順位表がまた、気になってきた…/原ゆみこのマドリッド

2023.01.01 22:00 Sun
©Atlético de Madrid
「このまま無事に進んでくれますように」そんな風に私が願掛けしていたのは大晦日、11月初旬から、冬季開催W杯のための長いparon(パロン/リーガの休止期間)が明け、とうとう1部の試合再開となった15節が終わった時のことでした。いやあ、1部の20チーム中、スペイン・スーパーカップのせいで参加免除されている4チーム、そしてコパ・デル・レイ1回戦で敗退した2チーム以外、14チームは先週、コパ2回戦をプレーして、すでに通常運転モードに戻っているんですけどね。いよいよ2022年最後の週末には一時、カタールでの大会に目を奪われて、皆が忘れていた課題に取り組むため、満を持してリーガ戦がリスタートしたんですが、嬉しいことに今回、黒星発進したマドリッド勢は一つもなし。

となれば、しばし週末にスタジアムに応援に行く感覚を忘れていたファンたちも希望を持って、新年を迎えられるはずですが、とりあえず、それぞれの試合がどうだったか、見ていくことにすると、15節のトップを飾ったマドリッド勢はアウェイでプレーした弟分のラージョ。開始2分にジローナの選手がヘッドで自陣に送ったボールを追ったカメージョが敵エリア内までドリブルで到達すると、GKガッサニガを1対1で破り、先制点を挙げるという幸先の良さだったんですけどね。34分にはフラン・ガルシアがエリア内でイバン・マルティンをちょこっと引っかけたプレーを後付けVAR(ビデオ審判)モニタージャッジでペナルティとされ、カステジャーノスが決めたPKにより、1-1で折り返すことに。
後半の展開も似たり寄ったりで、17分にはカメージョのアシストから、イシのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で再びリードを奪ったラージョでしたが、30分、カステジャーノスのシュートが腕に当たったルジェーヌがハンドを取られ、今度はサム・サイスのPKで、またしても同点にされてしまう始末。いやあ、どちらも微妙な判定によるPKだったせいか、これにはイラオラ監督も「Son dos acciones que a nosotros nos han explicado que no son penalty/ソン・ドス・アクシオネス・ケ・ア・ノソトロス・ンオス・アン・エクスプリカードー・ケ・ノー・ソン・ペナルティ(2つ共、ペナルティじゃないと説明を受けていたアクションだった)」と文句を言っていたんですけどね。

この日も途中出場だったファルカオのヘッドも決まらず、終了間際のロスタイム5分にはFKから、ラージョOBであるミチェル監督率いるチームがゴールを入れながら、オフサイドで認められなかったというツキもあったため、ある意味、2-2で引分けて助かった?目標の残留ほぼ確定勝ち点40まではあと17だけとなった彼らだけに、次節9日(月)にベティスをエスタディオ・バジェカスに迎える新年初ホームゲームで勝ち点3をガッチリ貯めることを頭の隅に置きつつ、今は3日(火)のコパ・デル・レイ32強対決スポルティング(2部)戦での勝利を目指してもらいたいところでしょうか。

そして同じ木曜の午後9時30分という遅い時間、久々にシビタス・メトロポリターノに約5万人のファンを集めたのが兄貴分のアトレティコで、エルチェ戦キックオフ前にはお隣さんやバルサにはいないW杯優勝メンバーがピッチに上がり、スタンドから喝采を浴びるセレモニーも。いえ、実際は3位となったゲルビッチ(クロアチア)、準優勝のグリーズマン(フランス)も登場し、その一方でコレア、ナウエル・モリーナと共に優勝したアルゼンチンのメンバーでありながら、デ・パウルだけはpito(ピト/ブーイング)されていたなんてこともあったんですが、カタールでハムストリングを痛めた当人はその試合には出場せず。
おかげで先日のコパ2回戦から、中盤の活性化に大貢献しているカンテラーノ(アトレティコBの選手)、19才のバリオスがホームゲームデビュー。大先輩のコケやサウールをも差し置いてのスタメン入りとなれば、ますますデ・パウルの1月放出説が勢いを増すんじゃないかと思いますが、試合の方は前半、ハーフタイム近くまで比較的静かに進行することに。ようやく波乱が起きたのは45分、センターからのロングボールを追ったモラタがエリア前でベルドゥに体当たりを喰らい、VARモニターを見た主審がレッドカードを提示したんですよ。そう、最後のDFだったベルドゥが退場となり、アトレティコは後半丸々、1人多い状態で戦えることになったとなれば、もうこっちのもの?

いえいえ、世の中、そんなに甘くありませんって。というのも再開してすぐの5分、8分にエルモーソが続けてイエローカードを受け、うーん、コパ2回戦のアルメンテイロ(RFEF2部/実質4部)戦でもシメオネ監督はDFラインからボールを繋げていくプレーを重視。わざわざレイニウドに控えとなった理由を説明する手間までかけて、ここ2試合、先発に抜擢された彼だったんですけどね。何かというと、すぐ退場してしまう悪癖は治っていなかったようで、アトレティコの数的優位があっという間に消えてしまったから。

でも大丈夫。この逆境が反骨精神を呼び起こしたか、それからほんの3分後、彼らは先制点を挙げたんです!マルコス・ジョレンテが右側から入れたパスをtaconao(タコナソ/ヒールキック)でシュートしたグリーズマンのボールはディエゴ・ゴンサレスに弾かれてしまったものの、彼はそれでも諦めず。ライン際からゴール前にクロス。タイミング良くそこに現れたジョアン・フェリックが頭で押し込んでくれたから、どんなに場内が沸いたことか。何せ、W杯のparon(パロン/リーガの休止期間)が始まる前、5試合連続白星なしの暗黒期間でも得点していたのは彼だけでしたからね。

シメオネ監督も「今、ウチにいる選手はクラブのためになるよう、最大限に活用する。Luego que tenga que suceder lo que tenga que suceder/ルエゴ・ケ・テンガ・ケ・スセデル・ロ・ケ・テンガ・ケ・スセデル(それから起きるべきことは起きないといけない)」と言っていたんですが、こういうシーンを目の当たりにすると、やはり冬の市場でジョアンの売却はありえないと思ってしまうのは絶対、私だけではなかったかと。

まあ、その彼も22分には体力が尽き、レマルと交代になったんですが、1点差では不安だったファンを勇気づける追加点が29分に生まれてくれます。ええ、今度はモラタが右サイドからビガスを切り返し、エリア内に侵入してシュート。いやまあ、丁度、その瞬間、敵に足をぶつけて倒れた当人は、「Estaba en el suelo, no había visto nada y pensaba que había sido gol de Griezmann... Como le vi tan feliz/エスタバ・エン・エル・スエロ、ノー・アビア・ビストー・ナーダ・イ・ペンサバ・ケ・アビア・シドー・ゴル・デ・グリースマン…コモ・レ・ビ・タン・フェリス(地面に転がっていたから、何も見えてなくて、グリーズマンがゴールを決めたのかと思った…あんなに喜んでいたからね)」(モラタ)なんて、ボケをかましていたんですけどね。

ついつい目がショッキングピンクという、人一倍目立つ色に髪を染めた同僚に行ってしまう気持ちもわかりますが、事実は違うんです。そう、モラタの蹴ったボールがマルカレリに当たってゴールラインを割り、勝利を決定づける2点目となってくれたとなれば、何せ、W杯最後となった16強対決モロッコ戦、コパのアルメンテイロ戦での彼は得点がありませんでしたからね。それが今回、たったの2試合でゴール日照りが終わってくれたんですから、こんなにおめでたい年の瀬はない?

そして最後は定番、GKオブラクのparadon(パラドン/スーパーセーブ)もあったんですが、粘っていたエルチェも45分には再びモラタを倒したキナがレッドカードで退場となり、抵抗もそこまで。「Venimos de una etapa de regular a mala y en LaLiga necesitamos ganar/ビニモス・デ・ウナ・エタパ・デ・レグラール・ア・マラ・イ・エン・ラリーガ・ネセシタモス・ガナール(そこそこから悪い状態から来たから、リーガで勝つ必要があった)」というシメオネ監督の目論見通り、2-0でエルチェを下したアトレティコはCL出場圏の3位に上昇することに。まあ、これは大晦日、すでに久保建英選手も戻ったレアル・ソシエダがオサスナに勝ったため、2022年は4位で終えることになったんですけどね。勝ち点差はたった2ですし、何より同日、エスパニョールと1-1で引き分けた首位と差を11に縮めて、次節9日にそのバルサをメトロポリターノに迎えられるのは、ファンにとって、幾分励みにはなるんじゃないでしょうか。

ただ、その前には4日(水)午後8時(日本時間翌午前4時)からのコパ、オビエド(2部)戦を乗り切らないといけないアトレティコですが、先に金曜開催組のマドリッド勢の試合もお伝えしていくことにすると。夕方5時という早めの時間帯にコリセウム・アルフォンソ・ペレスにマジョルカを迎えた弟分のヘタフェは、いやあ、前半を0-0で終えた時にはまたしても、ゴール日照りの2文字が頭に浮かんできたものですけどね。それはまったくの杞憂に終わり、後半早々、6分にはエネス・ウナルのスルーパスをボルハ・マジョラルがエリア内から決めて、年内最後の応援にスタジアムを訪れた1万人近くのファンを歓喜させることに。

更に33分にもマジョラルがナバロの中途半端なバックパスを奪い、GKライコビッチを再び破って、バケーション気分がまだ抜けていなかったマジョルカに2-0で快勝したんですが、今のところ、彼らの勝ち点は17だけですからね。降格圏とは5差になったものの、ジーズン前半の残り4試合で確実に積み増して、できれば残留に必要な40の半分、20ポイントは貯めておいてほしいかと。ちなみにこちらも年明け3日(火)にはコパのレバンテ(2部)が控えているんですが、やはり重点を置きたいのは9日(月)、未だに降格圏から脱出できていない18位セビージャとの対戦になりますかね。

そしてその日の夜にはいよいよ、リーガ年内最終節がW杯後初の公式戦となったレアル・マドリーが登場。折しもペレ氏の訃報が届いた日だったため、ホセ・ソリージャのパルコ(貴賓席)ではとりわけ、バジャドリーのロナウド会長、ピッチでもビニシウスやロドリゴら、ブラジル人選手たちの神妙な顔がキックオフ前の黙祷で見られたんですが、そんな追悼ムードで始まったせいですかね。こちらも前半は両チーム共、無得点に終わり、いえ、序盤にはセバージョスの蹴ったボールがゴール前にいたハビ・サンチェスの手に当たりながら、主審がスルー。VAR注進も入らないという、論争の種はあったんですけどね。

後半もずっと0-0が続き、その状態はロドリゴやルーカス・バスケス、カマビンガらが15分過ぎに入ってもなかなか変わらなかったため、ますます、あの時、ペナルティを取ってもらっていれば感が強まっていったんですが、まあ、アグアドのCKやセルヒオ・レオンのシュートをGKクルトワが弾いてくれたおかげで、マドリーも失点を免れたなんてこともありましたからね。それがいよいよ残り時間も少なくなった34分、CKからのリュディガーのヘッドが再びハビ・サンチェスの腕に当たり、今度はVARも無視できず、ハンドでペナルティの宣告が下ったから、助かったの何のって。PKは、イロイロあったものの、結局、W杯期間をケガのリハビリに当て、完全復活したベンゼマがしっかり決め、マドリーはようやく1点リードします。

それだけでなく、44分にはカマビンガの折り返しをエースがネットに打ち込み、今季も土壇場に強いマドリーを印象付けてくれましたが、何よりだったのは、ええ、アンチェロッティ監督も「モチベーションが高くて自信もあるように見える。Ccreo que en esta parte de la temporada veremos un Benzema distinto/クレオ・ケ・エン・エスタ・パルテ・デ・ラ・テンポラーダ・ベレモス・ウン・ベンゼマ・ディスティントー(今季のこれからのステージでは違ったベンゼマを見られると思う)」と言っていたんですけどね。W杯前のシーズン前半はケガでの欠場が多く、バロンドールを初受賞した昨季の冴えを披露していなかった彼がとうとう、試合を決める選手としてカムバックしてきたことだったかと。

この勝利で一旦はバルサを追い越し、首位奪回したマドリーでしたが、大晦日にはカタルーニャダービーでの引き分けで永遠のライバルが同じ勝ち点に並んだため、ゴールアベレージにより、2022年は2位で終了。まあ、リーガはまだ先が長いので、当面は静観することにして、3日にはマドリーもいよいよ、今季コパ初戦となる32強対決のカセレーニョス(RFEF2部)戦がありますからね。とうにチケット完売となった相手チームのホームスタジアムに乗り込むんですが、全て2部チームとのカテゴリー近接対戦となった他のマドリッド勢と違い、こちらは格差が大きいため、アンチェロッティ監督がローテーションしてくる可能性も。

その先は8日(日)のビジャレアル戦の後、サウジアラビアのリアドに移動してのスペイン・スーパーカップ準決勝バレンシア戦が11日(水)に控えていますからね。その決勝が15日(日)、続くミッドウィークもコパ16強対決と延々と週2試合ペースが続くため、上手く回していかないと、大事な時に選手たちがバテかねませんが、果たしてどうなることやら。何はともあれ、ようやく好きな選手のいる好きなチームの試合が毎週、確実に見られるようになったのはファンにとって、嬉しい限りですよね。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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