リーグ・アンと『DAZN』の放映権料問題、交渉が決裂し多くのクラブが財政危機に

2025.04.16 16:30 Wed
リーグ・アンとDAZNの問題が拗れている
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リーグ・アンとDAZNの問題が拗れている
フランスサッカーが放映権を巡り、大きな危機に直面している。

リーグ・アン(フランス1部)は、2024-25シーズンから国内の放送に関して、『DAZN』と契約。開幕直前まで決まらなかった問題は、2024年から2029年までの契約となり、リーグ・アン各節9試合のうちの8試合の放映権に関して年間4億ユーロ(約647億円)を支払うことで合意していた。

しかし、『DAZN』はデジタル著作権の侵害との戦いと、『DAZN』のリーグ・アン放送に対するフランスプロサッカー機構(LFP)の支援が不足していることを理由に、2月に支払われるべき7000万ユーロ(約113億2300万円)の分割払いの半分を保留していた。
この支払いを巡り、双方がそれぞれ提案した結果、調停人は『DAZN』が今シーズンの債務の全額に当たる1億4000万ユーロ(約226億3700万円)と、4年間の契約期間全体で16億ユーロ(約2587億円)となるはずだった契約違反に対する補償として、最大1億2500万ユーロ(約202億1000万円)を支払う妥協案を勧告していた。

リーグ・アンの各クラブは、15日の会議でこの提案を支持することに同意し、LFPの幹部と『DAZN』が合意すると期待されていたが、『DAZN』がこれを拒否。交渉が決裂してしまった。
LFPは「調停が失敗したことを認識している」としながらも、「契約は引き続き有効であり、相手側が義務をすべて完全に履行することを期待している」と声明を発表していた。

一方の『DAZN』は「『DAZN』が誠意を持って開始し、複数の提案を含む6週間の調停を含む4カ月間の協議を経て、残念ながら調停は当事者間の溝を十分に埋めることに成功しなかった」とし、「現段階では、事態を友好的に解決するための合意に達することは不可能だ」と、交渉決裂であることを認めた。

なお、LFP側の提案は『DAZN』が今シーズン終了まで放送を継続し、減額された補償料を支払うという調停人の提案に加え、放映権料を減額してさらに2年間放送を続けるという2つの案を提案した。

一方で、『DAZN』は今シーズン終了まで契約を継続し、1年間の契約料である4億ユーロを支払った上で補償料は支払わないこと。または、4年間の契約満了まで契約を継続するものの、一定の加入者数に達したかどうかに応じて放映権料が変動するものを提案していた。さらに、リーグ・アンは『DAZN』で放映されない1試合を『beIN Sports』が放映していたが、『DAZN』はその権利も求めていたとのことだ。

両者が求めているものには大きな隔たりがある状況の中、LFP側の提案が通っているような状態となり、『DAZN』が交渉を終える理由は当然とも言えそうだ。

フランスの多くのクラブは現時点でも赤字に陥っており、放映権料も分配されないとなれば、クラブの財政に大きなダメージとなる状況。多くの有望な選手や若手の逸材もいるリーグだが、選手の売却を含めたコストカットに動かなければいけなくなるかもしれない。

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