また連戦の日々が始まる…/原ゆみこのマドリッド
2023.11.25 20:00 Sat
「クリスマスのバケーションまであと1カ月の踏ん張りね」そんな風に私が気合を入れ直していたのは金曜日、11月の各国代表戦期間が終わり、いよいよクラブでは今週末から途切れのない週2試合ペースが再開。その脇で街にはクリスマスイルミネーションの電飾が点灯され、セントロ(市内中心部)のお店がブラックフライデーのセールで賑わっている映像をTVで見た時のことでした。いやあ、といってもマドリッド勢の間でも忙しさには幾分、違いがあって、ヘタフェ、ラージョの弟分たちはリーガ5試合と12月第2週のコパ・デル・レイ2回戦の計6試合。兄貴分の方はレアル・マドリーがリーガ5試合とCL2試合の計7試合となるんですが、アトレティコは9月に豪雨警報で順延となった4節セビージャ戦が12月23日に組まれているため、計8試合を年内にこなすことに。
そのマドリッドの両雄が来年1月開催のスペイン・スーパーカップ出場チームであるため、コパ2回戦も免除されているのは実に有難いんですが、実際、セビージャなんて、コパ、CL、更にアトティコとの延期試合で計9試合もプレーしますからね。更にビジャレアルなど、ELグループリーグ3節のマッカビ・ハイファ戦が紛争地帯となったイスラエルを慮って延期。12月6日にラ・セラミカで開催となったため、コパのサモラ(RFEF2部/実質4部)戦を繰り上げる破目に。早くもこの木曜にプレーして、パチェタ監督の後を引き継いだマルセリーノ監督が延長戦1-2勝利で再デビューを飾ったのはともかく、すでに地獄の9連戦に突入しているんですから、まったく恐ろしいじゃないですか。
まあ、よそ様の心配はともかく、気になるマドリッド勢の今週末の予定をお伝えしていくことにすると、リーガ14節の土曜のマドリッドはビッグデーでまず、午後2時(日本時間午後10時)から、ラージョがエスタディオ・バジェカスにバルサを迎えることに。いえまあ、フランシスコ監督も「No tenemos un calendario tan sobrecargado como un equipo europeo/ノー・テネモス・ウン・カレンダリオ・タン・ソブレカルガードー・コモ・ウン・エキポ・エウロペオ(ウチはヨーロッパの大会でプレーするチーム程、過密日程にはなっていない)」と言っている通り、最初の週はミッドウィークがフリーになるラージョですし、各国代表に行っていた選手もGKディミトリエフスキ(北マケドニア)、パテ・シス(セネガル)、ラティウ(ルーマニア)、ベベ(カーボベルデ)ぐらいですからね。
ただ、問題はこの試合、ゴール4本でチーム内ピチチ(得点王)であるアルバロ・ガルシアが累積警告で出場停止となることで、その控えであるベベも金曜朝にマドリッドに到着。ほぼ練習なしでバルサ戦に挑まないといけないんですが、え?大変になっているのは相手の方じゃないかって?そうですね、スペイン代表のユーロ予選最終節、ジョージア戦で右ヒザ前十字靭帯を断裂し、今季絶望となったガビはもとより、GKテア・シュテーゲンも腰痛でドイツ代表から即Uターン。懸命にリハビリを続けていたものの、この試合には間に合わず、第2GKのイニャキ・ペーニャが今季デビューを果たすことになりますが、中盤には9月後半から足首のケガでずっと休んでいたデ・ヨングがとうとう戻って来るという朗報も。
何せ、まだCLグループ突破が確定していないバルサには、火曜に同じ勝ち点で首位を争っているポルト戦も控えていますからね。2シーズン前にはバジェカスで勝って、クーマン監督を解任に追いやったラージョだけにここは付け込みどころかと思いますが、今季、彼らがまだホーム6試合で1勝しか挙げていないのがちょっと辛いところ。そこが改善できて、また毎試合のようにファンが、「Vida de prata/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を選手たちの見守る前で合唱できるようになれば、現在10位、コンフェレンスリーグ出場圏の7位と勝ち点3差という立ち位置から、ジャンプアップできるはずですが、とにかく早いところ、RdT(ラウール・デ・トマス)やカメージョがゴールを挙げるようになってくれるといいですよね。
ちなみに代表戦前のボルダラス監督のチームは5試合連続ドローが続いた後、コパ1回戦でタルディエンテ(地方リーグ1部/実質6部)に0-12と大勝。ホームで10人になりながら、カディスに1-0勝利して、ようやく波に乗れるかと思ったんですが、またグラナダと1-1で分けてしまったため、心穏やかにクリスマス休暇を過ごすためにもこのアルメリア戦から、勝ち癖をつけていかないと。ええ、相手はビセンテ・モレノ監督からガイスカ・ガリターノ監督に代わっても4連敗と、未だにリーガで未勝利が続いていますからね。残留ラインの17位マジョルカとは勝ち点6なんですが、おそらく兄貴分が今節はそれ以上、差が開くのを防いでくれると思うので、ヘタフェも同情することなく、ガッツリ白星を掴んでほしいかと。
そう、土曜のトリ、午後9時(日本時間翌午前5時)からマジョルカとメトロポリターノで対戦となるのは現在、クラブ最長ホーム連続勝利記録を17勝まで更新しているアトレティコなんですよ。直近4試合の対戦成績は1勝3敗とちょっと苦手な相手ではあるんですが、今回は各国代表に招集された10人全員が元気で帰って来ましたしね。それが余裕となったか、水曜にはスタジアムで毎年恒例のオフィシャルカースポンサー、ヒョンデ自動車から、選手たちが車を贈呈されるイベント、というか、今回はすでにもらった車を電源にして、招待された10人のファンがピッチに設置したテントで一夜を明かすという、エコ・キャンプのプロモーションになっていましたが、その場にはチームからシメオネ監督以下、コケ、サウール、マルコス・ジョレンテ、サムエル・リノ、アスピリクエタの7人が参加。
皆、この2週間、みっちり練習できた選手たちばかりでしたし、昔のように選手全員1人1人に車を引き渡す長いイベントに寒い中、付き合わないで済んだのには私も助かったんですが、それはもしや、選手たちも同じだった?ちなみに木曜夕方から、シメオネ監督が始めたマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習では、マジョルカ戦の仮想先発メンバーがほぼ確定。大西洋を渡る長距離移動をしてきたデ・パウル、モリーナ(アルゼンチン)、ヒメネス(ウルグアイ)は来週火曜、勝てば、CLグループ突破が決まるフェイエノールト戦のために温存しながら、すでにユーロ出場の決まっていたフランスで2試合皆勤してきたグリーズマンは外さず、モラタとコレアの後ろでMFとしてプレーしてもらうようですが、何せ彼がいないと、アトレティコはアトレティコでなくなっちゃいますからね。
当人の体力がクリスマス休暇まで持つことを祈るばかりですが、対するマジョルカはFIFAウィルスの被害に遭い、ムリキがコソボ代表でふくらはぎに全治3~5週のケガをして帰還。イスラエルの紛争のため、延期されていたユーロ予選をリーガ13節の週末にぶつけてこられたため、カディス戦を延期してもらいながら、結局、来週ミッドウィークにはエース抜きでプレーする破目になったとなれば、まったく日付をズラした意味がなかった?
おかげでマジョルカ共々、カディスも中3週間空けて、日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのマドリー戦を迎えることになったんですが、そのせいでわざわざ、先週木曜にはアトレティコ・サンルケーニョ(RFEF1部/実質3部)との親善試合をして、クアメが負傷するという災難も発生。とはいえ、ケガ人の数で言えば、今のマドリーに叶うチームはありませんからね。そう、今回の各国代表戦でカマビンガ(フランス)、ビニシウス(ブラジル)が全治2カ月半となったのも最悪なんですが、その前から、ヒザの靭帯断裂で長期リハビリのGKクルトワ、ミリトンを始め、治ってはまたケガを繰り返し、未だにデビューできていないギュレル、クラシコ(伝統の一戦)で足中骨を骨折したチュアメニ、そしてCLスポルティング・ブラガ戦のアップで負傷したGKケパもまだ復帰せず。
ようやく木曜になって、肩の脱臼でイングランド代表戦をお休みしたベリンガム、10月に4試合出場しただけでまた太ももを痛めたセバージョスがチーム練習にフル参加できたという朗報もあったんですけどね。その一方で、とうとう1人参加となったブラジル代表でメッシ(インテル・マイアミ)と口論するまでに、チームをしょって立つ存在になりながら、アルゼンチンに負けてしまったロドリゴはヒザを打撲して、ここ2日間、ジム調整しているなんてことも。
まあ、マドリーの場合はすでにCLグループ突破が決まっている上、カディスにはここ33年間、ヌエボ・ミランディージャで負けていませんからね。となれば、負傷で7人欠けていても、代わりとなるホセルやブライム、そしてベテランのクロースやモドリッチが頑張ってくれれば、それ程、勝つのに苦労しないはずですが、さて。今回、勝ち点2差のジローナは月曜にアスレティック戦となるため、1日でも首位を奪還しておくと、ミチェル監督のチームへのプレッシャーになるんじゃないでしょうか。
そのマドリッドの両雄が来年1月開催のスペイン・スーパーカップ出場チームであるため、コパ2回戦も免除されているのは実に有難いんですが、実際、セビージャなんて、コパ、CL、更にアトティコとの延期試合で計9試合もプレーしますからね。更にビジャレアルなど、ELグループリーグ3節のマッカビ・ハイファ戦が紛争地帯となったイスラエルを慮って延期。12月6日にラ・セラミカで開催となったため、コパのサモラ(RFEF2部/実質4部)戦を繰り上げる破目に。早くもこの木曜にプレーして、パチェタ監督の後を引き継いだマルセリーノ監督が延長戦1-2勝利で再デビューを飾ったのはともかく、すでに地獄の9連戦に突入しているんですから、まったく恐ろしいじゃないですか。
まあ、よそ様の心配はともかく、気になるマドリッド勢の今週末の予定をお伝えしていくことにすると、リーガ14節の土曜のマドリッドはビッグデーでまず、午後2時(日本時間午後10時)から、ラージョがエスタディオ・バジェカスにバルサを迎えることに。いえまあ、フランシスコ監督も「No tenemos un calendario tan sobrecargado como un equipo europeo/ノー・テネモス・ウン・カレンダリオ・タン・ソブレカルガードー・コモ・ウン・エキポ・エウロペオ(ウチはヨーロッパの大会でプレーするチーム程、過密日程にはなっていない)」と言っている通り、最初の週はミッドウィークがフリーになるラージョですし、各国代表に行っていた選手もGKディミトリエフスキ(北マケドニア)、パテ・シス(セネガル)、ラティウ(ルーマニア)、ベベ(カーボベルデ)ぐらいですからね。
何せ、まだCLグループ突破が確定していないバルサには、火曜に同じ勝ち点で首位を争っているポルト戦も控えていますからね。2シーズン前にはバジェカスで勝って、クーマン監督を解任に追いやったラージョだけにここは付け込みどころかと思いますが、今季、彼らがまだホーム6試合で1勝しか挙げていないのがちょっと辛いところ。そこが改善できて、また毎試合のようにファンが、「Vida de prata/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を選手たちの見守る前で合唱できるようになれば、現在10位、コンフェレンスリーグ出場圏の7位と勝ち点3差という立ち位置から、ジャンプアップできるはずですが、とにかく早いところ、RdT(ラウール・デ・トマス)やカメージョがゴールを挙げるようになってくれるといいですよね。
そして土曜の午後6時30分からはコリセウムにヘタフェが最下位アルメリアを迎えるんですが、この代表戦期間中、クラブはスタジアムの向かいに新しいオフィスをオープン。着々と来年春に開始が予定されている大改装工事への準備が始まっているようですが、チームの方はすでにマクシモビッチ(セルビア)、ロサーノ(ホンジュラス)、アルデレテ(パラグアイ)、ジェネ(トーゴ)ら、各国代表に出向していた選手たちもつつがなく帰還したよう。再び長期リハビリに入ってしまったアランバリ、もうチーム練習にも参加しているものの、ヒザの靭帯断裂からの復帰とあって、まだ時間が必要なエネス・ウナルを除き、他は全員、試合に出られる状態というのは心強いかと。
ちなみに代表戦前のボルダラス監督のチームは5試合連続ドローが続いた後、コパ1回戦でタルディエンテ(地方リーグ1部/実質6部)に0-12と大勝。ホームで10人になりながら、カディスに1-0勝利して、ようやく波に乗れるかと思ったんですが、またグラナダと1-1で分けてしまったため、心穏やかにクリスマス休暇を過ごすためにもこのアルメリア戦から、勝ち癖をつけていかないと。ええ、相手はビセンテ・モレノ監督からガイスカ・ガリターノ監督に代わっても4連敗と、未だにリーガで未勝利が続いていますからね。残留ラインの17位マジョルカとは勝ち点6なんですが、おそらく兄貴分が今節はそれ以上、差が開くのを防いでくれると思うので、ヘタフェも同情することなく、ガッツリ白星を掴んでほしいかと。
そう、土曜のトリ、午後9時(日本時間翌午前5時)からマジョルカとメトロポリターノで対戦となるのは現在、クラブ最長ホーム連続勝利記録を17勝まで更新しているアトレティコなんですよ。直近4試合の対戦成績は1勝3敗とちょっと苦手な相手ではあるんですが、今回は各国代表に招集された10人全員が元気で帰って来ましたしね。それが余裕となったか、水曜にはスタジアムで毎年恒例のオフィシャルカースポンサー、ヒョンデ自動車から、選手たちが車を贈呈されるイベント、というか、今回はすでにもらった車を電源にして、招待された10人のファンがピッチに設置したテントで一夜を明かすという、エコ・キャンプのプロモーションになっていましたが、その場にはチームからシメオネ監督以下、コケ、サウール、マルコス・ジョレンテ、サムエル・リノ、アスピリクエタの7人が参加。
皆、この2週間、みっちり練習できた選手たちばかりでしたし、昔のように選手全員1人1人に車を引き渡す長いイベントに寒い中、付き合わないで済んだのには私も助かったんですが、それはもしや、選手たちも同じだった?ちなみに木曜夕方から、シメオネ監督が始めたマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習では、マジョルカ戦の仮想先発メンバーがほぼ確定。大西洋を渡る長距離移動をしてきたデ・パウル、モリーナ(アルゼンチン)、ヒメネス(ウルグアイ)は来週火曜、勝てば、CLグループ突破が決まるフェイエノールト戦のために温存しながら、すでにユーロ出場の決まっていたフランスで2試合皆勤してきたグリーズマンは外さず、モラタとコレアの後ろでMFとしてプレーしてもらうようですが、何せ彼がいないと、アトレティコはアトレティコでなくなっちゃいますからね。
当人の体力がクリスマス休暇まで持つことを祈るばかりですが、対するマジョルカはFIFAウィルスの被害に遭い、ムリキがコソボ代表でふくらはぎに全治3~5週のケガをして帰還。イスラエルの紛争のため、延期されていたユーロ予選をリーガ13節の週末にぶつけてこられたため、カディス戦を延期してもらいながら、結局、来週ミッドウィークにはエース抜きでプレーする破目になったとなれば、まったく日付をズラした意味がなかった?
おかげでマジョルカ共々、カディスも中3週間空けて、日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのマドリー戦を迎えることになったんですが、そのせいでわざわざ、先週木曜にはアトレティコ・サンルケーニョ(RFEF1部/実質3部)との親善試合をして、クアメが負傷するという災難も発生。とはいえ、ケガ人の数で言えば、今のマドリーに叶うチームはありませんからね。そう、今回の各国代表戦でカマビンガ(フランス)、ビニシウス(ブラジル)が全治2カ月半となったのも最悪なんですが、その前から、ヒザの靭帯断裂で長期リハビリのGKクルトワ、ミリトンを始め、治ってはまたケガを繰り返し、未だにデビューできていないギュレル、クラシコ(伝統の一戦)で足中骨を骨折したチュアメニ、そしてCLスポルティング・ブラガ戦のアップで負傷したGKケパもまだ復帰せず。
ようやく木曜になって、肩の脱臼でイングランド代表戦をお休みしたベリンガム、10月に4試合出場しただけでまた太ももを痛めたセバージョスがチーム練習にフル参加できたという朗報もあったんですけどね。その一方で、とうとう1人参加となったブラジル代表でメッシ(インテル・マイアミ)と口論するまでに、チームをしょって立つ存在になりながら、アルゼンチンに負けてしまったロドリゴはヒザを打撲して、ここ2日間、ジム調整しているなんてことも。
まあ、マドリーの場合はすでにCLグループ突破が決まっている上、カディスにはここ33年間、ヌエボ・ミランディージャで負けていませんからね。となれば、負傷で7人欠けていても、代わりとなるホセルやブライム、そしてベテランのクロースやモドリッチが頑張ってくれれば、それ程、勝つのに苦労しないはずですが、さて。今回、勝ち点2差のジローナは月曜にアスレティック戦となるため、1日でも首位を奪還しておくと、ミチェル監督のチームへのプレッシャーになるんじゃないでしょうか。
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