前寛之が「町田に入って『なるほど』と思った」こととは? 「雄太や相馬といった選手たちが…」
2025.11.07 00:00 Fri
今やFC町田ゼルビアの“心臓”--。加入初年度ながら前寛之はチームに欠かせない存在だ。リーグ戦残り3試合、そして天皇杯とAFCチャンピオンズリーグエリートでのタイトル獲得に向けて「ブレずにここまで戦えていることは嬉しいですし、全ての目標を達成できるようにここから頑張りたい」と意気込む。
次節は国立競技場でのホームゲームでFC東京と対戦する。翌週には同じ舞台・同じ相手と天皇杯準決勝で相まみえる重要な連戦だ。「まず一つで勝てば、その次も勝てる雰囲気は出てくると思います。次の試合で『糸口を掴めなかった』と相手に思わせることができるような試合をしたい」と力強く語ってくれた。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
――昨季は町田の強さを外から実感したと思います。今季からは町田の一員としてプレーする中で、改めて感じているこのチームの強さについて教えてください。
前 昨季J1で初めて対戦して、本当に徹底しているチームだなと感じていました。対戦相手としてやる上では、本当にやりづらいです。なぜこのサッカーができるのか。今季は自分がその中に入って「なるほど」と思った部分もあります。
――「なるほど」と思った部分についてもう少しお聞かせいただけますか?
前 それは所属している選手たちの基準の高さにあると思っています。(中山)雄太や相馬(勇紀)といった代表を経験している選手たちが、基準の高さをずっと示してくれているからこそ、日々良いトレーニングができています。
前 リーグの中で常に上位を争うというチームのビジョンと、クラブとして大きく成長していくという会社のビジョンがリンクしているなと感じます。そこが大きいですね。J2時代に町田と対戦したこともありますが、当時は今のホームゲームのような雰囲気ではありませんでした。ファン・サポーターの数や熱量が、確実に高まってきていると感じます。
――2018年から7年間、長谷部茂利監督のもとでプレーしました。黒田剛監督とプレーする今季ここまではいかがですか?
前 これだけ長い期間一緒にやるのは珍しいと思います。どのチームに行ってもチャレンジだなと思っていましたし、黒田さんというカラーがはっきりとしている監督と一緒にやれることはすごく楽しみでした。監督によって求められることは全然違うので、今季はすごく新鮮な気持ちでプレーできています。
――今季リーグ優勝の可能性はなくなってしまいましたが、上位に付けています。カップ戦もありますが、今季ここからどう戦っていきますか?
前 一番の目標はリーグ優勝でした。夏場に8連勝できてその目標に届きそうな時に、自分たちから崩れてしまったのは、まだまだ経験不足だなと感じました。前半戦は負け数が多かったですし、連勝の勢いだけではいけなかったのかなと思います。ですが、まだタイトルのチャンスはあります。天皇杯はもちろん獲りたいですし、ACLEも今年の残り試合で勝つことができれば、リーグフェーズを突破できると思っています。
――ACLEは日程面でかなりハードだと思いますが、やり甲斐は感じますか?
前 楽しいですね。試合が終わってすぐ飛行機で移動して、戻ってきてリカバリーしたらまた試合という経験を含めて楽しめています。
――2018年から毎年30試合以上に出場しています。前選手はなぜここまでタフなのでしょうか?
前 何か言われてもあまり気にしない性格なので、自分の中で気持ちの整理ができていることは結構大きいかなと思います。昔までは若さで乗り切ることができていた部分もありましたが、今は少し敏感になりながらも、体と心を整えることで継続して試合に出場できています。
――改めてボランチというポジションの魅力はどこにあると思いますか?
前 ボランチは自由に動ける範囲が広いので、自分をより表現できるポジションだと思います。だからこそ、面白い。攻撃では飛び出して関わることもできるし、守備では後ろに落ちてチームをコントロールすることもできる。基本的な配置が決まっている中でも幅広く動ける。ボランチの面白さは、そういった部分にあるのかなと思います。
――10月のパラグアイ代表戦の後、田中碧選手が「現代サッカーではセカンドボールを拾った後、スピードアップできるかが大切」という話をしていました。黒田監督の町田が追求するスタイルに近いのかなと思うのですがいかがでしょうか?
前 たしかに現在サッカーでトランジションとセットプレーが占める割合は大きいのかなと思います。町田はそういった流れにいち早く乗ってチャレンジできていると思います。今季はそれを強みにした鹿島アントラーズ、京都サンガF.C.、ヴィッセル神戸といったチームが上位にいます。柏レイソルは少し違って自分たちの明確なスタイルがあると思いますが、そういったトレンドはありますね。
――次節は国立競技場でのホームゲーム、FC東京戦です。この一戦に向けた意気込みをお願いします。
前 一つでも上の順位に行けるチャンスがある限り全力で臨まないといけないなと思っています。国立競技場に来てくれるファン・サポーターのために勝利を届けたいですし、前回の国立でのホームゲーム(第10節 vs浦和レッズ)は欠場したので、国立のピッチで結果を出せるように頑張りたいです。
――同月16日には再び国立競技場でFC東京と対戦します(天皇杯準決勝)。そういった意味でもまずは次戦勝つことが重要になるはずです。
前 同じチームとの連戦はたまにありますよね。まず一つで勝てば、その次も勝てる雰囲気は出てくると思います。次の試合で「糸口を掴めなかった」と相手に思わせることができるような試合をしたいです。
――天皇杯は残り2勝。町田にとって悲願のメジャータイトル獲得となるはずです。
前 町田にとって一つのタイトルがどれほど重要か、歴史を作ることなのか。十分理解しているつもりです。天皇杯はチャンスですし、あと2勝してタイトル獲得を目指します。黒田監督が掲げた今季の目標は「J1リーグで5位以上」「タイトルを一つ獲得」なので、まだ全ての目標を達成できるチャンスはあります。ブレずにここまで戦えていることは嬉しいですし、全ての目標を達成できるようにここから頑張りたいです。
――2023年のJリーグYBCルヴァンカップ決勝では、タイトルをもたらすゴールを決めました。またタイトルを獲得したい気持ち、欲は強いのではないでしょうか?
前 国立に悪いイメージはないです。一度タイトルを獲得すると手に届くという実感が生まれました。サッカー人生の中で一番嬉しかった出来事だったので、またあの瞬間を味わいたいなと思います。
――2年前の決勝戦のように、ボランチの位置から前選手がどう攻守に関われるかも勝敗の大きなポイントだと思います。
前 気持ちの昂る大舞台でどれくらいできるか。そういった大胆さを持てる選手でありたいですね。
【FC町田ゼルビア ホームゲーム情報】
日程:11月9日(日)14:00キックオフ
対戦:FC東京
場所:国立競技場
チケット:好評発売中
次節は国立競技場でのホームゲームでFC東京と対戦する。翌週には同じ舞台・同じ相手と天皇杯準決勝で相まみえる重要な連戦だ。「まず一つで勝てば、その次も勝てる雰囲気は出てくると思います。次の試合で『糸口を掴めなかった』と相手に思わせることができるような試合をしたい」と力強く語ってくれた。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
前 昨季J1で初めて対戦して、本当に徹底しているチームだなと感じていました。対戦相手としてやる上では、本当にやりづらいです。なぜこのサッカーができるのか。今季は自分がその中に入って「なるほど」と思った部分もあります。
――「なるほど」と思った部分についてもう少しお聞かせいただけますか?
前 それは所属している選手たちの基準の高さにあると思っています。(中山)雄太や相馬(勇紀)といった代表を経験している選手たちが、基準の高さをずっと示してくれているからこそ、日々良いトレーニングができています。
――今はFC町田ゼルビアというクラブが大きくなっていく過程にいるのかな思います。
前 リーグの中で常に上位を争うというチームのビジョンと、クラブとして大きく成長していくという会社のビジョンがリンクしているなと感じます。そこが大きいですね。J2時代に町田と対戦したこともありますが、当時は今のホームゲームのような雰囲気ではありませんでした。ファン・サポーターの数や熱量が、確実に高まってきていると感じます。
――2018年から7年間、長谷部茂利監督のもとでプレーしました。黒田剛監督とプレーする今季ここまではいかがですか?
前 これだけ長い期間一緒にやるのは珍しいと思います。どのチームに行ってもチャレンジだなと思っていましたし、黒田さんというカラーがはっきりとしている監督と一緒にやれることはすごく楽しみでした。監督によって求められることは全然違うので、今季はすごく新鮮な気持ちでプレーできています。
――今季リーグ優勝の可能性はなくなってしまいましたが、上位に付けています。カップ戦もありますが、今季ここからどう戦っていきますか?
前 一番の目標はリーグ優勝でした。夏場に8連勝できてその目標に届きそうな時に、自分たちから崩れてしまったのは、まだまだ経験不足だなと感じました。前半戦は負け数が多かったですし、連勝の勢いだけではいけなかったのかなと思います。ですが、まだタイトルのチャンスはあります。天皇杯はもちろん獲りたいですし、ACLEも今年の残り試合で勝つことができれば、リーグフェーズを突破できると思っています。
――ACLEは日程面でかなりハードだと思いますが、やり甲斐は感じますか?
前 楽しいですね。試合が終わってすぐ飛行機で移動して、戻ってきてリカバリーしたらまた試合という経験を含めて楽しめています。
――2018年から毎年30試合以上に出場しています。前選手はなぜここまでタフなのでしょうか?
前 何か言われてもあまり気にしない性格なので、自分の中で気持ちの整理ができていることは結構大きいかなと思います。昔までは若さで乗り切ることができていた部分もありましたが、今は少し敏感になりながらも、体と心を整えることで継続して試合に出場できています。
――改めてボランチというポジションの魅力はどこにあると思いますか?
前 ボランチは自由に動ける範囲が広いので、自分をより表現できるポジションだと思います。だからこそ、面白い。攻撃では飛び出して関わることもできるし、守備では後ろに落ちてチームをコントロールすることもできる。基本的な配置が決まっている中でも幅広く動ける。ボランチの面白さは、そういった部分にあるのかなと思います。
――10月のパラグアイ代表戦の後、田中碧選手が「現代サッカーではセカンドボールを拾った後、スピードアップできるかが大切」という話をしていました。黒田監督の町田が追求するスタイルに近いのかなと思うのですがいかがでしょうか?
前 たしかに現在サッカーでトランジションとセットプレーが占める割合は大きいのかなと思います。町田はそういった流れにいち早く乗ってチャレンジできていると思います。今季はそれを強みにした鹿島アントラーズ、京都サンガF.C.、ヴィッセル神戸といったチームが上位にいます。柏レイソルは少し違って自分たちの明確なスタイルがあると思いますが、そういったトレンドはありますね。
――次節は国立競技場でのホームゲーム、FC東京戦です。この一戦に向けた意気込みをお願いします。
前 一つでも上の順位に行けるチャンスがある限り全力で臨まないといけないなと思っています。国立競技場に来てくれるファン・サポーターのために勝利を届けたいですし、前回の国立でのホームゲーム(第10節 vs浦和レッズ)は欠場したので、国立のピッチで結果を出せるように頑張りたいです。
――同月16日には再び国立競技場でFC東京と対戦します(天皇杯準決勝)。そういった意味でもまずは次戦勝つことが重要になるはずです。
前 同じチームとの連戦はたまにありますよね。まず一つで勝てば、その次も勝てる雰囲気は出てくると思います。次の試合で「糸口を掴めなかった」と相手に思わせることができるような試合をしたいです。
――天皇杯は残り2勝。町田にとって悲願のメジャータイトル獲得となるはずです。
前 町田にとって一つのタイトルがどれほど重要か、歴史を作ることなのか。十分理解しているつもりです。天皇杯はチャンスですし、あと2勝してタイトル獲得を目指します。黒田監督が掲げた今季の目標は「J1リーグで5位以上」「タイトルを一つ獲得」なので、まだ全ての目標を達成できるチャンスはあります。ブレずにここまで戦えていることは嬉しいですし、全ての目標を達成できるようにここから頑張りたいです。
――2023年のJリーグYBCルヴァンカップ決勝では、タイトルをもたらすゴールを決めました。またタイトルを獲得したい気持ち、欲は強いのではないでしょうか?
前 国立に悪いイメージはないです。一度タイトルを獲得すると手に届くという実感が生まれました。サッカー人生の中で一番嬉しかった出来事だったので、またあの瞬間を味わいたいなと思います。
――2年前の決勝戦のように、ボランチの位置から前選手がどう攻守に関われるかも勝敗の大きなポイントだと思います。
前 気持ちの昂る大舞台でどれくらいできるか。そういった大胆さを持てる選手でありたいですね。
【FC町田ゼルビア ホームゲーム情報】
日程:11月9日(日)14:00キックオフ
対戦:FC東京
場所:国立競技場
チケット:好評発売中
出典:https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20251106/2083559.html
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