日本の前に立ちはだかった数々の壁、阻まれ続けた“あと一歩”を踏み出し歴史を変えられるか
2021.08.03 19:45 Tue
3日、U-24日本代表が東京オリンピックの準決勝でU-24スペイン代表と対戦する。
1968年のメキシコ・オリンピック以来、53年ぶりのメダル獲得を目指す日本。ここでスペインに勝利すればメダル獲得は決定。目標である金メダルを獲得するにも勝利は必要だ。
対戦相手のスペインは、ユーロ2020に出場したメンバーを含め、ヨーロッパのビッグクラブでプレーする選手たちが多数呼ばれており、市場価値にして7倍もの差があるという状況だ。
実力的に見ても、日本よりスペインが優位な戦いであることは認めざるを得ないが、ここの勝負に勝てるかどうかが、日本サッカーの今後を大きく変えると言っても過言ではない。
日本代表はこれまでここぞという勝負で勝ち切れない歴史を繰り返してきた。その歴史をストップするチャンスが再びやってきた。ワールドカップでのベスト8以上を目指す上でも、乗り越えておきたい壁と言える。今回はこれまで日本が惜しくも越えられなかったいくつかの壁を紹介する。
ラウンド16 vsトルコ代表
日本が初めてワールドカップでグループステージを突破した大会。ラウンド16の相手はこの当時は警戒されていなかったトルコだった。
雨が降る中での試合は12分にウミト・ダバラのゴールで失点。日本はしっかりと攻め込み、勝ち上がりに向けてプレー。三都主アレサンドロのFKがポストを直撃するなど、惜しいシーンもいくつかあった中、結局そのまま0-1でトルコに敗れた。
初めて世界と渡り合えたと感じられた大会。ここから、日本の惜しくも難しい歴史がスタートしていく。
◆2010年 南アフリカ・ワールドカップ
ラウンド16 vsパラグアイ代表
ワールドカップで2度目のグループステージ突破を果たした日本。その前に立ちはだかったのは、同じくワールドカップ常連国ながら、なかなかベスト16の壁を越えられなかったパラグアイだった。
堅守が特徴の南米の実力国を相手に、日本は攻勢をかけるが、堅い守備を崩すことができない。パラグアイもリスクを冒さずに試合を進めるとゴールレスのままPK戦に。互いに成功を重ねるが、日本は3人目の駒野友一が失敗し、ラウンド16で敗退となった。
堅守の前にゴールを奪えず、それを打破する策も当時は持ち合わせていなかった。パラグアイの作戦勝ちとも言えるだろう。
◆2012年 ロンドン・オリンピック
準決勝 vsU-23メキシコ代表
9年前のロンドン五輪。グループステージではスペインを下すなど好スタートを切った日本。今回と同じ準決勝まで勝ち進むと、メキシコと対戦する。
この試合では12分で大津祐樹がネットを揺らして日本が幸先良く先制。メダルの期待が高まった中31分に失点。後半も粘っていたが、65分、そして後半アディショナルタイムと失点を重ね、3-1で敗戦を喫した。
先制して勢いづいた日本だったが、逆転を目指すメキシコの圧に負け押されると、失点してからは浮き足立ってしまい盛り返すことができなかった。
なお、この準決勝の敗戦を引きずったチームは、3位決定戦でU-23韓国代表を相手に為す術なく2-0で完敗。メダルを逃すこととなった。今回はこのパターンだけは避けてもらいたい。
◆2018年 ロシア・ワールドカップ
ラウンド16 vsベルギー代表
最も直近で日本が越えられなかった壁。それはロシアW杯のラウンド16だ。誰もが記憶にある試合だろう。壁を半分越えかけた中で、最後は弾き返されてしまった試合だ。
FIFAランキングで1位に立つベルギーを相手に、難しい試合が予想された日本だったが、原口元気、乾貴士のゴールでまさかの2点を先行するスタートとなった。
この試合も慎重に入ると、前半は0-0とスコアが動かず。しかし、後半の立ち上がりに2点を奪い、リードを広げた。
しかし、明暗を分けたのは采配だった。ロベルト・マルティネス監督は日本のウィークポイントである高さをチームに与えると、それを生かしてヤン・フェルトンゲン、マルアン・フェライニと連続ゴール。2-2とすると、延長戦に入ると思われた中で後半アディショナルタイムに日本のCKからカウンター。ナセル・シャドゥリが仕留めて、ベルギーが大逆転勝利を収めた。
悲願のベスト8に近づきかけた中で引き摺り下ろされた試合。今の日本が生まれたキッカケとなった試合だけに、今回こそはしっかりとスペインの壁を越えてもらいたい。
振り返れば、1993年のアメリカ・ワールドカップ アジア最終予選で起きた“ドーハの悲劇”も、ある種越えられなかった壁の1つだ。
一方で、1998年のフランス・ワールドカップ出場を決めたジョホールバルの歓喜、2004年のアジアカップ準々決勝のヨルダン代表とのPK戦、2011年のアジアカップ決勝のオーストラリア代表戦など、乗り越えられた壁がないわけではない。ただ、いずれも越えたのはアジアの壁。世界の壁を越えられるか。歴史が変わる瞬間を、東京五輪で見られるか注目だ。
1968年のメキシコ・オリンピック以来、53年ぶりのメダル獲得を目指す日本。ここでスペインに勝利すればメダル獲得は決定。目標である金メダルを獲得するにも勝利は必要だ。
対戦相手のスペインは、ユーロ2020に出場したメンバーを含め、ヨーロッパのビッグクラブでプレーする選手たちが多数呼ばれており、市場価値にして7倍もの差があるという状況だ。
日本代表はこれまでここぞという勝負で勝ち切れない歴史を繰り返してきた。その歴史をストップするチャンスが再びやってきた。ワールドカップでのベスト8以上を目指す上でも、乗り越えておきたい壁と言える。今回はこれまで日本が惜しくも越えられなかったいくつかの壁を紹介する。
◆2002年 日韓ワールドカップ
ラウンド16 vsトルコ代表
日本が初めてワールドカップでグループステージを突破した大会。ラウンド16の相手はこの当時は警戒されていなかったトルコだった。
雨が降る中での試合は12分にウミト・ダバラのゴールで失点。日本はしっかりと攻め込み、勝ち上がりに向けてプレー。三都主アレサンドロのFKがポストを直撃するなど、惜しいシーンもいくつかあった中、結局そのまま0-1でトルコに敗れた。
初めて世界と渡り合えたと感じられた大会。ここから、日本の惜しくも難しい歴史がスタートしていく。
◆2010年 南アフリカ・ワールドカップ
ラウンド16 vsパラグアイ代表
ワールドカップで2度目のグループステージ突破を果たした日本。その前に立ちはだかったのは、同じくワールドカップ常連国ながら、なかなかベスト16の壁を越えられなかったパラグアイだった。
堅守が特徴の南米の実力国を相手に、日本は攻勢をかけるが、堅い守備を崩すことができない。パラグアイもリスクを冒さずに試合を進めるとゴールレスのままPK戦に。互いに成功を重ねるが、日本は3人目の駒野友一が失敗し、ラウンド16で敗退となった。
堅守の前にゴールを奪えず、それを打破する策も当時は持ち合わせていなかった。パラグアイの作戦勝ちとも言えるだろう。
◆2012年 ロンドン・オリンピック
準決勝 vsU-23メキシコ代表
9年前のロンドン五輪。グループステージではスペインを下すなど好スタートを切った日本。今回と同じ準決勝まで勝ち進むと、メキシコと対戦する。
この試合では12分で大津祐樹がネットを揺らして日本が幸先良く先制。メダルの期待が高まった中31分に失点。後半も粘っていたが、65分、そして後半アディショナルタイムと失点を重ね、3-1で敗戦を喫した。
先制して勢いづいた日本だったが、逆転を目指すメキシコの圧に負け押されると、失点してからは浮き足立ってしまい盛り返すことができなかった。
なお、この準決勝の敗戦を引きずったチームは、3位決定戦でU-23韓国代表を相手に為す術なく2-0で完敗。メダルを逃すこととなった。今回はこのパターンだけは避けてもらいたい。
◆2018年 ロシア・ワールドカップ
ラウンド16 vsベルギー代表
最も直近で日本が越えられなかった壁。それはロシアW杯のラウンド16だ。誰もが記憶にある試合だろう。壁を半分越えかけた中で、最後は弾き返されてしまった試合だ。
FIFAランキングで1位に立つベルギーを相手に、難しい試合が予想された日本だったが、原口元気、乾貴士のゴールでまさかの2点を先行するスタートとなった。
この試合も慎重に入ると、前半は0-0とスコアが動かず。しかし、後半の立ち上がりに2点を奪い、リードを広げた。
しかし、明暗を分けたのは采配だった。ロベルト・マルティネス監督は日本のウィークポイントである高さをチームに与えると、それを生かしてヤン・フェルトンゲン、マルアン・フェライニと連続ゴール。2-2とすると、延長戦に入ると思われた中で後半アディショナルタイムに日本のCKからカウンター。ナセル・シャドゥリが仕留めて、ベルギーが大逆転勝利を収めた。
悲願のベスト8に近づきかけた中で引き摺り下ろされた試合。今の日本が生まれたキッカケとなった試合だけに、今回こそはしっかりとスペインの壁を越えてもらいたい。
振り返れば、1993年のアメリカ・ワールドカップ アジア最終予選で起きた“ドーハの悲劇”も、ある種越えられなかった壁の1つだ。
一方で、1998年のフランス・ワールドカップ出場を決めたジョホールバルの歓喜、2004年のアジアカップ準々決勝のヨルダン代表とのPK戦、2011年のアジアカップ決勝のオーストラリア代表戦など、乗り越えられた壁がないわけではない。ただ、いずれも越えたのはアジアの壁。世界の壁を越えられるか。歴史が変わる瞬間を、東京五輪で見られるか注目だ。
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