マドリッドからCLマッチが2月で消えるのは困る…/原ゆみこのマドリッド

2026.02.26 09:21 Thu
©Atlético de Madrid
「僅差なんだから、毎週首位が変わったっておかしくないよね」そんな風に私が達観していたのは月曜日、レアル・マドリーの天下がたった1週間で終わってしまったのに気がついた時のことでした。いやあ、リーガ24節でバルサがジローナに負けたため、宿命のライバルを勝ち点2上回ったアルベロア監督のチームながら、早くも彼らは最初の首位防衛戦に失敗してしまったんですけどね。今季はまだ13試合も残っており、クラシコ(伝統の一戦)も5月の35節とあって、当分、2強の競り合いは続くはずなんですが、え?おかげでアトレティコと首位の差も縮まっていないかって?

その通りで確かに勝ち点2だけ、近くなったんですが、元々、15差だったのが、13差になっただけですからね。リーガ逆転優勝の妄想を抱くファンはすでにいませんし、ビジャレアルと勝ち点3で4位にいるシメオネ監督のチームにとって、大事なのは来季のCL出場権を5位のベティスに奪われないこと。それも先週末はラージョのおかげで、4差から6差に広がったため、大体がして、5位にそんなに近づいてしまったのは、その弟分に負けたせいだったと思うと、ちょっと気分は複雑なんですが、まあ、とりあえず、先週末のリーガのマドリッド勢の試合を振り返っていくことにしましょうか。

この25節、先陣を切ったのはまさにそのラージョで、カルトゥーハでのベティス戦だったんですけどね。前半15分、ルイバルのシュートはGKバタジャが弾いてくれたものの、ボールが落ちたところにいたバカンブに撃ち込まれ、早々と先制されてしまうことに。幸いこの1点は42分、ラティウのクロスをイシがゴール前から押し込んで、ハーフタイム前にはイーブンになったものの、後半は両者共、得点できなくてねえ。終盤にはメンディがクーチョをゴール前で倒したり、バレンティンへのゴメスのファールがエリア内か外か微妙だったりなんてこともあったんものの、どちらもVAR(ビデオ審判)のモニター判定でペナルティは認められず。
そのまま痛み分けとなったんですが、一応、順位は15位まで上がったラージョでもまだ、降格圏から勝ち点2しか離れていませんからね。1部残留を確定するまで、あと5、6勝はする必要があるんですが、土曜のアスレティック戦ではいよいよ、エスタディオ・バジェカスの新しい芝も準備が整い、ホームのファンの応援を受けられるのは励みになる?ただその先、彼らは地獄の週2試合ペースが3月の各国代表戦週間まで続き、ええ、来週は水曜にピッチ状態不良で延期されていたオビエド戦、その後、コンファレンスリーグ16強対決の2試合がありますからね。その間、リーガ戦がおろそかにならないといいんですが、まあそれは兄貴分たちにも言ってやらないと。

だってえ、続く時間帯でオサスナ戦をキックオフしたマドリーがまさにそうだったんですよ。丁度、CL16強対決進出プレーオフ・ベンフィカ戦の谷間に当たったこの日、アルベロア監督は守備ラインをローテーションしていたんですが、いえ、ハイセンは前日、ふくらはぎの負傷で遠征に参加していなかったんですけどね。トレントとリュディガーを温存し、カルバハルが昨年9月以来となる先発、そしてアラバ、ダ・ルスでは出場停止でプレーできなかったアセンシオが入ることに。
あまり実戦慣れしていないメンバーが入ったせいか、序盤から敵に攻撃を浴び、ブドミルのシュートが2度もゴール枠に嫌われたおかげで何とか命拾いしていたマドリーだったんですが、それは前半38分のこと。ボールを追ってきた彼をアセンシオが止められず、ヘルプに駆けつけたGKクルトワが相手の足を踏んでしまったから、さあ大変!最初はブドミルにダイブでイエローカードが出されたものの、主審がVARに呼ばれ、モニターチェックでPKとなったんですが、ええ、オサスナのエースがこのチャンスを利用しないはずありませんって。

まあ、この1点は後半28分にバルベルデが送ったラストパスをゴール前からビニシウスが押し込んで、遅ればせながら、帳消しにはできたんですけどね。でもどうしたことか、その直後、アルベロア監督がバルベルデをゴンサロに代えてしまったから、ビックリしたの何のって。いえ、エムバペが膝の痛みのせいで100%でない折り、もう1人FWを入れるのはいいんですよ。実際、その勝ち越し点を取るのに役立つであろうMFを下げた理由は、「Está haciendo un gran esfuerzo a pesar de las molestias, y lo ha notando/エスタ・アシエンド・ウン・グラン・エスフエルソ・ア・ペサール・デ・ラス・モレスティアス、イ・ロ・ア・ノタンドー(痛みがあるにも関わらず、彼は凄い努力をしていて、それが堪えていた)」(アルベロア監督)からだそう。

それが何と、45分になって、ギュレルと交代でピッチに入っていたセバージョスが自陣でボールを失ったせいで、オサスナに決勝点を入れられてしまうんですから、いけません。ええ、ラウール・モロから送られたパスをブドミルの後を引き継いだラウール・ガルシアが受け、エリア内左奥でアセンシオを切り返して、2点目のゴールを決めたんですが、まったく。結局、そのまま2-1で負けてしまったマドリーだったんですが、やっぱりこうなると指揮官が誰であれ、いつもの言い訳が出ちゃうのは仕方ない?

アルベロア監督曰く、「Necesitamos jugar mejor, con más intensidad, porque eso es lo que se nos exige/ネセシタモス・フガール・メホール、コン・マス・インテンシダッド、ポルケ・エソ・エス・ロ・ケ・セ・ノス・エクシーヘ(もっといいプレーをしないといけない。もっと強度を高めてね。それがウチに要求されることだから)」と、要はシャビ・アロンソ監督時代にもよくあった、手抜きバージョンのマドリーが出てしまったようですが、こればっかりはねえ。ただ前にも言った通り、日曜にバルサがカンプ・ノウで順当にレバンテに3-0と勝って、奪われてしまったリーガ首位はまだ、取り返しのつく範囲なんですが、後悔がきかないのは水曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのベンフィカ戦2ndレグ。

一応、先週の1stレグでは0-1で勝っていますし、ベルナベウ開催ですけどね。ダ・ルスでの試合で退席処分となったモウリーニョ監督は、マドリー時代にはカランカ第2監督に任せていたように、試合前記者会見には出ず、当日もベンチ入りはできず。更にビニシウスへの人種差別的悪態疑惑のプレスティアーニも月曜にはUEFAから暫定出場停止処分が課されることに。おかげでスタンドのファンがpito(ピト/ブーイング)攻撃にエネルギーを割かず、ホームチームの応援に集中できるのはラッキーなんですが、何せ、リーガフェーズ最終節では4点も取られて負けた相手ですからね。

マドリーもロドリゴが2試合目の出場停止で出られず、ハイセンとベリンガムも回復が間に合うかがギリギリ。セバージョスなんて、オサスナ戦の日は大殺界だったのか、右ふくらはぎに全治4~6週の肉離れを負ってしまったんですが、とにかく一番心配なのは、これまで全てのそのゴールでマドリーの問題を解決していたエムバペがここ2試合、ノーゴールなことかと。その間、代わりにビニシウスがゴールを挙げているんですが、やっぱり彼だけではちょっと、心細いですよね。

そして土曜最後の試合ではアトレティコの番が来て、私もメトロポリターノに向かったんですが、こちらもCL16強対決進出プレーオフのクラブ・ブルージュ戦の狭間で、とにかく最近の彼らはミッドウィークの試合に特化していてね。ここ3試合白星なしと、リーガの方が疎かになっていたため、このエスパニョール戦でも何かやらかしてくれるじゃないかとヒヤヒヤしていたところ、いやまさか、開始6分にはドランのラストパスをジョフレにゴール前から決められ、失点してくれるとは!

しかもリードした途端、相手はベティスのペジェグリーニ監督がコパ・デル・レイ準々決勝での0-5大敗に学び、リーガ戦で採用していたboloque bajo(ブロケ・バホ/チームを自陣エリア近くに置いて待ち受けるスタイル)体制に入ったため、敵を囲んで攻めるのが苦手なアトレティコはCBのハンツコとプビルの間で延々とパス交換していていたんですが、大丈夫。21分、この日は右SBに戻ったジョレンテが決意を持ってエリア内に入り、クロスを上げたところ、ゴール前からセルロートがワンタッチで同点弾を決めてくれたんですよ。

そのまま1-1で折り返したアトレティコだったんですが、後半は早くも4分からゴール祭りが始まったから、ビックリしたの何のって。ええ、グリーズマンとバエナの連携からジュリアーノがGKドミトロビッチを破ると、13分にはバエナのCKをルッジェーリが頭で繋ぎ、ファーサイドにいたルックマンがヘッドで決めて3点目をゲット。更に27分にもルッジェーリのクロスをセルロートが頭でジャストミートして、とうとう4点目まで取ってしまうって、いや、ゴールはクラブ・ブルージュ戦に向けて節約しておくべきでは?

35分にはエクスポシトにゴールを決められたため、最後は4-2のスコアで終わったんですが、これはやっぱりラージョ戦のように9人も先発ローテしたらヤバいとシメオネ監督が気づいてくれたおかげかと。この日はバエナとカルドーソも若干、前のチームで示していたパフォーマンスに近づいてきていましたしね。後半途中に出場したフリアン・アルバレスはまだゴール日照りの影響が残っているようでしたが、代わりにセルロートがまた当たりだしたのは大収穫。

これなら1stレグで3-3と分け、ゼロから始まる火曜午後6時45分(日本時間翌午前2時45分)からのクラブ・ブルージュ戦2ndレグにも自信を持って挑めるかと思いますが、さて。メンバーの方は相変わらず、バリオスとニコ・ゴンサレスがリハビリ中で、マハダオンダ(マドリッド近郊)での月曜の前日セッションではシュート練習に力を入れていたようですが、何とか撃ち負けないことを祈るばかり。年明けからの延々週2試合ペースが3月の各国代表戦まで続くのは大変とはいえ、何とかリバプールかトッテナムが相手となる16強対決の試合をメトロポリターノのファンにプレゼントしてほしいものです。

そして翌日曜、いやあ、あの長く続いた暴風雨季が終わったかと思えば、マドリッドにはもう春がやって来たようで、いきなりフリースは用済みに。まさか午後2時からのコリセウムでの試合に行くのに、洋服ダンスの奥から、薄手のニットを引っ張り出さないといけなかったのには私も意表を突かれたんですが、ポカポカ陽気の中、残念ながら、ヘタフェは3連勝できなかったんですよ。ええ、相手のセビージャはここ3試合白星がなかった上、アルメイダ監督が7試合のベンチ入り禁止処分とあって、前節ビジャレアルに勝っている弟分には順位表のもっと上に行くいいチャンスに見えたんですけどね。

その一番の原因となったのは前半26分、ジェネがスアソの踵を蹴って、レッドカードで退場させられてしまったことで、残りの時間、ボルダラス監督のチームは人数的劣勢でプレーする破目に。ただ、それでもセビージャが枠内シュートを撃ったのは1度だけで、後半19分、ヤヌザイがエリア内に入れたボールをアダマが折り返し、ソウが撃ち込んだその一発がゴールになってしまったのが運の尽き。10人ながら、終盤は相手を自陣エリアに囲い込み、同点を狙ったものの、頼りの新人FWサトリアーノのシュートもGKオディセアスにparadon(パラドン/スーパーセーブ)され、ヘタフェはそのまま0-1で負けてしまいましたっけ。

これにはボルダラス監督も「退場がなければ、勝てたかどうかはわからないが、負けはしなかったろう」と言っていたんですが、実はちょっとこの敗戦、間が悪くってねえ。というのもヘタフェの次節は来週月曜、ベルナベウでの兄弟分ダービーで、ええ、その後、ホームにベティスを迎えた後はメトロポリターノも訪問しないといけませんからね。一応、現在は降格圏から勝ち点5の距離を取ったもの、3月中に再び危険地帯に逆戻りする恐れもなきにしろあらず。救いは相手が皆、週2試合チームとあって、ミッドウィーク完全フリーのヘタフェには体力的有利があることですが、果たして無事に乗り切ってくれるんでしょうか。

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly