もっとCLが続いてほしい…/原ゆみこのマドリッド
2024.04.16 20:30 Tue
「いきなりクライマックスが来ちゃった」そんな風に私が武者震いをしていたのは月曜日、午前中にマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習を済まし、午後にはバラハス空港から旅立つアトレティコの選手たちの写真をXで見た時のことでした。いやあ、1カ月近くかけて、トロトロやっていたCL16強対決と違い、準々決勝、準決勝になると、2週間で決着がつく短期決戦になるのはわかっていたんですけどね。それが昨季など、何をトチ狂ったか、シメオネ監督のチームはグループリーグで最下位敗退して、年明けからヨーロッパの大会とは完全に無縁に。
メトロポリターノで2ndレグに希望を繋ぐゴールを挙げたハラーがその試合で負傷し、出られないのは助かりますが、かの「Gelbe Wand(黄色い壁)」立ちはだかるジグナル・イドゥナ・パルクには4000人駆けつけるとはいえ、所詮、アトレティコファンは少数派というのは怖いかと。それ以上に大変そうなのは、実力的にガップリ五分に見えたシティにエティハド・スタジアムで勝たないといけないマドリーで、何せ、グアルディオラ監督のチームは先週末のプレミアリーグでルートンに5-1と大勝。リバプールとアーセナルが負けたことも相まって、とうとう単独首位に。マドリッドでは食中毒で試合に出られなかったデ・ブルイネも完全復帰しているため、それこそリーガ首位独走チームのお手並み拝見といったところでしょうが、ホント、どうなることやら。
まあ、そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢の試合を振り返っていくことにすると、金曜の私は久々にブタルケを訪問。ずっと2部の首位で頑張っているレガネスを応援するためだったんですが、それがちょっと目を離しているうちにファンが物凄く盛り上がっていてねえ。相手が2位のエスパニョールで、しかも4年前、冬の市場が閉じた後、契約解除金を支払ったバルサに特例移籍。アギーレ監督(現マジョルカ)の残留達成計画を狂わせて、2部降格の一因になったブライトワイテが初めて古巣訪問するというのもあったんでしょうか。
そして土曜は1部のマドリッド勢が揃ってプレーしたんですが、先陣を切ったのは午後2時から、メトロポリターノにジローナを迎えたアトレティコ。何せ、コパ・デル・レイ決勝で1週間以上空いた後、一転、過密日程に入り、CLドルトムント戦1stレグとこの試合、そして2ndレグも中2日でこなさないといけない彼らでしたからね。シメオネ監督も中8日空いても70分ぐらいまでしか体力が持たない選手たちに配慮して、その日は6人も先発を変えていたんですが、久々のデーゲームでしかも、いきなり気温が夏モード入りというのが影響したんでしょうか。
だってえ、開始4分にはサビーニョの独走を許し、エレーラ、コウトとパスを繋がれ、ゴール左前にいたドブビクに易々と先制点を決められているんですよ。相手は勝ち点7差あるとはいえ、1つ上の3位で、4位から3位に上がってもあまり大差はないとはいえ、アトレティコには5位アスレティックを引き離して、CL出場圏を死守するという使命がありますからね。その後もしばらく、ジローナに主導権を握られていたため、20分にはシメオネ監督がシステムを4-4-2から、5-3-2に戻すなど、懸命に立て直しを図ったところ…。
いやあ、ドルトムント戦でもそうでしたが、今はアトレティコにはツキがあるんですよ。水曜も彼らの2得点は相手の守備ミスのおかげだったんですが、この日は34分、グリーズマンが蹴ったFKをエルモーソがヘッドしたところ、まさかミゲール・グティエレスが手を伸ばしてクリアしてくれるとは!有難くもらったPKをグリーズマンが決め、12月以来となるリーガゴールで同点にしてくれたんですが、40分にはサウールが足首を打撲して、急遽、モラタと交代するというアクシデントも。
するとそれが更に幸運を呼んで、いえ、モラタのゴール乾季が終わった訳じゃないんですけどね。前半ロスタイム6分には彼がラインを越えそうになっていたボールを救い、そこからゴール前に上げたクロスをコレアが敵DF2人の間でヘッドして、勝ち越しゴールを奪っているんですから、ビックリしたの何のって。え、でもそれもロスタイムが始まってすぐ、レイニウドがエリア内でサビーニョを倒しながら、主審もVAR(ビデオ審判)もお目こぼししてくれたからだろうって?
まあ、確かにミチェル監督も後で「論理的でないのは、せめてチェックするようにVARが介入しなかったことだ。主審がエリア外だったかもとか、勝手に転んだだけかもとか、迷うのはわかるが、es una patada, es penalti/エス・ウナ・パタダ、エス・ペナルティ(あれは蹴られた。ペナルティだ)」と怒っていたんですけどね。その辺もアトレティコがラッキーだったということでしょうが、2-1で迎えた後半頭から、シメオネ監督はヒザの靭帯断裂から復帰して以来、ペナルティ癖がついてしまったレイニウドをビッツェルに交代することに。
そのおかげもあって、後半はほとんど守備でピンチを迎えることのなかったアトレティコですが、ええ、5分にはデ・パウルのクロスをソリスがエリア内でクリアミスし、こぼれ球を拾ったグリーズマンが3点目を入れてくれましたしね。ちなみにこのゴールの後、当人がデ・パウルと一緒に踊っていたのは、「Mi hijo Amaro quería un baile y se lo mandé a De Paul para hacerlo para Amaro/ミ・イホ・アマロ・ケリア・ウン・バイレ・イ・セ・ロ・マンデ・ア・デ・パウル・パラ・アセールロ・パラ・アマロ(ボクの息子、アマロが踊りを見たがっていて、デ・パウルにアマロのためにやるように命じたんだ)」(グリーズマン)ということだったよう。
それにはシメオネ監督も「Lo vi más suelto, más el, lo necesitamos así/ロ・ビ・マス・スエルトー・、マス・エル、ロ・ネセシタモス・アシー(ずっと伸び伸びしているように見える。彼らしくね。そういう彼が必要なんだ)」と目を細めていましたしね。2点差となった後は安心して、25分にはグリーズマン、リケルメをジョレンテ、サムエル・リノに、30分にはデ・パウルをアスピリクエタに代え、主力選手に疲れが溜まらないよう、またはベンチでお尻が痛くならようにプレー時間を配分できたのも、ドイツでの決戦を前に朗報だったかと。
結局、ジローナはドブビクの頼りになるウクライナ人仲間、ツィガンコフが負傷でおらず、交代で入ったポルトゥやストゥアーニも体調が完璧でなかったこともあって、アトレティコはそのまま3-1で勝利。直近のリーガホームゲームでバルサに負けて、1年以上ぶりに途切れてしまったメトロポリターノ不敗神話を再スタートすることになったんですが、とにかく火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのドルトムント戦まで、あまり時間がありませんからね。とりあえず、2回セッションをしただけで、チームは現地に向かったんですが、今回のお留守番は出場停止のリノと全治3、4週間のケガを負ったメンフィス・デパイ、そしてアキレス腱断裂からの復帰最終段階にあるレマルの3人。今回は引分けでもOKと油断することなく、同日同時刻にプレーするバルサvsPSG戦の勝者と当たる準決勝に進んでくれたらいいんですが…。
そして土曜は次の時間帯がラージョvsヘタフェの弟分ダービーだったんですが、さすがにアトレティコを途中で見捨てて、移動することはできなかったため、私はエスタディオ・バジェカスには行かず、試合の終盤をバルのTVで観戦することに。それがまた、ヨーロッパの大会と無縁な両者は2週間、じっくり調整できたにも関わらず、どちらもゴール日照りを克服することができなかったんですよ。スコアレスドローでそれぞれ、勝ち点1を上積みというのは一応、ラージョは降格圏との差が7に広がったため、レガネスと交代で2部降格という憂き目は回避できそうなんですけどね。
ヘタフェも残留確定ラインの40まであと1つと迫ったため、決して悪くはないんですが、10位の彼らが、せっかくアスレティックのコパ優勝で7位に下りてきたコンフェレンスリーグ出場権を掴むのはかなり遠い夢になってしまったかと。まあ、ボルハ・マジョラルが今季絶望になってから、CF不在となり、ボランチのマクシモビッチが前線に投入されているぐらいですから、ある意味、仕方ないんですけどね。せめて週末日曜にレアル・ソシエダを迎える試合ではマタなり、グリーンウッドなりが力を振り絞って、コリセウムのファンを喜ばせてあげられるといいのですが、それは続けてホームゲームでオサスナ戦を土曜に迎えるラージョも同じかと。
一方、そのまま私がバルに居座って、キックオフを待ったマジョルカvsマドリー戦では、もちろんアンチェロッティ監督もマンチェスター・シティ戦を考えて、大量5人のスタメンをローテーション。それでもコパ決勝でPK戦まで粘ったチームを称えるべく、ソン・モイシュはマジョルカファンで満員御礼となり、開始9分にはそのアスレティック戦で出番がなかったアブドン・プラッツの仮面をスタンドのファンが掲げて、労をねぎらったなんてことも。ただ、プレーのリズムはどちらも低調で、前半など、ライージョのヘッドをGKルーニンがparadon(パラドン/スーパーセーブ)したり、ベリンガムのシュートがゴールバーに弾かれたぐらいで終わってしまったのはガッカリでしたが、でも後半早々、見せ場が来たんですよ。
そう、3分にチュアメニがエリア外から放った一撃がモルラネスに当たって軌道が変わり、GKライコビッチが一歩も動けないまま、ネットを揺らしているんですから、ホント、マドリーはFW以外も恐ろしい。当人も「Sé que puedo chutar, lo trabajamos mucho en el entrenamiento/セ・ケ・プエド・チュタール、ロ・トラバハモス・ムーチョ・エン・エル・エントレナミエント(自分がシュートできるのは知っているし、練習で沢山取り組んでいる)」と言っていたんですけどね。世の中にはいくら撃っても入らないMFも多いため、やっぱりこれは才能あってこそ?
ただ、マドリーもそれ以上は点が入らず、いえ、26分にはバルベルデのシュートがナスタシッチにゴールライン前でクリアされるなんてこともあったんですけどね。アンチェロッティ監督も20分頃にはベリンガム、ブライムをビニシウス、カマビンガに、続いてモドリッチをカルバハルに代え、ヒザの靭帯断裂からの復帰でまだ慣らし運転中のミリトンにもロスタイムの4分を与えるなど、粛々とプレー時間を調整。ダルデルのvolea(ボレア/ボレーシュート)もルーニンに弾かれてしまったマジョルカはコソボ人エースのムリキ、途中出場のアブドン・プラッツも火を吹くことはなく、そのまま試合は0-1で終了したんですが、おかげでマドリーが勝ち点8差を保ったまま、日曜にバルサをサンティアゴ・ベルナベウに迎えられることになったのは良かったかと。
実際、リーガの次節はクラシコ(伝統の一戦)で、ここで勝てば、ほぼマドリーの優勝も決まりとなるんですが、何せ、今はどちらのチームもCL準々決勝2ndレグで頭がいっぱいですからね。それこそ、バルサは火曜のPSG戦で、マドリーは水曜午後9時からのマンチェスター・シティ戦で勝ち上がれるかどうかで、選手たちの士気も変わってくるはずですが、果たして結果は如何に。ちなみにチュアメニが出場停止でエティハドでプレーできないマドリーはCBスタメンがリュディガーとナチョになるようですが、昨季のように4点取られても、今度は決して撃ち負けない根性を見せてくることを期待しています。
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よって、レアル・マドリーだけを追っていれば良かったため、あまりせわしい思いをした記憶はなかったんですが、今季は両者共に準々決勝まで残っていますからね。しかもホームとアウェイの順番が一致して、先週は火水の連夜、1stレグを見にサンティアゴ・ベルナベウ、メトロポリターノに足を運んだかと思いきや、今週は2晩続けて、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)のお世話になることに。しかもどちらも1stレグで大差をつけられず、アトレティコはドルトムントに2-1勝利、マドリーはマンチェスター・シティと3-3の引分けと、これって、延長戦突入の長丁場になることを覚悟しないといけない?それでも揃って勝ち抜けてくれれば、4月の末から5月の第2週にかけて開催される準決勝ではホーム、アウェイの順番が分かれてくれるんですが、え?最悪の場合、パリで2-3とPSGに勝ったバルサも含め、スペイン勢全てがこのラウンドで消える可能性もあるんじゃないかって?うーん、一応、3チーム共、先週末のリーガで勝利して、流れは悪くないんですが、リーグ1の試合が延期されてプレーしていないPSGはともかく、ドルトムントも土曜にはメンヘングラッドバッハにザビッツァーの2得点で1-2と勝利。まあ、そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢の試合を振り返っていくことにすると、金曜の私は久々にブタルケを訪問。ずっと2部の首位で頑張っているレガネスを応援するためだったんですが、それがちょっと目を離しているうちにファンが物凄く盛り上がっていてねえ。相手が2位のエスパニョールで、しかも4年前、冬の市場が閉じた後、契約解除金を支払ったバルサに特例移籍。アギーレ監督(現マジョルカ)の残留達成計画を狂わせて、2部降格の一因になったブライトワイテが初めて古巣訪問するというのもあったんでしょうか。
2部時代では最多記録となる1万2573人の観客でブタルケは超満員となり、1部の試合でも見たことない程の熱気だったんですが、残念なことに気合がから滑りしちゃいましたかね。レガネスはゴールを挙げられず、ここ3試合連続となるスコアレスドローで終わってしまうことに。いえまあ、それでもエイバル、エスパニョール、バジャドリーと同じ勝ち点で2位から4位につける後続とは勝ち点4差あるため、首位の座は安泰なんですけどね。まだ残り7試合もあるため、ボルハ・ヒメネス監督も今一度、手綱を引き締めて、白星基調を取り戻さないと、シーズン前はただの夢だった1部再昇格が決まるのも6月2日の最終節近くまでかかってしまうかもしれませんが、こればっかりはねえ。
そして土曜は1部のマドリッド勢が揃ってプレーしたんですが、先陣を切ったのは午後2時から、メトロポリターノにジローナを迎えたアトレティコ。何せ、コパ・デル・レイ決勝で1週間以上空いた後、一転、過密日程に入り、CLドルトムント戦1stレグとこの試合、そして2ndレグも中2日でこなさないといけない彼らでしたからね。シメオネ監督も中8日空いても70分ぐらいまでしか体力が持たない選手たちに配慮して、その日は6人も先発を変えていたんですが、久々のデーゲームでしかも、いきなり気温が夏モード入りというのが影響したんでしょうか。
だってえ、開始4分にはサビーニョの独走を許し、エレーラ、コウトとパスを繋がれ、ゴール左前にいたドブビクに易々と先制点を決められているんですよ。相手は勝ち点7差あるとはいえ、1つ上の3位で、4位から3位に上がってもあまり大差はないとはいえ、アトレティコには5位アスレティックを引き離して、CL出場圏を死守するという使命がありますからね。その後もしばらく、ジローナに主導権を握られていたため、20分にはシメオネ監督がシステムを4-4-2から、5-3-2に戻すなど、懸命に立て直しを図ったところ…。
いやあ、ドルトムント戦でもそうでしたが、今はアトレティコにはツキがあるんですよ。水曜も彼らの2得点は相手の守備ミスのおかげだったんですが、この日は34分、グリーズマンが蹴ったFKをエルモーソがヘッドしたところ、まさかミゲール・グティエレスが手を伸ばしてクリアしてくれるとは!有難くもらったPKをグリーズマンが決め、12月以来となるリーガゴールで同点にしてくれたんですが、40分にはサウールが足首を打撲して、急遽、モラタと交代するというアクシデントも。
するとそれが更に幸運を呼んで、いえ、モラタのゴール乾季が終わった訳じゃないんですけどね。前半ロスタイム6分には彼がラインを越えそうになっていたボールを救い、そこからゴール前に上げたクロスをコレアが敵DF2人の間でヘッドして、勝ち越しゴールを奪っているんですから、ビックリしたの何のって。え、でもそれもロスタイムが始まってすぐ、レイニウドがエリア内でサビーニョを倒しながら、主審もVAR(ビデオ審判)もお目こぼししてくれたからだろうって?
まあ、確かにミチェル監督も後で「論理的でないのは、せめてチェックするようにVARが介入しなかったことだ。主審がエリア外だったかもとか、勝手に転んだだけかもとか、迷うのはわかるが、es una patada, es penalti/エス・ウナ・パタダ、エス・ペナルティ(あれは蹴られた。ペナルティだ)」と怒っていたんですけどね。その辺もアトレティコがラッキーだったということでしょうが、2-1で迎えた後半頭から、シメオネ監督はヒザの靭帯断裂から復帰して以来、ペナルティ癖がついてしまったレイニウドをビッツェルに交代することに。
そのおかげもあって、後半はほとんど守備でピンチを迎えることのなかったアトレティコですが、ええ、5分にはデ・パウルのクロスをソリスがエリア内でクリアミスし、こぼれ球を拾ったグリーズマンが3点目を入れてくれましたしね。ちなみにこのゴールの後、当人がデ・パウルと一緒に踊っていたのは、「Mi hijo Amaro quería un baile y se lo mandé a De Paul para hacerlo para Amaro/ミ・イホ・アマロ・ケリア・ウン・バイレ・イ・セ・ロ・マンデ・ア・デ・パウル・パラ・アセールロ・パラ・アマロ(ボクの息子、アマロが踊りを見たがっていて、デ・パウルにアマロのためにやるように命じたんだ)」(グリーズマン)ということだったよう。
それにはシメオネ監督も「Lo vi más suelto, más el, lo necesitamos así/ロ・ビ・マス・スエルトー・、マス・エル、ロ・ネセシタモス・アシー(ずっと伸び伸びしているように見える。彼らしくね。そういう彼が必要なんだ)」と目を細めていましたしね。2点差となった後は安心して、25分にはグリーズマン、リケルメをジョレンテ、サムエル・リノに、30分にはデ・パウルをアスピリクエタに代え、主力選手に疲れが溜まらないよう、またはベンチでお尻が痛くならようにプレー時間を配分できたのも、ドイツでの決戦を前に朗報だったかと。
結局、ジローナはドブビクの頼りになるウクライナ人仲間、ツィガンコフが負傷でおらず、交代で入ったポルトゥやストゥアーニも体調が完璧でなかったこともあって、アトレティコはそのまま3-1で勝利。直近のリーガホームゲームでバルサに負けて、1年以上ぶりに途切れてしまったメトロポリターノ不敗神話を再スタートすることになったんですが、とにかく火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのドルトムント戦まで、あまり時間がありませんからね。とりあえず、2回セッションをしただけで、チームは現地に向かったんですが、今回のお留守番は出場停止のリノと全治3、4週間のケガを負ったメンフィス・デパイ、そしてアキレス腱断裂からの復帰最終段階にあるレマルの3人。今回は引分けでもOKと油断することなく、同日同時刻にプレーするバルサvsPSG戦の勝者と当たる準決勝に進んでくれたらいいんですが…。
そして土曜は次の時間帯がラージョvsヘタフェの弟分ダービーだったんですが、さすがにアトレティコを途中で見捨てて、移動することはできなかったため、私はエスタディオ・バジェカスには行かず、試合の終盤をバルのTVで観戦することに。それがまた、ヨーロッパの大会と無縁な両者は2週間、じっくり調整できたにも関わらず、どちらもゴール日照りを克服することができなかったんですよ。スコアレスドローでそれぞれ、勝ち点1を上積みというのは一応、ラージョは降格圏との差が7に広がったため、レガネスと交代で2部降格という憂き目は回避できそうなんですけどね。
ヘタフェも残留確定ラインの40まであと1つと迫ったため、決して悪くはないんですが、10位の彼らが、せっかくアスレティックのコパ優勝で7位に下りてきたコンフェレンスリーグ出場権を掴むのはかなり遠い夢になってしまったかと。まあ、ボルハ・マジョラルが今季絶望になってから、CF不在となり、ボランチのマクシモビッチが前線に投入されているぐらいですから、ある意味、仕方ないんですけどね。せめて週末日曜にレアル・ソシエダを迎える試合ではマタなり、グリーンウッドなりが力を振り絞って、コリセウムのファンを喜ばせてあげられるといいのですが、それは続けてホームゲームでオサスナ戦を土曜に迎えるラージョも同じかと。
一方、そのまま私がバルに居座って、キックオフを待ったマジョルカvsマドリー戦では、もちろんアンチェロッティ監督もマンチェスター・シティ戦を考えて、大量5人のスタメンをローテーション。それでもコパ決勝でPK戦まで粘ったチームを称えるべく、ソン・モイシュはマジョルカファンで満員御礼となり、開始9分にはそのアスレティック戦で出番がなかったアブドン・プラッツの仮面をスタンドのファンが掲げて、労をねぎらったなんてことも。ただ、プレーのリズムはどちらも低調で、前半など、ライージョのヘッドをGKルーニンがparadon(パラドン/スーパーセーブ)したり、ベリンガムのシュートがゴールバーに弾かれたぐらいで終わってしまったのはガッカリでしたが、でも後半早々、見せ場が来たんですよ。
そう、3分にチュアメニがエリア外から放った一撃がモルラネスに当たって軌道が変わり、GKライコビッチが一歩も動けないまま、ネットを揺らしているんですから、ホント、マドリーはFW以外も恐ろしい。当人も「Sé que puedo chutar, lo trabajamos mucho en el entrenamiento/セ・ケ・プエド・チュタール、ロ・トラバハモス・ムーチョ・エン・エル・エントレナミエント(自分がシュートできるのは知っているし、練習で沢山取り組んでいる)」と言っていたんですけどね。世の中にはいくら撃っても入らないMFも多いため、やっぱりこれは才能あってこそ?
ただ、マドリーもそれ以上は点が入らず、いえ、26分にはバルベルデのシュートがナスタシッチにゴールライン前でクリアされるなんてこともあったんですけどね。アンチェロッティ監督も20分頃にはベリンガム、ブライムをビニシウス、カマビンガに、続いてモドリッチをカルバハルに代え、ヒザの靭帯断裂からの復帰でまだ慣らし運転中のミリトンにもロスタイムの4分を与えるなど、粛々とプレー時間を調整。ダルデルのvolea(ボレア/ボレーシュート)もルーニンに弾かれてしまったマジョルカはコソボ人エースのムリキ、途中出場のアブドン・プラッツも火を吹くことはなく、そのまま試合は0-1で終了したんですが、おかげでマドリーが勝ち点8差を保ったまま、日曜にバルサをサンティアゴ・ベルナベウに迎えられることになったのは良かったかと。
実際、リーガの次節はクラシコ(伝統の一戦)で、ここで勝てば、ほぼマドリーの優勝も決まりとなるんですが、何せ、今はどちらのチームもCL準々決勝2ndレグで頭がいっぱいですからね。それこそ、バルサは火曜のPSG戦で、マドリーは水曜午後9時からのマンチェスター・シティ戦で勝ち上がれるかどうかで、選手たちの士気も変わってくるはずですが、果たして結果は如何に。ちなみにチュアメニが出場停止でエティハドでプレーできないマドリーはCBスタメンがリュディガーとナチョになるようですが、昨季のように4点取られても、今度は決して撃ち負けない根性を見せてくることを期待しています。
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