週末のリーガなのに平日にある…/原ゆみこのマドリッド
2023.08.25 20:00 Fri
「同じキスでも結末が全然違う」そんな風に私が呆れていたのは木曜日、とうとうFIFAがスペイン・サッカー協会のルビアレス会長の規律違反調査を始めるという報を知った時のことでした。いやあ、13年前、スペイン男子がW杯優勝した時はキャプテンのカシージャスがカメラの前で当時、テレシンコ(スペインの民放)のレポーターだったサラ・カルボネーラさんに熱烈なキスをして、2人がお付き合いしていることが発覚したなんてこともあったんですけどね。その南アフリカ大会が生まれたもう1つのカップル、ピケとシャキーラが昨年夏に破局したのより早く、2021年にはカシージャスもサラさんと離婚しているんですが、今回、ルビアレス会長が表彰台で唇にキスしたのはまったく恋愛関係のないジェニ・エルモーソ(パチューカ)ですからねえ。
それも頭をがっしり掴んで有無を言わせずみたいな映像がはっきり残っている上、イングランドを破って優勝決定した瞬間にはパルコ(貴賓席)でレティシア王妃とソフィア王女が横にいるにも関わらず、自身の股間を触る下品なポーズでお祝い。更にピッチで選手たちと祝っている時にアテネア・デル・カスティージャ(レアル・マドリー)を肩に抱え上げたりと、他にも昨今ではポリティカルコレクトとは言い難い振る舞いがあったため、すぐさまシドニーのスタジアムには批判が届きだしたんですが、そのことをラジオ記者に聞かれた当人は、「Idiotas hay en todas partes/イディオータス・アイ・エン・トーダス・パルテス(愚か者はどこにでもいる)。2人の人間が何気なく愛情表現しただけだ」と一蹴。
ところが時間が経つにつれ、各方面からの非難がヒートアップし、辞任要求の声も出て来たため、ルビアレス会長は帰りの飛行機の中でジェニとキャプテンのイバナ・アンドレス(マドリー)に「Mi puesto está en juego, hazlo aunque sea por mis hijas. Necesito que salgas conmigo/ミ・プエストー・エスタ・エン・フエゴ・アスロ・アウンケ・セア・ポル・ミス・イハス。ネセシート・ケ・サルガス・コンミーゴ(クビが懸かっている。私の娘のためにでもいいから、やってくれ。私と一緒に出ることが必要だ)」と釈明ビデオに応援出演を頼んだところ、見事に爆沈することに。仕方なく、乗り継ぎ地のドーハで単独撮影したものの、それがまた、「Seguramente me he equivocado, lo tengo que reconocer/セグラメンテ・メ・エ・エキボカードー、ロ・テンゴ・ケ・レコノセル(きっと私は間違えたのだろう。それは認めないといけない)。最大の喜びの瞬間で、悪気はなかった。突発的に起きたことだ」とかなり白々しいものだったとなれば、炎上が止まるはずありませんって。
そのせいで、ルビアレス会長は月曜夜にマドリッドに到着したスペイン女子がその足で市内パレード、そして2万人のファンが待つプエンテ・デル・レイの河岸での祝勝イベントに向かうのに同行しなかったんですが、火曜の午前中、大統領官邸への表敬訪問は避けられず。ペドロ・サンチェス大統領と握手も一応、していたものの、選手たちがこの2カ月間の合宿生活の打ち上げとして、イビサ島(地中海のビーチリゾート)に飛んだ午後には、大統領から「Lo que vimos fue un gesto inaceptable/ロ・ケ・ビモス・フエ・ウン・ヘストー・インアセプタブレ(私たちの見た行為は受け入れがたいものだった)。ルビアレス氏の謝罪も十分ではなく、それどころが不適切」と追い打ちをかけられているんですから、ああ、もう皆、スペイン女子がW杯に初優勝したことを忘れていない?
といってもスペイン政府にはサッカー協会会長を罷免する権限はないんですけどね。そこで協会は金曜に緊急臨時総会を開くことを決め、地方の協会会長がルビアレス会長を支持しているところを見せつけようと画策したんですが、どうやらその間も犠牲者と世間から同情されているジェニへのセクハラ否定声明を出すようにという圧力が続いていたよう。
そこで有罪となると、ルビアレル会長にサッカー関連の仕事に携われない判決が下り、会長は続けられなくなるんですが、うーん、やはりFIFAが調査に乗り出してきたのが一番、大きかったんでしょうね。とうとう木曜の夜になって、翌金曜にルビアレス会長が辞任を発表というニュースが全てのメディアに登場。これで一件落着となるかはわかりませんが、まったくもって、女子W杯優勝国スペインのイメージを壊してくれる大騒動だったのは間違いありませんって。
まあ、そんなことはともかく、男子の方ではすでにリーガ3節が迫っていて、珍しいことに金曜午後9時30分(日本時間翌午前)にマドリッド勢のトップを務めるのはマドリーなんですよ。サンティアゴ・ベルナベウ大改修工事の時間稼ぎのための開幕アウェイ3連戦、最後の相手はセルタで、水曜にはチームと経営陣はお偉方を招いてクラブ創設100周年を祝うパーティをアフォウテサ練習場で開催。招かれなかったファンはバライドスに2000人が集結して、お祝いしていたそうなんですが、このマドリー戦の前にはスタジアムで記念イベントも開かれるのだとか。
ただ、今季からセルタを率いているベニテス監督には試合前日に残念な知らせがあって、夏中、高値売却が噂されていた成長株、U21ユーロのスペイン代表にも参加したガブリ・ベイガがアル・アハリに移籍するクラブ間の合意が成立。うーん、彼についてはずっと、ナポリとの交渉が移籍金3000万ユーロ(約38億円)+目標達成オプション600万ユーロ(約10億円)で続いていたんですけどね。結局、イタリアのクラブは手を引き、21才という若い身空で契約破棄金額の4000万ユーロ(約63億円)を払ったサウジアラビアのチームに行くことになりましたが、大丈夫。
ベニテス監督も「選手にもその家族にもいい方向に人生が変わる状況だった。Luego, por su edad, puede volver a ligas más competitivas/ルエゴ、ポル・ス・エダッド、プエデ・ボルベル・ア・リーガス・マス・コンペティティバス(その後、彼の年齢なら、もっと競争力のあるリーグに戻ることができる)」と言っていたように、アトレティコでも4年前、24才のカラスコがいきなり大連に移籍。2シーズン、中国でプレーして、またアトレティコに復帰したなんてこともあったんですが、え?これは23才のジョアン・フェリックスにも使える手じゃないかって?いえ、こちらは当人にCL出場するクラブというこだわりがあるため、難しいかと。
まあ、ベイガの件は開幕から1敗1分けと、まだセルタでの白星がないベニテス監督も織り込み済みだったようなため、2015-16シーズンにそれこそ、アンチェロッティ監督の後を継いで、マドリーを率い、たった18試合で解任されたチームへの恩返し計画はそれ程、影響はないかと思いますが、マドリーの方はいよいよ、GKケパ(チェルシーからレンタル)がデビュー。それは髪を明るいブラウンに染めて、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場での記者会見に臨んだアンチェロッティ監督自身が宣言していたため、確かなんですが、同時に彼はこの夏、「No habrá ningún fichaje más. Lo puedo asegurar al 100%/ノー・アブラ・ニングン・フィチャヘ・マス。ロ・プエド・アセグラール・アル・シントー・ポル・シエントー(もう補強は一切ない。100%保証できる)」ともコメント。
要はエムバペ(PSG)の電撃移籍は期待してもムダだよということでしょうが、実はアンチェロッティ監督は前日、セリエAラジオのインタビューで、「Creemos que la llegada de Bellingham cubre la ausencia de Karim/クレエモス・ケ・ラ・ジェガダ・デ・ベリンガム・クブレ・ラ・アウセンシア・デ・カリム(ベリンガムの加入がベンゼマ不在をカバーしてくると思う)」とも言っているんですよね。ただ、この移籍金1億ユーロ(約160億円)越えの大型新人は昨季、ドルトムントで14得点しているんですが、それは丁度、アセンシオ(契約終了でPSGへ)の挙げた12得点を補うぐらいの量で、とてもベンゼマの31得点には及ばず。となると、昨季23得点だったビニシウスと19得点だったロドリゴがそれぞれ、今季は15ゴール程、上積みしないといけない?今のところ、開幕アスレティック戦、続くアルメリア戦では2人共得点して、チームは2連勝していますからねえ。ゴールに不足はなさそうなので、まあ、生温かい目で見守っていけばいいんじゃないでしょうか。
そして今週のマドリッド勢はちょっと変則で、土日は2部のアルコルコンがバジャドリー、レガネスがアルバセテと対戦するんですが、1部の残りチームは全て月曜にプレーすることに。まずは弟分のヘタフェが今季初勝利を目指して、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに1部最短Uターンを果たしたアラベスを迎えるんですが、面白いのはこちらも相手の指揮官がルイス・ガルシア監督と、コリセウムのファンには馴染みある顔なんですよ。ええ、彼は2011年から3シーズン、ヘタフェの監督でしたからね。丁度、前節はセビージャとの撃ち合いを4-3で制し、1部復帰初勝利も挙げているため、まだ補強が終了しておらず、先週はジローナに3-0と惨敗したボルダラス監督のチームはちょっと苦労しそうですが、初戦でバルサとスコアレスドローに持ち込んだ根性をここは再び見せてほしいかと。
その試合の後、午後9時30分からはエスタディオ・バジェカスで兄弟分ダービーが控えていて、今回は開幕2連勝して2位のラージョに1勝1分けで5位のアトレティコが挑戦する立場に。うーん、それ程、沢山補強した訳ではないんですが、フランシスコ新監督も「自分たちがやっていることを我々が信じているから、2試合で2勝できた」と言っていたように、RdT(ラウール・デ・トマス)のケガも治ったラージョはアルメリアとグラナダに共に0-2で勝って、自信をつけていますからね。いよいよホームデビューとなるこの試合ではアトレティコも用心してかかるに越したことはありませんが、え?シメオネ監督のチームはもうシーズンが始まったというのに、週中の木曜に親善試合をやっていなかったかって?
その通りで、プレシーズンの恒例、ブルゴス・デ・オスナへ行き、ヌマンシア(RFEF2部)とプレーするメモリアル・ヘスス・ヒル・ヒル杯が今頃になったのは、この夏は世界一周ツアーで時間を取られていたからなんですけどね。それでもどこかの局が中継してくれるのを待っていたところ、まさか誰も放送してくれないとは!YouTubeの映像もまだ見つからず、いえ、負傷中のコケ、コレア、ヒメネス、レイニウドはもちろん、グリーズマンやオブラク、デ・パウル、メンフィス・デパイら主力選手はお留守番。トップチームの選手を9人しか連れて行かず、あとはカンテラーノ(アトレティコBの選手)で賄ったその試合では後半19分にモラタが、その3分後にはリケルメ(昨季はジローナにレンタル)がゴールを挙げて、0-2の勝利で面目を保ったことはわかっているんですけどね。
とはいえ、嬉しいニュースもあって、それは負傷でツアーにも行かず、マハダオンダ(マドリッド近郊)でずっとリハビリしていたナウエル・モリーナが復活したこと。新顔でただ1人、デビューがまだだったハビ・ガラン(セルタから移籍)も先発したんですが、それにつけてもスペインのTV局がこうもアトレティコに冷たいとは。とりあえず、今はこの調子を兄弟分ダービーでも維持してくれることを祈るばかりですが、幸い今回の猛暑は一旦、金曜で終了し、月曜の夜は気温27℃程度に。あの38℃のベニト・ビジャマリンでベティスと0-0で引き分けた試合の省エネサッカー状態にはならないと思いますが、果たして兄貴分の貫禄を示すことはできるんでしょうか。
それも頭をがっしり掴んで有無を言わせずみたいな映像がはっきり残っている上、イングランドを破って優勝決定した瞬間にはパルコ(貴賓席)でレティシア王妃とソフィア王女が横にいるにも関わらず、自身の股間を触る下品なポーズでお祝い。更にピッチで選手たちと祝っている時にアテネア・デル・カスティージャ(レアル・マドリー)を肩に抱え上げたりと、他にも昨今ではポリティカルコレクトとは言い難い振る舞いがあったため、すぐさまシドニーのスタジアムには批判が届きだしたんですが、そのことをラジオ記者に聞かれた当人は、「Idiotas hay en todas partes/イディオータス・アイ・エン・トーダス・パルテス(愚か者はどこにでもいる)。2人の人間が何気なく愛情表現しただけだ」と一蹴。
ところが時間が経つにつれ、各方面からの非難がヒートアップし、辞任要求の声も出て来たため、ルビアレス会長は帰りの飛行機の中でジェニとキャプテンのイバナ・アンドレス(マドリー)に「Mi puesto está en juego, hazlo aunque sea por mis hijas. Necesito que salgas conmigo/ミ・プエストー・エスタ・エン・フエゴ・アスロ・アウンケ・セア・ポル・ミス・イハス。ネセシート・ケ・サルガス・コンミーゴ(クビが懸かっている。私の娘のためにでもいいから、やってくれ。私と一緒に出ることが必要だ)」と釈明ビデオに応援出演を頼んだところ、見事に爆沈することに。仕方なく、乗り継ぎ地のドーハで単独撮影したものの、それがまた、「Seguramente me he equivocado, lo tengo que reconocer/セグラメンテ・メ・エ・エキボカードー、ロ・テンゴ・ケ・レコノセル(きっと私は間違えたのだろう。それは認めないといけない)。最大の喜びの瞬間で、悪気はなかった。突発的に起きたことだ」とかなり白々しいものだったとなれば、炎上が止まるはずありませんって。
といってもスペイン政府にはサッカー協会会長を罷免する権限はないんですけどね。そこで協会は金曜に緊急臨時総会を開くことを決め、地方の協会会長がルビアレス会長を支持しているところを見せつけようと画策したんですが、どうやらその間も犠牲者と世間から同情されているジェニへのセクハラ否定声明を出すようにという圧力が続いていたよう。
それでとうとう、優勝直後のロッカールームのお祝いのインスタグラムライブでも「A mí no me ha gustado, pero ¿qué hago?/ ア・ミー・ノー・メ・ア・グスタードー、ペロ・ケ・アゴ(私はイヤだったわ。でもどうしたらいいのよ)」と言っていた当人も堪忍袋の緒が切れたか、Futpro(スペイン女子サッカー選手の労組)を通じて、「適切な処罰を望む」という声明が発表。ええ、CSD(スポーツ上級諮問委員会)の会長なども「協会が何もしないなら、私たちがやる」とTAD(スポーツ仲裁裁判所)への訴えを示唆していましたからね。
そこで有罪となると、ルビアレル会長にサッカー関連の仕事に携われない判決が下り、会長は続けられなくなるんですが、うーん、やはりFIFAが調査に乗り出してきたのが一番、大きかったんでしょうね。とうとう木曜の夜になって、翌金曜にルビアレス会長が辞任を発表というニュースが全てのメディアに登場。これで一件落着となるかはわかりませんが、まったくもって、女子W杯優勝国スペインのイメージを壊してくれる大騒動だったのは間違いありませんって。
まあ、そんなことはともかく、男子の方ではすでにリーガ3節が迫っていて、珍しいことに金曜午後9時30分(日本時間翌午前)にマドリッド勢のトップを務めるのはマドリーなんですよ。サンティアゴ・ベルナベウ大改修工事の時間稼ぎのための開幕アウェイ3連戦、最後の相手はセルタで、水曜にはチームと経営陣はお偉方を招いてクラブ創設100周年を祝うパーティをアフォウテサ練習場で開催。招かれなかったファンはバライドスに2000人が集結して、お祝いしていたそうなんですが、このマドリー戦の前にはスタジアムで記念イベントも開かれるのだとか。
ただ、今季からセルタを率いているベニテス監督には試合前日に残念な知らせがあって、夏中、高値売却が噂されていた成長株、U21ユーロのスペイン代表にも参加したガブリ・ベイガがアル・アハリに移籍するクラブ間の合意が成立。うーん、彼についてはずっと、ナポリとの交渉が移籍金3000万ユーロ(約38億円)+目標達成オプション600万ユーロ(約10億円)で続いていたんですけどね。結局、イタリアのクラブは手を引き、21才という若い身空で契約破棄金額の4000万ユーロ(約63億円)を払ったサウジアラビアのチームに行くことになりましたが、大丈夫。
ベニテス監督も「選手にもその家族にもいい方向に人生が変わる状況だった。Luego, por su edad, puede volver a ligas más competitivas/ルエゴ、ポル・ス・エダッド、プエデ・ボルベル・ア・リーガス・マス・コンペティティバス(その後、彼の年齢なら、もっと競争力のあるリーグに戻ることができる)」と言っていたように、アトレティコでも4年前、24才のカラスコがいきなり大連に移籍。2シーズン、中国でプレーして、またアトレティコに復帰したなんてこともあったんですが、え?これは23才のジョアン・フェリックスにも使える手じゃないかって?いえ、こちらは当人にCL出場するクラブというこだわりがあるため、難しいかと。
まあ、ベイガの件は開幕から1敗1分けと、まだセルタでの白星がないベニテス監督も織り込み済みだったようなため、2015-16シーズンにそれこそ、アンチェロッティ監督の後を継いで、マドリーを率い、たった18試合で解任されたチームへの恩返し計画はそれ程、影響はないかと思いますが、マドリーの方はいよいよ、GKケパ(チェルシーからレンタル)がデビュー。それは髪を明るいブラウンに染めて、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場での記者会見に臨んだアンチェロッティ監督自身が宣言していたため、確かなんですが、同時に彼はこの夏、「No habrá ningún fichaje más. Lo puedo asegurar al 100%/ノー・アブラ・ニングン・フィチャヘ・マス。ロ・プエド・アセグラール・アル・シントー・ポル・シエントー(もう補強は一切ない。100%保証できる)」ともコメント。
要はエムバペ(PSG)の電撃移籍は期待してもムダだよということでしょうが、実はアンチェロッティ監督は前日、セリエAラジオのインタビューで、「Creemos que la llegada de Bellingham cubre la ausencia de Karim/クレエモス・ケ・ラ・ジェガダ・デ・ベリンガム・クブレ・ラ・アウセンシア・デ・カリム(ベリンガムの加入がベンゼマ不在をカバーしてくると思う)」とも言っているんですよね。ただ、この移籍金1億ユーロ(約160億円)越えの大型新人は昨季、ドルトムントで14得点しているんですが、それは丁度、アセンシオ(契約終了でPSGへ)の挙げた12得点を補うぐらいの量で、とてもベンゼマの31得点には及ばず。となると、昨季23得点だったビニシウスと19得点だったロドリゴがそれぞれ、今季は15ゴール程、上積みしないといけない?今のところ、開幕アスレティック戦、続くアルメリア戦では2人共得点して、チームは2連勝していますからねえ。ゴールに不足はなさそうなので、まあ、生温かい目で見守っていけばいいんじゃないでしょうか。
そして今週のマドリッド勢はちょっと変則で、土日は2部のアルコルコンがバジャドリー、レガネスがアルバセテと対戦するんですが、1部の残りチームは全て月曜にプレーすることに。まずは弟分のヘタフェが今季初勝利を目指して、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに1部最短Uターンを果たしたアラベスを迎えるんですが、面白いのはこちらも相手の指揮官がルイス・ガルシア監督と、コリセウムのファンには馴染みある顔なんですよ。ええ、彼は2011年から3シーズン、ヘタフェの監督でしたからね。丁度、前節はセビージャとの撃ち合いを4-3で制し、1部復帰初勝利も挙げているため、まだ補強が終了しておらず、先週はジローナに3-0と惨敗したボルダラス監督のチームはちょっと苦労しそうですが、初戦でバルサとスコアレスドローに持ち込んだ根性をここは再び見せてほしいかと。
その試合の後、午後9時30分からはエスタディオ・バジェカスで兄弟分ダービーが控えていて、今回は開幕2連勝して2位のラージョに1勝1分けで5位のアトレティコが挑戦する立場に。うーん、それ程、沢山補強した訳ではないんですが、フランシスコ新監督も「自分たちがやっていることを我々が信じているから、2試合で2勝できた」と言っていたように、RdT(ラウール・デ・トマス)のケガも治ったラージョはアルメリアとグラナダに共に0-2で勝って、自信をつけていますからね。いよいよホームデビューとなるこの試合ではアトレティコも用心してかかるに越したことはありませんが、え?シメオネ監督のチームはもうシーズンが始まったというのに、週中の木曜に親善試合をやっていなかったかって?
その通りで、プレシーズンの恒例、ブルゴス・デ・オスナへ行き、ヌマンシア(RFEF2部)とプレーするメモリアル・ヘスス・ヒル・ヒル杯が今頃になったのは、この夏は世界一周ツアーで時間を取られていたからなんですけどね。それでもどこかの局が中継してくれるのを待っていたところ、まさか誰も放送してくれないとは!YouTubeの映像もまだ見つからず、いえ、負傷中のコケ、コレア、ヒメネス、レイニウドはもちろん、グリーズマンやオブラク、デ・パウル、メンフィス・デパイら主力選手はお留守番。トップチームの選手を9人しか連れて行かず、あとはカンテラーノ(アトレティコBの選手)で賄ったその試合では後半19分にモラタが、その3分後にはリケルメ(昨季はジローナにレンタル)がゴールを挙げて、0-2の勝利で面目を保ったことはわかっているんですけどね。
とはいえ、嬉しいニュースもあって、それは負傷でツアーにも行かず、マハダオンダ(マドリッド近郊)でずっとリハビリしていたナウエル・モリーナが復活したこと。新顔でただ1人、デビューがまだだったハビ・ガラン(セルタから移籍)も先発したんですが、それにつけてもスペインのTV局がこうもアトレティコに冷たいとは。とりあえず、今はこの調子を兄弟分ダービーでも維持してくれることを祈るばかりですが、幸い今回の猛暑は一旦、金曜で終了し、月曜の夜は気温27℃程度に。あの38℃のベニト・ビジャマリンでベティスと0-0で引き分けた試合の省エネサッカー状態にはならないと思いますが、果たして兄貴分の貫禄を示すことはできるんでしょうか。
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