逆転劇がマドリーの専売特許じゃなくなった…/原ゆみこのマドリッド
2024.12.10 20:00 Tue
「勝てるといいんだけど」そんな風に私が珍しく、レアル・マドリーの勝利を祈っていたのは月曜日、お昼のニュースでベルガモに到着した案アンチェロッティ監督のチームの映像を見た時のことでした。いやあ、今季から始まった拡大版CLリーグフェーズで彼らは前節、緊急事態に突入。そう、CLでもプレミアリーグでも首位に立つリバプールに負けるのはありうることとしても、想定外のリール戦、ミラン戦での黒星もあったため、とうとう順位が決勝トーナメント16強対決進出プレーオフ参加の最後の一席、24位となってしまったからで、更に落ちるとCL敗退になってしまいますからね。
続いてレアル・マドリーがモンテリビでジローナ戦をキックオフしたんですが、この日は当日移動の直前、ロドリゴが左太ももの痛みを訴え、お留守番になるというアクシデントが発生。まだビニシウスも復帰していませんし、ミッドウィークのアスレティック戦同様、序盤から積極的に攻撃していたジローナに何度も得点チャンスを作られていましたからね。私も少々心配して、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で観戦していたんですが、シュートは撃ってもゴールが入らないのが、昨季と今季のジローナの最大の違い。
ええ、両者無得点だった36分、ブライムがエリア内左奥から入れたボールをミゲール・グティエレスがゴール前でクリアしたものの、ベリンガムのところに行ってしまったのが、マドリーの転機になったんですよ。この日はトップ下のポジションで入っていたイングランド代表MFがシュートを決め、5試合連続ゴールで先制点を挙げてくれたとなれば、相変わらず、この夏到着したギャラクティコがパッとしなくても不足はない?ちなみにそのエムバペは前半終盤に受けたファールがペナルティにならなかったことをハーフタイムにロッカールームに戻る途中、主審に抗議して、アンチェロッティ監督と共にイエローカードをゲット。
というのも昨季終盤、ほぼ優勝が決まってから、ようやく出場させてもらえるようになった彼はシュートを撃つたび、ゴールにしていて、10試合で6得点という効率の良さを見せていたのに、負傷者が多い今季はすでに12試合に出ながら、これが初ゴールだったから。ええ、アンチェロッティ監督も後で「Es un joven que tiene demasiada presión alrededor y le viene bien este gol/エス・ウン・ホベン・ケ・ティエネ・デマシアダ・プレシオン・アルレデドル・イ・レ・ビエネ・ビエン・エステ・ゴル’(若いのに周囲から十分すぎるプレッシャーをかけられているから、このゴールは彼のためになった)」と、19才のトルコ人MFの置かれた辛い状況を認めていましたっけ。
ただ、今季のマドリーには負傷者と無縁の試合は皆無のようで、16分にはファン・デ・ベークに蹴られてベリンガムが太ももを痛め、急遽、セバージョスと交代することに。いやもう、その瞬間はマドリーファン全員が真っ青なったはずでしたが、どうやらこれはCLアタランタ戦を考えての措置だったよう。試合後、アンチェロッティ監督が、決勝トーナメント16強対決プレーオフ圏死守が懸かった大一番に彼は出られると請け合っていたのは、心の慰みになったかと。
まあ、スコアが0-2になって、「Tanto el Madrid como nosotros nos dio la sensación de que el partido estaba sentenciado/タントー・エル・マドリッド・コモ・ノソトロス・ノス・ディオ・ラ・センサシオン・デ・ケ・エル・パルティードー・エスタバ・センテンシアードー(マドリーもウチも試合は決まったという感触を抱いていた)」(ミチェル監督)という流れでしたし、とうとう17分にはエムバペもゴール祭りに参加。そう、アスプリージャのシュートをGKクルトワが弾いたプレーからマドリーのカウンターが始まって、モドリッチが送ったパスを彼が3点目にしてくれたとなれば、連続PK失敗中の当人にも自信がついて良かったのでは?
これで0-3となり、一安心できたマドリーだったんですが、余分だったのは35分、メンディが筋肉系の負傷を起こしてしまったことで、こちらはアタランタ戦出場が不可能に。おまけに途中出場で入ったエンドリックも終盤、GKガッサニガに落ちてこられ、首を痛めてしまったんですが、まあ、左SBにはフラン・ガルシアが、FWもビニシウスが復帰しますからね。同日、バルサがベティスと2-2で引分けていたため、リーガ首位との勝ち点差も2に縮まったことですし、今はただただ、「Hay que aguantar hasta Navidad/アイ・ケ・アグアンタール・アスタ・ナビダッド(クリスマスまでは耐えるしかない)」(アンチェロッティ監督)んですよね。
そして翌日曜はまず、午後2時のデーゲームを見にブタルケに向かった私だったんですが、これがまたお日様は出ているものの、冷たい風が吹いて寒かったの何のって。いよいよマドリッドにも本格的な冬が到来した証拠ですが、レアル・ソシエダ戦はレガネスに1部の厳しい現実をまざまざと見せつけることに。実際、ボルハ・ヒメネス監督が笑顔を浮かべられたのもキックオフ前、昨季2部に優勝して1部に昇格した功績により受賞したミゲール・ムニョス賞(最優秀2部監督)などのトロフィーをファンに披露した時ぐらいで、早くも前半14分にはコパで温存された久保建英選手とセルヒオ・ゴメスの連携から、ゴール前に入ったクロスをブライス・メンデスに決められて失点。
GKドミトロビッチのおかげもあって、0-1で折り返すと、後半10分にはコパで120分間プレーしたファン・クルスを入れてみたんですが、ほとんどチャンスは作れなくてねえ。そうこうするうち、33分にはFKをタピアがクリアしたボールがネユウに当たって落ちたところ、すかさずバレネチェアに撃ち込まれ、2点目を奪われてしまうことに。更にロスタイムにもスシッチ、バレネチェアとエリア内で繋がったボールをオジャルサバルに決められて、0-3の完敗となってしまったんですが、問題なのは18位と勝ち点2差しかないレガネスが次節ではバルサをモンジュイックに訪ねないといけないこと。
ええ、コパでラバやハラーが負傷したこともあり、ボルハ・ヒメネス監督も「Si tenemos que hacer cuatro goles para ganar no lo lograremos/シー・テネモス・ケ・アセール・クアトロ・ゴーレス・パラ・ガナール・ノー・ロ・ログラレモス(勝つのに4ゴール入れないといけないなら、ウチにはできない)」とチームのゴール力不足を認めていましたしね。年内最終戦も上位群のビジャレアル戦とあって、下手すると、降格圏で年を越す破目になってしまうんですが、それだと何か、いつも全力で応援してくれるレガネスファンにも申し訳ない気がしないでもない?
そして日曜は一旦、家に戻った後、グングン下がって行く気温に恐れをなし、この冬初めてヒートテックとフリース、ロング丈ダウンを着用。更にホッカイロ、毛糸のマフラーと帽子を持って、メトロポリターノに向かった私だったんですが、まさに大正解でした。ええ、スタンドが2段しかないブタルケと違って、大型スタジアムのメトロポリターノは吹きっさらしにはならないとはいえ、もう後半など、顔が寒くてマスクまでしてしまったぐらいでしたからね。もうこの先、春までひたすら寒さに耐える観戦が続くのかと気が遠くなったものでしたが…。
それがもう、そのアトレティコvsセビージャ戦の方は激熱の内容でねえ。水曜のコパ2回戦からスタメンをガランとデ・パウルをリピートしただけのシメオネ監督のチームは、カサレーニョ(RFEF2部)戦には親知らずを抜いたばかりなこともあって、お休みをもらったグリーズマンが序盤からハッスル。早々とシュートを撃って、ゴールバーに当てたり、GKアルバロ・フェルナンデスの手を煩わせていたんですが、先制点を挙げたのは最近、アルゼンチン代表モードの続いているデ・パウルでした。ええ、敵がロストしたボールをエリア前からvaselina(バセリーナ/ループシュート)すると、それがすっぽりゴールに入って、先制点となったため、未だに応援団のストが続くスタンドも歓喜に湧いたんですが、この日はセビージャも反撃が早くてねえ。
たったの2分後にはショートのCKから、イヘアナチョがエリア内に入り込み、同点ゴールを決められてしまったんですよ。おまけに32分にもセビージャのカウンターを受け、うーん、前日練習で足首を痛めたヒメネスが先発していたのも悪かったんでしょうかね。ドリブルで上がるイサークを止められず、当人今季初、チーム2点目のゴールを挙げられてしまうんですから、困ったもんじゃないですか。その後、前半はギャラガーがGKアロバロに倒されたペナルティ疑惑や、フリアン・アルバレスがネットを突き刺しながら、ジュリアーノがオフサイドだったとされ、得点にならないなんてことがあったものの、試合は1-2でハーフタイムに入ります。
え、この日のシメオネ監督は後半頭からの一斉交代をしなかったんだろうって?いやあ、その通りで、何せピッチにいるスタメンが今のアトレティコのベストメンバーでしたからね。しばらく様子を見ることにしたようですが、まさか12分にはキケ・サラスのクロスをゴール右前からファンルにvolea(ボレア/ボレーシュート)で決められ、3点目を取られてしまうとは一体、誰が予想できた?それこそ、レガネスのボルハ・ヒメネス監督のコメントが頭をよぎった私でしたが、いえいえ、兄貴分は違ったんです!
反撃の狼煙を上げたのはグリーズマンで17分、バリオスがセンターから出したパスを受け、エリア内からシュートを決めると、シメオネ監督もデ・パウル、ギャラガーをコケ、セルロートに代えてチームをリフレッシュ。ノルウェー人大型FWが得意のヘッドを3度もGKアルバロに弾かれてしまったのは見込み違いでしたが、そこでとうとう、30分にはフリアン、ジュリアーノをコレアとサムエル・リノに代えることに。うーん、その時は、チーム最多得点のFWを引っ込めても、土壇場のゴール力のあるコレアの投入は納得いったんですけどね。格下相手のコパですら、残念なプレーばかり。果ては1部チームの実力がないんじゃないかとまで疑ってしまったリノに、誰より必死にボールを追う、ここ8連勝のエネルギー源、更にコパには出ていなかったジュリアーノから代えるのは、私にはかなり無謀に思えたんですが…。
もうリノに謝るしかありません。だってえ、後でピミエンタ監督も「Con los cambios nos han sometido, no podíamos salir de nuestro campo/コン・ロス・カンビオス・ノス・アン・ソメティードー、ノー・ポディアモス・サリール・デ・ヌエストロ・カンポ(選手交代によって、ウチは攻撃にさらされ、自陣から出られなくなった)」と言っていたように、アトレティコが同点を求めて、セビージャを自陣エリア付近に押し込めて久しかった35分、エリア外からのミドルシュートを決めてくれたんですよ。当人は、「ずっと探していたゴールは、me dijo que hoy iba a salir/メ・ディホ・ケ・オイ・イバ・ア・サリール(今日、きっと上手くいくと自分に言って)、監督が自信をくれた」と話していたんですが、いやあ。これはどっこいどっこいだったリケルメも少し、焦った方がいい?
おまけに同点に飽き足らず、それからも攻撃の手を緩めなかった彼らはロスタイム5分、リノが左から入れたクロスを足が滑ったサラスの前で、シメオネ監督も「Hay jugadores diferentes y él lo es/アイ・フガドーレス・ディフェレンエツ・イ・エル・ロ・エス(他とは違う選手たちはいて、彼がそうだ)」と認めていた、ご存知グリーズマンが受け、ついに4点目をゲット。どこぞの根性のremontada(レモンターダ/逆転的)を売りとするチームも羨む4-3の勝利を挙げたとなれば、もうアトレティコの優勝争い参戦を疑う者はいない?いやまあ、これで首位とは勝ち点3差になったとはいえ、年内最終試合にはバルサとガチンコ対決するアウェイ戦が控えているアトレティコですからね。
この破竹の9連勝もいつ止まるかわかりませんが、せめてその時までは、CL16強対決直接進出圏入りを狙う水曜午後6時45分(日本時間翌午前2時45分)のホームゲーム、スロバン・ブラスチラバ戦、週末のヘタフェとの兄弟分ダービーにも勝って、破竹の11連勝になってくれていたら嬉しいんですが、え、ヘタフェもレガネス同様、降格圏ギリギリにいるんじゃないのかって?大丈夫、月曜試合でコリセウムにエスパニョールを迎えたボルダラス監督のチームは、前半8分にルイス・ミジャのクロスから、アルバロ・ロドリゲスがヘッドで決めた1点を最後まで守り切り、1-0で勝利。バジャドリー戦に続き、直接ライバルとの対決で強いところを示して、順位も降格圏から勝ち点3離れた15位に上がったため、今回はアトレティコを推してもいいんですよ。
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そうなると、2月以降のファンの楽しみも半減してしまうため、火曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのアタランタ戦では勝利がマストなんですが、先週ミッドウィークの彼らは先取り19節リーガでアスレティックに負けるなど、どうにも今季は平日の成績が振るわなくてねえ。遠征メンバーにはエムバペやベリンガム、負傷の治ったビニシウス、ロドリゴも入っているんですが、夏のUEFAスーパーカップでは2-0で勝った相手とはいえ、現在のアタランタはセリエAの首位。CLも3勝2分けの負けなしで、16強対決直接進出圏5位となれば、相当気合を入れてかからないと、マドリーでも倒すのは難しいかと。まあ、そんなことはともかく、先週末のリーガのマドリッド勢の結果もお話していくと、16節の先陣を切ったのは弟分のラージョ。土曜にメスタジャでバレンシア戦となったんですが、やはり相手が消化試合2つ少ないとはいえ、降格圏19位だったのが幸いしましたかね。前半7分の速攻でCKから、ヘッドでパテ・シスが決めた1点をGKバタージャのセーブと、後半にはルジューヌがラファ・ミルのシュートをライン上で掻き出してくれたこともあり、最後まで死守。0-1で辛勝して、「Contento por eliminar ya esas tres derrotas seguidas/コンテントー・ポル・エリミナール・ジャー・エサス・トレス・デロータス・セギーダス(3連敗を忘れることができて満足だ)」(イニゴ・ペレス監督)という結果に。ええ、両者無得点だった36分、ブライムがエリア内左奥から入れたボールをミゲール・グティエレスがゴール前でクリアしたものの、ベリンガムのところに行ってしまったのが、マドリーの転機になったんですよ。この日はトップ下のポジションで入っていたイングランド代表MFがシュートを決め、5試合連続ゴールで先制点を挙げてくれたとなれば、相変わらず、この夏到着したギャラクティコがパッとしなくても不足はない?ちなみにそのエムバペは前半終盤に受けたファールがペナルティにならなかったことをハーフタイムにロッカールームに戻る途中、主審に抗議して、アンチェロッティ監督と共にイエローカードをゲット。
おかげで後半開始早々、当人がシュートの前に露骨に手でボールをコントロールしてハンドを取られた際、どうして2枚目が出ないのかとジローナ勢に猛抗議されていたんですが、まあ、そのシュートも外れてしまいましたからね。要はゴールを入れるために使った手ではないからという理由のようですが、そうこうするうち、10分にはマドリーに追加点が入ります。今度はベリンガムがセンターから出したスルーパスをギュレルが追い、エリア内に入ったところでGKガッサニガの手が届かないファーサイドに決めたんですが、これってもしや朗報?
というのも昨季終盤、ほぼ優勝が決まってから、ようやく出場させてもらえるようになった彼はシュートを撃つたび、ゴールにしていて、10試合で6得点という効率の良さを見せていたのに、負傷者が多い今季はすでに12試合に出ながら、これが初ゴールだったから。ええ、アンチェロッティ監督も後で「Es un joven que tiene demasiada presión alrededor y le viene bien este gol/エス・ウン・ホベン・ケ・ティエネ・デマシアダ・プレシオン・アルレデドル・イ・レ・ビエネ・ビエン・エステ・ゴル’(若いのに周囲から十分すぎるプレッシャーをかけられているから、このゴールは彼のためになった)」と、19才のトルコ人MFの置かれた辛い状況を認めていましたっけ。
ただ、今季のマドリーには負傷者と無縁の試合は皆無のようで、16分にはファン・デ・ベークに蹴られてベリンガムが太ももを痛め、急遽、セバージョスと交代することに。いやもう、その瞬間はマドリーファン全員が真っ青なったはずでしたが、どうやらこれはCLアタランタ戦を考えての措置だったよう。試合後、アンチェロッティ監督が、決勝トーナメント16強対決プレーオフ圏死守が懸かった大一番に彼は出られると請け合っていたのは、心の慰みになったかと。
まあ、スコアが0-2になって、「Tanto el Madrid como nosotros nos dio la sensación de que el partido estaba sentenciado/タントー・エル・マドリッド・コモ・ノソトロス・ノス・ディオ・ラ・センサシオン・デ・ケ・エル・パルティードー・エスタバ・センテンシアードー(マドリーもウチも試合は決まったという感触を抱いていた)」(ミチェル監督)という流れでしたし、とうとう17分にはエムバペもゴール祭りに参加。そう、アスプリージャのシュートをGKクルトワが弾いたプレーからマドリーのカウンターが始まって、モドリッチが送ったパスを彼が3点目にしてくれたとなれば、連続PK失敗中の当人にも自信がついて良かったのでは?
これで0-3となり、一安心できたマドリーだったんですが、余分だったのは35分、メンディが筋肉系の負傷を起こしてしまったことで、こちらはアタランタ戦出場が不可能に。おまけに途中出場で入ったエンドリックも終盤、GKガッサニガに落ちてこられ、首を痛めてしまったんですが、まあ、左SBにはフラン・ガルシアが、FWもビニシウスが復帰しますからね。同日、バルサがベティスと2-2で引分けていたため、リーガ首位との勝ち点差も2に縮まったことですし、今はただただ、「Hay que aguantar hasta Navidad/アイ・ケ・アグアンタール・アスタ・ナビダッド(クリスマスまでは耐えるしかない)」(アンチェロッティ監督)んですよね。
そして翌日曜はまず、午後2時のデーゲームを見にブタルケに向かった私だったんですが、これがまたお日様は出ているものの、冷たい風が吹いて寒かったの何のって。いよいよマドリッドにも本格的な冬が到来した証拠ですが、レアル・ソシエダ戦はレガネスに1部の厳しい現実をまざまざと見せつけることに。実際、ボルハ・ヒメネス監督が笑顔を浮かべられたのもキックオフ前、昨季2部に優勝して1部に昇格した功績により受賞したミゲール・ムニョス賞(最優秀2部監督)などのトロフィーをファンに披露した時ぐらいで、早くも前半14分にはコパで温存された久保建英選手とセルヒオ・ゴメスの連携から、ゴール前に入ったクロスをブライス・メンデスに決められて失点。
GKドミトロビッチのおかげもあって、0-1で折り返すと、後半10分にはコパで120分間プレーしたファン・クルスを入れてみたんですが、ほとんどチャンスは作れなくてねえ。そうこうするうち、33分にはFKをタピアがクリアしたボールがネユウに当たって落ちたところ、すかさずバレネチェアに撃ち込まれ、2点目を奪われてしまうことに。更にロスタイムにもスシッチ、バレネチェアとエリア内で繋がったボールをオジャルサバルに決められて、0-3の完敗となってしまったんですが、問題なのは18位と勝ち点2差しかないレガネスが次節ではバルサをモンジュイックに訪ねないといけないこと。
ええ、コパでラバやハラーが負傷したこともあり、ボルハ・ヒメネス監督も「Si tenemos que hacer cuatro goles para ganar no lo lograremos/シー・テネモス・ケ・アセール・クアトロ・ゴーレス・パラ・ガナール・ノー・ロ・ログラレモス(勝つのに4ゴール入れないといけないなら、ウチにはできない)」とチームのゴール力不足を認めていましたしね。年内最終戦も上位群のビジャレアル戦とあって、下手すると、降格圏で年を越す破目になってしまうんですが、それだと何か、いつも全力で応援してくれるレガネスファンにも申し訳ない気がしないでもない?
そして日曜は一旦、家に戻った後、グングン下がって行く気温に恐れをなし、この冬初めてヒートテックとフリース、ロング丈ダウンを着用。更にホッカイロ、毛糸のマフラーと帽子を持って、メトロポリターノに向かった私だったんですが、まさに大正解でした。ええ、スタンドが2段しかないブタルケと違って、大型スタジアムのメトロポリターノは吹きっさらしにはならないとはいえ、もう後半など、顔が寒くてマスクまでしてしまったぐらいでしたからね。もうこの先、春までひたすら寒さに耐える観戦が続くのかと気が遠くなったものでしたが…。
それがもう、そのアトレティコvsセビージャ戦の方は激熱の内容でねえ。水曜のコパ2回戦からスタメンをガランとデ・パウルをリピートしただけのシメオネ監督のチームは、カサレーニョ(RFEF2部)戦には親知らずを抜いたばかりなこともあって、お休みをもらったグリーズマンが序盤からハッスル。早々とシュートを撃って、ゴールバーに当てたり、GKアルバロ・フェルナンデスの手を煩わせていたんですが、先制点を挙げたのは最近、アルゼンチン代表モードの続いているデ・パウルでした。ええ、敵がロストしたボールをエリア前からvaselina(バセリーナ/ループシュート)すると、それがすっぽりゴールに入って、先制点となったため、未だに応援団のストが続くスタンドも歓喜に湧いたんですが、この日はセビージャも反撃が早くてねえ。
たったの2分後にはショートのCKから、イヘアナチョがエリア内に入り込み、同点ゴールを決められてしまったんですよ。おまけに32分にもセビージャのカウンターを受け、うーん、前日練習で足首を痛めたヒメネスが先発していたのも悪かったんでしょうかね。ドリブルで上がるイサークを止められず、当人今季初、チーム2点目のゴールを挙げられてしまうんですから、困ったもんじゃないですか。その後、前半はギャラガーがGKアロバロに倒されたペナルティ疑惑や、フリアン・アルバレスがネットを突き刺しながら、ジュリアーノがオフサイドだったとされ、得点にならないなんてことがあったものの、試合は1-2でハーフタイムに入ります。
え、この日のシメオネ監督は後半頭からの一斉交代をしなかったんだろうって?いやあ、その通りで、何せピッチにいるスタメンが今のアトレティコのベストメンバーでしたからね。しばらく様子を見ることにしたようですが、まさか12分にはキケ・サラスのクロスをゴール右前からファンルにvolea(ボレア/ボレーシュート)で決められ、3点目を取られてしまうとは一体、誰が予想できた?それこそ、レガネスのボルハ・ヒメネス監督のコメントが頭をよぎった私でしたが、いえいえ、兄貴分は違ったんです!
反撃の狼煙を上げたのはグリーズマンで17分、バリオスがセンターから出したパスを受け、エリア内からシュートを決めると、シメオネ監督もデ・パウル、ギャラガーをコケ、セルロートに代えてチームをリフレッシュ。ノルウェー人大型FWが得意のヘッドを3度もGKアルバロに弾かれてしまったのは見込み違いでしたが、そこでとうとう、30分にはフリアン、ジュリアーノをコレアとサムエル・リノに代えることに。うーん、その時は、チーム最多得点のFWを引っ込めても、土壇場のゴール力のあるコレアの投入は納得いったんですけどね。格下相手のコパですら、残念なプレーばかり。果ては1部チームの実力がないんじゃないかとまで疑ってしまったリノに、誰より必死にボールを追う、ここ8連勝のエネルギー源、更にコパには出ていなかったジュリアーノから代えるのは、私にはかなり無謀に思えたんですが…。
もうリノに謝るしかありません。だってえ、後でピミエンタ監督も「Con los cambios nos han sometido, no podíamos salir de nuestro campo/コン・ロス・カンビオス・ノス・アン・ソメティードー、ノー・ポディアモス・サリール・デ・ヌエストロ・カンポ(選手交代によって、ウチは攻撃にさらされ、自陣から出られなくなった)」と言っていたように、アトレティコが同点を求めて、セビージャを自陣エリア付近に押し込めて久しかった35分、エリア外からのミドルシュートを決めてくれたんですよ。当人は、「ずっと探していたゴールは、me dijo que hoy iba a salir/メ・ディホ・ケ・オイ・イバ・ア・サリール(今日、きっと上手くいくと自分に言って)、監督が自信をくれた」と話していたんですが、いやあ。これはどっこいどっこいだったリケルメも少し、焦った方がいい?
おまけに同点に飽き足らず、それからも攻撃の手を緩めなかった彼らはロスタイム5分、リノが左から入れたクロスを足が滑ったサラスの前で、シメオネ監督も「Hay jugadores diferentes y él lo es/アイ・フガドーレス・ディフェレンエツ・イ・エル・ロ・エス(他とは違う選手たちはいて、彼がそうだ)」と認めていた、ご存知グリーズマンが受け、ついに4点目をゲット。どこぞの根性のremontada(レモンターダ/逆転的)を売りとするチームも羨む4-3の勝利を挙げたとなれば、もうアトレティコの優勝争い参戦を疑う者はいない?いやまあ、これで首位とは勝ち点3差になったとはいえ、年内最終試合にはバルサとガチンコ対決するアウェイ戦が控えているアトレティコですからね。
この破竹の9連勝もいつ止まるかわかりませんが、せめてその時までは、CL16強対決直接進出圏入りを狙う水曜午後6時45分(日本時間翌午前2時45分)のホームゲーム、スロバン・ブラスチラバ戦、週末のヘタフェとの兄弟分ダービーにも勝って、破竹の11連勝になってくれていたら嬉しいんですが、え、ヘタフェもレガネス同様、降格圏ギリギリにいるんじゃないのかって?大丈夫、月曜試合でコリセウムにエスパニョールを迎えたボルダラス監督のチームは、前半8分にルイス・ミジャのクロスから、アルバロ・ロドリゲスがヘッドで決めた1点を最後まで守り切り、1-0で勝利。バジャドリー戦に続き、直接ライバルとの対決で強いところを示して、順位も降格圏から勝ち点3離れた15位に上がったため、今回はアトレティコを推してもいいんですよ。
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