運も実力のうち…だよね/原ゆみこのマドリッド

2023.12.01 20:00 Fri
©Atlético de Madrid
「ツキがあり過ぎたツケが来たのかしら」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、恐怖だったCLアウェイ戦を見事な勝利で乗り切り、アトレティコが2年ぶりのグループリーグ突破をしたのに胸を撫で下ろしていた矢先、バリオスがフェイエノールト戦でヒザの半月板を損傷。金曜に手術を受けることになり、全治1カ月から、最悪の場合、3カ月もありうると知った時のことでした。いやあ、カンテラーノ(アトレティコBの選手)の彼は昨季、まだ19才ながらトップチームに昇格。プレシーズンからシメオネ監督の下で始めた今季は9月にもスペインU21代表から帰って来た後、CL1節ラツィオ戦でゴールを挙げながら、負傷してしまい、11月初めにようやく戻ったんですけどね。

そのせいで10月は代表のお勤めがなく、ここまで元気にプレーできていたんですが、奇しくもこのCL5節も11月の代表戦週間明けからの2試合目。伝え聞くところによると、フェイエノールト戦の後半45分、上田綺世選手からボールを奪おうとして、左ヒザを捻ったようですが、いやあ。8人もの負傷者を抱えるお隣さんと違って、今はアキレス腱断裂のレマルが長期リハビリしているだけのアトレティコですが、バリオスにはコケに何か異常があった時、中盤の底を務められる唯一の選手という特殊な役割がありましたからね。年明けからはコパ・デル・レイ参戦、スペイン・スーパーカップ、そしてCL決勝トーナメントとまた過密日程が続きますし、ここはクラブも冬の移籍市場でボランチの補強を考えた方がいい?
まあ、それは先の話として、まずは火曜のフェイノールト戦がどうだったか、お話ししていくことにすると。早い時間の試合でラツィオがセルティックに2-0と勝ち、首位を奪われていたアトレティコは早速、前半12分にはグリーズマンがセンターから放ったロングパスをモラタが追って、GKバイロウとの1対1のチャンスをゲット。とはいえ、最近のお決まりでそのシュートは弾かれてしまい、ええ、ここ6試合、CLアウェイゲームでは白星がない彼らですからね。今回もドローで凌いで、最終節、無敵のメトロポリターノでのラツィオ戦に懸けるしかないのだろうかと弱気になった私だったんですが、この日は最大の味方が相手チームにいたとは!

そう、その2分後、グリーズマンの蹴ったCKがクリアされ、エリア外に出たボールをコケがヘッドでジョレンテに送ると、そのクロスはゴール前に落ちたんですが、ビッツェルが触れなかったボールがヘールトライダのお腹に当たって、オウンゴールになったから、ビックリしたの何のって。これでまんまと1点リードしたアトレティコでしたが、前半の残りは再びモラタがヘッドを外したぐらいで、大したこともなく、0-1で折り返すことに。負けると敗退が決まってしまうフェイノールトは後半頭から、パイシャオンに代え、上田選手を投入し、2節の対戦では出場停止でいなかったエースのサンティ・ヒメネスがシュートするスペースを前線に作ろうとしたんですが…。

いやあ、それが、ビッツェルが自陣エリア近くで敵に奪われたボールから、サンティ・ヒメネスのシュートをホセマ・ヒメネスが防いだ後、再開12分にはこの試合、唯一のアトレティコの選手のgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)が生まれたんですよ。ジョレンテと交代で出場したバリオスがエリア内に入れたバスをエルモーソが受けたところ、何と当人は1度もゴールの方角を見ずにvolea(ボレア/ボレーシュート)。それがすっぽりゴールに入ってしまったから、ビックリしたの何のって。いえ、当人は後で「自分の位置がよくわかってなかったけど、sí que la intención es de tirar a portería/シー・ケ・ラ・インテンシオン・エス・デ・ティーラル・ア・ポルテリア(そう、自分の意図はゴールに向けて撃つことだった)」と言っていたんですけどね。
何はともあれ、これでリードが2点となり、ちょっとは余裕が出て来たアトレティコだったんですが、実際、今季のグループリーグアウェイ戦では後半ロスタイムに敵GKにゴールを決められて、ラツィオと引分けたり、2-2まで追いつきながら、デ・パウルの退場でセルティックに逆転できなかったりと、予想外のドンデン返しを見せてくれていますからね。この日も24分にせっかく完璧なカウンターでモリーナが敵エリアに侵入。フリーでラストパスをもらったデ・パウルが外してしまうなんて、勿体ないことをしていたせいもあり、32分にはCKをバイファーが頭で決め、1-2と迫られて、またしても暗雲が立ち込め始めたんですが…。

いやあ、あるんですね、世の中にはこんな運のいい試合も。というのも36分、モリーナが蹴ったFKが3点目のゴールになったと思いきや、え?正確無比なヘッドを放ったのがサンティ・ヒメネスだったなんてあっていい?大事な場面でオウンゴールを贈ってしまうのがアトレティコであれば、全然、驚きには値しないんですが、これでスコアは1-3。おかげで「Sabíamos que necesitábamos una victoria visitante/サビアモス・ケ・ネセシタバモス・ウナ・ビクトリア・ビシタンテ(ボクらはアウェイ勝利が必要なことを知っていた)。これまでのいい流れを維持するためにもね」とヒメネスも言っていたように、とうとう内弁慶から脱皮する勝利を挙げ、来年もCLでプレーする権利を手に入れただけでなく、ラツィオ戦で勝ち点1をゲットすれば、1位突破もできるとなれば、もう最高の結果じゃないですか。

ちなみにこの試合でMVPをもらったのはリケルメで、ええ、当人も最初は本気にしていなかったんですが、実際、リーガの前節マジョルカ戦ではサムエル・リノがいいプレーをしていたため、誰もが彼のリピートを疑っていませんでしたからね。シメオネ監督によると、「リケルメがプレーしなければならなかった。Las características de Roro entendía que le iban mejor al equipo/ラス・カラクテリスティカス・デ・ロロ・エンテンディア・ケ・レ・イバン・メホール・アル・エキポ(チームにはロロの特性の方がいいと思った)」そうで、確かに左のカリレーロ(長い距離をカバーするSB)として、サンティ・ヒメネスより脅威だったミンテとしっかりマッチアップ。11月にスペインA代表に初招集されたのも励みになったか、攻守両面における当人の成長ぶりには目を瞠らんばかりだったかと。

こうなると、モンジュイックでポルトに2-1と逆転勝ちし、こちらは3年越しとなるCL決勝トーナメント進出を勝ち取ったバルサと対戦する日曜午後9時(日本時間翌午前5時)から試合でも、リケルメとリノのどちらがスタメンになるのか気になるところ。何せ、相手の方はまだGKテア・シュテーゲンが背筋痛から復帰できるか不明とはいえ、ポルト戦で決勝点を挙げたジョン・フェリックスもレンタル元への恩返しに燃えているはずですしね。いくらシメオネ監督が「Tiene nuestra confianza. Con más frialdad y tranquilidad volverá a marcar/ティエネ・ヌエストラ・コンフィアンサ。コン・マス・フリアリダッド・イ・トランキリダッド・ボルベラ・ア・マルカル(彼を信頼している。冷静さと落ち着きをもう少し持てば、またゴールは入るはずだ)」と庇っていたとて、スペイン代表戦を含めて、ここ3試合、モラタがまたゴール入らない病にかかってしまったようなのは心配ではありますが、前節、弟分のラージョが引分けて、アトレティコに贈ってくれた3位の座をこの週末も維持できたらいいですよね。

そして翌水曜はレアル・マドリーの番だったんですが、まあ、こちらはすでにグループ突破済みでしたからね。負傷者が大量発生していても、それ程、切迫感はなかったんですが、それが油断に繋がったんでしょうか。サンティアゴ・ベルナベウにナポリを迎えた彼らは10分、クワラツヘリアのクロスをゴール右脇からディ・ロレンツォがゴール前に送り、負傷明けのオシムヘンに代わって、スタメンCFに抜擢されたジョバンニ・シメオネがシュート。GKルーニンが弾いたものの、すでにボールはラインを越えていたため、先制点を奪われてしまったんですが、となれば、わざわざその日の午前中、ナポリの滞在ホテルまでシメオネ監督が長男を励ましに行った甲斐があったというもの?

ところがマドリーもさるもので、その1分後、リーガ前節のカディス戦では試合前に腹痛を起こし、ビニシウスが負傷でいない間の貴重な先発の機会を失ったブライムがリベンジとばかりに敵陣でボールを取り戻し、ロドリコにパス。彼がまた、ヌエボ・ミランディージャでのデジャブのような動きでナポリのDFをかわし、あっという間に同点ゴールを決めているんですから、息つく暇もないとはまさにこのことですって。更にマドリーは22分にもアラバが送ったロングパスをベリンガムがヘッドで決め、さくさくと逆転したんですが、2節で対戦したルディ・ガルシア監督から、マッサーリ監督に代わったナポリはそのぐらいでは決して諦めず。

ジョバンニをオシムヘンに代えてスタートした後半2分には再び、マドリーの隙を突いて、アンギサがエリア内左側に切り込むと、いえ、彼がゴール前に送ったパスはセバージョスがクリアしたんですけどね。まさかそのボールが再びアンギサに渡り、今度はそのシュートで同点ゴールを奪われてしまうとは!いえまあ、グループ首位確定には勝ち点1が必要なだけのマドリーでしたから、2-2で引分けても全然、問題はなかったんですが、それではベルナベウに駆けつけたファンが満足しませんって。

そこでアンチェロッティ監督も早々に、せっかくチュアメニ、カマビンガ、モドリッチと中盤に欠場者多発で先発のお鉢が回ってきながら、あまりいいところを見せられなかったセバージョスをCFのホセルに代え、ふくらはぎにこむら返しを起こしたブライムもニコ・パスに代えたんですが、先に喝采を浴びたのは19才のカンテラーノ(RMカスティージャの選手)の方でした。そう、時間は39分とちょっと遅かったんですが、エリア外からのシュートを決め、勝ち越しゴールを挙げてくれたから、スタンドもどんなに沸いたことか。

え、それよりカディス戦でロドリゴのラストパスを誰にもわからない理由でスルー。ゴールを入れる絶好の機会を逃していたホセルがこの日も何度も簡単なシュートを失敗していた方が気にならないかって?いやあ、その通りで、MFの身でありながら、ここまでCL4試合出場で4得点、リーガと合わせてもう15得点も挙げているベリンガムもそれには同情を禁じえなかったんでしょうかね。「チームメートがツイていない時は支えてあげることが大事だから」と、後半ロスタイム4分にはエリア内右側からキラーパスを送り、ホセルがゴール運を取り戻す手伝いをしていたんですが、何かもう、この20才、あまりに人間ができすぎていない?

実際、最後は4-2で勝った後、アンチェロッティ監督も「若いのに真面目でプロ意識がある。勤勉で他の選手たちともよく理解し合っているが、tiene que mejorar su español. Nadie es perfecto/ティエネ・ケ・メホラル・ス・エスパニョール。ナディエ・エス・ペルフェクトー(もっとスペイン語が上手くならないといけない。完璧な者はいないからね)」と、彼の欠点を探すのに困っていたぐらいですが、いやあ、この日のマドリーベンチにはジダン監督の三男、テオが初招集で入っていたせいもあったんですかね。いきなり世間がベリンガムを現役時代のジダンと重ねて見るようになったのは不思議でしたが、今のゴールペースが続く限り、クリスチアーノ・ロナウド(現アル・ナサル)と十分、タメを張れる存在になれるんじゃないでしょうか。

そんなマドリーは今週末、土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)に再び、ベルナベウでリーガのグラナダ戦を迎えるんですが、折しも木曜からはGKケパがチーム練習に復帰。またルーニンは控えに戻ることになりますが、どうやら他の選手はハムストリングス筋肉痛のモドリッチも含め、誰も戻ってこないよう。ちなみに現在、降格圏の19位にいる相手は前節にアラベスに負けた後、パコ・ロペス監督を解任して、ウルグアイ人のアレクサンドル・メディーナ監督を招聘。ヨーロッパのチームを率いるのは初めてとなる指揮官ですが、果たして新監督効果が発現するのかどうか。マドリーも首位に戻ったとはいえ、まだジローナと勝ち点は同じですからね。ここはきっちり白星で締めておけるといいのですが。

そしてヨーロッパの大会とは縁がないマドリッドの弟分チームたちのリーガ15節はヘタフェが金曜試合でラス・パルマスとのアウェイ戦に挑み、ラージョは土曜にアスレティックとサン・マメスで対戦。奇しくもどちらも勝ち点19で前者は8位、後者は10位につけているんですが、コンフェレンスリーグ出場圏の7位ベティスとは勝ち点5、その上のEL圏のレアル・ソシエダとアスレティックとは6と、そんなに離れていませんからね。ここは勝って、年内残り試合への励みにしてほしいところですが、懸念となるのは、前者は今季アウェイ未勝利、後者はここ4試合を3分け1敗と白星から遠ざかっていることでしょうか。兄貴分とは逆に来週はコパ2回戦が入るため、ちょっと忙しくなる2チームですが、いい結果を出してくれることを期待しています。



【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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とうとうアトレティコの番がやって来た…/原ゆみこのマドリッド

「また忙しくなるのね」そんな風に私が気の毒がっていたのは月曜日、午前中にマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でセッションを終えたアトレティコが午後にはもう、ミラノに移動していたのを知った時のことでした。いやあ、CL16強対決1stレグでは後発組となったため、お隣さんがライプツィヒ遠征するのを横目に、先週は久々のミッドウィークフリーを楽しめた彼らだったんですけどね。今週は逆にレアル・マドリーがヒマとなり、シメオネ監督は中2日で選手たちを準備させて、火曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、昨季のCLフィナリスト、今季のセリアA首位で、ここ8連勝と絶好調のインテルに立ち向かわないといけないことに。 何せ、今季はアウェイ弱者が板について、リーガでは4勝2分け6敗と、それが首位に大差をつけられて、4位に甘んじる原因になっているアトレティコですからね。CLの方でも昨年の11月のグループリーグ5節でフェイエノールトに勝つまで、6試合白星なしが続いていましたし、何よりインテルのホーム、サン・シーロは2016年CL決勝でジダン監督率いるマドリーにPK戦で負けた悪夢のスタジアム。当時を知っているシメオネ監督以下、グリーズマン、コケ、サウール、サビッチ、オブラク、コレア、ヒメネスらには全然、いい思い出がないのも不安かと。 ただ、イタリアに旅立ったチームには朗報もあって、1週間前のセビージャ戦でヒザを捻り、全治2~3週間と言われていたモラタが脅威の回復力を披露し、日曜から練習に加わると、遠征メンバーに参加。先週末のリーガ戦の出来を見る限り、特にFW陣やゴール力に不足はない感じはしますが、その前の2試合は無得点で2連敗していましたからね。モラタがいるに越したことはないんですが、そのセビージャ戦で先発デビューした後、腹筋を痛め、ラス・パルマス戦を休んだパウリスタも速攻で治ったようで、このインテル戦に出られないのはレマル、アズピリクエタの2人だけ。どこぞのチームと比べると、驚く程、ケガ人の少ないアトレティコですが、果たして3月13日のメトロポリターノでの2ndレグに希望を持てる結果を持ち帰ってくることはできるのでしょうか。 まあ、CLの話はともかく、リーガ25節のマドリッド勢の様子も伝えていくことにすると、先陣を切ったのは金曜試合に当たった弟分のヘタフェだったんですが、ラ・セラミカでのビジャレアル戦は1-1の引分けで終了。前半24分にはグリーンウッドの蹴ったFKをモスケラがしっかりクリアできず、エリア内に落ちたボールをマクシモビッシが決めて先制したものの、後半11分にはアルベルト・モレノに同点ゴールを許してしまったんですが、彼らは残留確定ラインの勝ち点40まで、あと2勝程ですからね。 このままホームのコリセウムで必勝を目指して、アウェイは引分けベースで進んでもまったく問題はないかと思いますが、ええ、今週末土曜のバルサ戦もモンジュイックでの開催と、格上とのアウェイゲームですし、勝ち点1を稼げれば、それでもう十分?ただ、今週はチャビ監督のチームもCL16強対決1stレグが水曜にあって、ナポリ遠征をした後、中2日での試合であることを考えると、中7日のヘタフェにも勝機があるんじゃないかと思いますが、さて。まだ今季の残り試合は13もありますし、勝ち点6差のEL出場圏を目指すぐらいの気持ちを持った方がきっと、ファンも喜ぶんじゃないでしょうか。 そして土曜の午後2時には今年になって、初めて午後9時以降以外の時間帯にメトロポリターノで試合となったアトレティコがラル・パルマスを迎えたんですが、最近は気候も春めいてきたこともあって、軽装で観戦に行けるのがどんなに気が楽か、私も久々に思い出すことに。とはいえ、シメオネ監督がインテル戦を重視して、先週は中日が沢山あったにも関わらず、レギュラーの選手を半分程温存。モラタが負傷でいなかったのもあり、スタメン2トップがコレアとジョレンテだったのにはちょっと違和感があったんですが、ええ、コレアなど、序盤から3度も絶好機にシュートをミスっていましたからね。 でも全然、大丈夫だったんです。大体がして、何でそんな最初から得点チャンスがあったのかといえば、「Apostamos por la presión de Llorente, Koke, Saúl, Correa... /アポルタモス・ポル・ラ・プレシオン・デ・ジョレンテ、コケ、サウール、コレア…(ジョレン、コケ、サウール、コレアのプレスに賭けた)」とシメオネ監督も後で言っていたように、アトレティコは必ずプレーをGKからパスを繋いで始める相手にガンガン詰めて、ボールを敵エリア付近で奪取していたからで、15分にはとうとう、その作戦が実ることに。サムエル・リノがエリア外左から入れたパスをコレアがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で繋ぎ、いえ、その時はカルドナのクリアが味方のペローネに当たってしまうという、ツキもあったんですけどね。 地面に落ちたボールに脱兎のごとく駆けつけたのがジョレンテで、いやもう、それこそ先週は「Intentamos, más que entrenar, descansar/インテンタモス、マス・ケ・エントレナール,デスカンサール(練習するより休むようにした)」(シメオネ監督)効用でしょうか。その前の3週間で8試合という地獄のハードスケジュールで枯渇しかかっていた選手たちを充電できたのが良かったか、そのシュートで先制点が入ったから、スタンドを埋めた6万人以上の観客もどんなに沸いたことか。おまけにその5分後にはコレアが敵陣エリアすぐ外でココからボールを奪い、ジョレンテにキラーパス。こちらもゴールとなり、あっという間に2点リードしているとは、もしや2021年にリーガ優勝したシーズンの彼がついに戻って来た? その後、前半の残りは、得意のリードしたら一歩後退癖が発現して、おとなしかったアトレティコなんですが、ハーフタイムにシメオネ監督に喝を入れられたんでしょうか。後半開始早々、今度はコケがヘッドで入れたボールをコレアがvolea(ボレア/ボレーシュート)で3点目をゲット。更に17分にも、いえ、リノがマルビンにエリア内で倒されたのはその5分前だったんですけどね。VAR(ビデオ審判)注進が遅かったため、主審がPKを与えるのに時間がかかったものの、こちらもコレアがしっかり決めて、とうとうスコアは4点差に。いやあ、実は彼、先週はずっと咳が止まらず、「Tomé jarabe pero no se me quitaba, un día no pude ir a entrenar/トメ・ハラベ・ペロ・ノー・セ・メ・キタバ、ウン・ディア・ノー・プデ・イル・ア・エントレナール(咳止めシロップを飲んだんだけど、治らなくて、練習に行けない日もあった)」のだとか。 それでもコレアのやる気を買って、先発させたのは指揮官の大英断だったと言えますが、こういう当たりの日がもう少し多ければねえ。1月にサウジアラビア行きの噂が出ることもなかったかと思いますが、試合の方は4点目が入った直後、シメオネ監督はインテル戦前選手温存策第2弾を実行。そう、ジョレンテ、コケ、リノ、ヒメネスの4人を一斉に下げ、メンフィス・デパイ、デ・パウル、リケルメ、ビッツェルが入ったんですが、30分前にはバリオスもフェルメーレンと代わり、アントワープからこの冬、移籍してきた18才は2度目のメトロポリターノ体験ができることに。 その交代組の中でもリケルメとデパイが張り切って、42分には前者のスルーパスから、後者が5点目のゴールを決めていたのはまあ、インテル戦に向けての景気づけとはなっても、あまりスコア的には意味はなかったんですが、そのままアトレティコのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は5-0で完成。根がセコい私など、そのうち2点をコパ・デル・レイ準決勝アスレティック戦1stレグに、もう2点を前節のセビージャ戦に回していれば、計36本もシュート撃ちながら、2連敗することもなかったのにと悔しく思ってしまうんですが、覆水盆に返らずですからね。 今は「Hay mucha diferencia entre un equipo y otro/アイ・ムーチャ・ディフェレンシア・エントレ・ウン・エキポ・イ・オトロ(両チームの間には大きな差がある)」というピミエンタ監督の言葉を自信にして、強敵インテルに挑んでもらいたいところですが、そうそう、この試合、まったく出番のなかったのはグリーズマン。実際、彼はコパ・デル・レイ準々決勝のマドリーダービー延長戦で決めた、クラブ通算175本目のゴールを最後に7試合、得点がありませんでしたからね。まさに「Necesitaba un espacio de stop para recuperar energía/ネセシタバ・ウン・エスパシオ・デ・ストップ・パラ・レクペラール・エネルヒア(エネルギーを回復するため、休止が必要だった)」(シメオネ監督)状態だったため、彼の力を借りずともラス・パルマに快勝できたのは何よりだったんですが、月曜の練習ではグリーズマンとジョレンテの2トップでインテル戦のリハーサルをしていたというのは本当なんでしょうか。 そして翌日曜、こちらも午後2時という嬉しい時間に始まったのがラージョとマドリーの兄弟分ダービーで、いやあ、先週はフランシスコ監督が解任され、昨季、イラオラ監督の下で第2監督をしていたイニゴ・ペレス氏の就任が決まったりと、弟分の方も慌ただしかったんですけどね。エスタディオ・バジェカスにマドリーがやって来る度、リーガで唯一、チケットのオンライン販売を行っていないクラブという事情のせいで、スタジアムの売り場に何時間も行列しないといけない、年間指定席保有者以外のファンも大勢駆けつけ、ここ15試合で1勝しかしておらず、ホームでは今季1勝しかしていないという、スランプを一切感じさせない明るいムードでキックオフしたところ…。 何と開始4分にはマドリーのカウンターにはまり、自陣からブライムが出したパスを追ったバルベルデがエリア内のホセルにアシスト。そのシュートが決まり、VARのオフサイドチェックも無事通過したため、早々にリードを奪われてしまったから、さあ大変!更には19分にもルーカス・バスケスが出したラストパスをホセルがヘッドでゴールに入れ、もう点差が広がったかと、スタンドは凍りついたんですが、こちらはラッキーでした。ルーカス・バスケスがエリア内右奥をドリブルしていた時にボールがラインの外に出ていたのが見つかったせいで、そのまま0-1でゲームは進行することに。 すると24分、エスピーノのクロスをトレホがシュートして外れた後、VAR注進でカマビンガの手にボールが当たっていたことが発覚。モニターチェックの後、ラージョにPKが与えられたんですが、キッカーに立ったのは新監督になって、スタメンに復活したRdT(ラウール・デ・トマス)だったんですよ。実は彼、今季はまだ1本もゴールを決めておらず、多分、それでイシもボールを譲ってあげたんでしょうね。あまりPKの成功率は高くないラージョと記憶していましたが、この時は見事にGKルーニンを破り、同点にしてくれたとなれば、ファンも歓喜しない訳ありませんって。 幸いバルベルデのシュートもポストに当たり、同点のまま、試合は後半に入ったんですが、うーん、もしやマドリーはベリンガムが足首の捻挫で不在なのがマズかった?ええ、先週のCLライプツィヒ戦ではブライムを代理に立てたのが成功したとはいえ、それでも0-1勝利と言う淋しいスコアでしたからね。25分にはアンチェロッティ監督もカマビンガ、ブライムをクロース、ロドリゴに代えてみたものの、CLの疲労に加え、慣れない午後2時という、お日様の眩しい時間だったのも影響したか、結局、最後まで勝ち越し点は奪えず。 それどころか、30分にルーカス・バスケスと交代で入ったカルバハルなど、後半ロスタイムにキケ・ペレスの顔を払い、2枚目のイエローカードをもらって退場する始末で、ええ、その前にはカマビンガも累積警告となる5枚目をもらっていましたからね。要は2人共、週末日曜のセビージャ戦に出られなくなってしまったんですが、まあ、だからって、月曜には2位のジローナもアスレティックに3-2で負けていますし、マドリーの首位の座が揺るぐこともなし。おかげで世間は1-1の引分けという躓きより、もっぱら先週、PSGに契約延長をしないと告げたエムバペがいつマドリー入団を決めるのかといった話題に懸かり切りなんですが…どっちにしろ、来季の話となれば、散々、来る来る詐欺を聞かされてきただけに、私があまり興味を持てないのも仕方なかったかと。 一方、残念ながら、終盤はファルカオとカメージョを投入して攻めに出たものの、今季ホーム2勝目を掴めなかったラージョは、それでも相手は天下のマドリーですからね。しかもシーズン前半のサンティアゴ・ベルナベウでのスコアレスドローに続き、兄貴分から勝ち点2を奪ったとなれば、十分、賞賛に値するんですが、彼らの立て直しの闘いが始まるのは次の月曜試合、ジローナ戦から。ええ、この引分けで降格圏との差が勝ち点1広がって、8となったのはいいことですが、「Se vive mirando toda la jornada deseando que los de abajo no ganen/セ・ビベ・ミランドー・トーダ・ラ・ホルナーダ・デセアンドー・ケ・ロス・デ・アバホ・ノー・ガネン(下のチームが勝たないようにと願いながら、全ての試合をずっと見ている)」とバリウも言っていましたからね。 イニゴ・ペレス監督の就任でチームの運気が変わって、これからは自力で差を広げ、なるたけ早いうちに残留確定ラインに到達してくれることを祈るばかりですが、それにはこのPKの得点をキッカケにRdTが目覚めてくれることが必須。丁度、先週末はレガネスもアルコルコンとのダービーに勝利して、2部首位の座を固めたところですし、来季は再び、マドリッド勢5チーム体制に戻ってくれたら、私も嬉しいんですが、そのためにもラージョが脱落する訳にはいきませって。 <HR>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2024.02.20 22:00 Tue

ゆとりの1週間だった…/原ゆみこのマドリッド

「きっと選手たちもお腹が空いているだろうに」そんな風に私が同情していたのは木曜日、久々に試合のないミッドウィークを過ごしているアトレティコがメトロポリターノで練習した後、遅ればせながら、グリーズマンのクラブ最多得点記録更新記念イベントをスタジアムの講堂で開催。昨年あったシメオネ監督のクラブ最多指揮試合数更新イベント同様、招待客だけの催しだったため、ネットストリーミングで見ていたところ、1時間以上と思ったより長引いたせいで、ランチの準備が遅くなってしまった時のことでした。 いえまあ、昨年12月、故ルイス・アラゴネス監督の持つ173得点に並んだ試合ではヘタフェに追いつかれて引分け、ホーム連勝が21でストップ。更新となる174得点目を挙げたスペイン・スーパーカップ準決勝レアル・マドリー戦はサウジアラビアでの開催だった上、前半2-2の同点とするゴールでしたからね。当人も「ハーフタイムにシメオネ監督やチーメートと話したのを覚えている。Yo tenía ganas de llorar, pero estaba en medio del partido/ジョ・テニア・ガナス・デ・ジョラール、ペロ・エスタバ・エン・メデイオ・デル・パルティードー(自分は泣きたかったけど、まだ試合の途中だったから)」と言っていましたが、その後、3-3となって延長戦に入り、最後は5-3で敗退してしまうことに。 とても盛大にお祝いするどころじゃなかったんですが、その1週間後のコパ・デル・レイ準々決勝でマドリーダービー再戦となった折りには、今度はグリーズマンが延長戦に勝ち越しゴールを挙げて、最後は4-2で勝ち抜け。通算175得点として、とうとうメトロポリターノのファンの祝福を受けることができたんですが、その後も週中、週末の地獄の連戦でしたからね。クラブの公式イベントをやる機会が今週までなかったのはわかりますが、でも以降、グリーズマンは7試合もゴールしてないんですよお。 というか、さすがに3週間に8試合という超ハードスケジュールが祟ったか、ここ2試合、アトレティコは1点も取れずにコパ準決勝アスレティック戦1stレグ、リーガのセビージャ戦で連敗。となれば、選手たちをお昼ご飯前の長いイベントに付き合わせるより、さっさと家に帰して休ませるか、でなきゃ、追加でシュート練習でもやらせていた方がいいんじゃないかと思ってしまったのはきっと、私だけではない?いえ、もちろん、「バルサに行くという間違いは犯したけど、hago todo para que los aficionados estén orgullosos de su número 7/アゴ・トードー・パラ・ケ・ロス・アフィシオナードス・エステン・オルグジョーソス・デ・ス・ヌメロ・シエテ(ファンがアトレティコの背番号7の選手を誇りに思えるよう、ボクは何でもやる)」というグリーズマンの晴れ舞台を見られたのは喜ばしいことですけどね。 ただ、いくら首位のお隣さんとの勝ち点差が13に広がり、リーガ優勝の目が完全になくなったとはいえ、勝ち点2差で5位のアスレティックに追いつかれる訳にいかず。土曜の午後2時(日本時間午後10時)に迫った、28試合で不敗神話が途切れたメトロポリターノでのラス・パルマス戦には絶対、勝たないといけませんからね。更にその3日後にはCL16強対決インテル戦1stレグもあって、しかもサンチェス・ピスファンでヒザをケガしたモラタはここ数試合、当てにできませんし、そのセビージャ戦でシメオネ監督下では記録的な速攻デビューを果たしたパウリスタ(バレンシアから移籍)も腹筋を痛めてしまう始末。 ヒメネスがそろそろ戻って来られそうなのは朗報とはいえ、突然のゴール日照りをさっさと脱出しないと、逆転が必須の29日のコパ準決勝2ndレグも含めて、シーズン残りを淋しく過ごすことになりかねませんが…何はともあれ、今週の中5日間が効いて、選手たちが元気を取り戻してくれることを祈っています。 え、アトレティコはCL16強対決2週目グループだけど、先行組のマドリーは火曜にライプツィヒ戦1stレグがあったんだろうって?その通りで、彼らは土曜にサンティアゴ・ベルナベウで2位のジローナを本職CBが1人もいなかったにも関わらず、4-0と叩きのめし、リーガ35回の最多優勝クラブの貫禄を示した後、中2日で、CL最多優勝回数を15に更新すべく、決勝トーナメント初戦に挑むことに。この日は筋肉痛が治ったナチョがチュアメニとCBコンビを組み、カルハバルは2試合ぶりに右SBに戻ったんですが、それが実はレッドブル・アレナでは開始2分から、ドッキリがあったんですよ。 そう、CKからのボールをGKルーニンがパンチングしたボールをエリア外から、シュラーガーがエリア内に上げ、シェシュコのヘッドがゴールに入ったからですが、大丈夫。その時、「Un jugador estaba conmigo sin disputar el balón y me molestaba/ウン・フガドール・エスタバ・コンミーゴ・シン・ディスプタール・エル・バロン・イ・メ・モレスタバ(敵選手がボールを争うことなく、ボクといて、邪魔された)」(ルーニン)という理由で、彼の後ろにいたヘンリクスがファールを取られたか、その位置が「Creo que era fuera de juego bastante claro/クレオ・ケ・エラ・フエラ・デ・フエゴ・バスタンテ・クラート(明白なオフサイドだったと思う)」(アンチェロッティ監督)だったからなのか、とにかくスコアには挙がらなかったから、助かったの何のって。 うーん、ライプツィヒサイドは「オフサイドでもファールでもない。合法なゴールだ」(ローズ監督)と主張していたため、ラッキーだったのは否めないんですけどね。その後も相手の猛攻は続き、シェシュコが何度も撃ってきたものの、何とか0-0のまま、ハーフタイムを迎えることに。逆に後半はマドリーがいきなり牙を剥いて、3分、ジローナ戦で足首をネンザしたベリンガムの代理として、スタメン入りしたブライムが敵エリア付近でボールを奪うと、3人をかわして、エリア内右からシュート。当人によると、「Vi a Vini y se la quería dar, dudé, pero acabo disparando/ビ・ア・ビニ・イ・セ・ラ・ケリア・ダール、ドゥデ、ペロ・アカボ・ディスパランドー(ビニシウスが見えたから、パスしようかと迷ったけど、結局、撃っちゃった)」そうですが、それがGKグラーチの手の届かないゴール左隅にすっぽり収まってしまったとなれば、結果オーライですって。 その後、追加点が入ることはなく、いえ、26分にはビニシウスのシュートがゴールポストに当たる惜しいチャンスはあったんですけどね。そのまま0-1で終わったため、9回もの枠内シュートを止め、中にはparadon(パラドン/スーパーセーブ)もあったルーニンが絶賛されることに。まあ、大きなアドバンテージを取ったとは言えませんが、3月6日の2ndレグはサンティアゴ・ベルナベウ開催ですからね。とりわけ、CLではお家芸の根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)も発動しやすいため、たとえ、うっかり同点にされようが、最悪、一時は逆転されたとしても、マドリーが勝ち抜ける確率は高いんじゃないでしょうか。 そうそう、その試合、39分には殊勲のブライムがふくらはぎの痛みで続行不可能となり、交代して心配されたんですが、どうやらただのこむら返りだったようで、早くも木曜のバルデベバス(バラハス空港の近く)では普通に練習。この日曜午後2時からの兄弟分ダービー、エスタディオ・バジェカスでのラージョ戦の出場に問題はなさそうですが、実はマドリーがCLをプレーしている間、その弟分には激震が走っていたんですよ。というのも先週末も後半ロスタイムに勝ち越しゴールを奪われ、3-2でマジョルカに敗戦。ここ15試合でたったの1勝というスランプに陥っていた彼らなんですが、とうとうフランシスコ監督が解任されてしまったから。 それはまあ、今は降格圏まで勝ち点7差ある14位とはいえ、このままだと遅かれ早かれ、マズいことになるという判断ですから、仕方ないんですが、翌日には早速、後任として、イニゴ・ペレス監督をプレゼン。昨季、イラオラ監督の下で第2監督を務めていた36才で、いえ、若いのはイラオラ監督もラージョに来た当時は37才でしたから、別にいいんですけどね。気になるのは2022年にオサスナで現役を引退した後、指導者経験がその第2監督の1シーズンしかないこと。 ええ、イラオラ監督はAEKラナルカ(キプロス)やミランデス(リーガ2部)で修行してからの着任でしたからね。イニゴ・ペレス監督には、今季もボーンマスの指揮官に就任したイラオラ監督の下で第2監督を務める予定だったところ、UEFAレベルのコーチライセンスを持っていないため、イギリスのビザが下りず。それでスペインに戻って来たという経緯もありますし、いくら選手たちのほとんどを知っているとはいえ、いきなり1部チームを率いるのは難しいんじゃないかと、素人目には思ってしまうんですが、さて。初陣となる日曜は兄貴分に気後れせず、勇敢に戦うチームの姿をバジェカスのファンに披露できれば、とりあえず及第点はもらえるんじゃないでしょうか。 一方、ここ2、3シーズン、1部残留確定に苦労していたヘタフェは今季は風向きが変わったようで、10位という落ち着いた順位で、降格圏とも勝ち点16差と超余裕。前節、セルタにコリセウムで3-2と勝った後はむしろ、EL出場圏6位のベティスとの方が5差と全然、近いぐらいなんですが、早くも金曜にはビジャレアル戦を迎えることに。そんなヘタフェで今週、話題になっていたのは、マドリーをコリセウムに迎えた20節、0-2とコロッと負けてしまった兄弟分ダービーで、ベリンガムが同胞のグリーンウッドを「rapist(強姦魔)」と侮辱。その件をクラブがラ・リーガに訴えていたところ、その報告書が水曜には協議委員会に回り、処分対象となるかどうか、審査されることでした。 いえ、実際に音声がある訳ではなく、もしかしたら、ベリンガムは「rubbish(クズ)」と言っただけかもしれないんですけどね。確かにグリーンウッドは数年前、現在の奥さんと交際中にDV疑惑があったものの、最後はその訴えも取り下げに。それでもマンチェスター・ユナイテッドではチームから隔離されたままだったため、今季から、ヘタフェで更生に努めているんですが、特に本人からはベリンガムについて、何の申し立てもなかったよう。おかげで少々、不可思議な展開になっているんですが、果たしてこの結末は如何に。チームの方は、今はケガ人も長期リハビリ中のアランバリしかおらず。出場停止の選手もいないため、ラ・セラミカでの一戦は今季まだ1勝しかしていない、アウェイでの2勝目を狙うのにいい機会になりそうです。 <HR>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2024.02.16 22:00 Fri

重傷じゃなくて良かった…/原ゆみこのマドリッド

「2人共、2、3週間のケガなのね」そんな風に私が偶然の一致に気がついたのは月曜日、マドリッドの両雄は揃って、週末のリーガ戦で主力選手に負傷者が発生。その診断結果を知った時のことでした。いやあ、レアル・マドリーはリーガピチチ(得点王)レーストップを走るベリンガムが左足首を捻挫、アトレティコはチーム最多の19得点を挙げているモラタが右ヒザを捻ってしまったんですけどね。ただ片や、2ゴール挙げた後の交代、もう一方は絶好のチャンスにシュートを決められず、ノーゴールで試合にも負けてしまうという対照的な結果に終わっているんですが、その不在がチームに与える影響が大きいのは果たしてどっち? 実際、月曜にドイツに移動したマドリーは火曜午後9時(日本時間翌午前5時)にはCL16強対決ライプツィ戦1stレグがあるため、すぐにわかるはずですが、何せ今季、ベリンガムが出場しなかった5試合、全てブライムがプレーして、勝っているアンチェロッティ監督のチームですからね。ゴールに関してはそのブライムを始め、ビニシウス、ホセル、ロドリゴと当てにできるFWが何人もいますし、この試合では週末のジローナ戦を筋肉痛でお休みしたナチョも復帰。大体がして、リュディガーがヘタフェとの兄弟分ダービーで受けた太ももの打撲が、実は全治2週間のケガだったと判明し、カルバハルとチュアメニのやっつけCBコンビでプレーしても余裕で勝ってしまうようなマドリーですからね。ナチョとチュアメニで挑めば、決してブンデスリーガ5位相手に遅れを取るようなことはないと思いますが、さて。 ちなみにその土曜の首位決戦、2位のジローナをサンティアゴ・ベルナベウに迎えた試合がどんなだったか、話しておくことにすると、うーん、やっぱりタイトルを争うのは新参者には荷が重すぎましたかねえ。両者の勝ち点差はたった2ポイントだけだったため、ミチェル監督がベンチ入りできずとも、ブラントやヤンヘル・エレーラが出場停止でも、ここで金星を挙げることができれば、天下のマドリーから首位を奪うことができたんですが、前半6分には早くも先制点を奪われてしまったんですよ。 そう、当人も「Normalmente no le pego desde fuera del área, pero hoy me sentía con confianza y salió bien/ノルマルメンテ・ノー・レ・ペゴ・デスデ・フエラ・デル・アレア、ペロ・オイ・メ・センティア・コン・コンフィアンサ・イ・サリオ・ビエン(普通、ボクはエリア外から撃たないんだけど、今日は自信があって、上手くいった)」と後で言っていたんですけどね。エリアの右前からのシュートがすっぽりゴールに収まったから、スタンドも驚いたの何のって。もちろん、ジローナはすぐに反撃しようとしたものの、逆にチームに本職CBがいなかったのが選手たちの注意力を上げたんでしょうか。 アンチェロッティ監督も「Hemos tenido un compromiso defensivo muy alto/エモス・テニードー・ウン・コンプロミソ・デフェンシーボ・ムイ・アルト(ウチは守備に対するとても高い意識があった)」と褒めていたんですが、この日のマドリーはクロース、バルベルデらの中盤がDF陣を入念にカバー。ビニシウスやロドリゴも滅多にお目にかからない程、サイドからの敵の攻撃をカットすることに献身的とあって、ほとんどGKルーニンに近づくこともできないのでは、リーガ最多得点数を誇る相手だってどうしようもありませんって。 すると35分には再び、前節の元祖マドリーダービーを欠場する原因となった首の痛みの治ったビニシウスが慧眼を光らせ、この時は左サイドからベリンガムにスルーパス。今年になってからはまだ、PKでしかゴールを挙げていない彼だったものの、GKガッサニガをかわし、今季リーガ15得点目となるゴールを決めているんですから、大したものじゃないですか。ただ、これで2-0として、折り返したものの、ベリンガムには後半早々、ポルトゥに代わって入っていたパブロ・トーレスに足を踏まれ、足首を捻挫するという不幸が襲い掛かることに。 でも彼、根性あるんですよ。というのも、痛みを我慢してピッチに戻った途端、9分にはビニシウスのシュートがガッサニガに弾かれてこぼれたボールを撃ち込み、自身2点目、チームの3点目を決めていたから。その後、ようやく交代を要請とは、やっぱりただ者ではありませんが、代わってブライムがピッチに入った後の16分にもマドリーは4点目をゲット。ええ、今度は監督に「Me ha dicho que estaba defendiendo muy mal y que me iba a quitar/メ・ア・ディッチョー・ケ・エスタバ・デフェンディエンドー・ムイ・マル・イ・ケ・メ・イバ・ア・キタール(ひどい守り方をしているから、下げると言われた)」と脅かされたロドリゴが奮起。 センター付近でボールを奪うとドリブルで上がり、最後は敵選手の森をかきわけてシュート。これが見事にネットに突き刺さり、ええ、もうこの時点でゲームは終了したも同然です。その後のマドリーは中2日のライプツィヒ戦に備え、ロドリゴ、クロース、ビニシウス、メンディを順次引っ込め、ホセル、モドリッチ、ギュレル、フラン・ガルシアをピッチへ。ジローナもドブビク、ツィガンコフ、イバン・マルティンをストゥアーニ、バレリ、ソリスにして、まあ、こちらは名誉の1点を狙ったのかもしれませんが、それでも44分、ヤン・コウトがギュレルをエリア内で倒して与えたPKをホセルがゴールポストに当ててくれなかったら、5点差になっていましたからね。最後は4-0と、シーズン前半のモンテビリでの0-3に続き、マドリーの2連勝で決着がつきましたっけ。 まあ、試合後はミチェル監督も「Hay que reconocer que nuestra Liga no es esta/アイ・ケ・レコノセル・ケ・ヌエストラ・リーガ・ノー・エス・エスタ(ウチのリーガはこれじゃないことを認めないと)。アスレティック、レアル・ソシエダ、ベティスなんかがいるのがウチのリーガで、マドリー、バルサ、アトレティコらと一緒のリーガにはいられない」と言っていましたしね。それでも勝ち点差が5に広がったとはいえ、一番、マドリーに近いところにいるのはジローナで、その下のバルサ、アトレティコとかなり差をつけているのは立派。実際、これからマドリーの独走態勢が始まりそうなのは、別にジローナのせいだけではない訳であって…。 その情けないマドリッド勢兄貴分の片割れのことはまた、後で話しますが、とりあえず、日曜試合組だった弟分たちの試合も伝えておくと、それがもう、見事に吉凶が分かれてしまったんですよ。そう、午後2時、せっかくのお昼試合ながら、お日様が出ていなかったのが残念なコリセウムにセルタを迎えたヘタフェは前半41分、ジョルディ・マルティンのシュートがボールバーに当たって弾かれたところをボルハ・マジョラルがヘッドして決めた、ベリンガムと1差とする今季15本目のゴールで先制。更にロスタイムにもグリーンウッドのクロスが以前、4年間ヘタフェでプレーしたGKグァイタの手に当たって落ち、そこからマタが撃ち込んで2点目も入ることに。 おかげで前回のホームゲームで兄貴分のマドリーにあっさり負けた憂さをこの日は晴らせそうと、私もハーフタイムには喜んでいたんですが、後半10分にイアゴ・アスパスが途中出場してから、形勢がガラリと変わってねえ。26分にはアスパスのスルーパスをマンキージョがエリア内から上げ、ラルセンが頭で1点を返したかと思いきや、とうとう40分にはまたしてもアスパスのアシストで、1月に入団したてのアジェンデ(アルゼンチンのゴドイ・クルスから移籍)が初ゴールを挙げ、2-2の同点になってしまったから、さあ大変! でも大丈夫。44分にはヘタフェもベテランが意地を見せ、グリーンウッドのクロスをマタが、うーん、正確に言うと、ヘッドではなかったんですけどね。首だが、肩だかで勝ち越しゴールを挙げてくれたから、どんなに有難かったか(最終結果3-2)。何せ、冬の市場ではエネス・ウナル(ボーンマスに移籍)、ダミアン(契約解消)、ミトロビッチ(ヘントにレンタル)、チョコ・ロサーノ(同アルメリア)と放出の方が多く、新たに加わったのはジェジュ(バレンシアからレンタル)、イリアス・モリバ(同ライプツィヒ)の若手だけだったボルダラス監督のチームですからね。 戦力減退をちょっと心配していたんですが、もう中2日の試合は、あってもミッドウィークリーガ開催週ぐらいですし、この調子で2週間に1回巡ってくるホームゲームでしっかり白星を挙げるだけなら、今いる人材で十分、事足りる?次戦のビジャレアル戦は金曜試合となって、中4日しかないものの、マジョラルもモラタの負傷で空きが出るかもしれない、3月のスペイン代表招集を目指して頑張っていますからね。ヘタフェにもそれこそ、2019年3月には絶好調だったマタがルイス・エンリケ監督に呼ばれ、代表デビューしたという前例もありますし、とにかくFWがゴールを挙げてくれるチームは期待が持てますって。 逆に最悪の目が出たのは弟分仲間のラージョで、次の時間帯でマジョルカとのアウェイ戦をプレーしたんですが、後半3分にオスカル・バレンティンのクリアミスからアントニオ・サンチェスに取られた1点は31分、アルバロ・ガルシアがこちらもジオ・ゴンサレスがゴール前で弾いたボールをゴールに入れて、同点に。それがロスタイムになって、CKからムリキにヘッドで決勝点を挙げられてしまうんですから、悲劇とはまさにこのこと?土壇場で2-1の敗戦となってしまったんですが、何せ、相手がミッドウィークのコパ・デル・レイ準決勝レアル・ソシエダ戦1stレグで疲れていようが、ラージョはアルバロ・ガルシアか、イシしかゴールを決められる選手がいないみたいですからねえ。 その2人だって、毎試合得点する程の量産タイプではないため、RdT(ラウール・デ・トマス)やカメージョ、ファルカオらがゴールを入れ始めてくれないと、今はまだ14位でも、1部残留ラインの勝ち点40まであと16ポイントを貯めるのに時間がかかりそうな。まずは次戦から、今年になって、たった1勝だけ、更にホームでまだ今季1勝しかしていない黒歴史を変えていきたいところですが、日曜にエスタディオ・バジェカスに迎えるのは兄貴分のマドリー。あまり流れを変えるのにはいい相手ではないのが辛いところです。 そしてその次の時間帯でアトレティコはサンチェス・ピスファンでのセビージャ戦となったんですが、この試合は中2日ではなく、中3日だったとはいえ、蓄積した選手たちの疲労度はまったく変化なかったよう。序盤、モラタがオフサイドを繰り返しているうち、うーん、あまりにも疲れていると、頭も働かなくなりますからね。15分には、せっかく前節のラージョが身をもって警告してくれたにも関わらず、CKからオカンポスに頭で繋がれたボールをまんまとイサークにヘッドで決められている始末。その、1月にようやく登録枠が空いて、トップチームの背番号をもらった新進気鋭のFWのマークをしていたのが、身長でかなり劣るコケだった辺りからして、何か歯車が狂っていた気がしますが、27分にもイサークのシュートがゴールバーを直撃と、ヒヤリとさせられることに。 その脇でモラタはヘッドがポストに当たって、ゴールに入ってもオフサイドだったり、GKナイランドと1対1のシュートも弾かれてしまう始末で、44分にはスマレを乗り越えようとして転倒。その結果、ヒザを捻って、泣きながら、ピッチを出ることになったんですが、そのリアクションにはもしや、お隣さんではすでに今季3人も犠牲者が出ている靭帯断裂かと、最悪を予想したファンも少なくなかったかと。そうでなかったのは不幸中の幸いでしたが、後半頭からメンフィス・デパイが入ってもアトレティコはやっぱりゴールが入らないんです。 いえ、再開早々にはグリーズマンのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)がゴールライン前でヘスス・ナバスにクリアされるという、惜しいシーンがあったんですけどね。そのボールがデパイの足に当たり、魔訶不可思議にも枠を逸れてしまったのはまさに、先日のコパ準決勝アスレティック戦1stレグで発症した「撃っても撃っても入らない病」の象徴のようなもので、結局、その日も16本(枠内5本)もシュートしながら、最後まで同点には届かず。うーん、よく考えてみると、途中出場で入ったコレアやリケルメは元々、そんなにプレーしている訳ではないため、疲れているはずもないんですけどね。 主力選手の疲労が伝染するのか、結局、そのまま1-0で負けてしまったとなれば、いよいよアウェイ弱者の本領発揮と言っていいかと。ええ、GKオブラクも「Hay que ser sinceros, estamos muy lejos del Madrid/アイ・ケ・セル・シンセーロス、エスタモス・ムイ・レホス・デル・マドリッド(正直にならないといけない。ウチはマドリーからとても遠いところにいる)。これを言うのは辛いけど、CL出場圏入りを目指さないと」とギブアップしていましたしね。せっかくマドリーダービーで髪の毛1本程残っていたリーガ優勝の夢もこれでとうとう、完全に潰えてしまったよう。 こんな有り様を見ると、それこそCLインテル戦1stレグも月末のコパ準決勝2ndレグもアウェイとあって、とても希望なんて持てないんですが、一応、シメオネ監督は「Aprovechar esta semana que hay más tiempo/アプロベチャール・エスタ・セマーナ・ケ・アイ・マス・ティンポー(より時間がある今週を利用する)」と、土曜のラス・パルマス戦までに態勢を立て直すことを示唆。それでも「インテルは金曜にプレーして、ウチは土曜。ラ・リーガとサッカー協会のおかげでね」と皮肉を言うのは忘れず、そう、ホント、コパ準決勝の相手、アスレティックなんて、24節のアルメリア戦が月曜試合だったんですよ。それなのに1stレグを水曜から木曜にズラすことすらしてくれず、中2日で戦ったアトレティコは0-1で先勝されてしまった挙句…大丈夫、神様は見ています。最下位のアルメリアが粘って、0-0で終わってくれたため、4位のアトレティコと5位のアスレティックの差は勝ち点2になっただけなのはホント、ラッキーでしたね。 <HR>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2024.02.13 22:00 Tue

コパはしばらく忘れないと…/原ゆみこのマドリッド

「もうそこまで計算しているんだ」そんな風に私が意表を突かれていたのは金曜日、ジローナとのリーガ首位決戦を控えたアンチェロッティ監督の記者会見を聞いた時のことでした。いやあ、彼が言うには、「QUIEN GANA MAÑANA TOMA VENTAJA, PERO LA LIGA ES MUY LARGA/キエン・ガナ・マニャーナ・トマ・ベンタハ、ペロ・ラ・リーガ・エス・ムイ・ラルガ(明日勝った方はアドバンテージを得るが、リーガはとても長い)。どちらのチームも勝ち点80に到達して、優勝することができるだろう」そうなんですけどね。ただそこは若干、ミチェル監督とズレがあって、あちらは「PARA LUCHAR LA LIGA HACEN FALTA 90 PUNTOS/パラ・ルチャール・ラ・リーガ・アセン・ファルタ・ノベンタ・プントス(リーガ優勝を争うには勝ち点90が必要)」という意見。 まあ、確かに2021年のアトレティコ、翌年のレアル・マドリーは勝ち点86、昨季のバルサは88まで行って優勝したため、数字的には90に近い80台といったところに今季も落ち着くんじゃないかと思いますが、現在、首位のマドリーは58、2位のジローナは56ポイントを保有。シーズン残り15試合中、どちらも80を越えるには8試合、90越えには11試合程、白星を重ねないといけないですからね。もちろん、ここまで両チーム共、1敗しかしていないことを考えると、それもありなんでしょうが、え?4位のアトレティコには本当に、もう望みはないのかって? いやだって、首位と勝ち点10差の彼らがその域に達するには14勝、残り試合ほぼ全部勝つぐらいじゃないと到達できないんですよ。とてもじゃないですが、アウェイゲームが大の苦手で、先日にはとうとう、1年以上続いたメトロポリターノ不敗神話も終わりを告げた彼らにはせいぜい、まさしくその元凶。リーガでも2差と詰められている5位のアスレティックに追いつかれないようにして、3差のバルサと3位争いを地道に繰り広げるぐらいしか、期待できないんですが、とりあえず、先に土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのマドリーVSジローナ戦の情報をお伝えしておくと。 先週末の元祖マドリーダービーに続いて、サンティアゴ・ベルナベウ2連戦となるマドリーですが、実はまだ、後半ロスタイム3分にジョレンテに同点ヘッドを決められる原因となったCBクライシスは継続中。というのも太ももの打撲でアトレティコ戦を欠場したリュディガーは金曜から、チーム練習に戻ったものの、スタメンに入るかは試合当日の感触次第といった按配なのはともかく、今度はナチョが筋肉痛でお休みに。何せ、このミッドウィークこそ、ゆっくりできたものの、来週火曜にはCL16強対決ラプツィヒ戦1STレグが控えている彼らですからね。 アンチェロッティ監督としてもリュディガーにはムリはさせたくないところでしょうが、その場合、出場停止が終わって戻って来るチュアメニと高さ不足が土壇場の失点に直結したカルバハルという、どちらも本職ではないCBコンビでジローナの強力前線に立ち向かうという恐ろしいことに。だってえ、ウクライナ人エースのドブビクはベリンガム、ボルハ・マジョラルと並んで、リーガ最多の14ゴールを挙げているんですよ。おまけに未だに健在のウルグアイ人FW、37才のストゥアーニなんて、丁度、今季から復帰したポルトゥと一緒にベルナベウで得点し、2019年には1-2でジローナに勝利を呼び込んでいる立役者で、どちらもヘッドが得意となれば…。 一応、今回は念のため、アンチェロッティ監督もフベニルA(RMカスティージャの2つ下のユースチーム)から、19才のCBハコボを招集リストに含めているんですけどね。最近は17才のクバルシがトップチームでスタメンを務め、世間の注目を集めるなど、カンテラーノの抜擢が多いバルサとは違い、マドリーにはそういう前例がほとんどなし。実際のところ、カルバハルでなくともメンディ、カマビンガ辺りに臨時でCBのお鉢が回ることになるのでは? 一方のジローナはレアル・ソシエダ戦で退席処分となったミチェル監督が2試合のベンチ入り禁止となり、更にブリント、ヤンヘル・エレーラも出場停止。シーズン前半のモンテリビでの対戦では0-3とあっさり負けていたものの、そのリベンジを果たして、「NUESTRO SUEÑO ES IR A EUROPA/ヌエストロ・スエニョ・エス・イル・ア・エウロッパ(夢はヨーロッパの大会に出ること)」(ミチェル監督)に更に一歩、近づくことはできるのでしょうか。 そして今週末のリーガでは日曜にマドリッド勢、残り3チームがプレー。ようやく中2日地獄から解放されたヘタフェはエネス・ウナル(ボーンマスに移籍)、ダミアン(同ボダフォゴ)の喪失を乗り越え、アフリカ・ネーションズカップのギネア代表から戻り、今週、晴れて入団プレゼンの運びとなったイリアス・モリバ(ライプツィヒからレンタル)も加わって、午後2時にコリセウムにセルタを迎えることに。ベティス戦で負傷交代したジェネは回復したようで、ガストンが累積警告で出場停止になるのだけが逆境ですが、その先は2試合アウェイが続きますからね。ボルダラス監督も貴重なホームゲームで勝ち点を貯めて、あと10に迫った残留ラインに今季は早めに到達しておきたいところかと。 続く時間帯でプレーするラージョはマジョルカとのアウェイゲームなんですが、何せ今年になって、リーガで1勝しかできていないフランシスコ監督のチームですからね。相手が火曜のコパ・デル・レイ準決勝1STレグを0-0で凌ぎ、レアル・ソシエダには来週水曜にCL16強対決PSG戦1STレグのパリ遠征も控えているのを計算に入れて、2月27日のコパ準決勝2NDレグではワンチャンあるんじゃないかと夢見ている間を利用できればいいんですが…とにかくゴールが決まらないことにはねえ。まだ降格圏とは勝ち点7差あるものの、あまり切羽つまらないうちにFW陣が奮起してくれることを祈るばかりでしょうか。 そしてその後、日曜午後6時30分にアトレティコの番が回ってきて、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦となるんですが、え?それより、彼らは水曜にコパ準決勝アスレティック戦1STレグがあったんじゃないかって?その通りで、その試合がどうだったか、先にお話ししていくことにすると。今年になって、もう5回目となる午後9時過ぎ開催の試合を私もメトロポリターノに見に行ったんですが、さすが9年ぶりのコパ準決勝の舞台とあって、スタンドはほぼ満員に。コパ16強対決マドリーダービーから恒例となった大勢のファンのお出迎えを受け、BENGALA(ベンガラ/発煙筒)の煙で赤く染まった沿道をチームバスで通ってスタジアム入りした選手たちもベルナベウでのリーガダービーから、たった中2日ながら、まったく疲れを見せず、省エネモードの多かったこの連戦地獄中にしては珍しく、序盤から活発だったんですが…。 いやあ、まさか前節のマドリー戦で温存され、この日、イニャキ・ウィリアムス抑止兵器として投入されたレイニウドがやってくれるとは。前半21分、自陣エリア前でボールを奪われて、頭に血が昇っちゃったんでしょうか、プラドスに真正面から突っ込んで、それがぎりぎりラインの内側だったため、主審は躊躇いなくペナルティを宣告。前節マジョルカ戦での負傷で外れたニコ・ウィリアムスの代わりに入っていたベレンゲルがPKを決め、あっさりアスレティックに先制されているのですから、困ったもんじゃないですか。 前日練習でふくらはぎに違和感のあったというモラタに代わり、先発したメンフィス・デパイもチャンスに決められず、そのまま前半は0-1で終了。イエローカードももらっていたレイニウドは後半頭から、エルモーソと交代になったんですが、何せ昨年1月にバルサに負けて以来、ホーム28試合でヘタフェと2分けした以外、全勝しているアトレティコですからね。たった1点ぐらい返さずおくものかとばかり、積極的に攻めていったものの、最悪のタイミングで「撃っても撃っても入らない病」が発症しちゃったから、さあ大変! それはもう、13分にはデパイと代わって入ったモラタも同じで、いつものようにジョレンテ、コレア、リケルメとシメオネ監督もどんどんアタッカーをリフレッシュしていったんですが、計20本(うち枠内5本)もシュートを放とうと、10回もCKを蹴ろうと、GKアギレサバラを破れないのではどうしようもありませんって。幸い、たまにカウンターをかけるぐらいだったアスレティックもビジャリブレが絶好機に決められず。点差は広がらなかったため、ファンは絶望することなく、ずっと熱い応援を絶やさなかったんですが、うーん、後半ロスタイム1分、モラタがエリア内でジェライに倒されたプレーで当人のオフサイドがバレなければねえ。 そう、ベルナベウでも93分に同点に追いついて、お隣さんのお株を奪っていたアトレティコだったたけに皆、グリーズマンがPKを蹴るのを今か、今かと待っていたんですが、VAR(ビデオ審判)注進を受けた主審はそのファールそのものをないことに。結局、アトレティコは0-1で負けてしまい、得意のホームで大差をつけて、29日の2NDレグでサン・マメスに乗り込むという目論見がパーになってしまったんですが、いえ、確かに「NO PODEMOS GANAR ETERNAMENTE/ノー・ポデモス・ガナール・エテルナメンテ(永遠に勝ち続けることはできない)」(コケ)というのはその通りですけどね。 ただ、たった1点差とて、今季は内弁慶ぶりに拍車がかかり、リーガのアウェイ戦なんて、ちょっと前まで4連敗という体たらく。いくらシメオネ監督が、「EL FÚTBOL ES FÚTBOL Y SIEMPRE PUEDE PASAR DE TODO/エル・フトボル・エス・フトボル・イ・シエンプレ・プエデ・パサール・デ・トードー(サッカーはサッカーだ。常に何でも起こりうる)」というお題目を唱えても正直、私には不安しか沸かないんですが…いえ、今はとにかく「PARTIDO A PARTIDO/パルティードー・ア・パルティードー(1試合1試合)」。また中3日でセビージャ戦に挑まないといけないアトレティコはそんな先のこと、考えている暇なんてないんです。 何せ、私も月曜のエスタディオ・バジェカスでラージョに引導を渡したセビージャのニュー前線コンビ、アフリカ・ネーションズカップ帰りのエン・ネシリと1月にトップチーム登録された23才のカンテラーノ、イサークの爆発力を目の当たりにしてきたばかりですからね。彼らのおかげで降格圏からの距離を広げることができたキケ・サンチェス・フローレス監督も「MUCHA ACCIÓN, MUCHA ENERGÍA/ムーチャ・アクシオン、ムーチャ・エネルヒア(動き、エネルギーが豊富で)、あのレベルを保てれば、敵DFを大いに困らせられる」と絶賛していましたし、またしても苦手なアウェイゲームとなれば、ここ3週間続いた週2ペースの試合の最後をアトレティコが白星で飾って終われるかは微妙。 そこさえ越えれば、ええ、CL16強対決インテル戦1STレグがマドリーより1週間遅い彼らは来週のミッドウィークにはようやく休めますからね。負傷者がヒメネス、アスピリクエタ、レマルとそう多くないとはいえ、試合があまりに続いて、こうも疲労が溜まると、グリーズマンなど、出ずっぱりの選手のたちのパフォーマンスが落ちて来ないか心配ですし、3月になっていきなり、今季の目標がリーガ4位以内だけにならないためにも、何とか無事にこの2月を乗り切ってほしいものです。 <HR>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2024.02.10 21:00 Sat

ダービー祭りがようやく終わった…/原ゆみこのマドリッド

「もしかしたら様子見の試合になるかも」そんな風に私が考え込んでいたのは火曜日、翌日に迫ったコパ・デル・レイ準決勝アスレティック戦1stレグ前のシメオネ監督記者会見をYoutubeのライブストリーミングで見ていた時のことでした。いやあ、この水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)の試合はアトレレティコが内弁慶の本領を心おきなく発揮できるメトロポリターノ開催とあって、最初はシメオネ監督も昨年12月のリーガ戦、サン・マメスで負けた時の2-0のスコアを補って、余りある4-0ぐらいの大勝をしておきたいんじゃないかと思ったんですけどね。 とはいえ、ご存知のように相手は週末のリーガ戦が金曜となり、しかももう1つの準決勝出場チームであるマジョルカを4-0とコテンパンにのしていたのはともかく、日曜試合だったアトレティコは間が中2日と、準備期間がたったの半分しかなし。その上、先週はミッドウィークにスペイン・スーパーカップで順延されていたリーガ20節のダブル兄弟分マドリーダービーが行われたため、マドリッド勢でないアスレティックはそこでも休めているんですよ。 それだけでも不公平感半端ないのに加え、コパ準決勝に出場したマドリッド勢はアトレティコだけとあって、レアル・マドリー、ヘタフェ、ラージョはこの1週間、ゆっくり調整できるとなれば、どんなにシメオネ監督のチームだけがムリさせられているか、わかるってものですが、まあ幸い、日曜の元祖マドリーダービーでケガ人が増えることはありませんでしたからね。準決勝1stレグに出られないのはここしばらくリハビリ中のレマル、ヒメメス、アスピリクエタだけ、逆にアスレティックはマジョルカ戦でウィリアムス兄弟が負傷。兄のイニャキは回復したようですが、ニコは当日まで微妙なのだとか。 どちらにしろ、シメオネ監督も「Para mí es un partido largo, no son dos/パラ・ミー・エス・ウン・パルティードー・ラルゴ、ノー・ソン・ドス(私にとって、これは長い1試合。2試合ではない)」と言っていたように、2ndレグは今月29日とかなり先。とりあえず、今は決勝進出の希望を維持できる結果を出してくれることを祈るしかありませんが…いやあ、2ndレグもアトレティコは直前週末のリーガ戦とは中4日と、今度は相手より1日多いものの、折しもCL16強対決インテル戦1stレグが入って、2週続けての連戦となるんですけどね。だからって、ヨーロッパの大会に参加していないバルベルデ監督のチームを羨むことはできませんが、とにかく選手たちの体力がもってくれるといいですよね。 まあ、コパは置いておいて、先週末のリーガ戦の報告もしておくことにすると。この23節は日曜のベティスvsヘタフェ戦からスタートしたマドリッド勢だったんですが、ベニト・ビジャマリンに乗り込んだボルダラス監督のチームはマドリーとの兄弟分ダービーから、中2日しかなかったにも関わらず、大いに善戦。ええ、早くも7分にはグリーンウッドが、自身がアブネルから受けたペナルティによるPKを決めて、先制したんですが、35分にラタサがジョニーの足をエリア内で蹴ってしまってはねえ。こちらもPKを宣告され、イスコが決めて、スコアは1-1に。後半は両者、点が入らず、そのまま痛み分けとなりましたっけ。 実際、この試合のヘタフェはコリセウムに兄貴分を迎えた時より、ずっと素に近く、持ち前のゲーム運びの妙を見せたため、前後半共、ロスタイムが9分もあったり、ファール数も19回とかなり多め。それえもイエローカードは4枚だけで、逆にファール9回のベティスが7枚ももらっていたことを考えると、その辺、ボルダラス監督の手腕が大いに発揮されていたかと思いますが、いえ、イスコがハムストリングに肉離れを起こし、全治6~8週間となってしまったのはそのせいじゃないですよ。いやだって、彼らはマドリー戦の日にFWエネス・ウナルをボーンマス移籍で失っただけでなく、土曜には9年間、在籍したダミアンがボタフォゴに移るため、退団するというショックに見舞われたばかりでしたからね。 ベティス戦でジェネが負傷交代したのも気になりますが、とりあえず、この3連戦を1勝1分け1敗で乗り切ることができたため、あとは週1試合ペースを満喫して、次の日曜セルタ戦にじっくり備えてくれればいいかと。ベニテス監督率いるチームは先週末、オサスナに0-3と快勝して、ようやく降格圏から勝ち点3離れることができたんですが、今度はコリセウムでのデーゲームですし、いいプレーをして、ファンを喜ばせてあげるには絶好の機会じゃないでしょうか。 そして続く時間帯で始まったのがサンティアゴ・ベルナベウでの元祖マドリーダービーで、いやもう、今季4度目の対戦、しかも今年になって3回も顔を合わせているとなると、見るべきことは全て見てしまったような気もしないではないものの、この日はなかなか斬新だったんですよ。というのも試合開始前から、マドリーはハプニング続きで、いえ、ヘタフェ戦でグリーンウッドに激突し、太ももに強い打撲を負って交代したリュディガーが、いくらアンチェロッティ監督が「彼は戦士だから」と言い張ろうと、おそらく間に合わないのはわかっていたんですけどね。 加えて、チュアメニが累積警告でいなかったとはいえ、まさか、その代理のCBに身長173cmのカルバハルを選ぶとはなかなか、勇気ある決断だったかと思いますが、アップの時、スタメンに入っていたビニシウスが首の痛みを訴えたのは完全なる想定外。急遽、ホセルがピッチに出て、アップしていたんですが、最後の最後の瞬間、「Creo que Brahim nos permitía no cambia ese sistema defensivo/クレオ・ケ・ブライム・ノス・ペルミティア・ノー・カンビア・エセ・システマ・デフェンシーボ(ブライムなら、守備のシステムを変えなくていいと思った)」アンチェロッティ監督が予定を変更。アナウンスもなく、いきなりブライムがプレーしていたのには私も驚かされたんですが、これが大当たりだったんです。 立ち上がりから大方、攻められていたアトレティコだったものの、たまにGKルーニンに近づく時はモラタがシュートを放ったりと、仕事をさせていたため、どちらのチームもゴールが入るのには時間がかかりそうな気がしたんですが、とんでもない。悲劇と言っていいか、喜劇と言っていいか、それが起こったのは前半20分。自陣エリア付近で敵のクロスをリケルメがしっかりクリアできず、そのボールを拾ったブライムもパスカットされてしまったものの、それをサウールがルーカス・バスケスに渡す始末なんですよ。更にはルーカス・バスケスのパスを弾いたコケからのボールがブライムの軌道にバッチリ合って、先制ゴールを決められてしまうとは、アトレティコのカンテラーノ(下部組織出身の選手)程、恐ろしいものはない? ただそれでもシメオネ監督のチームは気落ちすることなく、計画通り、身長に欠ける敵エリアにハイボールを送り込み、ビッツェルやサビッチのヘッドでチャンスを作ったんですが、前半はそのまま1-0で終了。何せ現在、首位のお隣さんとは勝ち点差が10あって、この試合で負けたら、完全に今季のリーガの目標が4位以上のCL出場権獲得だけになってしまうアトレティコですからね。後半頭から、シメオネ監督もリケルメに代えて、モリーナを入れ、マルコス・ジョレンテを中盤に上げるテコ入れをしたんですが、それにしたって、再開早々の4分、グリーズマンの蹴ったCKから、サビッチがヘッドで決めたゴールがスコアに上がっていてくれたら、話はもっと簡単だったのにねえ。 うーん、認められなかった理由はサウールがGKルーニンの前にいて、オフサイドの位置で視界に影響を与えていたとVAR(ビデオ審判)注進があったからですが、特にぶつかった訳でもなし。それにはオブラクも「Ni el árbitro sabía qué pasaba, ni Lunin ha protestado/ニ・エル・アルビトロ・ケ・パサバ、ニ・ルニンン・ア・プロテスタードー(審判も何があったかわからなかったし、ルーニンも抗議していなかった)」と困惑していましたが、そこは気を取り直して。再び同点を目指すため、シメオネ監督は16分にはサウール、デ・パウル、モラタをバリオス、サムエル・リノ、メンフィス・デパイに一気に交代。更に24分にもコケをコレアに代えて、早くも枠を使い果たすことに。 まあ、この辺は中2日で迎えるコパ準決勝に備えて、選手の体力を温存する配慮もあったんでしょうが、一方、アンチェロッティ監督は26分、最初の交代にブライムを選び、ここでホセルを投入。更にロドリゴをモドリッチ、残り2分にはベリンガムをセバージョスへと、アトレティコが点を取らないのをいいことに、MFを増やして、ゲームをコントロールする方向に動いたんですが…それはロスタイム3分のことでした。「Normalmente es el Madrid el que marca en los últimos minutos/ノルマルメンテ・エス・エル・マドリッド・エル・ケ・マルカ・エン・ロス・ウルティモス・ミヌートス(普通、最後の分に得点するのはマドリー)」(オブラク)という常識を覆して、アトレティコがゴールを入れたのは! いやあ、それがサビッチのクロスをデパイが頭で繋ぎ、更にナチョとカルバハルの間でヘッドして決めたのが、まさしくマドリーのカンテラーノ、ジョレンテだったというのは何とも皮肉ですけどね。アンチェロッティ監督も試合後、「Hemos tenido la mala suerte de encajar al final pero nos faltaba altura/エモス・テニードー・ラ・マラ・スエルテ・デ・エンカハール・アル・フィナル・ペロ・ノス・ファルタバ・アルトゥーラ(ウチは最後に失点するという不運にあったが、高さが足りなかった)」と認めていたんですが、シーズン前半のメトロポリターノのダービーでもヘッド3発で勝ったように、頭の強い選手の多いアトレティコにCBカルバハルはやっぱり致命的だった? といったって、そのまま試合は1-1の引分けに終わったため、元々、遥か高みにいるマドリーにとっては痛くも痒くもない訳で、まあ、このミッドウィークをゆっくり休んだ後、土曜の午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)に再び、ベルナベウで迎えることになる2位のジローナ戦で負けると、首位奪還されてしまう危険はあるんですけどね。その頃までにはビニシウスの首も、リュディガーの打撲傷も治っているはずですし、チュアメニも戻ってくる上、大体がして、今季前半、唯一、ミチェル監督のチームに土をつけたのがマドリーだけとなれば、大船に乗った気でいていい? 逆にアトレティコはコパの後、土曜にようやく午後6時30分という、午後9時以外の時間帯でサンチェス・ピスファンを訪ねるんですが、うーん、どうも弟分のラージョが下位に低迷しているキケ・サンチェス・フローレス監督のチームを目覚めさせちゃったみたいでねえ。そう、月曜にエスタディオ・バジェカスにセビージャを迎えた彼らは今回こそ、ホーム2勝目を挙げようと、果敢に攻めて行ったんですが、前半19分にはカウンターでやられてしまうことに。ええ、ヘタフェとのコパ16強対決で2得点し、1月にトップチームに登録されたばかりなのに早速、頭角を現していたイサークに、モロッコのアフリカ・ネーションズカップ敗退で帰還したエン・ネスリが加わったのが天の配剤となったんですよ。 その時はイサークの出したパスをエン・ネスリに贈ってしまったアリダネも悪いんですが、彼のシュートでセビージャが先制することに。それでも29分にはエスピーナのクロスから、イシが決めて、一旦は同点にしたラージョだったんですが、イサークとエン・ネシリは45分にも連携。再びGKディトリエフスキを破られてしまい、うーん、フランシスコ監督はアトレティコとの兄弟分ダービーで退席処分となって、パルコ(貴賓席)で指揮を執っていたんですけどね。後半、攻めても攻めても点が取れないのを見て、最後はバリウとエスピーノの両SBを切ってエヌテカとデ・フルートスを入れ、DF2人制で特攻したんですが、やはりゴールには至らず。 結局、1-2で負けてしまい、ファンも今季何度目かわからない失望を抱えて家路を辿ることになったんですが、何せ、今年になってからも彼らは1勝しかできていませんからね。未だに降格圏とは勝ち点7差あるとはいえ、そろそろ日曜のマジョルカ戦では勝っておかないと、心安らかにシーズン終盤を迎えられなくなる可能性も。とりあえず、アギーレ監督のチームは火曜にコパ準決勝レアル・ソシエダ戦1stレグでスコアレスドローとして、2ndレグのある月末まで、選手たちのモードがコパ一色となっているはずなため、チャンスは十分あると思いますが…私もバジェカスの「La vida de pirate(ラ・ビダ・デ・ピラタ/海賊人生)」を歌うお祝いを早くまた、聞きたいですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2024.02.07 22:00 Wed
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