ダービー祭りがようやく終わった…/原ゆみこのマドリッド
2024.02.07 22:00 Wed
「もしかしたら様子見の試合になるかも」そんな風に私が考え込んでいたのは火曜日、翌日に迫ったコパ・デル・レイ準決勝アスレティック戦1stレグ前のシメオネ監督記者会見をYoutubeのライブストリーミングで見ていた時のことでした。いやあ、この水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)の試合はアトレレティコが内弁慶の本領を心おきなく発揮できるメトロポリターノ開催とあって、最初はシメオネ監督も昨年12月のリーガ戦、サン・マメスで負けた時の2-0のスコアを補って、余りある4-0ぐらいの大勝をしておきたいんじゃないかと思ったんですけどね。
とはいえ、ご存知のように相手は週末のリーガ戦が金曜となり、しかももう1つの準決勝出場チームであるマジョルカを4-0とコテンパンにのしていたのはともかく、日曜試合だったアトレティコは間が中2日と、準備期間がたったの半分しかなし。その上、先週はミッドウィークにスペイン・スーパーカップで順延されていたリーガ20節のダブル兄弟分マドリーダービーが行われたため、マドリッド勢でないアスレティックはそこでも休めているんですよ。
それだけでも不公平感半端ないのに加え、コパ準決勝に出場したマドリッド勢はアトレティコだけとあって、レアル・マドリー、ヘタフェ、ラージョはこの1週間、ゆっくり調整できるとなれば、どんなにシメオネ監督のチームだけがムリさせられているか、わかるってものですが、まあ幸い、日曜の元祖マドリーダービーでケガ人が増えることはありませんでしたからね。準決勝1stレグに出られないのはここしばらくリハビリ中のレマル、ヒメメス、アスピリクエタだけ、逆にアスレティックはマジョルカ戦でウィリアムス兄弟が負傷。兄のイニャキは回復したようですが、ニコは当日まで微妙なのだとか。
どちらにしろ、シメオネ監督も「Para mí es un partido largo, no son dos/パラ・ミー・エス・ウン・パルティードー・ラルゴ、ノー・ソン・ドス(私にとって、これは長い1試合。2試合ではない)」と言っていたように、2ndレグは今月29日とかなり先。とりあえず、今は決勝進出の希望を維持できる結果を出してくれることを祈るしかありませんが…いやあ、2ndレグもアトレティコは直前週末のリーガ戦とは中4日と、今度は相手より1日多いものの、折しもCL16強対決インテル戦1stレグが入って、2週続けての連戦となるんですけどね。だからって、ヨーロッパの大会に参加していないバルベルデ監督のチームを羨むことはできませんが、とにかく選手たちの体力がもってくれるといいですよね。
まあ、コパは置いておいて、先週末のリーガ戦の報告もしておくことにすると。この23節は日曜のベティスvsヘタフェ戦からスタートしたマドリッド勢だったんですが、ベニト・ビジャマリンに乗り込んだボルダラス監督のチームはマドリーとの兄弟分ダービーから、中2日しかなかったにも関わらず、大いに善戦。ええ、早くも7分にはグリーンウッドが、自身がアブネルから受けたペナルティによるPKを決めて、先制したんですが、35分にラタサがジョニーの足をエリア内で蹴ってしまってはねえ。こちらもPKを宣告され、イスコが決めて、スコアは1-1に。後半は両者、点が入らず、そのまま痛み分けとなりましたっけ。
ベティス戦でジェネが負傷交代したのも気になりますが、とりあえず、この3連戦を1勝1分け1敗で乗り切ることができたため、あとは週1試合ペースを満喫して、次の日曜セルタ戦にじっくり備えてくれればいいかと。ベニテス監督率いるチームは先週末、オサスナに0-3と快勝して、ようやく降格圏から勝ち点3離れることができたんですが、今度はコリセウムでのデーゲームですし、いいプレーをして、ファンを喜ばせてあげるには絶好の機会じゃないでしょうか。
そして続く時間帯で始まったのがサンティアゴ・ベルナベウでの元祖マドリーダービーで、いやもう、今季4度目の対戦、しかも今年になって3回も顔を合わせているとなると、見るべきことは全て見てしまったような気もしないではないものの、この日はなかなか斬新だったんですよ。というのも試合開始前から、マドリーはハプニング続きで、いえ、ヘタフェ戦でグリーンウッドに激突し、太ももに強い打撲を負って交代したリュディガーが、いくらアンチェロッティ監督が「彼は戦士だから」と言い張ろうと、おそらく間に合わないのはわかっていたんですけどね。
加えて、チュアメニが累積警告でいなかったとはいえ、まさか、その代理のCBに身長173cmのカルバハルを選ぶとはなかなか、勇気ある決断だったかと思いますが、アップの時、スタメンに入っていたビニシウスが首の痛みを訴えたのは完全なる想定外。急遽、ホセルがピッチに出て、アップしていたんですが、最後の最後の瞬間、「Creo que Brahim nos permitía no cambia ese sistema defensivo/クレオ・ケ・ブライム・ノス・ペルミティア・ノー・カンビア・エセ・システマ・デフェンシーボ(ブライムなら、守備のシステムを変えなくていいと思った)」アンチェロッティ監督が予定を変更。アナウンスもなく、いきなりブライムがプレーしていたのには私も驚かされたんですが、これが大当たりだったんです。
立ち上がりから大方、攻められていたアトレティコだったものの、たまにGKルーニンに近づく時はモラタがシュートを放ったりと、仕事をさせていたため、どちらのチームもゴールが入るのには時間がかかりそうな気がしたんですが、とんでもない。悲劇と言っていいか、喜劇と言っていいか、それが起こったのは前半20分。自陣エリア付近で敵のクロスをリケルメがしっかりクリアできず、そのボールを拾ったブライムもパスカットされてしまったものの、それをサウールがルーカス・バスケスに渡す始末なんですよ。更にはルーカス・バスケスのパスを弾いたコケからのボールがブライムの軌道にバッチリ合って、先制ゴールを決められてしまうとは、アトレティコのカンテラーノ(下部組織出身の選手)程、恐ろしいものはない?
ただそれでもシメオネ監督のチームは気落ちすることなく、計画通り、身長に欠ける敵エリアにハイボールを送り込み、ビッツェルやサビッチのヘッドでチャンスを作ったんですが、前半はそのまま1-0で終了。何せ現在、首位のお隣さんとは勝ち点差が10あって、この試合で負けたら、完全に今季のリーガの目標が4位以上のCL出場権獲得だけになってしまうアトレティコですからね。後半頭から、シメオネ監督もリケルメに代えて、モリーナを入れ、マルコス・ジョレンテを中盤に上げるテコ入れをしたんですが、それにしたって、再開早々の4分、グリーズマンの蹴ったCKから、サビッチがヘッドで決めたゴールがスコアに上がっていてくれたら、話はもっと簡単だったのにねえ。
うーん、認められなかった理由はサウールがGKルーニンの前にいて、オフサイドの位置で視界に影響を与えていたとVAR(ビデオ審判)注進があったからですが、特にぶつかった訳でもなし。それにはオブラクも「Ni el árbitro sabía qué pasaba, ni Lunin ha protestado/ニ・エル・アルビトロ・ケ・パサバ、ニ・ルニンン・ア・プロテスタードー(審判も何があったかわからなかったし、ルーニンも抗議していなかった)」と困惑していましたが、そこは気を取り直して。再び同点を目指すため、シメオネ監督は16分にはサウール、デ・パウル、モラタをバリオス、サムエル・リノ、メンフィス・デパイに一気に交代。更に24分にもコケをコレアに代えて、早くも枠を使い果たすことに。
まあ、この辺は中2日で迎えるコパ準決勝に備えて、選手の体力を温存する配慮もあったんでしょうが、一方、アンチェロッティ監督は26分、最初の交代にブライムを選び、ここでホセルを投入。更にロドリゴをモドリッチ、残り2分にはベリンガムをセバージョスへと、アトレティコが点を取らないのをいいことに、MFを増やして、ゲームをコントロールする方向に動いたんですが…それはロスタイム3分のことでした。「Normalmente es el Madrid el que marca en los últimos minutos/ノルマルメンテ・エス・エル・マドリッド・エル・ケ・マルカ・エン・ロス・ウルティモス・ミヌートス(普通、最後の分に得点するのはマドリー)」(オブラク)という常識を覆して、アトレティコがゴールを入れたのは!
いやあ、それがサビッチのクロスをデパイが頭で繋ぎ、更にナチョとカルバハルの間でヘッドして決めたのが、まさしくマドリーのカンテラーノ、ジョレンテだったというのは何とも皮肉ですけどね。アンチェロッティ監督も試合後、「Hemos tenido la mala suerte de encajar al final pero nos faltaba altura/エモス・テニードー・ラ・マラ・スエルテ・デ・エンカハール・アル・フィナル・ペロ・ノス・ファルタバ・アルトゥーラ(ウチは最後に失点するという不運にあったが、高さが足りなかった)」と認めていたんですが、シーズン前半のメトロポリターノのダービーでもヘッド3発で勝ったように、頭の強い選手の多いアトレティコにCBカルバハルはやっぱり致命的だった?
といったって、そのまま試合は1-1の引分けに終わったため、元々、遥か高みにいるマドリーにとっては痛くも痒くもない訳で、まあ、このミッドウィークをゆっくり休んだ後、土曜の午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)に再び、ベルナベウで迎えることになる2位のジローナ戦で負けると、首位奪還されてしまう危険はあるんですけどね。その頃までにはビニシウスの首も、リュディガーの打撲傷も治っているはずですし、チュアメニも戻ってくる上、大体がして、今季前半、唯一、ミチェル監督のチームに土をつけたのがマドリーだけとなれば、大船に乗った気でいていい?
逆にアトレティコはコパの後、土曜にようやく午後6時30分という、午後9時以外の時間帯でサンチェス・ピスファンを訪ねるんですが、うーん、どうも弟分のラージョが下位に低迷しているキケ・サンチェス・フローレス監督のチームを目覚めさせちゃったみたいでねえ。そう、月曜にエスタディオ・バジェカスにセビージャを迎えた彼らは今回こそ、ホーム2勝目を挙げようと、果敢に攻めて行ったんですが、前半19分にはカウンターでやられてしまうことに。ええ、ヘタフェとのコパ16強対決で2得点し、1月にトップチームに登録されたばかりなのに早速、頭角を現していたイサークに、モロッコのアフリカ・ネーションズカップ敗退で帰還したエン・ネスリが加わったのが天の配剤となったんですよ。
その時はイサークの出したパスをエン・ネスリに贈ってしまったアリダネも悪いんですが、彼のシュートでセビージャが先制することに。それでも29分にはエスピーナのクロスから、イシが決めて、一旦は同点にしたラージョだったんですが、イサークとエン・ネシリは45分にも連携。再びGKディトリエフスキを破られてしまい、うーん、フランシスコ監督はアトレティコとの兄弟分ダービーで退席処分となって、パルコ(貴賓席)で指揮を執っていたんですけどね。後半、攻めても攻めても点が取れないのを見て、最後はバリウとエスピーノの両SBを切ってエヌテカとデ・フルートスを入れ、DF2人制で特攻したんですが、やはりゴールには至らず。
結局、1-2で負けてしまい、ファンも今季何度目かわからない失望を抱えて家路を辿ることになったんですが、何せ、今年になってからも彼らは1勝しかできていませんからね。未だに降格圏とは勝ち点7差あるとはいえ、そろそろ日曜のマジョルカ戦では勝っておかないと、心安らかにシーズン終盤を迎えられなくなる可能性も。とりあえず、アギーレ監督のチームは火曜にコパ準決勝レアル・ソシエダ戦1stレグでスコアレスドローとして、2ndレグのある月末まで、選手たちのモードがコパ一色となっているはずなため、チャンスは十分あると思いますが…私もバジェカスの「La vida de pirate(ラ・ビダ・デ・ピラタ/海賊人生)」を歌うお祝いを早くまた、聞きたいですよ。
とはいえ、ご存知のように相手は週末のリーガ戦が金曜となり、しかももう1つの準決勝出場チームであるマジョルカを4-0とコテンパンにのしていたのはともかく、日曜試合だったアトレティコは間が中2日と、準備期間がたったの半分しかなし。その上、先週はミッドウィークにスペイン・スーパーカップで順延されていたリーガ20節のダブル兄弟分マドリーダービーが行われたため、マドリッド勢でないアスレティックはそこでも休めているんですよ。
それだけでも不公平感半端ないのに加え、コパ準決勝に出場したマドリッド勢はアトレティコだけとあって、レアル・マドリー、ヘタフェ、ラージョはこの1週間、ゆっくり調整できるとなれば、どんなにシメオネ監督のチームだけがムリさせられているか、わかるってものですが、まあ幸い、日曜の元祖マドリーダービーでケガ人が増えることはありませんでしたからね。準決勝1stレグに出られないのはここしばらくリハビリ中のレマル、ヒメメス、アスピリクエタだけ、逆にアスレティックはマジョルカ戦でウィリアムス兄弟が負傷。兄のイニャキは回復したようですが、ニコは当日まで微妙なのだとか。
まあ、コパは置いておいて、先週末のリーガ戦の報告もしておくことにすると。この23節は日曜のベティスvsヘタフェ戦からスタートしたマドリッド勢だったんですが、ベニト・ビジャマリンに乗り込んだボルダラス監督のチームはマドリーとの兄弟分ダービーから、中2日しかなかったにも関わらず、大いに善戦。ええ、早くも7分にはグリーンウッドが、自身がアブネルから受けたペナルティによるPKを決めて、先制したんですが、35分にラタサがジョニーの足をエリア内で蹴ってしまってはねえ。こちらもPKを宣告され、イスコが決めて、スコアは1-1に。後半は両者、点が入らず、そのまま痛み分けとなりましたっけ。
実際、この試合のヘタフェはコリセウムに兄貴分を迎えた時より、ずっと素に近く、持ち前のゲーム運びの妙を見せたため、前後半共、ロスタイムが9分もあったり、ファール数も19回とかなり多め。それえもイエローカードは4枚だけで、逆にファール9回のベティスが7枚ももらっていたことを考えると、その辺、ボルダラス監督の手腕が大いに発揮されていたかと思いますが、いえ、イスコがハムストリングに肉離れを起こし、全治6~8週間となってしまったのはそのせいじゃないですよ。いやだって、彼らはマドリー戦の日にFWエネス・ウナルをボーンマス移籍で失っただけでなく、土曜には9年間、在籍したダミアンがボタフォゴに移るため、退団するというショックに見舞われたばかりでしたからね。
ベティス戦でジェネが負傷交代したのも気になりますが、とりあえず、この3連戦を1勝1分け1敗で乗り切ることができたため、あとは週1試合ペースを満喫して、次の日曜セルタ戦にじっくり備えてくれればいいかと。ベニテス監督率いるチームは先週末、オサスナに0-3と快勝して、ようやく降格圏から勝ち点3離れることができたんですが、今度はコリセウムでのデーゲームですし、いいプレーをして、ファンを喜ばせてあげるには絶好の機会じゃないでしょうか。
そして続く時間帯で始まったのがサンティアゴ・ベルナベウでの元祖マドリーダービーで、いやもう、今季4度目の対戦、しかも今年になって3回も顔を合わせているとなると、見るべきことは全て見てしまったような気もしないではないものの、この日はなかなか斬新だったんですよ。というのも試合開始前から、マドリーはハプニング続きで、いえ、ヘタフェ戦でグリーンウッドに激突し、太ももに強い打撲を負って交代したリュディガーが、いくらアンチェロッティ監督が「彼は戦士だから」と言い張ろうと、おそらく間に合わないのはわかっていたんですけどね。
加えて、チュアメニが累積警告でいなかったとはいえ、まさか、その代理のCBに身長173cmのカルバハルを選ぶとはなかなか、勇気ある決断だったかと思いますが、アップの時、スタメンに入っていたビニシウスが首の痛みを訴えたのは完全なる想定外。急遽、ホセルがピッチに出て、アップしていたんですが、最後の最後の瞬間、「Creo que Brahim nos permitía no cambia ese sistema defensivo/クレオ・ケ・ブライム・ノス・ペルミティア・ノー・カンビア・エセ・システマ・デフェンシーボ(ブライムなら、守備のシステムを変えなくていいと思った)」アンチェロッティ監督が予定を変更。アナウンスもなく、いきなりブライムがプレーしていたのには私も驚かされたんですが、これが大当たりだったんです。
立ち上がりから大方、攻められていたアトレティコだったものの、たまにGKルーニンに近づく時はモラタがシュートを放ったりと、仕事をさせていたため、どちらのチームもゴールが入るのには時間がかかりそうな気がしたんですが、とんでもない。悲劇と言っていいか、喜劇と言っていいか、それが起こったのは前半20分。自陣エリア付近で敵のクロスをリケルメがしっかりクリアできず、そのボールを拾ったブライムもパスカットされてしまったものの、それをサウールがルーカス・バスケスに渡す始末なんですよ。更にはルーカス・バスケスのパスを弾いたコケからのボールがブライムの軌道にバッチリ合って、先制ゴールを決められてしまうとは、アトレティコのカンテラーノ(下部組織出身の選手)程、恐ろしいものはない?
ただそれでもシメオネ監督のチームは気落ちすることなく、計画通り、身長に欠ける敵エリアにハイボールを送り込み、ビッツェルやサビッチのヘッドでチャンスを作ったんですが、前半はそのまま1-0で終了。何せ現在、首位のお隣さんとは勝ち点差が10あって、この試合で負けたら、完全に今季のリーガの目標が4位以上のCL出場権獲得だけになってしまうアトレティコですからね。後半頭から、シメオネ監督もリケルメに代えて、モリーナを入れ、マルコス・ジョレンテを中盤に上げるテコ入れをしたんですが、それにしたって、再開早々の4分、グリーズマンの蹴ったCKから、サビッチがヘッドで決めたゴールがスコアに上がっていてくれたら、話はもっと簡単だったのにねえ。
うーん、認められなかった理由はサウールがGKルーニンの前にいて、オフサイドの位置で視界に影響を与えていたとVAR(ビデオ審判)注進があったからですが、特にぶつかった訳でもなし。それにはオブラクも「Ni el árbitro sabía qué pasaba, ni Lunin ha protestado/ニ・エル・アルビトロ・ケ・パサバ、ニ・ルニンン・ア・プロテスタードー(審判も何があったかわからなかったし、ルーニンも抗議していなかった)」と困惑していましたが、そこは気を取り直して。再び同点を目指すため、シメオネ監督は16分にはサウール、デ・パウル、モラタをバリオス、サムエル・リノ、メンフィス・デパイに一気に交代。更に24分にもコケをコレアに代えて、早くも枠を使い果たすことに。
まあ、この辺は中2日で迎えるコパ準決勝に備えて、選手の体力を温存する配慮もあったんでしょうが、一方、アンチェロッティ監督は26分、最初の交代にブライムを選び、ここでホセルを投入。更にロドリゴをモドリッチ、残り2分にはベリンガムをセバージョスへと、アトレティコが点を取らないのをいいことに、MFを増やして、ゲームをコントロールする方向に動いたんですが…それはロスタイム3分のことでした。「Normalmente es el Madrid el que marca en los últimos minutos/ノルマルメンテ・エス・エル・マドリッド・エル・ケ・マルカ・エン・ロス・ウルティモス・ミヌートス(普通、最後の分に得点するのはマドリー)」(オブラク)という常識を覆して、アトレティコがゴールを入れたのは!
いやあ、それがサビッチのクロスをデパイが頭で繋ぎ、更にナチョとカルバハルの間でヘッドして決めたのが、まさしくマドリーのカンテラーノ、ジョレンテだったというのは何とも皮肉ですけどね。アンチェロッティ監督も試合後、「Hemos tenido la mala suerte de encajar al final pero nos faltaba altura/エモス・テニードー・ラ・マラ・スエルテ・デ・エンカハール・アル・フィナル・ペロ・ノス・ファルタバ・アルトゥーラ(ウチは最後に失点するという不運にあったが、高さが足りなかった)」と認めていたんですが、シーズン前半のメトロポリターノのダービーでもヘッド3発で勝ったように、頭の強い選手の多いアトレティコにCBカルバハルはやっぱり致命的だった?
といったって、そのまま試合は1-1の引分けに終わったため、元々、遥か高みにいるマドリーにとっては痛くも痒くもない訳で、まあ、このミッドウィークをゆっくり休んだ後、土曜の午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)に再び、ベルナベウで迎えることになる2位のジローナ戦で負けると、首位奪還されてしまう危険はあるんですけどね。その頃までにはビニシウスの首も、リュディガーの打撲傷も治っているはずですし、チュアメニも戻ってくる上、大体がして、今季前半、唯一、ミチェル監督のチームに土をつけたのがマドリーだけとなれば、大船に乗った気でいていい?
逆にアトレティコはコパの後、土曜にようやく午後6時30分という、午後9時以外の時間帯でサンチェス・ピスファンを訪ねるんですが、うーん、どうも弟分のラージョが下位に低迷しているキケ・サンチェス・フローレス監督のチームを目覚めさせちゃったみたいでねえ。そう、月曜にエスタディオ・バジェカスにセビージャを迎えた彼らは今回こそ、ホーム2勝目を挙げようと、果敢に攻めて行ったんですが、前半19分にはカウンターでやられてしまうことに。ええ、ヘタフェとのコパ16強対決で2得点し、1月にトップチームに登録されたばかりなのに早速、頭角を現していたイサークに、モロッコのアフリカ・ネーションズカップ敗退で帰還したエン・ネスリが加わったのが天の配剤となったんですよ。
その時はイサークの出したパスをエン・ネスリに贈ってしまったアリダネも悪いんですが、彼のシュートでセビージャが先制することに。それでも29分にはエスピーナのクロスから、イシが決めて、一旦は同点にしたラージョだったんですが、イサークとエン・ネシリは45分にも連携。再びGKディトリエフスキを破られてしまい、うーん、フランシスコ監督はアトレティコとの兄弟分ダービーで退席処分となって、パルコ(貴賓席)で指揮を執っていたんですけどね。後半、攻めても攻めても点が取れないのを見て、最後はバリウとエスピーノの両SBを切ってエヌテカとデ・フルートスを入れ、DF2人制で特攻したんですが、やはりゴールには至らず。
結局、1-2で負けてしまい、ファンも今季何度目かわからない失望を抱えて家路を辿ることになったんですが、何せ、今年になってからも彼らは1勝しかできていませんからね。未だに降格圏とは勝ち点7差あるとはいえ、そろそろ日曜のマジョルカ戦では勝っておかないと、心安らかにシーズン終盤を迎えられなくなる可能性も。とりあえず、アギーレ監督のチームは火曜にコパ準決勝レアル・ソシエダ戦1stレグでスコアレスドローとして、2ndレグのある月末まで、選手たちのモードがコパ一色となっているはずなため、チャンスは十分あると思いますが…私もバジェカスの「La vida de pirate(ラ・ビダ・デ・ピラタ/海賊人生)」を歌うお祝いを早くまた、聞きたいですよ。
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