、見解には相違が見られる。 また、アベル氏も「私はコーチングの一環として脅迫的な発言や経済的影響を一度も使ったことはありません」と否定。大学側も、選手からの苦情を受けてシーズン後に見直した結果、アベル氏からの暴言や大学側の措置が必要となるような問題の証拠は見つからなかったと、独自の書面で声明を出している。 熱量、言葉の選び方や伝達方法は指導者にとっての難しい側面だが、受け手が精神的苦痛を感じるようであれば、改める必要がある。なお、アベル氏は今年が5年契約の最終年となっている。 2024.04.17 22:45 Wed

「私が男だからか?」懲役2年半を求められているスペインサッカー連盟元会長、キス問題についての発言が話題に「理解できない」

スペインサッカー連盟(RFEF)の元会長であるルイス・ルビアレス氏が、自身が起こした騒動について改めて否定。しかし、その発言が話題になっている。 問題が起きたのは2023年夏。オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)でスペイン女子代表が悲願の初優勝を果たした直後だった。 授賞式が執り行われている中、ルビアレス元会長はチームの中心選手であるジェニファー・エルモソと喜びを分かち合うと、壇上で突如唇にキスをすることに。しかし、これが大きな問題となり、世界中で話題を呼んだ。 エルモソは「合意なしに無理やりキスをされた」と訴えると、セクシャルハラスメントだとして大きな問題に。それでも、「合意の上だった」と主張し続けたルビアレス元会長への批判が高まり、最終的には辞任。その後、事態は発展し、性的暴行罪で訴えられ、2年6カ月の懲役刑が言い渡されていた。 別件では、汚職や贈賄罪について容疑がかけられており逮捕されることに。そんな中、スペイン『laSexta』での独占インタビューで様々な問題について語る中、エルモソとのキス事件について言及。そこでの発言が話題を呼んでいる。 ルビアレス元会長は「あなた方は、エルモソには尋問することはできないが、私には尋問できる…私が男だからか?」とコメント。「思想の自由を決して制限はできない。自分が左か右か、あるいは何らかの条件があるからといって、他の誰かが多かれ少なかれ正しいと考える人は間違いだ」とコメントした。 また「誰が映像を見たとしても、これを性的暴行だと考えることの理解ができない」と、改めて自身の行為について語り、「全ての被害者は私の家族であり、友人だ」と、自分が被害を受けていると主張した。 なお、自身の汚職についても完全否定。スーペル・コパをサウジアラビアで開催するにあたり、違法な手数料を受け取ったとして逮捕されているが「人生で一度も賄賂を受け取ったことはない。疑惑はウソだ」と主張。現在は銀行口座が凍結されており、「飲み物代も支払えない」とコメントした。 <span class="paragraph-title">【動画】元会長が表彰式で選手の頭を強引に掴んでキス…</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="es" dir="ltr"><a href="https://t.co/fROwn7HBQf">https://t.co/fROwn7HBQf</a> <a href="https://t.co/CCLB9QD3DH">pic.twitter.com/CCLB9QD3DH</a></p>&mdash; Informativos Telecinco (@informativost5) <a href="https://twitter.com/informativost5/status/1772993318319796724?ref_src=twsrc%5Etfw">March 27, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.04.05 11:30 Fri

同意なく女子選手にキスしたスペインサッカー連盟元会長に懲役2年6カ月が求刑…女子W杯決勝のセレモニーでの事件

スペイン検察当局は27日、スペインサッカー連盟(RFEF)の元会長であるルイス・ルビアレス氏に対して2年6カ月の懲役刑を求刑したという。スペイン『アス』が伝えた。 ルビアレス氏は、2023年のオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)でスペイン女子代表が見事に初優勝を飾った中、その表彰式でMFジェニファー・エルモソに対し、同意なく強引に口にキスをするなどして大きな問題に。両者の言い分は異なり、ルビアレス氏は自身の潔白を主張したものの、その後に辞任していた。 国際サッカー連盟(FIFA)からは3年間の資格停止処分が下され、エルモソが性的暴行罪で訴えられる中、スペイン検察は懲役刑を求刑することとなった。 また、スペイン女子代表の元監督であり、現在はモロッコ女子代表監督であるホルヘ・ビルダ氏、スペイン代表のスポーツ・ディレクター(SD)アルベルト・ルケ氏、RFEFの元マーケティング・マネージャーであるルベン・リベラ氏に対しては、懲役1年6カ月を求刑することとなった。 なお、RFEFはルケ氏とリベラ氏に対し、現在の職務から解任することを決定。推定無罪であることを尊重しながらも、「この司法問題が解明されるまで」として、職務から外すことを決断した。 <span class="paragraph-title">【動画】会長が選手の頭を強引に掴んでキス…</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="es" dir="ltr"><a href="https://t.co/fROwn7HBQf">https://t.co/fROwn7HBQf</a> <a href="https://t.co/CCLB9QD3DH">pic.twitter.com/CCLB9QD3DH</a></p>&mdash; Informativos Telecinco (@informativost5) <a href="https://twitter.com/informativost5/status/1772993318319796724?ref_src=twsrc%5Etfw">March 27, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.03.28 09:35 Thu

記事をさがす

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly