リーガ再開と同時に冬が来た…/原ゆみこのマドリッド
2023.10.21 20:00 Sat
「でも練習しなかったよね」そんな風に私が訝っていたのは金曜日、セルタ戦を翌日に控えての記者会見で、シメオネ監督が「Con lluvia, barro, sol o lo que sea, hay que jugar/コン・ジュビア、バーロ、ソル・オ・ロ・ケ・セア、アイ・ケ・フガール(雨だろうと、ピッチがぬかるんでいようと、日が照っていようと何であれ、プレーしないといけない)」と言っているのを聞いた時のことでした。いやあ、ようやく各国代表戦が終わり、どのチームも出向していた選手たちの最終帰還組が合流という木曜のマドリッドは朝からドシャ降りの雨。過去最高の1日降雨量を記録したなんて話も聞いた程なんですが、アトレティコはその日のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習をアルゼンチン組が間に合うよう、午後6時からに設定することに。
それがその時間の少し前、雨によるグラウンドコンディションの悪さを理由にセッションはジム調整だけ、メディア公開はなしというお知らせがWhatappのグループチャットで届いたため、あれっと思い、他のマドリッド勢の練習状況をチェックしたところ、おやおや、皆、ちゃんとやっているじゃないですか。そう、ラージョ、ヘタフェの弟分チームは午前中にしっかりマドリッド南部にある練習場でセッションを完了。レアル・マドリーなど、一番、雨足が強かった午後3時過ぎのベルデベバス(バラハス空港の近く)で、大西洋を渡って帰って来たビニシウスとロドリゴ(ブラジル)、バルベルデ(ウルグアイ)、リュディガー(ドイツ)も合流して練習しているんですよ。
となると、ほとんどピッチが水没しかかっている映像をニュースで見せられたセビージャが屋内セッションとなったのはともかく、同じマドリッドなのに、どうしてアトレティコだけが外で練習できなかった?
まあ、その辺はクラブ事情によったりもするんでしょうが、この大雨のせいで夜の気温がいきなり一桁に下がり、慌てて私が衣替えをした金曜には天候も回復。paron(パロン/リーガの停止期間)明けのリーガ10節に影響がなさそうなのは有難いんですが、とりあえず、週末のマドリッド勢の予定を見ていくことにすると。今回は3チームが土曜試合となり、まず午後4時15分にヘタフェがコリセウムにベティスを迎えるんですが、実は彼ら、先週は早々木曜から4連休に入ったかと思えば、どうやら市内にある空軍基地にお願いして、プロモビデオを作製していたよう。
そのプロットは警備員が目を離しているうちに、しっかりユニを着用したマタ、アレニャ、ダミアン、マジョラル、ダビド・ソリアが軍用機格納庫内や滑走路でボールを蹴り始め、最後はその警備員もヘタフェファンだったというオチで、何かイマイチ、よくわからない内容なんですが、チームの方は週明けから、がっちり練習を開始。元々、各国代表選手も多くなく、しかもそのうちの1人、ジェネ(トーゴ)は累積警告で出場停止が決まっていましたからね。火曜にモンテネグロ戦を終えたマキシモビッチ(セルビア)が無事に帰ってくればというところでしたが、金曜になって、いきなりドゥアルテが急性盲腸炎を起こし、同日手術となったなんてことも。
そして土曜の次の時間帯、午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、セビージャ戦でアウェイ3連戦の口火を切るのがマドリーなんですが、金曜のアンチェロッティ監督の記者会見では大雨の木曜練習でセバージョスが負傷したことが発覚。おかげで、やっぱり濡れた芝で足元が安定しない危険を回避したシメオネ監督は正しかったのかとチラと思ったりもしたんですが、その彼と出場停止処分の2試合目となるナチョ、そしてあと2、3週間程、プレーのリズムを上げるのに余裕を持ちたいギュレルを除いて、他は全員、サンチェス・ピスファン遠征に参加することに。
ちなみに各国代表から戻って来た選手たちの吉凶は様々で、ええ、イングランドの2戦目、ユーロ予選イタリア戦の方だけに出場したベリンガムなど、ハリー・ケイン(バイエルン)の同点PKゴールを導くペナルティをゲットした上、ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)の勝ち越しゴールをアシストして、ユーロ出場確定に貢献しただけでなく、その試合のMVPに輝いて帰還。これで今季、11試合出場のうち8回、MVPに選ばれたとなれば、当人が「マドリーにいることでボクは100%、より良い選手となった」と自認していたのも当然だった?
逆に代表でのコメントが仇になってしまったのは、いえ、別にクロアチアがトルコ、ウェールズに連敗して、ユーロ出場に黄信号が灯ってしまたったのはモドリッチのせいじゃないんですけどね。「常にプレーしたいし、バケーションはいらない」と今季、マドリーで出番が少ないことに不満を漏らしていた彼ですが、この10月の代表戦では中盤のカマビンガ、チュアメニ(フランス)もそれぞれ、左SBやCBが自身の理想的なポジションではないことをアピール。バルベルデら共々、健康体で戻り、とうにドイツ代表を引退しているクロースなどは2週間、みっちり練習していますからね。久々に中2日で2試合フル出場したモドリッチにセビージャ戦でスタメンのお鉢が巡ってくるのはかなり、難しいんじゃないかと思いますが、さて。
一方、南米組でもロドリゴが「自分は常々、サイドでプレーする方が得意で、9番(CF)をやるのは好きじゃないと言ってきた」と、マドリーでの役割に不満を唱えていたんですが、こちらはリーガ開幕戦のアスレティック戦でゴールを挙げて以来、日照り状態に入ってしまったことへの八つ当たり的な見方もされてなくはなし。というのも今季、彼がfalso nueve/ファルソ・ヌエベ(シャドーCF)を務めたのはCLナポリ戦での1回だけで、ビニシウスがしばらくケガでお休みしていたこともあって、ほとんどサイドでプレーしていましたからね。
おまけにその2人が出場しながら、ブラジルもベネズエラと1-1で引分け、ウルグアイには2-0で負けてしまったとなれば、金曜の記者会見でロドリゴの件について問われたアンチェロッティ監督に、「Mi idea es la exigencia del equipo y después la individual/ミ・イデア・エス・ラ・エクシヘンシア・デル・エキポ・イ・デスプエス・ラ・インディビデゥアル(私の考えはまずはチームに要求されること、その後に個人)。誰もそのポジションでプレーできないとは言ってこないしね」と流されてしまっても仕方なかった?
あとはドイツの親善試合でもアメリカ戦、メキシコ戦とフル出場してきたリュディガーの疲労が心配なぐらいで、ええ、彼はイエローカード4枚もらっていて、セビージャ戦でも警告を喰らうと、リーガ次節のクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)で出場停止となってしまいますからね。その辺だけは気をつけて、アンチェロッティ監督も「Tengo un cariño especial y si hoy estoy aquí... es por Sergio Ramos/テンゴ・ウン・カリーニョ・エスペシアル・イ・シー・オイ・エストイ・アキー…エス・ポル・セルヒオ・ラモス(彼には特別な愛情を持っていて、私が今日、ここにいるのもセルヒオ・ラモスのおかげだ)」と告白。
2014年にはアトレティコとのCL決勝後半ロスタイム、同点ゴールをGKクルトワの守るゴールに叩き込み、延長戦で念願のDecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)達成を導いた、マドリーのレジェンドでもあるCBとの再会を楽しめばいいかと。ちなみに相手のセビージャの方は代表戦入り直前のラージョ戦で土壇場にエン・ネシリのゴールで2-2と引分けた後、メンディリバル監督を即解任。早々にディエゴ・アロンソ監督を招聘したんですが、実は彼、ヨーロッパのクラブチームを率いるのは初めてなんですよ。ええ、2022年W杯予選の途中からウルグアイ代表監督を務め、本大会出場を果たすという実績はあるとはいえ、それもグループリーグ敗退して、退任しちゃいましたからね。
その際、バルベルデなどはとても世話になって、昨季、愛称もpajarito(パハリート/小鳥)から、halcon(アルコン/タカ)に変わる程、大きく成長するキッカケを与えてくれた監督でもあるんですが、果たしてリーガでの初陣はどうなることやら。ちなみにこの2週間でセビージャはラメラやマリアーノ(この夏、マドリーとの契約終了後に入団)の負傷も治り、全員がプレー可能に。中でもベルギー代表で2得点してきた新加入のFW、ルケバキオ(ヘルタ・ベルリンから移籍)には用心しないといけませんが、できれば、マドリーには勝ち点2差を保って、首位のまま、クラシコに挑んでもらいたいですよね。
そして土曜の最後の時間帯、午後9時(日本時間翌午前4時)から、バライドスでセルタ戦となるのがアトレティコなんですが、グラウンドが使用可能になった金曜の練習ではサビッチが体調不良でお休みだったなんてことも。まあ、これは回復可能と見られていますが、何せ彼は代表戦直前のレアル・ソシエダ戦で途中出場するまで、筋肉痛で3試合お休みして、モンテネグロのセルビア戦にフル出場。結局、この2週間でもふくらはぎのケガが完治せず、チーム練習に合流できなかったヒメネス同様、今季もかなり健康状態が不安定ですからね。
9月の代表戦週間明けのバレンシア戦で3-0と赤っ恥負けして以来、5連勝しているアトレティコとあって、別にCB3人はアスピリクエタ、ビッツェル、エルモーソの非招集組トリオでも全然、構わないんですが、嬉しいことに今回の代表戦では負傷して帰還した選手が1人もおらず。アルゼンチン代表で腰に打撲を受け、2試合目のペルー戦に出なかったモリーナも普通に練習に加わっていた上、今回はコレア、バリオス、ソユンチュも全快しましたからね。シメオネ監督もとうとう、トップチームの選手を18人もビーゴ遠征に連れて行けるのを喜んでいるのでは?
一方、ベニテス監督が就任しての今季、まだ1勝しかしていないセルタでは、この代表戦期間に左SBリスティッチ(セルビア)がヒザの靭帯を痛め、CBのアイドゥー(ガーナ)などはアキレス腱断裂で全治7カ月の重傷を負うなど、もろにFIFAウィルスに祟られてしまうことに。ただ、そのせいでハビ・ガランと入れ違いで移籍したアトレティコのカンテラーノ(ユース出身の選手)、マヌ・サンチェスをスタメンで見られるかもしれないのは楽しみかと。何はともあれ、このままモラタが今季、スペイン代表と合わせて13試合11得点という高パフォーマンスを維持してくれて、2022年10月にバルサからの完全移籍が決まって以来、アトレティコの44試合中43試合に出場(うち先発42試合)。フランス代表でも81試合連続出場を続けるグリーズマンがケガしないでいてくれれば、きっとこの3連戦もいい結果を出せるんじゃないでしょうか。
そしてマドリッド勢で唯一、日曜試合となるラージョはラス・パルマスとのアウェイ戦に挑むんですが、ちょっと不思議だったのは今季まだ3試合しか出場していないファルカオが何故か、ファン投票で9月のMVPに選ばれていたこと。まあ、確かに9月と10月の代表戦に挟まれた5試合で、ここ4引分けと停滞が続いているフランシスコ監督のチームだけに、誰が活躍したかと問われても皆、困ってしまったんでしょうけど、実際、ここまで得点しているCFはPKゴールを挙げたファルカオだけですからね。この2週間の練習でRdT(ラウール・デ・トマス)やカメージョらの運気も変わっていてほしいものですが、こればっかりはねえ。
そうこうするうちに金曜試合が終わり、エスパニョールにミゲール・デ・ラ・フエンテのゴールで0-1の勝利を挙げた2部の弟分、レガネスがいつの間にか、首位になっていたんですが、いやあ。先週末、ブタルケでアモレビエタに6-0とクラブ史上最高得点差で大勝した試合をスペイン代表戦と被ったため、見逃してしまった私でしたが、その時もミゲールはハットトリックを達成。こんなエースがいるなら、ホルハ・ヒメネス監督もチームの1部復帰を真剣に考えることができるかと。2部生活も4年目突入となるレガネスだけにそろそろ、昇格しないとマドリーやアトレティコらの兄貴分やお隣さんのヘタフェと肩を並べていた時代があったことを忘れてしまうファンがいないか心配ですし、このまま好調が続いてくれるといいですよね。
それがその時間の少し前、雨によるグラウンドコンディションの悪さを理由にセッションはジム調整だけ、メディア公開はなしというお知らせがWhatappのグループチャットで届いたため、あれっと思い、他のマドリッド勢の練習状況をチェックしたところ、おやおや、皆、ちゃんとやっているじゃないですか。そう、ラージョ、ヘタフェの弟分チームは午前中にしっかりマドリッド南部にある練習場でセッションを完了。レアル・マドリーなど、一番、雨足が強かった午後3時過ぎのベルデベバス(バラハス空港の近く)で、大西洋を渡って帰って来たビニシウスとロドリゴ(ブラジル)、バルベルデ(ウルグアイ)、リュディガー(ドイツ)も合流して練習しているんですよ。
となると、ほとんどピッチが水没しかかっている映像をニュースで見せられたセビージャが屋内セッションとなったのはともかく、同じマドリッドなのに、どうしてアトレティコだけが外で練習できなかった?
そのプロットは警備員が目を離しているうちに、しっかりユニを着用したマタ、アレニャ、ダミアン、マジョラル、ダビド・ソリアが軍用機格納庫内や滑走路でボールを蹴り始め、最後はその警備員もヘタフェファンだったというオチで、何かイマイチ、よくわからない内容なんですが、チームの方は週明けから、がっちり練習を開始。元々、各国代表選手も多くなく、しかもそのうちの1人、ジェネ(トーゴ)は累積警告で出場停止が決まっていましたからね。火曜にモンテネグロ戦を終えたマキシモビッチ(セルビア)が無事に帰ってくればというところでしたが、金曜になって、いきなりドゥアルテが急性盲腸炎を起こし、同日手術となったなんてことも。
ただ、彼も2-2で引き分けた前節セルタ戦の前半にイエローカードを2枚もらって退場となり、ベティス戦に出られないことはわかっていたため、ボルダラス監督も代わりのCBを選ぶ時間は十分、あったはずですからね。まあ、ベティスも代表戦前はアラベスと1-1で引分けと、それ程、前線が活発な訳ではありませんし、ちょっと警戒が必要かなと思うのは、9月末に18才でトップチームデビューして、3試合で3得点。10月にはU21スペイン代表でもデビューしたセネガル生まれのFW、アサネ・ディアオぐらいかと。バルトラ、フェキル、サバリが負傷欠場、ウィリアム・ホセ、ギド・ロドリゲスは出場停止とペレグリーニ監督のチームが実働戦力に欠けている折だけに、ヘタフェも白星でホームのファンを喜ばせてあげることができるといいのですが。
そして土曜の次の時間帯、午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、セビージャ戦でアウェイ3連戦の口火を切るのがマドリーなんですが、金曜のアンチェロッティ監督の記者会見では大雨の木曜練習でセバージョスが負傷したことが発覚。おかげで、やっぱり濡れた芝で足元が安定しない危険を回避したシメオネ監督は正しかったのかとチラと思ったりもしたんですが、その彼と出場停止処分の2試合目となるナチョ、そしてあと2、3週間程、プレーのリズムを上げるのに余裕を持ちたいギュレルを除いて、他は全員、サンチェス・ピスファン遠征に参加することに。
ちなみに各国代表から戻って来た選手たちの吉凶は様々で、ええ、イングランドの2戦目、ユーロ予選イタリア戦の方だけに出場したベリンガムなど、ハリー・ケイン(バイエルン)の同点PKゴールを導くペナルティをゲットした上、ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)の勝ち越しゴールをアシストして、ユーロ出場確定に貢献しただけでなく、その試合のMVPに輝いて帰還。これで今季、11試合出場のうち8回、MVPに選ばれたとなれば、当人が「マドリーにいることでボクは100%、より良い選手となった」と自認していたのも当然だった?
逆に代表でのコメントが仇になってしまったのは、いえ、別にクロアチアがトルコ、ウェールズに連敗して、ユーロ出場に黄信号が灯ってしまたったのはモドリッチのせいじゃないんですけどね。「常にプレーしたいし、バケーションはいらない」と今季、マドリーで出番が少ないことに不満を漏らしていた彼ですが、この10月の代表戦では中盤のカマビンガ、チュアメニ(フランス)もそれぞれ、左SBやCBが自身の理想的なポジションではないことをアピール。バルベルデら共々、健康体で戻り、とうにドイツ代表を引退しているクロースなどは2週間、みっちり練習していますからね。久々に中2日で2試合フル出場したモドリッチにセビージャ戦でスタメンのお鉢が巡ってくるのはかなり、難しいんじゃないかと思いますが、さて。
一方、南米組でもロドリゴが「自分は常々、サイドでプレーする方が得意で、9番(CF)をやるのは好きじゃないと言ってきた」と、マドリーでの役割に不満を唱えていたんですが、こちらはリーガ開幕戦のアスレティック戦でゴールを挙げて以来、日照り状態に入ってしまったことへの八つ当たり的な見方もされてなくはなし。というのも今季、彼がfalso nueve/ファルソ・ヌエベ(シャドーCF)を務めたのはCLナポリ戦での1回だけで、ビニシウスがしばらくケガでお休みしていたこともあって、ほとんどサイドでプレーしていましたからね。
おまけにその2人が出場しながら、ブラジルもベネズエラと1-1で引分け、ウルグアイには2-0で負けてしまったとなれば、金曜の記者会見でロドリゴの件について問われたアンチェロッティ監督に、「Mi idea es la exigencia del equipo y después la individual/ミ・イデア・エス・ラ・エクシヘンシア・デル・エキポ・イ・デスプエス・ラ・インディビデゥアル(私の考えはまずはチームに要求されること、その後に個人)。誰もそのポジションでプレーできないとは言ってこないしね」と流されてしまっても仕方なかった?
あとはドイツの親善試合でもアメリカ戦、メキシコ戦とフル出場してきたリュディガーの疲労が心配なぐらいで、ええ、彼はイエローカード4枚もらっていて、セビージャ戦でも警告を喰らうと、リーガ次節のクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)で出場停止となってしまいますからね。その辺だけは気をつけて、アンチェロッティ監督も「Tengo un cariño especial y si hoy estoy aquí... es por Sergio Ramos/テンゴ・ウン・カリーニョ・エスペシアル・イ・シー・オイ・エストイ・アキー…エス・ポル・セルヒオ・ラモス(彼には特別な愛情を持っていて、私が今日、ここにいるのもセルヒオ・ラモスのおかげだ)」と告白。
2014年にはアトレティコとのCL決勝後半ロスタイム、同点ゴールをGKクルトワの守るゴールに叩き込み、延長戦で念願のDecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)達成を導いた、マドリーのレジェンドでもあるCBとの再会を楽しめばいいかと。ちなみに相手のセビージャの方は代表戦入り直前のラージョ戦で土壇場にエン・ネシリのゴールで2-2と引分けた後、メンディリバル監督を即解任。早々にディエゴ・アロンソ監督を招聘したんですが、実は彼、ヨーロッパのクラブチームを率いるのは初めてなんですよ。ええ、2022年W杯予選の途中からウルグアイ代表監督を務め、本大会出場を果たすという実績はあるとはいえ、それもグループリーグ敗退して、退任しちゃいましたからね。
その際、バルベルデなどはとても世話になって、昨季、愛称もpajarito(パハリート/小鳥)から、halcon(アルコン/タカ)に変わる程、大きく成長するキッカケを与えてくれた監督でもあるんですが、果たしてリーガでの初陣はどうなることやら。ちなみにこの2週間でセビージャはラメラやマリアーノ(この夏、マドリーとの契約終了後に入団)の負傷も治り、全員がプレー可能に。中でもベルギー代表で2得点してきた新加入のFW、ルケバキオ(ヘルタ・ベルリンから移籍)には用心しないといけませんが、できれば、マドリーには勝ち点2差を保って、首位のまま、クラシコに挑んでもらいたいですよね。
そして土曜の最後の時間帯、午後9時(日本時間翌午前4時)から、バライドスでセルタ戦となるのがアトレティコなんですが、グラウンドが使用可能になった金曜の練習ではサビッチが体調不良でお休みだったなんてことも。まあ、これは回復可能と見られていますが、何せ彼は代表戦直前のレアル・ソシエダ戦で途中出場するまで、筋肉痛で3試合お休みして、モンテネグロのセルビア戦にフル出場。結局、この2週間でもふくらはぎのケガが完治せず、チーム練習に合流できなかったヒメネス同様、今季もかなり健康状態が不安定ですからね。
9月の代表戦週間明けのバレンシア戦で3-0と赤っ恥負けして以来、5連勝しているアトレティコとあって、別にCB3人はアスピリクエタ、ビッツェル、エルモーソの非招集組トリオでも全然、構わないんですが、嬉しいことに今回の代表戦では負傷して帰還した選手が1人もおらず。アルゼンチン代表で腰に打撲を受け、2試合目のペルー戦に出なかったモリーナも普通に練習に加わっていた上、今回はコレア、バリオス、ソユンチュも全快しましたからね。シメオネ監督もとうとう、トップチームの選手を18人もビーゴ遠征に連れて行けるのを喜んでいるのでは?
一方、ベニテス監督が就任しての今季、まだ1勝しかしていないセルタでは、この代表戦期間に左SBリスティッチ(セルビア)がヒザの靭帯を痛め、CBのアイドゥー(ガーナ)などはアキレス腱断裂で全治7カ月の重傷を負うなど、もろにFIFAウィルスに祟られてしまうことに。ただ、そのせいでハビ・ガランと入れ違いで移籍したアトレティコのカンテラーノ(ユース出身の選手)、マヌ・サンチェスをスタメンで見られるかもしれないのは楽しみかと。何はともあれ、このままモラタが今季、スペイン代表と合わせて13試合11得点という高パフォーマンスを維持してくれて、2022年10月にバルサからの完全移籍が決まって以来、アトレティコの44試合中43試合に出場(うち先発42試合)。フランス代表でも81試合連続出場を続けるグリーズマンがケガしないでいてくれれば、きっとこの3連戦もいい結果を出せるんじゃないでしょうか。
そしてマドリッド勢で唯一、日曜試合となるラージョはラス・パルマスとのアウェイ戦に挑むんですが、ちょっと不思議だったのは今季まだ3試合しか出場していないファルカオが何故か、ファン投票で9月のMVPに選ばれていたこと。まあ、確かに9月と10月の代表戦に挟まれた5試合で、ここ4引分けと停滞が続いているフランシスコ監督のチームだけに、誰が活躍したかと問われても皆、困ってしまったんでしょうけど、実際、ここまで得点しているCFはPKゴールを挙げたファルカオだけですからね。この2週間の練習でRdT(ラウール・デ・トマス)やカメージョらの運気も変わっていてほしいものですが、こればっかりはねえ。
そうこうするうちに金曜試合が終わり、エスパニョールにミゲール・デ・ラ・フエンテのゴールで0-1の勝利を挙げた2部の弟分、レガネスがいつの間にか、首位になっていたんですが、いやあ。先週末、ブタルケでアモレビエタに6-0とクラブ史上最高得点差で大勝した試合をスペイン代表戦と被ったため、見逃してしまった私でしたが、その時もミゲールはハットトリックを達成。こんなエースがいるなら、ホルハ・ヒメネス監督もチームの1部復帰を真剣に考えることができるかと。2部生活も4年目突入となるレガネスだけにそろそろ、昇格しないとマドリーやアトレティコらの兄貴分やお隣さんのヘタフェと肩を並べていた時代があったことを忘れてしまうファンがいないか心配ですし、このまま好調が続いてくれるといいですよね。
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