VARの誤審が生み出す問題…信頼を失うことで元プレミア主審が抱く懸念「多くの審判が試合を離れることになる」、トルコでは殴られる事件も

2023.12.14 22:20 Thu
かつてプレミアリーグで主審を務めたクラッテンバーグ氏
Getty Images
かつてプレミアリーグで主審を務めたクラッテンバーグ氏
近年相次ぐVARの誤審が大きな問題となっているプレミアリーグ。元プレミアリーグ主審のマーク・クラッテンバーグ氏は、そのミスが審判団を試合で笛を吹かなく未来がある懸念を口にした。クラッテンバーグ氏は、プレミアリーグで2004年から2017年まで主審を務め、リーグを代表する主審として知られていた。

その後、サウジアラビアサッカーに身を置き、サッカーレベルの向上を目的に審判委員長などを務めていた。
クラッテバーグ氏が笛を吹いていた時代はVARは導入されていなかったが、VARが導入されてから人為的なミスなどが連発。大きな批判を受ける事態となっている。

イギリス『BBC』に対しクラッテンバーグ氏は「今抱えている問題は、選手たちがシステムを信頼していないことだ」とコメント。VARのテクノロジーが救うはずが、逆に疑念を抱かせてしまっていると語った。
「審判はテクノロジーによって正しい判定が下されるはずだと知っているため、フィールド上で判定を下さないこともあると思う」

「ただ、それではVARはほとんどの週で正しい判定を下しているのだろうか?正しい場合もあれば、そうでない場合もある」

「つまり、それが選手間に緊張を生んでいるということだ。そして選手たちは結果重視のスポーツであり、非常に緊張しており、その怒りや反対意見を審判にぶつけてしまうものだ」

今季だけでも、複数の誤審が発生。選手や監督も試合後のコメントで不満を口にするのが我慢できなくなるほどの事態が起きている。

クラッテンバーグ氏は「審判には安全な環境で仕事をする権限が必要だ。そうでなければ多くの審判が試合を離れることになるだろうし、残念ながら審判なしではサッカーの試合は開催できないだろう」とコメントした。

また「私はピッチ上での反対意見で問題になったことは一度もなかった。なぜなら、選手たちはほとんどの場合、主審の決定を尊重していたからだ。おそらくVARが導入される前はだ。VARによって選手間には緊張が生じたと思う。彼らは決定を下すかどうかだ」と語り、テクノロジーの導入が悪影響を及ぼしている部分もあるとした。

加えて、先日はトルコのスュペル・リグで試合後に判定に不満を持ったアンカラグジュのファルク・コジャ会長が、ハリル・ウムット・メレル主審の左頬にパンチを浴びせる事件が発生した。

クラッテンバーグ氏はこの事件を受け「あれを見るのは恐ろしい。これはトルコのトップリーグで審判をしているFIFAの審判だ」とコメント。「たとえ審判が間違いを犯したとしても、それが会長の方な反応を引き起こすべきではない。これは間違いなくトルコ、そして世界中のサッカーを交代させた」と語り、大きな問題になっていくだろうと語った。

1 2

プレミアリーグの関連記事

【プレミアリーグ】ボーンマス 2-1 ブライトン(日本時間9月14日/ディーン・コート) 待望の今季リーグ戦初ゴール 右の大外 #ミンテー が上げたクロス 飛び込んできたのは左の大外 #三笘薫 代表ウィーク明け初戦で同点ゴールの大仕事プレミアリーグ第4節#ボーンマス v #ブライトンhttps://t.co/Xm 2025.09.14 06:00 Sun
【プレミアリーグ】アストン・ヴィラ 0-3 クリスタルパレス(日本時間8月31日/ヴィラ・パーク) #マテタ からのスルーパスに抜け出した #鎌田大地 BOX内でキーパーに倒されPKを誘発そのPKをマテタが沈めクリスタル・パレスが先制#アストンヴィラ v #クリスタル・パレスhttps://t.co/3sBXiD 2025.09.01 20:00 Mon
【プレミアリーグ】ブライトン 2-1 マンチェスター・シティ(日本時間8月31日/アメリカンエクスプレス・スタジアム) 速攻劇的決勝弾#三笘薫 のスルーパスを受けた #グルダ華麗な切り返しでエリア内の相手を躱しきりボールをゴールに流し込むプレミアリーグ 第3節#ブライトン v #マンチェスター・Chttps:// 2025.09.01 06:30 Mon
リーズ・ユナイテッドのMF田中碧が、プレミアリーグデビューを飾った。チームメイトの決勝ゴール後にはサポーターに肩を掴まれながら喜びを爆発させており、その姿にファンが注目している。 3年ぶりにプレミアリーグに戻ってきたリーズは、第1節でエヴァートンと対戦。在籍2年目の日本代表MFは、[4-3-3]の右インサ 2025.08.19 19:00 Tue
リヴァプールの日本代表MF遠藤航が、プレミアリーグ開幕節のボーンマス戦に途中出場。ダメ押しゴールをアシストするなどチームの勝利に貢献した。初戦からの活躍ぶりにファンたちが歓喜した。なお遠藤はこの試合でプレミアリーグ通算50試合出場を達成している。 昨季のプレミアリーグ王者であるリヴァプールは、開幕節でボー 2025.08.16 10:44 Sat

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly