キッカケは”靴飛ばし”、「神様の指示」と語る81歳のサッカー指導者に起きた変化【#これから私は】

2021.03.18 21:00 Thu
◆「靴飛ばし」が生んだ変化
「靴飛ばし」で得た手ごたえは、その後の小幡氏の指導方針に大きな変化を生むこととなる。小幡氏が着目したのは身体の使い方。そして、またしても偶然「古武術」という1つの解にたどり着く。

「日本代表の監督に外国人が就任して練習すると、ほとんどがフィジカル弱いと言うんですよ」と語った小幡氏だが、ヨーロッパなどの恵まれた体格の選手たちに比べれば、日本人は体格でも劣り、フィジカル面の弱さが目立つことが多かった。

今となってはヨーロッパでプレーする選手も増え、フィジカル面で完全に負けるという場面も少なくなったが、以前は大人と子供ほどの差があったのも事実。しかし、民族的な差もあり一気に日本人の体格が良くなることはなく、その中で勝っていく必要が生まれた。そこで見出したのが「身体の使い方」だった。

「自分が理解したことしか教えない」というモットーを持つ小幡氏は、身体の使い方が重要となる「古武術」を学ぶため、その持ち前の行動力で身体技法の研究家・甲野善紀氏や方条遼雨氏、高橋佳三氏という専門家に教えを乞う。

小幡氏がその「古武術」を学び出したのは75歳の時。そこから、4年以上を費やし、メソッドを習得したという。2年前に小幡氏を訪ねた際、当時79歳の小幡氏との競り合いで敗れたことを今でも思い出す。「身体の使い方」は50以上の年齢差をモノともしないことを体感した。

「靴飛ばし」以外にも空手部出身でサッカー未経験者の小幡氏ならではの、「遊び」や「古武術」の要素を取り入れたユニークな指導法がいくつもあり、その効果は目に見えて子供たちに表れたという。

「やっぱり、子供たちにも教えすぎない。今までは子供たちを呼んで、『これやるぞ』と言ってもやらない。話聞かないと『ちゃんと聞け!集まれ!』と、そういう教え方をしていたのね」

「それからは、『いいや、聞かないなら聞かないで、こっちで遊ぼう』とやると、次から本気になって聞く、準備をするんですよ」

「みんな体つきも違うんだから、遊びを利用したサッカースクールだから、疲れたら休んでいいぞ、自由にやんなさいと。自由な環境を作ったんですよ。そうしたらめちゃめちゃ上手いのが出てきたの。これなんなんでしょ」

サッカーが上手くなるためにはサッカーの指導は要らない。その根本となる身体の使い方、そして何よりも子供たちが興味を持つことをさせることで、好奇心をくすぐり、結果に繋げていった。



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