リーガはまだ終わっていない…/原ゆみこのマドリッド
2025.05.09 21:00 Fri
「何言ってんだか」そんな風に私が呆れていたのは木曜日、10年ぶりの決勝進出が叶わなかったバルサのラポルタ会長が、CL準決勝2ndレグでインテルに負けたのは多分に審判のせいと言っているのを聞いた時のことでした。いやあ、確かに火曜のサン・シーロでの試合終了直後から、フリック監督の「5分5分のプレーの時、主審は常に相手側有利に取った」という発言に始まり、選手たちも声を揃えて、自分たちに不利なジャッジをされたと文句を言っていたんですけどね。
あまつさえ、ガビなど、「No han querido que lleguemos a esa final porque con la temporada que estamos haciendo estaban cagados/ノー・アン・ケリードー・ケ・ジェゲモス・ア・エセ・フィナル・ポルケ・コン・ラ・テンポラーダ・ケ・エスタモス・アシエンドー・エスタバン・カガードス(今季、ボクらがやっていることに恐れをなしていたから、ウチが決勝に行くのを望まなかった)」と自身のインスタでぶちまけていたんですが、いやいや。アチェビのハンドは自分の脚に跳ねたボールが肩と胸に当たっていたし、クバルシはボールでなくラウタロの足を蹴っていたし、ジャマルがムヒタリアンに足をかけられたのはエリア外。
ペナルティの是非は正当だったとなれば、リプレービデオですら、正確な判定が不可能だったフリアン・アルバレスの両足が触れたとして、まさにそのマルシニアク主審にPKを無効にされたアトレティコの方が遥かに悲惨では?まあ、それも最後はジョレンテが外し、お隣さんとのCL16強対決2ndレグのPK戦で敗退となったため、要はシメオネ監督のチームの自業自得なんですが、そのレアル・マドリーも準々決勝でアーセナルに総合スコア5-1で負けてすでに蚊帳の外。決勝トーナメントに3チーム進んだスペイン勢全てが5月31日の決勝を前に姿を消してしまったのはちょっと、残念ではあるんですが…。
ちなみにそのミラノでのインテル戦2ndレグがどんな試合だったかというと、ええ、1stレグは何となくバル(スペインの喫茶店兼バー)での観戦を遠慮してしまった私だったんですが、一応、準決勝ともなるとビッグイベントですからね。火曜は普段、マドリーのCLマッチデー同様、席がなくなることを恐れて、キックオフ45分前にお店に行ったところ、何と試合開始10分前までガラガラだったって、やっぱりマドリッドにはバルサファンは少ない?
それでもCLアンセムが聞こえる頃にはテーブル席全てが埋まったものの、グループで応援に来るマドリーファンとは違い、特にバルサのユニを着たサポーターがいる訳でもなく、静かに試合は始まったんですが、ええ、1週間前の1stレグでも3-3と撃ち合っていた両者でしたからね。私もすぐにゴールが見られるだろうと期待していたものの、この日も先手を取ったのはインテルの方だったんですよ。ええ、前半21分、ダニ・オルモが自陣でボールを奪われ、エリア前からトゥラムが送ったラストパスをフリーだったラウタロが決めたんですが、その時、店内から拍手が聞こえたのはもしや、ギャラリーにヒマ潰しに見に来たマドリーファンが混ざっていたのかも。
いえ、彼らの怖さは今年になって2度も2点を先行しながら、コパ・デル・レイ準決勝1stレグとリーガで4点を取られ、試合を引っくり返されたアトレティコファンなら、誰でも知っていること。この日も後半になってエンジンがかかったか、9分にはジェラール・マルティンのクロスをエリック・ガルシアがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて1点を返すと、15分には再びジェラールがボールを入れて、オルモのヘッドであっさりと同点に追いつくことに。
更に22分にはムヒタリアンに倒されたジャマルがPK獲得かと思われたものの、エリアすぐ前のFKにされたため、ここでは勝ち越し点を挙げることはできず、いえ、それよりマズかったのは31分にイニゴ・マルティネスが筋肉痛でアラウホに代わったことの方なんですけどね。ただ、それが発覚するのは、張り切る17才、ジャマルが何度もGKゾマーにparadon(パラドン/スーパーセーブ)を喰らった後の43分、とうとうラフィーニャの2度撃ちでバルサに逆転の3点目が入ってからだったんですよ。
そう、すでにバルサファンが決勝の地、ミュンヘンへの応援旅行手配を始めていたロスタイム3分、インテルは最後の反撃を試みて、CBアチェボを前線に上げていたんですけどね。まさか、後ろにアラウホがくっついていながら、ダンフリースのラストパスをその37才に流し込まれ、土壇場で3-3にされてしまったから、私も驚いたの何のって。おかげで試合は延長戦突入となり、いえ、バルの店員さんはドリンクのおかわりを頼むお客さんが増えて、ホクホク顔でしたよ。それが、日曜のリーガクラシコ(伝統の一戦)を前にマドリーファンがまさに望んだ通りの結果に終わることになるとは!
いやあ、延長戦前半8分にはまたアラウホがトゥラムを逃がし、彼の折り返しのパスがタレミからエリア内の真空にいたフラテッシに渡ると、そのシュートでインテルが逆転返しの4点目を挙げているのには私も目が点になったものですけどね。もちろん、その後のバルサは同点を目指し、最後まで渾身の力を振り絞って戦ったのは言うまでもなし。後半のラストには負傷明けのレバンドフスキも足慣らしだったか、ピッチに入っていた上、ジャマルなど、延長戦終盤にも3本もシュートを撃って、奮闘したものの…再逆転はならず、そのまま4-3、総合スコア7-6で負けてしまいましたっけ。
うーん、試合後はピッチで泣いているメンバーもいたんですが、ジャマルを始め、クバルシ、ペドリ、ガビ、フェルミンとこの先、15回ぐらいはCL優勝にチャレンジできる選手がいるバルサですからね。36才のレバンドフスキ、すでに昨季末には一旦、引退を宣言していた35才のGKシュチェスニーのポーランド人コンビ、34才のイニゴ・マルティネス以外、その辺はあまり悲観しなくてもいいんですが、問題はこのCL準決勝敗退のショックを彼らは中4日で乗り越えないといけないこと。そう、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)にはリーガ優勝争いの大一番、勝ち点4差のマドリーとガチンコ勝負がやって来るから。
これはまさに3月のCL16強対決2ndレグの延長戦、PK戦敗退で消耗した後、奇しくも当のバルサと当たり、2-0から2-4に逆転されて、リーガ逆転優勝の目が遠ざかったアトレティコの例を思い出す状況ですが、果たしてフリック監督の教え子たちは体力の回復はもとより、気持ちを切り替えることができるのかどうか。すでにコパ優勝をしているとはいえ、この1週間で全てを失くすこともありえますしね。木曜には練習場施設でセッション後、決起ランチをしたとはいえ、まずはあのザル守備を何とかしないとマズいかも。
え、うっかり失点が多いのは前節のセルタ戦も3-0から、3-2まで追い詰められたマドリーも同じだろうって?そうですね、実際、今季のクラシコでは10月のサンティアゴ・ベルナベウでのリーガ戦で0-4、1月のスペイン・スーパーカップ決勝では2-5、4月のコパ決勝でも3-2と宿敵に3連敗しているアンチェロッティ監督のチームなんですが、そうは言ってもリーガ逆転優勝のためにはこれが最後のチャンスですからね。負傷禍真っ盛りのDF陣で長期リハビリ中のカルバハル、ミリトンを始め、コパ決勝で退場して6試合の出場停止となった上、ヒザの半月板の手術をしたリュディガー、同じく手術組のアラバ、まさにその試合で復帰しながら、10分ともたなかったメンディもいないとはいえ、体力で勝る今回こそ、撃ち勝たないことには仕方ないかと。
それにはセルタ戦でも2得点し、とうとうリーガピチチ(得点王)のレバンドフスキにあと1本と迫ったエムバペのゴールが欠かせませんが、水曜のCL準決勝もう1つのカード、PSGvsアーセナル戦2ndレグで自身の古巣がマドリーのリベンジを果たし、総合スコア3-1で決勝に進出したのは、もしかしてショックだったかも。そんな中、期待がかかるのは、風邪でセルタ戦を欠場したロドリゴは回復したものの、ここ21試合でたった1得点の彼に代わり、スタメン入りが予想されているギュレル。ここ数試合、いいプレーをしている上、前節はgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)も披露しているため、やはり最近はあまりゴールづいていないビニシウスの助けにもなるんじゃないかと思いますが、さて。
何はともあれ、このクラシコではマドリーが勝って、残り3節が消化試合にならないことを祈るばかりですが、この週末の他のマドリッド勢の予定も見ておくことにすると。先陣を切るのは2週連続で金曜試合となったラージョで、ラス・パルマスとのアウェイゲームなんですが、ヘタフェとの弟分ダービーで4試合ぶりに勝利したことで、彼らには再び、来季のヨーロッパの大会出場の夢が戻ってくることに。そう、勝ち点はオサスナ、マジョルカと同じながら、イニゴ・ペレス監督のチームは8位となり、コンフェレンスリーグ出場圏入りしたんですが、ネックはエスタディオ・バジェカスではUEFAの基準を満たせないこと。
要はもし、コンフェレンスリーグなり、たった勝ち点2差の7位に上がってのELなりをプレーすることになると、サンティアゴ・ベルナベウやメトロポリターノといった兄貴分のスタジアムを借りることになるんですが、それとは別にラス・パルマスは弟分仲間のレガネス、そしてアラベスとの残留争いの渦中にいるチームですからね。4月にはヘタフェ、アトレティコが情けなくも連敗して、マドリッド勢の連帯感を示せなかったため、ようやくカメージョのケガが治って復帰したラージョには是非、援護射撃をお願いしたいところかと。
そして土曜にはまず現在、13位のヘタフェがメスタジャで前節、とうとう順位も1つ抜かれてしまった好調バレンシアに挑むんですが、「残り試合で4連勝すれば、来季ヨーロッハの大会に出られる」と楽観的なアンヘル・トーレス会長はすでにUEFAライセンス(大会に出場するための資格)を申請済みなのだとか。いやあ、今回もウチェ、アランバリが出場停止、弟分ダービーで審判に悪態をついて退場したジェネも3試合の処分を喰らったため、ちょっとそれは難しい気がしますが、ヘタフェもここ4連敗中ですからね。早いところ、運気を変えて、いい感触で今季を終えないといけませんよね。
一方、土曜の午後9時(日本時間翌午前4時)にメトロポリターノにレアル・ソシエダを迎えるのがアトレティコで、こちらは本当にシーズンが終わってしまった感が激しくてねえ。実際、スコアレスドローだった前節のアラベス戦で5枚目のイエローカードをもらい、この試合は出場停止となるフリアン・アルバレスなど、火水と個人休暇をもらっていたなんてこともあったんですが、シメオネ監督はこの1週間、セルロートの1トップでマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションを進めていたよう。一応、ホームではファンがしっかり見張っているため、そんなにダメダメなプレーはしないはずですが、11位ながら、8位とはたったの勝ち点2差。今季限りで退団するソシエダを絶対、5年連続のヨーロッパの大会出場に導いて、花道を飾りたいと考えているイマノル監督のチームを甘く見ると、ヤケドしかねませんよ。
そして日曜、まさしくクラシコ直前の時間帯にレガネスはブタルケにエスパニョールを迎えて、17位のアラベスとの勝ち点4差を縮める戦いとなるんですが、彼らは前節のセビージャ戦でも2-2と引き分けて、ここ3試合ドロー続き。しかもサンチェス・ピスファンでの試合の後、AVE(スペインの新幹線)が路線設備のケーブル盗難により運航停止となり、駅で何時間も待たされた上、マドリッドに帰還したのが朝の6時だったという災難にも遭っているんですが、もうここまで来たら、一切、言い訳は通じませんからね。勝って残留への望みを繋ぐか、2部最速Uターンに甘んじるかの二択となれば、そう、相手はヘタフェと同じ勝ち点39まで到達したばかり。もしかして油断してくれるかもしれませんし、ホームのファンの応援を力に踏ん張れたらいいのですが。
あまつさえ、ガビなど、「No han querido que lleguemos a esa final porque con la temporada que estamos haciendo estaban cagados/ノー・アン・ケリードー・ケ・ジェゲモス・ア・エセ・フィナル・ポルケ・コン・ラ・テンポラーダ・ケ・エスタモス・アシエンドー・エスタバン・カガードス(今季、ボクらがやっていることに恐れをなしていたから、ウチが決勝に行くのを望まなかった)」と自身のインスタでぶちまけていたんですが、いやいや。アチェビのハンドは自分の脚に跳ねたボールが肩と胸に当たっていたし、クバルシはボールでなくラウタロの足を蹴っていたし、ジャマルがムヒタリアンに足をかけられたのはエリア外。
ペナルティの是非は正当だったとなれば、リプレービデオですら、正確な判定が不可能だったフリアン・アルバレスの両足が触れたとして、まさにそのマルシニアク主審にPKを無効にされたアトレティコの方が遥かに悲惨では?まあ、それも最後はジョレンテが外し、お隣さんとのCL16強対決2ndレグのPK戦で敗退となったため、要はシメオネ監督のチームの自業自得なんですが、そのレアル・マドリーも準々決勝でアーセナルに総合スコア5-1で負けてすでに蚊帳の外。決勝トーナメントに3チーム進んだスペイン勢全てが5月31日の決勝を前に姿を消してしまったのはちょっと、残念ではあるんですが…。
それでもCLアンセムが聞こえる頃にはテーブル席全てが埋まったものの、グループで応援に来るマドリーファンとは違い、特にバルサのユニを着たサポーターがいる訳でもなく、静かに試合は始まったんですが、ええ、1週間前の1stレグでも3-3と撃ち合っていた両者でしたからね。私もすぐにゴールが見られるだろうと期待していたものの、この日も先手を取ったのはインテルの方だったんですよ。ええ、前半21分、ダニ・オルモが自陣でボールを奪われ、エリア前からトゥラムが送ったラストパスをフリーだったラウタロが決めたんですが、その時、店内から拍手が聞こえたのはもしや、ギャラリーにヒマ潰しに見に来たマドリーファンが混ざっていたのかも。
実際、このバルサ、序盤から2点のビハインドに陥った1stレグの反省がまったくできていなかったようで、41分にもクバルシがラウタロからボールを奪おうとエリア内でタックルをかけたところ、うーん、その後、モンジュイックでのケガでこの試合の出場が前日まで疑問視されていた当人が、プレーが一巡する間もずっと倒れたままだったからですかね。遅ればせながら、VAR(ビデオ審判)注進が入り、モニターチェックでインテルがPKをゲット。チャルハノールが決めて、2-0でハーフタイム入りとなれば、バルサもかなり厳しい状況に陥ったかに見えたんですが…。
いえ、彼らの怖さは今年になって2度も2点を先行しながら、コパ・デル・レイ準決勝1stレグとリーガで4点を取られ、試合を引っくり返されたアトレティコファンなら、誰でも知っていること。この日も後半になってエンジンがかかったか、9分にはジェラール・マルティンのクロスをエリック・ガルシアがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて1点を返すと、15分には再びジェラールがボールを入れて、オルモのヘッドであっさりと同点に追いつくことに。
更に22分にはムヒタリアンに倒されたジャマルがPK獲得かと思われたものの、エリアすぐ前のFKにされたため、ここでは勝ち越し点を挙げることはできず、いえ、それよりマズかったのは31分にイニゴ・マルティネスが筋肉痛でアラウホに代わったことの方なんですけどね。ただ、それが発覚するのは、張り切る17才、ジャマルが何度もGKゾマーにparadon(パラドン/スーパーセーブ)を喰らった後の43分、とうとうラフィーニャの2度撃ちでバルサに逆転の3点目が入ってからだったんですよ。
そう、すでにバルサファンが決勝の地、ミュンヘンへの応援旅行手配を始めていたロスタイム3分、インテルは最後の反撃を試みて、CBアチェボを前線に上げていたんですけどね。まさか、後ろにアラウホがくっついていながら、ダンフリースのラストパスをその37才に流し込まれ、土壇場で3-3にされてしまったから、私も驚いたの何のって。おかげで試合は延長戦突入となり、いえ、バルの店員さんはドリンクのおかわりを頼むお客さんが増えて、ホクホク顔でしたよ。それが、日曜のリーガクラシコ(伝統の一戦)を前にマドリーファンがまさに望んだ通りの結果に終わることになるとは!
いやあ、延長戦前半8分にはまたアラウホがトゥラムを逃がし、彼の折り返しのパスがタレミからエリア内の真空にいたフラテッシに渡ると、そのシュートでインテルが逆転返しの4点目を挙げているのには私も目が点になったものですけどね。もちろん、その後のバルサは同点を目指し、最後まで渾身の力を振り絞って戦ったのは言うまでもなし。後半のラストには負傷明けのレバンドフスキも足慣らしだったか、ピッチに入っていた上、ジャマルなど、延長戦終盤にも3本もシュートを撃って、奮闘したものの…再逆転はならず、そのまま4-3、総合スコア7-6で負けてしまいましたっけ。
うーん、試合後はピッチで泣いているメンバーもいたんですが、ジャマルを始め、クバルシ、ペドリ、ガビ、フェルミンとこの先、15回ぐらいはCL優勝にチャレンジできる選手がいるバルサですからね。36才のレバンドフスキ、すでに昨季末には一旦、引退を宣言していた35才のGKシュチェスニーのポーランド人コンビ、34才のイニゴ・マルティネス以外、その辺はあまり悲観しなくてもいいんですが、問題はこのCL準決勝敗退のショックを彼らは中4日で乗り越えないといけないこと。そう、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)にはリーガ優勝争いの大一番、勝ち点4差のマドリーとガチンコ勝負がやって来るから。
これはまさに3月のCL16強対決2ndレグの延長戦、PK戦敗退で消耗した後、奇しくも当のバルサと当たり、2-0から2-4に逆転されて、リーガ逆転優勝の目が遠ざかったアトレティコの例を思い出す状況ですが、果たしてフリック監督の教え子たちは体力の回復はもとより、気持ちを切り替えることができるのかどうか。すでにコパ優勝をしているとはいえ、この1週間で全てを失くすこともありえますしね。木曜には練習場施設でセッション後、決起ランチをしたとはいえ、まずはあのザル守備を何とかしないとマズいかも。
え、うっかり失点が多いのは前節のセルタ戦も3-0から、3-2まで追い詰められたマドリーも同じだろうって?そうですね、実際、今季のクラシコでは10月のサンティアゴ・ベルナベウでのリーガ戦で0-4、1月のスペイン・スーパーカップ決勝では2-5、4月のコパ決勝でも3-2と宿敵に3連敗しているアンチェロッティ監督のチームなんですが、そうは言ってもリーガ逆転優勝のためにはこれが最後のチャンスですからね。負傷禍真っ盛りのDF陣で長期リハビリ中のカルバハル、ミリトンを始め、コパ決勝で退場して6試合の出場停止となった上、ヒザの半月板の手術をしたリュディガー、同じく手術組のアラバ、まさにその試合で復帰しながら、10分ともたなかったメンディもいないとはいえ、体力で勝る今回こそ、撃ち勝たないことには仕方ないかと。
それにはセルタ戦でも2得点し、とうとうリーガピチチ(得点王)のレバンドフスキにあと1本と迫ったエムバペのゴールが欠かせませんが、水曜のCL準決勝もう1つのカード、PSGvsアーセナル戦2ndレグで自身の古巣がマドリーのリベンジを果たし、総合スコア3-1で決勝に進出したのは、もしかしてショックだったかも。そんな中、期待がかかるのは、風邪でセルタ戦を欠場したロドリゴは回復したものの、ここ21試合でたった1得点の彼に代わり、スタメン入りが予想されているギュレル。ここ数試合、いいプレーをしている上、前節はgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)も披露しているため、やはり最近はあまりゴールづいていないビニシウスの助けにもなるんじゃないかと思いますが、さて。
何はともあれ、このクラシコではマドリーが勝って、残り3節が消化試合にならないことを祈るばかりですが、この週末の他のマドリッド勢の予定も見ておくことにすると。先陣を切るのは2週連続で金曜試合となったラージョで、ラス・パルマスとのアウェイゲームなんですが、ヘタフェとの弟分ダービーで4試合ぶりに勝利したことで、彼らには再び、来季のヨーロッパの大会出場の夢が戻ってくることに。そう、勝ち点はオサスナ、マジョルカと同じながら、イニゴ・ペレス監督のチームは8位となり、コンフェレンスリーグ出場圏入りしたんですが、ネックはエスタディオ・バジェカスではUEFAの基準を満たせないこと。
要はもし、コンフェレンスリーグなり、たった勝ち点2差の7位に上がってのELなりをプレーすることになると、サンティアゴ・ベルナベウやメトロポリターノといった兄貴分のスタジアムを借りることになるんですが、それとは別にラス・パルマスは弟分仲間のレガネス、そしてアラベスとの残留争いの渦中にいるチームですからね。4月にはヘタフェ、アトレティコが情けなくも連敗して、マドリッド勢の連帯感を示せなかったため、ようやくカメージョのケガが治って復帰したラージョには是非、援護射撃をお願いしたいところかと。
そして土曜にはまず現在、13位のヘタフェがメスタジャで前節、とうとう順位も1つ抜かれてしまった好調バレンシアに挑むんですが、「残り試合で4連勝すれば、来季ヨーロッハの大会に出られる」と楽観的なアンヘル・トーレス会長はすでにUEFAライセンス(大会に出場するための資格)を申請済みなのだとか。いやあ、今回もウチェ、アランバリが出場停止、弟分ダービーで審判に悪態をついて退場したジェネも3試合の処分を喰らったため、ちょっとそれは難しい気がしますが、ヘタフェもここ4連敗中ですからね。早いところ、運気を変えて、いい感触で今季を終えないといけませんよね。
一方、土曜の午後9時(日本時間翌午前4時)にメトロポリターノにレアル・ソシエダを迎えるのがアトレティコで、こちらは本当にシーズンが終わってしまった感が激しくてねえ。実際、スコアレスドローだった前節のアラベス戦で5枚目のイエローカードをもらい、この試合は出場停止となるフリアン・アルバレスなど、火水と個人休暇をもらっていたなんてこともあったんですが、シメオネ監督はこの1週間、セルロートの1トップでマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションを進めていたよう。一応、ホームではファンがしっかり見張っているため、そんなにダメダメなプレーはしないはずですが、11位ながら、8位とはたったの勝ち点2差。今季限りで退団するソシエダを絶対、5年連続のヨーロッパの大会出場に導いて、花道を飾りたいと考えているイマノル監督のチームを甘く見ると、ヤケドしかねませんよ。
そして日曜、まさしくクラシコ直前の時間帯にレガネスはブタルケにエスパニョールを迎えて、17位のアラベスとの勝ち点4差を縮める戦いとなるんですが、彼らは前節のセビージャ戦でも2-2と引き分けて、ここ3試合ドロー続き。しかもサンチェス・ピスファンでの試合の後、AVE(スペインの新幹線)が路線設備のケーブル盗難により運航停止となり、駅で何時間も待たされた上、マドリッドに帰還したのが朝の6時だったという災難にも遭っているんですが、もうここまで来たら、一切、言い訳は通じませんからね。勝って残留への望みを繋ぐか、2部最速Uターンに甘んじるかの二択となれば、そう、相手はヘタフェと同じ勝ち点39まで到達したばかり。もしかして油断してくれるかもしれませんし、ホームのファンの応援を力に踏ん張れたらいいのですが。
バルセロナの関連記事
ラ・リーガの関連記事
|
バルセロナの人気記事ランキング
1
3冠の夢潰えたバルセロナ、フリック監督は主審のジャッジに苦言も名勝負演じたインテルをリスペクト「素晴らしいチーム」
バルセロナのハンジ・フリック監督が6日にアウェイで行われ、延長戦の末に3-4で打ち負けたチャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグのインテル戦を振り返った。 ホームでの1stレグを3-3の引き分けに持ち込んで臨んだ2ndレグ。前半に2点をリードされる展開となった中、後半に反撃に転じたバルセロナは54分にDFエリック・ガルシアが反撃の狼煙を上げるゴールを奪うと、6分後にはMFダニ・オルモが同点弾。 1stレグ同様に2点差を追いつくと、延長戦がちらつき始めた後半終盤の87分にFWハフィーニャが逆転弾を奪った。2戦を通して初めてリードし、勝負あったかと思われたが、追加タイムに追いつかれると、延長戦に被弾して無念の惜敗となった。 インテルとの激しい打ち合いに敗れたフリック監督は失望を滲ませた中、主審のジャッジに苦言を呈しつつも勝者のインテルを称えた。 「残念だが、チームには失望していない。選手たちは全力を尽くした。仕方ない。敗退したが、来季ファンを喜ばせるためにまた挑戦する。インテルも良いプレーを見せた。素晴らしいチームだ。守備も良く、優秀なFW陣を擁している。判断力も優れている。審判についてはあまり語りたくないが、フィフティーの判定は全てインテルに有利に働いた。残念だ。この経験から学ぶ。これは進歩だ。学び続けたいと思っている。今は練習する時間がないが、来週には戻って来る。失望するのは当然だ」 2冠を目指すバルセロナは5日後、ラ・リーガでレアル・マドリーとのエル・クラシコに臨む。 <span class="paragraph-title">【動画】死闘、激闘のインテルvsバルセロナCL準決勝!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SUJ6nMUn7bA";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.05.07 09:15 Wed2
バルサDFが相手に唾吐き行為? 一触即発状態も否定「彼に向けられたものではない」
バルセロナのスペイン代表DFイニゴ・マルティネスが、唾吐き行為を否定した。 6日、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグでバルセロナはアウェイでインテルと対戦した。 1stレグは撃ち合いの末に3-3のドロー。2ndレグはインテルが前半で2点のリードを奪った中、バルセロナが終盤にひっくり返し逆転。このまま勝利かと思われた中、インテルが土壇場で追いつくと、延長戦でインテルが勝ち越し、4-3でインテルが勝利を収め決勝に進出した。 問題のシーンはインテルが2-0とリードした後の場面。ハカン・チャルハノールがPKを成功させると、イニゴ・マルティネスがフランチェスコ・アチェルビに対して唾を吐くような姿が映像で残っていた。 アチェルビはゴールを祝う際、イニゴ・マルティネスの横で何かを叫んでいき、その際に唾を吐いたと見られる。 イニゴ・マルティネスはスペイン『エル・チリンギート』でこの件について言及。「アチェルビが僕の耳元でゴールを祝ったので、僕は怒りを覚えた。ただ、唾は彼に向けられたものではない」とコメント。「そうでなければ、退場ささせられていたはずだ」と、見解を示した。 この行為にアチェルビは怒りを見せ、イニゴ・マルティネスを指差して一触即発の状態に。ただ、この状況を主審のシモン・マルチニアク氏は見逃しており、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)も気が付かなかったようだ。 なお、欧州サッカー連盟(UEFA)とバルセロナはこの件についてはノーコメント。ただ、懲戒委員会がマッチコミッショナーらの報告書を精査し、何らかの処分が下される可能性はあるようだ。 <span class="paragraph-title">【写真】詰め寄る両者は一触即発状態</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Why Francesco Acerbi was furious with Inigo Martinez after Inter Milan penalty in win over Barcelona <a href="https://t.co/xdcbfw9gnM">https://t.co/xdcbfw9gnM</a></p>— Metro Sport (@Metro_Sport) <a href="https://twitter.com/Metro_Sport/status/1920032449091797265?ref_src=twsrc%5Etfw">May 7, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.05.07 21:45 Wed3
神セーブ連発でヤマルの前に立ちはだかったゾマー、「今日起こったことを言葉で説明するのは難しい」
インテルのスイス代表GKヤン・ゾマーが6日にホームで行われ、延長戦の末に4-3で打ち勝ったチャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグのバルセロナ戦後にコメントした。 ゾマーは1stレグ同様、バルセロナ相手に3失点を喫するも7本のセーブを見せてインテルの決勝進出に大きく貢献。とりわけ延長後半9分のFWラミン・ヤマルのコントロールシュートをビッグセーブで凌いだ場面は正に神セーブと称されるシーンだった。 欧州サッカー連盟(UEFA)が選出するマン・オブ・ザ・マッチに選出されたゾマーはバルセロナとの激闘を次のように振り返った。 「今日起こったことを言葉で説明するのは難しい。信じられないような試合ができた。ヤマルは素晴らしい選手。幸い、彼のシュートはゴールに入らなかった。多くのチームは後半追加タイム3分でビハインドを負っていたら諦めるだろう。だが僕らは違い、逆転することができた。素晴らしいCLの夜になったよ」 決勝ではパリ・サンジェルマンvsアーセナルの勝者と対戦する。 「相手が誰であろうと厳しい戦いになることはわかっている。もちろん、今はタイトル獲得を目指している」 そしてサポーターへの感謝を忘れなかった。 「世界には熱いスタジアムがあると話を聞くが、僕にとってはジュゼッペ・メアッツァに勝るスタジアムはないよ」 <span class="paragraph-title">【動画】死闘、激闘のインテルvsバルセロナCL準決勝!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SUJ6nMUn7bA";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.05.07 11:30 Wed4
後世に残る名勝負を制したのはインテル、起死回生のアチェルビ同点弾から延長フラッテージ弾でバルセロナ撃破【CL】
チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグ、インテルvsバルセロナが6日に行われ、延長戦の末に4-3でインテルが勝利した。この結果、2戦合計スコアを7-6としたインテルが決勝に進出している。 先週敵地で行われた1stレグを常に先行する展開の中、3-3で引き分けたインテルは、3日前のウノゼロ勝利としたエラス・ヴェローナ戦のスタメンからビセック以外の10選手を変更。1stレグで負傷交代したラウタロ・マルティネスが先発となった。 一方、週末にエル・クラシコを控えるバルセロナは、3日前の2-1で逆転勝利したバジャドリー戦のスタメンからペドリ以外の10選手を変更。負傷から戻ってきたレヴァンドフスキはベンチスタートとなった。 立ち上がりから圧力をかけたバルセロナはヤマル、エリック・ガルシアの右サイドを起点に打開を図る中、守勢のインテルはハイラインの裏を突くカウンターで応戦する展開に。 そんな中21分、インテルが試合を動かす。ダニ・オルモからボールを奪ってショートカウンターに転じると、ディマルコがスルーパス。ダンフリースがディフェンスライン裏へ抜け出し、ラストパスを並走していたラウタロが押し込んだ。 1stレグ同様に追う展開となったバルセロナが押し込む状況を続けると34分、エリック・ガルシアの右クロスにフェラン・トーレスがボレーで合わせる好機を演出。 対する守勢のインテルはスローインからムヒタリアン、チャルハノールが2度際どいシュートで牽制すると42分、PKを獲得。ムヒタリアンのスルーパスを受けたラウタロがボックス左に抜け出し、クバルシに倒された。直後はノーファウル判定だったもののVARが入り、PKとなった。これをチャルハノールが決めてインテルが2点をリードして前半を終えた。 迎えた後半も前がかるバルセロナが54分、1点差とする。マルティンが立て続けに左サイドからクロスを入れると、ファーサイドのエリック・ガルシアがボレーで叩き込んだ。 さらに57分、バルセロナが一気に追いつきかける。CKを跳ね返した流れのロングカウンターから3対2の状況を作り、マルティンの左クロスからエリック・ガルシアがシュートに持ち込んだが、ややコースが甘くなってしまったフィニッシュはGKゾマーのファインセーブに阻まれた。 それでも60分に追いつく。マルティンのアーリークロスをゴールエリア右に飛び込んだダニ・オルモがダイビングヘッドで押し込んだ。 1stレグ同様、2点差を追いついたバルセロナが押せ押せの展開とすると、68分にPKを獲得しかける。チャルハノールのバックパスがずれたところを狙ったヤマルがボックス内へ。ムヒタリアンに倒されて直後はPK判定となるもVARの末、ボックス外でのファウルとなりFKとなった。 ハーフコートゲームとするバルセロナは77分、ヤマルがコントロールミドルで逆転に迫るも、GKゾマーのファインセーブに阻まれた。両軍が延長戦を視野に入れつつあった中、終盤の87分にバルセロナが逆転の一撃。 ペドリのパスを受けたボックス左のハフィーニャがGK強襲のシュート。ルーズボールを自ら右足ボレーで狙うと、ゴール右に決まった。 2戦を通して初めてリードしたバルセロナは追加タイム3分、ヤマルがポスト直撃のシュートを浴びせて3-2で勝利するかと思われたが直後、インテルが起死回生の同点弾。パワープレーで上がっていたアチェルビがダンフリースの右クロスにダイレクトで合わせた。 1stレグ同様、圧巻の打ち合いで延長戦に突入した中、同前半9分にインテルが勝ち越し。ボックス右でテュラムがボールをキープ。タレミの落としを受けたフラッテージがシュートフェイントを入れた後、冷静な左足でのフィニッシュでネットを揺らした。 延長後半、ガビとビクトルを投入したバルセロナは開始2分にヤマルのクロスから後半終盤投入レヴァンドフスキのヘディングシュートでゴールに迫ったが、インテルも直後にフラッテージが5点目に迫るコントロールシュートで応戦。 延長後半9分にはヤマルがボックス右から絶妙なコントロールシュートを狙うも、GKゾマーのビッグセーブに阻まれ、3-4で無念の敗戦。3冠の夢が潰えた。 一方、バルセロナとの後世に残る名勝負を制したインテルは、準優勝した2シーズン前以来となる決勝進出を果たしている。 インテル 4-3 バルセロナ 【インテル】 ラウタロ・マルティネス(前21) ハカン・チャルハノール(前46)【PK】 フランチェスコ・アチェルビ(後48) ダビデ・フラッテージ(延前9) 【バルセロナ】 エリック・ガルシア(後9) ダニ・オルモ(後15) ハフィーニャ(後42) <span class="paragraph-title">【動画】死闘、激闘のインテルvsバルセロナCL準決勝!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SUJ6nMUn7bA";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.05.07 06:39 Wed5