もうすぐ怒涛の試合ラッシュがやって来る…/原ゆみこのマドリッド

2022.08.27 20:00 Sat
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©Atlético de Madrid
「来月は忙しくなるのね」そんな風に私がカレンダーを眺めながら呟いていたのは金曜日、今季のCLグループリーグの日程をチェックしていた時のことでした。いやあ、同じ都市をホームとするチームの試合がかぶらないよう、1日遅れのELとコンフェレンスリーグのグループリーグ抽選の後、UEFAが調整してからでないと、正確な日付はわからないものの、アトレティコはグループB、レアル・マドリーはグループFに割り当て。よって今季はマドリッドの両雄の試合日が重ならず、スタジアム観戦しながら、アウェイでプレーしている方を気にして、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継に一喜一憂する必要はないようですけどね。

ただ、今年はW杯が異例の11月開催となるため、CLグループリーグの日程も繰り上り、9月第2週にCL1節が始まると、第3週には早くも2節が到来。10月など、マッチデーが3回もあって、11月頭に終了となれば、7日の16強対決の抽選で相手が決まっても、カタールに行っている間に選手たちはCLのことなど、すっかり忘れてしまうかも。

ちなみに9月の後半にはスペイン代表のネーションズリーグ、グループリーグの残り2節も組まれていて、こちらもまた夏のオフシーズンを挟みましたからね。昨季最後の試合があったのは6月の遠い彼方、私の記憶に残っているのも、カルロス・ソレル(バレンシア)とサラビア(昨季はスポルティングCPにレンタルされてプレー、今季はPSGに戻った)のゴールで2-0と勝ったラ・ロサレダ(2部のマラガのホーム)でのチェコ戦より、久々にマラガのビーチを楽しめたことの方だったりするんですが、まあそれは置いておいて。
スイスとポルトガルとの対戦を残すスペインは一応、グループ1位であるものの、2位のポルトガルとの差は勝ち点1しかありませんからね。もちろん未だ開催地さえ不明な、来年6月に予定されているファイナルフォーへの切符をルイス・エンリケ監督のチームがゲットできるかどうかも気になりますが、これがW杯前最後の代表戦となれば、招集のボーダーライン上にいる選手たちにとっては絶対、逃せないアピールチャンスになるかと。

え、木曜午前中にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でのセッションを終わらせ、その足でCLグループリーグ組み合わせ抽選会が開かれるトルコに移動。UEFA年間最優秀監督賞を受賞していたマドリーのアンチェロッティ監督が、「Marco está mirando algo para ver si puede salir/マルコ・エスタ・ミランドー・アルゴ・パラ・ベル・シー・プエデ・サリール(マルコはチームを出られるかどうか、見ているところだ)」と、8月末に市場が閉じる前にアセンシオが移籍する可能性を仄めかしていたのはもしかして、そのせいなのかって?

そうですね、ロペテギ監督(現セビージャ)に招集され、2016年のW杯ロシア大会に参加した彼だったものの、ヒザの靭帯断裂という大ケガなどもあって、ルイス・エンリケ監督からは3年ほど、まったくお声がかからず。ようやく6月の代表戦で復帰できたんですが、今季は開幕からのマドリーの3試合でまだ7分しか、アンチェロッティ監督からプレー時間をもらえてないんですよ。マドリーではいつになっても若手のイメージがあるアセンシオももう26才になりますし、クラブから来年満了となる契約延長のオファーも出ていませんからね。

たとえ、昨季は12ゴールを挙げ、ベンゼマ、ビニシウスに続く得点源だったとはいえ、やっぱりレギュラーになって露出度を高めないと、W杯に呼んでもらえないかもしれないとなれば、その辺を考えてのことだと思いますが、大丈夫。アンチェロッティ監督と一緒にCL決勝を今季こそ、迎えることのできるはずのアントゥルク・オリンピック・スタジアム(2020、2021年はコロナ禍で開催地が変更された)のあるイスタンブールに飛んだベンゼマは30代になって久しいにも関わらず、まったく衰えを感じさせないんですよ。

ええ、今季もすでにUEFAスーパーカップのフランクフルト戦とセルタ戦でゴールを挙げていますし、候補だったデ・ブルイネ(マンチェスター・シティ)、同僚のクルトワに大差をつけて受賞したUEFA年間最優秀選手賞授与の席では、当人も「34才の今の方がいい。いいプレーができている」と言っていましたしね。もしやこのシーズンは同じ年齢のレバンドフスキ(バイエルンからバルサに移籍)とのベテランFWピチチ(得点王)争いが見られる?

そんなマドリーは今週、水曜の夜にはマドリッド市内のメゾン・チュストゥ(肉料理レストラン)に選手たちが集まり、リュディガー(チェルシーから移籍)とチュアメニ(同モナコ)の歓迎会も兼ねて、親睦ディナーを開いていたそうですが、ミッドウィークにのんびりできるのも今のうち。移籍先決定待ちのオドリオソラ、軽いケガをしているナチョとバジェホを除いて、チームは日曜午後10時(日本時間翌午前5時)からのエスパニョール戦の準備を着々と進めているんですが、いざCLが始まれば、中2日、中3日の過密スケジュールが待っていますからね。

そうそう、ハードトレーニングにも励めなくなりますが、ちなみに相手のエスパニョールは今季、ビセンテ・モレノ監督からディエゴ・マルティネス監督に交代。ここまでセルタと2-2、弟分のラージョには0-2とホーム開幕戦で負けて、まだシーズン初白星を挙げておらず、前節の試合で退場したセルジ・ゴメスも2試合の出場停止処分を喰らっていますし、移籍したいんだか、ケガをしているんだか、RdT(ラウール・デ・トマス)の状態もはっきりせずと、あまり14位に終わった昨季と変わり映えしていない?とはいえ、どんな相手でも油断は禁物。マドリーファンも1-4で大勝した前節セルタ戦のようなgoleada()ゴレガダ/ゴールラッシュ)を期待しているはずです。

え、ホーム初戦の4節ベティス戦に向けて、絶賛大改装中のサンティアゴ・ベルナベウにもようやくピッチに芝が貼られ、9月にはCL同組となったライプツィヒ、シャフタール、セルティック、どこが来ることになっても万全の状態で迎える態勢を整えつつあるお隣さんは、ほっておいても強いのは誰もが知っている事実。それよりグループリーグではポルト、レバークーゼン、クラブ・ブリュージュと当たることになったアトレティコがどうしているのか気になるって?

いやあ、0-2で負けた前節のビジャレアル戦で一気にプレシーズンマッチと開幕ヘタフェ戦で見せたゴールに不自由しないチームのメッキがはがれてしまった彼らはこの3節、月曜午後10時から、メスタジャでバレンシアと対戦。ホームデビューで退場したナウエル(ウディネーゼから移籍)が2試合の出場停止、サビッチは全治4週間のケガという逆境もあるため、シメオネ監督も粛々とチームの再編成に努めていたようですけどね。リーガ開幕直前に打撲傷と咽頭炎を患ったヒメネスが3人CB制の一角に戻り、マルコス・ジョレンテがまだ右SBに回るようですが、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場では、中盤でもコンドグビアやデ・パウルらを試していたのだとか。

相手のバレンシアも初戦はジローナに0-1で勝利、次はアスレティックに1-0で敗戦と成績はアトレティコと同じなんですが、この木曜にはビトリア・ギマラエスからポルトガルU21代表のMF、アンドレ・アルメイダが加入したりと、補強も道半ばみたいですからね。待望のカバーニ(マンチェスター・ユナイテッドとの契約が終了)の入団も発表されていませんし、売却予定のマキシ・ゴメスも使えないため、アトレティコに入った早々、レンタルに出されたサムエル・リノ(ジル・ビセンテから移籍)がいい感じとはいえ、ガットゥーゾ監督も撃ち合いは望んでいないと思いますが、さて。

そして初戦でアトレティコに0-3と負け、2節では昇格組のジローナに3-1と連敗した上、キケ・サンチェス・フローレス監督がその試合で退場となり、2試合のベンチ入り禁止処分となってしまったヘタフェは日曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスにビジャレアルを迎えることに。ここは是非とも兄貴分の敵を討ってもらいところですが、どうやら相手が波に乗っているみたいでねえ。というのもエメリ監督のチームはリーガで2連勝しているだけでなく、今週はコンフェレンスリーグ(昨季から始まったUEFA第3の大会、スペイン勢が出場するのは初めて)のグループリーグ出場プレーオフ2ndレグでもハイジュク・スプリト(クロアチア)を0-2で破り、公式戦4連勝としていたから。

いえ、昨季はCL準決勝まで進んだチームが今季はハポエル・ベア・シャバ(イスラエル)、オーストリア・ウィーン、レフ・ボズナニ(ポーランド)といったエキゾチックな顔ぶれの揃うコンフェレンスリーグを戦うというのはおそらく、ファンにとても違和感がありそうですけどね。とにかく相手はワンダからシビタスと名を変えたメトロポリターノで最初のゴールを決めたジェレミー・ピノやジェラール・モレノを始め、FW陣が充実。逆にプレシーズンから続くゴール日照りがまだ解消できていないヘタフェにはちょっと荷が重い感じもしなくはありませんが、早いところ、流れを変えないと、また開幕から8試合、白星を挙げられずに長く、降格圏を低迷することになった昨季の悪夢が蘇ってくる恐れもなきにしろあらず。

私も2年続けて、彼らの心配ばかりしていたくありませんし、その辺はコリセウムのファンの熱い応援で何とかなってくれないかと期待しているんですが、こればっかりはねえ。ちなみにもう1つの弟分、ラージョの方は昨季同様、スタートは快調で、開幕戦でもスコアレスドローでバルサから勝ち点1をもぎ取っている程。しいて言えば、この2試合、ファルカオでなく、アトレティコから修行に行っているカメージョがスタメン出場しているのと、往年のゴールデンコンビ再結成にプレサ会長がもう入団の段取りをつけたと言われているジエゴ・コスタ(昨年までアトレティコ・ミネイロでプレー)の到着が遅れているのが気掛かりではありますけどね。

まあ、エスタディオ・バジェカスにマジョルカを迎える土曜の試合では、イシが負傷欠場となるため、前線のメンバーチャンジは必須ですし、年が変わった途端、絶不調に陥ったラージョはここ8カ月間、ホームのファンの前で白星を祝っておらず。きっとファルカオも勝利のゴールを挙げる気満々でいるのは間違いないと思いますが、前日記者会見ではイラオラ監督が「Es absolutamente mentira/エス・アブソルータメンテ・メンティーラ(それは完全にウソだ)」と否定していたように、彼が望んでいないから、コスタが来られないという噂はガセネタだったようですよ。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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心臓に悪い試合だった…/原ゆみこのマドリッド

「さすがに今回は派手派手しく外出していないのかしら」そんな風に私が皮肉に思っていたのは土曜日、ドーハ入り後、2度目のオフをもらったスペイン代表の選手たちの動向が、夜になってもほとんど伝わってこないのに気がついた時のことでした。いやあ、グループリーグ初戦でコスタリカに7-0と大勝をした後、最初にもらった休日にはチームの大半が有名な高級レストランに繰り出し、マルカ(スポーツ紙)などがお店の前でライブ配信していたぐらいだったんですけどね。予定通り、木曜の最終節でグループ1位通過していれば、似たような光景が繰り返されたはずですが、あいにくそうは問屋が卸さず。 日本戦でまさかの黒星を喫した彼らは、いえ、結果的には2位通過で優勝候補のブラジル、アルゼンチンがいるブロックを避けられたため、良かったとも言えなくはないんですが、3位ドイツと同じ勝ち点の2位ですからね。しかもあと5点というゴールアベレージ差を引っくり返すべく、不屈のゲルマン魂を発揮したドイツが最後までコスタリカを攻めてくれたため、何とか2位に留まれたとなれば、W杯が終わって、クラブの練習に戻った時、日本に勝つように頼まれていたカルバハルなど、リュディガーに合わす顔がない? まあ、それは個人の問題なので別にいいんですが、とりあえず、その木曜の日本戦がどうだったか、お伝えしていかないと。グループ突破は決まっていなかったものの、引分けでも大丈夫というのが影響したか、ルイス・エンリケ監督はこの試合、スタメン5人をローテーション。ええ、カルバハル(レアル・マドリー)、ジョルディ・アルバ(バルサ)、ラポール(マンチェスター・シティ)、アセンシオ(マドリー)、フェラン・トーレス(バルサ)をアスピリクエタ(チェルシー)、バルデ(バルサ)、パウ・トーレス(ビジャレアル)、ニコ・ウィリアムス(アスレティック)、モラタ(アトレティコ)に代えたんですが、2試合目まで途中出場で2ゴールを挙げた、チーム唯一の真正CFを入れたのは一応、正解に思えたんですけどね。 というのも前半11分には、開始早々にふくらはぎに打撲を受けていたアスピリクエタが上げたクロスをエリア内にいたモラタがヘッド。2017~19年にチェルシーで培われたコネクションを生かして、先制点を挙げてくれたからで、この時にはもう他会場でドイツがナブリ(バイエルン)のゴールでコスタリカに0-1とリードしていたため、日本は3位に落ちてしまうことに。それでも森保監督のチームが動揺することはなく、「esperar en la primera y atacar en la segunda/エスペラール・エン・ラ・プリメーラ・イ・アタカル・エン・ラ・セグンダ(前半は待って、後半に攻撃する)」(久保建英選手)というプランを貫いたせいでしょうかね。スペインもとりあえず、リードはしたのだからという気分だったか、0-1のまま、前半を終えたんですが…。 それが後半いきなり、「Hemos entrado en modo colapso/エモス・エントラードー・エン・モード・コラプソ(ウチは崩壊状態になってしまった)」(ルイス・エンリケ監督)のは、うーん、「相手は攻めてくるはずだから、en el descanso les dije que estuvieran atentos/エン・エル・デスカンソ・レス・ディヘ・ケ・エストゥビエラン・アテントス(ハーフタイムには選手たちに気をつけるように言った)」そうなんですけどね。アスピリクエタがカルバハルに交代しただけのスペインに対し、日本が長友(東京FC)、久保(レアル・ソシエダ)に代え、三笘(ブライトン)、堂安(フライブルク)と早めに切り札を投入したのが大当たりしたんですよ。 ええ、これも作戦だったのか、前半はほとんどGKウナイ・シモン(アスレティック)のボール出しにプレスをかけてこなかった日本の選手たちが急に迫ってきたためでしょうか。やっとこ反対側に出したゴールキックをバルデがキープできず、ボールを奪った堂安にエリア前から、シュートを決められてしまったから、驚いたの何のって。それどころか、その4分後、今度は堂安からのパスを三笘がラインギリギリから戻し、ゴール前に詰めてきた田中碧(デュッセルドルフ)に押し込まれているって、スペイン守備陣のザル疑惑はやっぱり本当だった? うーん、この2点目に関しては、三笘が蹴った時にボールが完全にラインから出ているように見える映像しか流れず、得点の有効性に疑問が残ったんですけどね。主審もVAR(ビデオ審判)からの連絡を受け、モニターを見に行っての判断でしたし、翌日には遅ればせながら、FIFAもボールの端がまだライン上に残っている映像をツィッターで公開。要は正当なゴールということで、ルイス・エンリケ監督もそこに文句をつけることはありませんでしたが、どうやら12分にコスタリカが同点ゴールを入れて、ドイツに追いついたのがパニックモードに拍車をかけたよう。 ええ、13分にはニコとモラタを下げ、フェランとアセンシオを入れ、22分にもバルデとガビ(バルサ)をジョルディ・アルバとアンス・ファティ(バルサ)へと、FW4人で反撃することになったんですが、その直後でした。コスタリカが逆転したという最悪の知らせが入ってきたのは。つまりこの時点でグループ1位は日本、勝ち点で抜かれてコスタリカが2位となり、3位のスペインは「Me enteré de que estábamos fuera, teníamos que marcar/メ・エンテレ・デ・ケ・エスタバモス・フエラ、テニアモス・ケ・マルカル(ボクらが敗退していることがわかって、点を取らないといけなかった)」(ペドリ)という状態に。 もうその頃の彼らは自陣エリア付近に固まる日本勢を完全に包囲して攻めていたんですが、何かこれって、スペイン代表ではよくある光景ですよねえ。ボールを完全に握っていても突破口が見つからず、外側でパスを回すばかりの彼らに私もかなり絶望的な気分になっていたんですが、まさに果報は寝て待てとはこのこと。そう、3分もしないうちにドイツがハバーツ(チェルシー)のゴールで同点としたため、再びスペインは2位に戻ったんですよ! ちなみにこの魔の3分間、コケ(アトレティコ)を始めとして、ベンチにいた控え選手たちがピッチにいるチームメートにゴールを入れろと、パニック状態でわめいていたにも関わらず、ルイス・エンリケ監督が「Hemos estado eliminados en algún momento?/エモス・エスタードー・エリミナードス・エン・アルグン・モメントー(ウチが敗退していた時間があったのか?)」と、試合後の記者会見でしらばっくれていたのはちょっと不思議。まあ、その後はハバーツが自身2点目、最後はフュルクルク(ベルダー・ブレーメン)も決めて、ドイツが2-4と余裕のスコアで勝ってくれましたからね。 いえ、ようやく敵の守備の隙間を縫って、アセンシオやダニ・オルモ(ライプツィヒ)が撃ったシュートが決まり、引分けになった日には、日本がドイツに抜かれて敗退してしまうところだったため、結局、2-1でスペインが負けたのは最良の結果だったとも言えますけどね。何せこの日の彼らのボールポゼッションは82.3%ともう、異次元の域に到達。それでもゴールが入らないとなると、ルイス・エンリケ監督が「Tenemos que mostrar un poco más de contundencia/テネモス・ケ・モストラール・ウン・ポコ・マス・デ・コントゥンデンシア(ウチはもう少し、決定力を示さないといけない)」と、アトレティコのシメオネ監督みたいなことを言ってしまっても仕方ない? 逆にこの日は17.7%、ドイツ戦での26%をも下回るボール保持率で勝っている日本には感嘆するしかないんですけどね。そんな彼らは月曜午後4時(日本時間翌午前0時)の16強対決でFグループ2位、モドリッチ(マドリー)を擁するクロアチアと対戦。その先には最終節後半ロスタイムのゴールでポルトガルに2-1と勝利、大番狂わせで2位通過を果たした韓国vsブラジル戦の勝者が待っていることを考えると、決して楽観はできないんですが、まあ勝負はやってみるまでわかりませんからね。 それより怖いのは、スペインが火曜午後4時から対戦するモロッコで、こちらはグループ最後のカナダ戦でもツィエク(チェルシー)とエン・ネシリ(セビージャ)のゴールで1-2と勝利し、クロアチアを抑えて首位突破。2戦目のベルギー戦キックオフ直前に気分が悪くなってスタメンを代わった、昨季のリーガのサモラ(失点率が一番低いGK)であるボノ(セビージャ)も復帰しているようですし、他にもアクラフ(PSG)など、知った顔が結構いるんですよ。 ドイツ戦、日本戦でスペインの弱みが、いかなる状況でもゴールキックをショートでしか出さないGKウナイ・シモンと本職ボランチの転向CBロドリ(マンチェスター・シティ)、ラポール、パウ・トーレス、エリック・ガルシア(バルサ)、誰が先発しても不安がある守備陣にあるのもバレてしまったため、スピードのあるエン・ネシリのカウンター攻撃を喰らうんじゃないかとか、今は不安ばかりが沸いてくるのは私だけではない?幸い、試合翌日の練習をお休みしたアスピリクエタ、別調整となったモラタも土曜に再び、ライブ配信に戻ってきたルイス・エンリケ監督によると、試合までに回復できるようなので、負傷欠場がないのは朗報ですけどね。前回のW杯では16強対決ロシア戦にPK戦で敗退したこともありますし、せめてPKぐらいはしっかり練習しておいてほしいところです。 え、すでにマドリッドの1部クラブは皆、12月末の公式戦再開に備え、ミニプレシーズンを開始したようだけど、W杯グループリーグが終わって、戻って来る選手もいるんじゃないかって?そうですね、月曜からマハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でセッションをしているアトレティコでは、カラスコ、ビッツェル(ベルギー)、ヒメネス(ウルグアイ)、そして何より、ウルグアイ代表に出向していたフィジカルコーチのプロフェ・オルテガが来週中には合流できるよう。 木曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)でスタートしたお隣さんも、いえ、ベンゼマとアラバはまだバケーション中なんですけどね。クルトワ、アザール(ベルギー)、リュディガー(ドイツ)、ベルベルデ(ウルグアイ)らがカタールを引き上げることになったため、何日かお休みをもらった後、アンチェロッティ監督の指揮下に加わるはずです。その一方ですでにプレシーズンマッチをやっているチームもあって、弟分のヘタフェは水曜にバジャドリーと対戦して、1-0で負けていたなんてことも。W杯に参加していた2人、マクシモビッチとミトロビッチもセルビアがグループ敗退したため、近日中に帰ってくるはずですが、来週木曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催するチバス戦に間に合うのかどうか。 現在、トルコツアー中のもう1つの弟分、ラージョも水曜にはフェルネバフチェと親善試合をして、こちらは3-1で敗戦。土曜にあったガラタサライ戦ではアンドレス・マルティンのゴールで0-1と勝つことができたんですが、9月にエスパニョールから移籍したため、まだラージョでデビューができていなかったRdT(ラウール・デ・トマス)もようやく試合に出ることができたのは嬉しいかと。ちなみに唯一のW杯参加選手、シスはセネガル代表の16強対決イングランド戦が日曜に控えているため、まだ帰りはいつになるかわかりません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.12.04 22:00 Sun
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ゴール祭りは終わった…/原ゆみこのマドリッド

「あんな寒々しい練習、やっぱり行かないで正解ね」そんな風に私が頷いていたのは火曜日、ようやく前日にはマハダオンダ(マドリッド近郊)でアトレティコが12月終盤の公式戦再開に備え、セッションを始めたものの、時間が午後7時と、真冬となった今は日もとっぷり暮れて辺りは真っ暗。しかも最近は急に冷え込んできたため、W杯のparon(パロン/リーガの休止期間)に入ってから、かなり出不精になっていた自分は遠慮したんですが、翌日、マルカ(スポーツ紙)の記事で映像を見つけ、その荒涼たる風景を確認することができた時のことでした。 ええ、アトレティコのトップチームでW杯に参加していない選手は10人いるんですが、初日に出勤したのはフェリペ、エルモーソ、レギロン、レイニウド、サウール、コンドグビア、レマル、クーニャの8人だけ。GKオブラク(スロベニア)とサビッチ(モンテネグロ)は母国代表がW杯に出ていないものの、親善試合があったため、木曜からの合流になるというのはともかく、ウルグアイ代表に出向しているフィジカルコーチのプロフェ・オルテガのみならず、先日、ドーハで目撃されたシメオネ監督までいないんですよお。 2日目にはさすがにシメオネ監督こそ出て来たとはいえ、マドリッド勢弟分のラージョは先週木曜から、ヘタフェも金曜から、一足先に練習を始めていますからねえ。ただ、前者は丁度、火曜に決勝トーナメント進出が決まったシス(セネガル)が、後者も金曜のグループリーグ3節スイス戦が終わるまで、カタール滞在が伸びるかどうか、わからないマクシモビッチとミトロビッチ(セルビア)がW杯に参加中なんですが、それでもヘタフェなど、それ以外の選手が大方、揃っているからでしょうね。水曜にはもう、最初のプレシーズンマッチ、バジャドリー戦を迎えることに。 その一方で、今のところ、ドーハ延泊が決まったアトレティコの選手はグリーズマン(フランス)、ジョアン・フェリックス(ポルトガル)の2人だけ。モラタ、コケ、マルコス・ジョレンテ(スペイン)、カラスコ、ビッツェル(ベルギー)、ヒメネス(ウルグアイ)、デ・パウル、ナウエル・モリーナ、コレア(アルゼンチン)、ゲルビッチ(クロアチア)らは最終節でのグループ突破を目指しているところですが、その辺は木曜からバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習再開となるお隣さんも似たような状況かと。ええ、チュアメニ、カマビンガ(フランス)、ビニシウス、ロドリゴ、ロドリゴ(ブラジル)は決勝トーナメントに進出。 カルバハル、アセンシオ(スペイン)、クルトワ、アザール(ベルギー)、バルベルデ(ウルグアイ)、モドリッチ(クロアチア)、リュディガー(ドイツ)らは難易度の差はあるものの、皆、可能性を残して、グループリーグ3試合目に挑むことになるんですが、何なんでしょうね。ここ数日、大会開幕前に左太ももをケガして代表を離脱、マドリッドでリハビリしていたベンゼマが、ネンザで帰還が決まったガジャ(バレンシア)の代わりにバルデ(バルサ)がすぐ呼ばれたスペインと違い、フランスは誰も追加招集していないため、決勝トーナメントでデシャン監督のチームに戻るかもしれないという噂がチラホラと。それが結局、火曜にはバケーションに行ってしまったとは、一体、どうなっているのやら。 まあ、そんなことはともかく、今は気になるW杯でのスペインの様子をお話ししていくことにすると。Eグループ2節のあった日曜は、後半35分にフレール(エレディアーノ)に奪われた1点が返せず、日本がコスタリカに0-1で負けてスタート。夜のスペインvsドイツ戦までは時間があったため、今も続行中のリーガ2部のレガネスvsグラナダ戦を見に、午後はブタルケに行った私だったんですが、何か久々の感じでしたね。TV以外でサッカーを見るのは。スタンドのファンたちもW杯など、よその世界の出来事のように普通に応援していましたし、何とグラナダは前半3分にGKラウール・フェルナンデスがエリア外でアルナイスを倒して、レッドカードで退場に。 ホルヘ・モリーナに代わって、控えGKの入ったため、そこからレガネスはずっと数的有利で戦うことができたんですが、守備に専念した相手に手こずったか、ゴールは後半8分になって、ラバカウンターから決めてくれた1本だけ。17分にはカジェホンにvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決められて、ヒヤリリとさせられたりもしたんですが、幸いオフサイドで認められなかったため、1-0で逃げ切れたのは助かりましたっけ。 ちなみにこのレガネス、シーズン序盤は降格圏に沈んでいたものの、現在ではもう11位、昇格プレーオフ圏までも勝ち点3に接近。ここまでの2試合、柴崎岳選手が日本代表で出場していないのを見ると、2部22チーム中3人だけのmundialista(ムンディアリスタ/W杯参加選手)を擁しているのは光栄でしょうが、最近、勝つのにちょっと苦労しているイディアケス監督としては来週火曜のミランデス戦はともかく、土曜のアンドラ戦までには柴崎選手に戻って来てほしい? 何せ、19日のサラゴサ戦を最後に2部はクリスマス休暇に入るため、コパ・デル・レイ1回戦でゲルニカ(RFEF2部/実質4部)にPK戦で負けて敗退した彼らには来年、1月8日の週末まで試合がありませんからね。柴崎選手にとってもちょっと中途半端な日程になるかと思いますが、できれば、その間に劣化状態の激しいブタルケのピッチの芝も改善もできるといいんじゃないでしょうか。 そして帰宅後は家のTVでスペインの試合を見たんですが、7-0と大勝したコスタリカ戦から、ルイス・エンリケ監督はスタメンを1人しか変えず。ええ、右SBをアスピリクエタ(チェルシー)から、風邪が治ったカルバハル(マドリー)にしただけだったんですが、前半6分には早速、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)のシュートにGKノイアー(バイエルン)が触った後、枠に当たって弾かれるというチャンスがあったため、この日もゴールは結構、簡単に入るんじゃないかと思ったんですけどね。そこはさすがドイツというか、日本に負けて後がない相手の強烈なプレスに押されたスペインは前半得点できず。それどころか、39分にはCKからリュディガー(マドリー)のヘッドでうっかり先制されるところだったんですよ。 そのゴールはオフサイドだったため、0-0のままで後半に入ったところ、早くも9分、ルイス・エンリケ監督は真正CFのモラタをフェラン・トーレス(バルサ)に代えて投入することに。それがバッチリ当たって、17分にはジョルディ・アルバ(バルサ)のラストパスをモラタがゴール前で押し込み、待望の先制点を奪ってくれたんですが、うーん、何かこのパターン、バルサからの完全移籍が決まる前、移籍金を値切ろうと、シメオネ監督が出場試合数にカウントされない後半15分以降にしか、グリーズマンを使わず、それで逆に決定的な働きをしていたアトレティコに似ていない? 実はモラタのゴールの直後には、ルイス・エンリケ監督も「Para mí la jugada clave es la acción de Marco, le ha botado un poco antes de golpear/パラ・ミー・ラ・フガダ・クラベ・エス・ラ・アクシオン・デ・マルコ、レ・ボタードー・ウン・ポコ・アンテス・デ・ゴルペアル(私にとって、肝だったのはマルコのプレー。蹴る少し前にバウンドしてしまった)」と嘆いていたんですが、アセンシオが絶好のチャンスにシュートを外し、スペインは追加点を奪えず。21分にはそのアセンシオ、小さな体で果敢に屈強なドイツ人選手に挑み、何度も吹っ飛ばされた挙句、膝を打撲したガビをニコ・ウィリアムス(アスレティック)、コケに代えたんですが、今回、交代策が功を奏したのはフリック監督の方でした。 ええ、25分にミュラー、ゴレツカ(バイエルン)、ケーラー(ウェストハム)をザネ(バイエルン)、フュルクルク(ベルダー・ブレーメン)、クロスターマン(ライプツィヒ)へと一気に3人代えたところ、いえ、丁度、スペインもバルサの後輩、バルデがジョルディ・アルバを引き継いだタイミングだったのも悪かったんですかね。38分、ラポール(マンチェスター・シティ)がエリア前でパスミスしたのがキッカケとなり、ムシアラ(バイエルン)がフェルクルクに繋いで同点ゴールを奪われてしまったから、さあ大変! いえ、そのまま1-1で引分けることができたため、スペイン自体は「Al final te quedas un poco triste, pero estamos en lo alto de la clasificación/アル・フィナル・テ・ケダス・ウン・ポコ・トリステ、ペロ・エスタモス・エン・ロ・アルト・デ・ラ・クラシフィカシオン(結局、ちょっと残念なことになっただが、それでもウチは順位表のトップにいる)」(ルイス・エンリケ監督)と比較的、安泰なんですけどね。連勝で決勝トーナメント進出を決めることができなかったため、このグループは勝ち点1で最下位のドイツを含め、最終節には4チーム全部にまだ勝ち抜けのチャンスがあることに。 おかげで試合後、カルバハルはクラブの同僚リュディガーから、オルモはラウム、クロスターマンから「日本に絶対、勝ってくれ」と頼まれたそうですが、言われなくても引分けて、コスタリカがドイツに勝てば2位通過。万が一、負けたりすると、コスタリカ勝利で敗退、引分けなら2位、ドイツが7点差以上つけてコスタリカに勝っても敗退と、リスクがない訳じゃありませんからね。「No creo que nadie tenga dudas de que vamos a salir a ganar, nos asegura el primer puesto/ノー・クレオ・ケ・ナディエ・テンガ・ドゥーダス・デ・ケ・マモス・ア・サリール・ア・ガナール、ノス・アセグラ・エル・プリメール・プエストー(ボクらが勝利を目指してプレーするのを疑う者はいないだろう。1位確定もできるしね)」とカルバハルも言っていた通り、木曜午後8時(日本時間翌午前4時)の日本戦には全力を出してくるはずですが…。 ええ、むしろこれは日本にとっては困った問題で、だってえ、日本は負けると敗退確定なんですよ。こちらは引分けでもコスタリカが勝てば敗退、ドイツが2点差以上で勝っても敗退となるんですが、となると両者丸く収まるのは2試合共ドローに終わって、スペイン1位、日本2位で通過すること?といっても他会場の試合をコントロールする訳にもいきませんしね。ただ、スペインにも弱点がない訳じゃなくて、そう、ドイツ戦ではムシアラのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)し、失点を防いでくれたGKウナイ・シモン(アスレティック)なんですが、元はと言えば、これは敵にゴールキックしてしまった当人が引き起こしたピンチ。 彼は前半もエリア内にいたナブリ(バイエルン)にパスしていて、この時はシュートが外れてくれたため、事なきを得たんですが、やっぱり自分のクラブでやり慣れていないプレーはするもんじゃない?いえ、ルイス・エンリケ監督は「Todos los equipos que salimos jugando desde atrás corremos riesgos/トードス・ロス・エキポス・ケ・サリモス・フガンドー・デスデ・アトラス・コレモス・リエスゴー(後ろからプレーしていくチームはどこも危険を冒している)。ノイアーも同じことをしていた」と、あまり気に留めてなかったんですけどね。折しも月曜と火曜の練習ではガビと共に2試合、ボランチから転向CBとしてプレーしたロドリ(マンチェスター・シティ)も打撲で個別調整していたため、日本戦ではルイス・エンリケ監督も本職CBのパル・トーレス(ビジャレアル)やエリック・ガルシア(バルサ)の投入を検討しているかもって…うーん、彼らをイマイチ信用できないのは私だけ? ブスケツがイエローカードをもらったため、累積警告で16強対決が出場停止にならないように温存されて、ボランチにコケ、もしくはロドリがスタメンで入るという予想もあるんですけどね。ちなみに今回、休養日を設けなかったスペインですが、月曜午後には選手、スタッフの家族がカタール大学の寮を訪問。コケなど、3才になる息子のレオ君とグラウンドで遊んでいる映像がSNSに上がっていたりしたんですが、火曜の練習には日本のマスコミが大挙して来たなんて報道も。 そこですかさず記者会見にコケを出し、「チームは意欲とエネルギーに満ちていて、queremos seguir haciendo lo que venido haciendo porque lo estamos haciendo bien/ケレモス・セギール・アシエンドー・ロ・ケ・ベニードー・アシエンドー・ポルケ・ロ・エスタモス・アシエンドー・ビエン(ウチは上手くやっているから、今までやってきたことをやり続けたい)」なんてコメントで煙に巻いていたのは、サッカー協会の作戦だったかどうかわかりませんけどね。「Creo que será un partido parecido porque los alemanes se parecen al juego de España/クレオ・ケ・セラ・ウン・パルティードー・パレシードー・ポルケ・ロス・アレマネス・セ・パレセン・アル・フエゴ・デ・エスパーニャ(ドイルのプレーはスペインに似ているから、似たような試合になると思う)」(コケ)って、ドイツが日本に逆転負けしたのを踏まえて言っている? うーん、月曜のライブ配信でルイス・エンリケ監督も「難題を持ちかけてくるチームだ。タケ(久保建英)やドイツでプレーしている選手たちがね。Vamos a tener que estar muy atentos y sin especular/バモス・ア・テネール・ケ・エスタル・ムイ・アテントス・イ・シン・エスペクラル(ウチは注意を怠らず、逡巡しないで行かないといけない)」と日本を評価していましたが、果たしてこの一戦、どんな結果となるのやら。ちなみにA代表としては両者、これまで親善試合で1回しか対戦しておらず、2001年にスペインが1-0で勝利。直近では2021年の東京オリンピック準決勝延長戦でアセンシオがゴールを挙げ、スペインに軍配が挙がっているんですが、その時のメンバーがスペインには7人、日本には9人もいるというのは何か、因縁を感じますよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.11.30 19:00 Wed
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あまりのゴール力に茫然としている…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱりシメオネ監督だったのね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、W杯開催中のカタールからのニュース映像で最近、ご無沙汰している顔を見かけたなと思ったところ、後々、バケーション中のアトレティコの監督が、CONMEBOL(南米サッカー連盟)がドーハで開いたマラドーナ2回忌追悼の催しに出席していたことをスポーツ紙で確認できた時のことでした。いやあ、折しも前日はガーナとの初戦に挑んだポルトガルでジョアン・フェリックス(アトレティコ)が先発出場。クリスチアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッドとの契約を先日解除)の先制PKゴールをアイェウ(アル・サッド)に帳消しにされた後、後半33分、勝ち越し点ゴールを挙げていたんですけどね。 すでにロナウドとジョアンがベンチに下がっていた頃、ガーナもブカリ(ツベルナ・ズベズダ)のヘッドで2点目を奪ったため、その前にレオン(ミラン)が3点目を決めてくれていたのが幸いした形ですが(最終結果3-2)、アトレティコの試合と違い、代表ではノビノビとプレーしているように見える彼について、シメオネ監督が意見を求められたのは当然だったかと。いえ、一応、クラブでの上司は「Le vi muy bien/レ・ビ・ムイ・ビエン(とてもいいように見える)。この大会はジョアンにとって理想的だ。短期決戦では、彼のような選手がプレーの美しさやスピードでファンを魅了する」と部下を褒めていたんですけどね。 ただ、ジョアンの好調は今に始まったことではなく、今季の野望のかなりの部分が潰えた、10月下旬からの悪夢の5試合連続白星なし期間中、彼は3得点とチームで唯一、ゴールを決められるFWであることを証明。ポルトガル代表に向かう前の最後の試合、コパ・デル・レイ1回戦のアルマサン(RFEF3部/実質5部)戦でもネットを揺らし、今季のアトレティコに残された、たった1つの優勝の可能性がある大会で2回戦に進む手助けをしてくれましたからね。 それだけに金曜午後、「ジョアンは1月にアトレティコを出るつもりで、代理人のジョルジュ・メンデス氏に移籍先を探すよう頼んだ。昨夏は断固、売却を拒否したアトレティコも今回は引き止めるつもりがない」なんて記事がマルカ(スポーツ紙)に出ていたりすると、もしや、今では到底、2019年にベンフィカに払った移籍金1憶2700万ユーロ(約185億円)の元は取れず。それでもW杯で活躍すれば、なるたけ高値で放出して、CL及びヨーロッパの大会からの完全敗退による収入減を少しでも補えるかもというクラブの目論見にシメオネ監督も賛同しているんじゃないかと疑ってしまったのはきっと、私だけではない? でもそうなると、年末から再開するリーガで来季のCL出場権を獲得するための4位以内をキープ。更に12月22日に開催が決まった2回戦アレンテイロ(RFEF2部/実質4部)戦を皮切りに1月中、32強、16強、準々決勝と続く、コパで勝ち進むためのゴールは一体、誰が決めてくれるのかと、怖くなってくるんですが、実際、W杯グループリーグ1節が終わった金曜時点で得点を挙げたアトレティコのアタッカーはジョアン以外、モラタ(スペイン)だけですからね。 グリーズマン(フランス)、コレア(アルゼンチン)、カラスコ(ベルギー)らは不発となれば、シメオネ監督もカタールでのんびりしていないで、来週月曜に始まる今季2度目のプレシーズン練習をちょっとでも前倒しして、W杯不参加のクーニャやレマル、サウールらにシュート特訓でも課した方がいいのでは?まあ、そんな風に私が思ってしまうのは何と、弟分のラージョがこの木曜から、練習を再開していると知ったせいで、いえ、まだ各国代表の親善試合に参加していたファルカオ(コロンビア)、ディミトリエフスキ(マケドニア)、カメージョ(スペインU21)は戻っていないんですけどね。 彼らはもう、12月20日のコパ2回戦アトレティコ・サングンティーノ(RFEF2部)戦に向けてのロードマップも完璧で、この月末にはトルコツアーに出て、30日にはフェネルバフチェ、12月3日にはガラタサライ、戻って来た10日にはアトレティコ、17日にもニューキャッスルと足慣らしの親善4試合も決定済み。いよいよ、夏の移籍期間後にエスパニョールから河岸を変えたRdT(ラウール・デ・トマス)が1月の公式戦デビュー前にして、ラージョでプレーする姿も見られるはずですしね。それこそ、コンフェレンスリーグ出場圏の7位まで勝ち点差1の8位。同じ勝ち点でアトレティコとベティスが占めるEL出場圏の5、6位までも2差の位置に付ける彼らの野心を感じさせるような、早期プレシーズンスタートと言っても過言でないかと。 ちなみに弟分仲間のヘタフェも近日中に12月20日のコパ2回戦、ディオセサーノ(RFEF2部)戦を目指して、練習開始となるはずですが、スペイン・スーパーカップ参加チームとして、まだコパが免除されているレアル・マドリーは12月1日に再開。といってもW杯開幕前に左太ももを負傷して、フランス代表を離脱したベンゼマなどはすでにバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でリハビリに励んでいますし、11人もの選手がカタールに行っているアンチェロッティ監督としては、これ以上、誰もケガして帰ってこないように祈るしかないかもしれません。 え、それより肝心のスペインのW杯初戦はどうだったのかって?いやあ、水曜は先にキックオフとなったドイツvs日本戦をランチがてら、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた私だったんですけどね。案の条、前半33分にギュンドガン(マンチェスター・シティ)のPKで先制されながら、後半の選手交代策が効いて、30分には堂安律選手(フライブルク)、38分には浅野拓磨選手(ボーフム)のゴールが決まり、日本が見事な逆転勝利を挙げるのを喜んでいたのは自分だけ。他のお客さんたちはまったく試合に興味がなかったようで、バルの店員さんまでが、「日本が勝ったの?」と訊いてくる始末だったんですが、それはまあ、置いておいて。 スペインvsコスタリカ戦の方はTVE(スペイン国営放送)でも中継があったため、家に戻って見たんですが、スポーツ各紙の先発予想は完全に外れ、チーム唯一の真正CFだったモラタでなく、ルイス・エンリケ監督はアセンシオ(マドリー)のfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/シャドーCF)を採用。それが見事に当たって、開始10分までに彼とダニ・オルモ(ライプツィヒ)がペドリ(バルサ)のラストパスから、シュートしていたんですが、最初にアシストを記録したのは18才のガビ(バルサ)でした。ええ、11分、エリア内のダニ・オルモにボールを送ったところ、敵DFに当たったボールをvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めてくれるんですから、有難いじゃないですか。 いやあ、最初、コスタリカの5人DF制を見た時は膠着した試合展開を恐れた私だったんですけどね。この日のスペインは素早いボール回しで隙間を作り、21分にはジョルディ・アルバ(バルサ)のクロスをアセンシオがワンタッチで決めて、早くも2点目をゲットすることに。スペイン黄金時代の最後のタイトル、2012年ユーロも経験している左SBは30分にも、今度はドゥアルテ(アル・ワフダ)にエリア内で倒されてPKを獲得。「El lanzador de penaltis lo decido yo/エル・ランサドール・デ・ペナルティス・ロ・デシド・ジョ(キッカーを決めるのは私だ)」というルイス・エンリケ監督に指名されたフェラン・トーレス(バルサ)がそのPKをしっかり沈め、現在、交際中の監督の長女さんを失望させることはありませんでしたっけ。 前半だけで早くも3点差としたスペインだったんですが、ロッカールームで「En el descanso hemos hablado de que los goles eran importante/エン・エル・デスカンソ・エモス・アブラードー・デ・ケ・ロス・ゴーレス・エラン・インポルタンテス(ゴールの数は重要だと、ハーフタイムに話し合った)」(カルロス・ソレル/PSG)という彼らは後半もアクセルを緩めず。ええ、9分にはゴール右前でブライアン・オビエド(レアル・ソルトレーク)にボールを取られそうになりながら、諦めなかったフェランがGKケイロル・ナバス(PSG)が出て来たのも幸いして、4点目のゴールを決めてくれます。するとそこから、スペインはローテーションを始め、12分にはフェラン、ペドリがモラタ、ソレルに、18分にはブスケツ(バルサ)、ジョルディ・アルバがコケ(アトレティコ)、バルデ(バルサ)に、23分にはアセンシオがニコ・ウィリアムス(アスレティック)に交代。 それがまたチームに勢いを与えたか、39分には、うーん、せっかくエリア内でボールを受けながら、ケイロル・ナバスに邪魔されて、モラタはシュートを撃てなかったんですけどね。再び回ってきたボールを上げ、「ボクがいるのをモラタが見てくれて、tenía muy claro desde que salió la pelota que iba a darle de primeras/テニア・ムイ・クラーロ・デスデ・ケ・サリオ・ラ・ペロータ・ケ・イバ・ア・ダールレ・デ・プリメーラス(クロスをもらった時から、ファーストタッチで蹴るって決めていた)」ガビにW杯史上3番目の最年少得点者となる栄誉を贈ることに。 44分にもニコがゴール前に入れたラストパスをケイロル・ナバスが弾いたボールをソレルが押し込み、「Primero se lo he dedicado a mi novia Marta y luego a Jose/プリメーロ・セ・ロ・エ・デディカードー・ア・ミ・ノビア・マルタ・イ・ルエゴ・ア・ホセ(まずは彼女のマルタに、それからホセに捧げた)」という、軽いネンザでドーハまで来て代表離脱。昨季までバレンシアのキャプテンマークを分けった仲のガジャも喜んだであろうゴールを挙げ、とうとう6点まで行ったスペインだったんですが、良かったですよね。ロスタイム2分にはモラタもエリア内からシュートを決め、ようやく自分のゴールを手に入れられたのは。 いえ、アトレティコの試合なんかだと、私も「3点目以降は次の試合にゴールをとっておけばいいのに」なんて、ケチ臭い考えが浮かんできたりするんですけどね。2006年以来となるW杯初戦白星を7-0というgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で挙げ、試合後はロッカールームを訪問したスペイン国王、フェリペ6世にも祝福されていたルイス・エンリケ監督も、「Está espectacular, a un nivel... pletórico de confianza, ha estado soberbio como 9 en el remate/エルタ・エスペクタクラル、ア・ウン・ニベル…プレトリコ・デ・コンフィアンサ、ア・エスタードー・ソベルビオ・コモ・ヌエベ・エン・エル・レマテ(目を瞠るようなレベルで、自信に溢れていて、シュート時には見事に9番としての役目を果たした)」と褒めていたアセンシオを始め、ゴールづいている選手が多いのは本当に心強い。 もちろん、コスタリカが82%という、スペインでも滅多にない高いボールポゼッションを許し、シュートは1本も撃たず。しかもPSGで出番のないケイロル・ナバスが今季最初の公式戦だったというのも助けになったのは確かですが、これだけ完璧な初戦を見せられては、2010年以来、2回目のW杯優勝を夢見たファンも多かったのでは?1つだけ気になったのは、本職ボランチのロドリ(マンチェスター・シティ)がCBとして、ラポール(同)の相方を務めていたことで、これではエリック・ガルシア(バルサ)やパウ・トーレス(ビジャレアル)が信用できないんじゃないのかと、世間から思われてしまうことですが…。 大丈夫、ルイス・エンリケ監督も「No he repetido nunca una alineación, probablemente no repita/ノー・エ・レペティードーヌンカ・ウナ・アリネラシオン、プロバブレメンテ・ノー・レピタ(私はスタメンをリピートしたことはないから、多分、リピートしない)」と言っていましたし、日曜午後8時(日本時間翌午前4時)からのドイツ戦では、きっと彼らにも活躍の順番が回ってくるのでは?若い選手が多いスペインだけに大勝に過信してしまう懸念もありますが、そこはブスケツ、ジョルディ・アルバ、コケら、ベテランがしっかり手綱を握って離さないはずですしね。予想外の黒星発進で、「日曜にはウチにも最終節で決勝トーナメントに進出できる可能性があることを示さないといけない」(フリック監督)と必勝を誓っているドイツにも決してやる気で劣ることはないかと。 そんなスペインはコスタリカ戦の翌日、カタール大学のグラウンドでリハビリセッションを行った後、金曜は合宿を開始してから初めて練習がお休みに。選手の多くはトルコ人シェフの経営する有名な高級レストランチェーン、ソルトバエにお肉を食べに行ったようですが、家族と午後を過ごした後、夜には寮に戻り、この日、20才のバースデーを迎えたペドリが夕食の時、皆に祝ってもらっていたなんてことも。そうそう、試合当日こそ、予告通り、ルイス・エンリケ監督のライブ配信はなかったものの、また木金と復活していて、いやあ、コスタリカ戦でフェランがゴールを挙げた後、おしゃぶりのポーズをしていたなんてデマが出回ったせいでしょうかね。 ポル第2監督をゲストに迎えた金曜のストリーミングでは、本当にフェランがその、彼女の妊娠を祝うパフォーマンスをしたらと視聴者に訊かれ、「ゴールは嬉しいが、como haga ese gesto lo cambio y no vuelve a pisar el césped. Bromas las justas/コモ・アガ・エセ・ヘストー・ロ・カンビオ・イ・ノー・ブエルベ・ア・ピサール・エル・セスペッド。ブラマス・ラス・フスタス(それをしたら、彼を交代させて、2度とピッチに入れない。冗談もほどほどに)」と答えていましたが、娘の彼氏が代表選手にいるっていうのもやっぱり、ちょっと考えもの? 何はともあれ、ドイツ戦はハーフタイムで交代した久保建英選手(レアル・ソシエダ)も試合後、「Esperemos tener el trabajo hecho antes del ultimo partido ante Espana/エスペレモス・テネール・エル・トラバッホ・エッチョー・アンテス・デル・ウルティモ・パルティードー・アンテ・エスパーニャ(スペインとの最終戦を迎える前にグループ突破を決めたいね)。その試合が決戦にならないように」と言っていたように、日曜にコスタリカ戦に挑む日本共々、スペインも早めに決勝トーナメント行きの切符を手に入れることができるといいのですが…。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.11.26 22:00 Sat
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毎日、試合は沢山あるけど…/原ゆみこのマドリッド

「これは他山の石にしないと」そんな風に私が気を引き締めていたのは火曜日、W杯3日目最初の試合で優勝候補の一角だったアルゼンチンがサウジアラビアに1-2と、予想外の敗戦を喫したのを知った時のことでした。いやあ、いつもことではありますが、スペインの試合は今回、全てTVE(スペイン国営放送)のオープンチャンネルで放送してくれるものの、他の試合はバル(スペインの喫茶店兼バー)に足を運ばないと見られず。グループリーグ中はビッグネームのチームが出ても相手は大抵無名ですし、いやはや、冬季開催W杯の落とし穴がこんなところにもあったとは! そう、ここ数日は寒さが本格的になってきたせいで、家から出るのが億劫になり、スペイン戦以外、ニュースでサマリーを確認するだけいいやと思ってしまったんですが、もしかして今大会、マドリッドでオープンエアのパブリックビューイングをやるという話を一切、聞かないのもそのせいだった?それでもイングランドがイランに6-2のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝ったなんて聞くと、試合を見に行けば良かったと後悔したりもするんですが、他は開幕戦のカタールvsエクアドル(0-2)、セネガルvsオランダ(0-2)とそこそこのスコアで順当勝ちしていましたからね。 うっかりアルゼンチンの試合などを見て、アトレティコではダメダメのデ・パウルやナウエルがフル出場で大貢献したり、追加招集となったコレアが、いえ、彼はサルジアラビア戦ではベンチ観戦だったんですけどね。シメオネ監督のチームでは滅多に決まらないゴールを挙げて、イラッとさせられるのもイヤだったんですが、大丈夫。2010年のスペインだって、初戦でスイスに負けた後、ホンジュラス、チリに連勝してグループを首位通過。そこから初優勝に向けて突っ走ったんですから、アルゼンチンも初戦、スコアレスで分けたメキシコとポーランドとの残り試合に勝てば、特に問題はないかと。 といっても水曜午後5時(日本時間翌午前1時)からのスペインデビューとなるコスタリカ戦では、ええ、チームで唯一、これが4回目のW杯参加、2010年優勝も経験しているブスケツ(バルサ)も「De todos los que he jugado ninguno lo he empezado ganado, ya va siendo hora/デ・トードス・ロス・ケ・エ・フガードー・ニングーノ・ロ・エ・エンペサードー・ガナードー、ジャー・バ・シエンドー・オラ(自分がプレーしたW杯はどれも白星スタートできていない。そろそろ勝つ頃だよ)」と前日記者会見で言っていたんですけどね。それこそ2014年ブラジル大会では初戦でオランダに1-5と大敗して、まだ挽回可能と言っている間に2戦目もチリに負けて、早々にグループ敗退が決定してしまいましたからね。 後々、焦らなくていいように、ここは初戦から必勝の心構えで行ってほしいところですが、かといって、ただ勝てばいいという訳でもなく、だってえ、2006年のW杯なんて、グループリーグ3連勝しながら、16強対決でフランスにコロッと負けちゃったんですよ。それどころか、開幕直前にロペテギ監督(現ウォルバーハンプトン)が解任されるという悲劇があった、直近の2018年ロシア大会ではポルトガルと引分けで始まって、イランには勝ったものの、モロッコとも引分け。とりあえず、1位通過で挑んだ16強対決では開催国と1-1で延長戦にもつれ込み、挙句の果てにPK戦でコケ(アトレティコ)とイアゴ・アスパス(セルタ)が失敗して敗退という最悪な終わり方もありましたっけ。 どちらにしろ、コスタリカ、ドイツに連勝してさっさと突破を決めて、最後の日本戦ではローテーションできるぐらいの展開の方が、16強対決に備えて、力を蓄えられるんじゃないかと思いますが、一応、先週金曜にドーハ入り。それからずっと、カタール大学の寮に籠り、キャンパス内にあるグラウンドまで電動キックボードで通って、月曜などはダブルセションもする程、熱心にトレーニングを続けているスペイン代表の近況をお伝えしていくことにすると。 実はその初日には、テストマッチだったヨルダン戦前日の練習で足首をネンザしたガジャ(バレンシア)が代表離脱しているんですが、それが当人も自身のツィッターで、「No es fácil de asimilar que uno de tus sueños de niño se va al traste por un esguince leveノー・エス・ファシル・デ・アシミラル・ケ・ウノ・デ・トゥス・スエニョス・デ・ニーニョス・セ・バ・アル・トラステ・ポル・ウン・エスギンセ・レベ(軽いネンザのせいで子供の頃からの夢が台無しになるのを受け入れることは簡単じゃない)」と呟いていたせいもあったんですけどね。クラブに戻って検査を受けたところ、上手くいけば、コスタリカ戦にも間に合うんじゃないかというぐらい軽度という診断だったため、とりわけバレンシアファンの間で物議を醸すことに。 まあ、それにはもう1人のバレンシア勢、ギジャモンも先週月曜に代表がラス・ロサス(マドリッド郊外)の協会施設に集まってから、ヒザの負傷のリハビリをずっとしていて、この火曜まで1度もチーム練習に参加せず。下手したら、応援するクラブの選手がいなくなってしまうかもしれないという危機感もあったんでしょうけどね。その辺りの経緯をルイス・エンリケ監督が詳しく話してくれたのは、火曜のコスタリカ戦前日記者会見でのことでした。 曰く、「代表の医者は全治10~15日、最初の2試合はプレーできないと言った。バレンシアファンやガジャ自身の意見を聞きいれて、y Jordi Alba se me lesiona. ¿No tengo laterales para debutar?/イ・ジョルディ・アルバ・セ・メ・レシオナ。ノー・テンゴ・ラテラレス・パラ・デブタル(それでジョルディ・アルバがケガしたら、デビュー戦にSBが1人もいないことにならないか?)。左SBは唯一、選手の回復を待つことができないポジションで、もし他の場所だったら、彼を残していただろう」とのことで、うーん、ヨルダン戦なんて、本職CBのラポールがプレーしていましたけどね。 ただ、確かにこれが右SBなら、カルバハル(レアル・マドリー)、アスピリクエタ(チェルシー)が同時に負傷しても、アトレティコでそのポジションの経験を積んでいるマルコス・ジョレンテがいたりと、融通が利きそうですが、ガジャの代わりに追加招集された19才のバルデ(バルサ)がU21代表から河岸を変えて、土曜にはもうドーハに到着。普通なら、ラス・ロサスでやっていたはずですが、今回は大会前期間が短いためでしょうね。月曜に行われたオフィシャルフォト撮影にも間に合いましたが、彼はこれが大人の代表初体験。いきなりの大舞台で物怖じせず、実力が発揮できるかは不明ですが、チームにはバルサの先輩が7人もいるとなれば、大船に乗った気でいていい? ちなみにギジャモンの方はやはり、試合に出られるのは2戦目のドイツ戦以降になりそうで、そのせいですかね。ルイス・エンリケ監督は練習で本職ボランチのロドリ(マンチェスター・シティ)にCBの特訓を施しているのだとか。この辺はギジャモン自身、バレンシアではボランチを務めながら、代表にはCBとして招集されたという事情があるため、ちょっと面倒臭いんですが、まあ、中盤のスタメンはほぼ、コスタリカ戦の2日後に20才のバースデーを迎えるペドリ、18才のガビを33才のブスケツ率いるバルサトリオで決まりのよう。 そんな中、先日のライブ配信では、「en Catar tienen el aire puesto fortísimo y hay que ir apagando/エン・カタール・ティエネン・エル・アイレ・プエストー・フォルティシモ・イ・アイ・ケ・イル・アパガンドー(カタールじゃ、エアコンが強すぎて、消して回らないといけない)」とルイス・エンリケ監督が漏らしていたように、極端な低温設定のせいで風邪を引いたモラタ(アトレティコ)とカルバハルも回復と、いいニュースもあるスペインなんですが、そうそう。そのルイス・エンリケ監督の配信はTwitchで、午後8時過ぎ(日本時間翌午前4時)から、先週は金土日と3回あって、月曜はお休みした後、火曜にまた再開。 初日は24万人もいた視聴者も今は7万人ぐらいに落ち着いたようですが、一番驚かされたトークはルイス・エンリケ監督自身が、「Mi prolongación en el campo? Ferran Torres. Si no me coge mi hija y me corta la cabeza…/ミ・プロロンガシオン・エネル・カンポ?フェラン・トーレス。シー・ノー・メ・コヘ・ミ・イハ・イ・メ・コルタ・ラ・カベッサ(ピッチでの自分の延長役?フェラン・トーレス。彼を選ばないと娘が私のクビを切る)」と、バルサのFWと監督の21才の長女がお付き合いしていることをバラしていたことでしょうか。 うーん、丁度その翌日、定例会見で話すことになったフェラン自身は、「Lo sabemos diferenciar cuando es familiar o cuando somos seleccionador y jugador/ロ・サベモス・ディフェレンシアール・クアンド-・エス・ファミリアル・オ・クアンドー・ソモス・セレクシオナドール・イ・フガドール(ボクらは家族の時と代表監督、選手である時を分けることを知っている)」とあまり気にしていないようでしたけどね。そのおかげで、バルサで不調の時も代表に呼ばれていたんじゃないかとか、コスタリカ戦でもモラタ、サラビア(PSG)らと共に先発予定前線トリオに入ったんじゃないかと言われたりしても、あまり気にならない? それはともかく、監督がストリーミングで言っていた試合当日のチームの予定を紹介しておくと、「午前中、ランチまで選手たちは自由時間。それから敵チーム、コスタリカの情報を聞いて、スタジアムに出発する前に私が話すミーティングがある。会場ではアップして、キックオフでピッチに出る前にブスケツが檄を飛ばす」そうなんですが、その頃にはもう、同じグループのドイツvs日本戦(午後2時/日本時間午後10時)も終わっていますからね。次回の配信は水曜のマッチデーの夜はありませんが、木曜には日曜のライバルであるドイツ、そして最終戦の相手、日本についても意見が聞けるかもしれませんね。 そして最後にガジャ同様、W杯が始まる前に代表を諦めないといけなくなったベンゼマについても触れておくと、paron(パロン/リーガの中断期間)前から、しばらく筋肉疲労で試合に出ていなかった彼はフランス代表に合流してからもずっと個別調整していたんですけどね。初めてチーム練習に参加した土曜に左太ももを痛め、全治3週間ということで、日曜にはドーハを発ち、月曜から早速、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場にリハビリに通うことに。何せ、今はW杯に行っていないマドリー選手たちは12月1日までバケーションですからね。この期間、RMカスティージャのラウール監督の下で練習することにしたバジェホぐらいしか、トップチームの仲間と会えないのはちょっと淋しいかも。 まあ、それでもマドリッドの同僚チュアメニ、そしてアトレティコのグリーズマンも先発した火曜のオーストラリア戦でフランスは4-1の快勝で発進。せっかく2014年大会以来、2度目となるW杯出場をベンゼマが果たせなかったのは残念ですが、デシャン監督のチームには死角がなさそうですからね。当人もその点に関しては気が楽かと思いますが、逆にビニシウスやロドリゴ(ブラジル)やアセンシオ(スペイン)らがW杯で英雄になって帰って来たら、年末に再開するリーガで主役を奪われてしまう?何にせよ、マドリーは冬の移籍市場でFWを補強する予定はないそうなので、ベンゼマにはそれまでにじっくり、ケガを治してもらいたいところです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.11.23 13:00 Wed
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選手だって回復する時間はほしいだろうに…/原ゆみこのマドリッド

「何だか全然、いい予感がしない」そんな風に私が不安になっていたのは月曜日、アトレティコが珍しくCLアウェイ戦前日練習を相手のスタジアムではなく、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でやると聞いて、見学に行った時のことでした。いやあ、その日はセッションの場所もミニスタジアムではなく、グラウンドに向かう敷地内の道を辿っている途中など、チームメートが練習を開始したばかりなのを尻目にモラタがスタッフに付き添われ、ロッカールームに帰っていくところにバッタリ遭遇。やはり、カディス戦で踏まれた足の痛みや腫れが引かず、ポルト戦には出られないんだろうと絶望したせいもあるんですけどね。 唯一、外部からも見られる角グラウンドでのセッションにいた選手も何だかヤケに少なくて、フィールドプレーヤーはカテンラーノ(アトレティコBの選手)の助っ人を入れても16人程。ええ、筋肉系の負傷のリハビリ中のコケ、レマルはもちろん、レイニウドも疲れが溜ってジム籠り、土曜の試合後半に交代したコンドグビアは隣のグラウンドで別調整ともう、全週2試合ペースだった10月の連戦による選手たちの疲労蓄積による身体トラブルも今ここに極まれりといった感じだったんですよ。それでもいい結果が出ていれば、まだ救われるものの、彼らはここ2試合、CLレバークーゼン戦、カディス戦と後半ロスタイムで最悪な経験をリピート。 こうなると、火曜午後6時45分(日本時間翌午前2時45分)からのCLグループリーグ最終節、ポルト戦に勝って、少なくとも3位で来年ELをプレーできる権利を掴めるかどうかも定かではありませんが、こんな大事な試合前なのに練習場の柵に応援メッセージを書いた横断幕一つなかったのはもしや、ファンからも見放された?いやまあ、この日はpuente(プエンテ/連休)の最中とあって、マドリッドを離れているファンも多かったのかもしれませんしね。 実際、カディス戦の後、「hay que ajustar esa ansia que tenemos por querer ganar /アイ・ケ・アフスタール・エサ・アンシア・ケ・テネモス・ポル・ケレール・ガナール(勝ちたい思いから生まれる焦りをコントロールしないといけない)」と選手たちのメンタル面を心配していたシメオネ監督も彼らにゆとりを与えたかったんでしょう。練習メニューもロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)を形を変えて幾つかやった後、ミニゴールを使ったシュート、2人組でヘッドでのパス交換から、最後はvolea(ボレア/ボレーシュート)という、かなり遊びの要素が入ったものでしたし、仮想スタメンの予行演習もなし。 夕方、練習場から出るバラハス空港行きのチームバスに、「Kondogbia y Álvaro querían estar y pidieron venir/コンドギビア・イ・アルバロ・ケリアン・エスタル・イ・ピディエロン・ベニール(コンドグビアとモラタはチームと一緒にいたくて、遠征参加を頼んだ)」(シメオネ監督)という2名とレイニウドも乗っていたのは朗報でしたけどね。すでに1週間程、セッションに参加しているマルコス・ジョレンテが招集されていないのはもうW杯も近いため、ケガの再発を恐れているのかもしれません。 え、それでこの1週間で2度目の悲劇となった、そのカディス戦というのはどういう試合だったのかって?うーん、確かに開始27秒、エムバイエのロングパスをエスピーナがエリア近くで受け、そのラストパスをボンゴンダに決められて、いきなり先制点を奪われたのも目が点だったんですけどね。そこへ6分にはモラタがエムバイエにエリア内で足を踏まれながら、PKももらえず、10分にはクーニャに交代という、ダブルパンチを受けたんですが、30分にはそのエムバイエもケガでチュストと代わっているため、その辺は因果応報だったかと。 前半ロスタイムのソブリーノの1対1のシュートはGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたため、1-0のまま、後半が始まったんですが、どうやら最近のコレアはシュートが決まらない病が再発してしまったことが発覚。そこでシメオネ監督も15分には彼と、レバークーゼン戦のラストプレーだったPKを敵GKに弾かれ、グループリーグ敗退の戦犯に最も近い存在となってしまいながら、立ち直りを期待して、その日も先発に入ったカラスコをグリーズマンとジョアン・フェリックスに交代。前者は疲労蓄積を考慮してのローテーションによる控えスタートだったんですが、ここ8試合、すっかりベンチ観戦の常連と化していた後者にとっては、クーニャが早く出たおかげで順番が繰り上がったのがモチベーションになった? いえ、ジョアンが主役となったのは36分、再びエスピーノがラストパスを送り、今度はアレックス・フェルナンデスにカディスの2点目を決められた後だったんですけどね。近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でTV観戦していた私もアトレティコのあまりのザル守備ぶりに絶望しきっていた40分、CKからのボールを彼がジャンピングボレーでシュートしたところ、クリアしようと足を出したルイス・エルナンデスのおかげでゴールになったんですよ!おまけにその4分後にも彼がエリア前から撃ち込んで、あっという間に同点にしてしまった日には、どうしてこれまで違いを際立たせるプレーを見せてくれなかったのか、疑問に思ったのは私だけではなかったかと。 加えて、ロスタイムにはジョアンのヘッドが惜しくも外れ、土壇場の逆転勝利を夢見たファンも多かったはずですが、ただ、それもレバークーゼン戦同様、期待を持たせて絶望のどん底に突き落とされる布石だったよう。この日はラストプレーでカディスのカウンターを喰らい、アレホがエリア外右から入れたクロスから、ゴール左前に詰めていたソブリーノが勝ち越しゴールをゲット。「No lo sé ni con qué ha metido el gol/ノー・ロ・セ・ニ・コン・ケ・ア・メティードー・エル・ゴル(どこでゴールを入れたのかもわからない)」(ソブリーノ)と胸だか、お腹だかで押し込んだようですが、VAR(ビデオ審判)からケチがつくこともなく、アトレティコは3-2で負けてしまいましたっけ。 え、降格圏19位のカディスは1週間前、エスタディオ・バジェカスで弟分のラージョに5-1のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らっていなかったかって?その通りなんですが、実はイラオラ監督のチームは現在、絶好調のようで、アトレティコの次の時間帯にはサンチェス・ピスファンでアルバロ・ガルシアのゴールで0-1と勝利。いくら相手のセビージャが火曜にCL敗退、EL転戦が決定したばかりで、「El equipo estuvo desconectado/エル・エキポ・エストゥーボ・デスコネクタードー(チームはスイッチが切れていた)」(サンパオリ監督)状態だったとしても、司令塔のトレホを出場停止で、ファルカオを負傷で欠きながら、何とかしてしまったとなると、もしや次節の兄弟分ダービーで対戦するレアル・マドリーも舐めてかからない方がいい? というのは土曜の夜の試合ではバルサこそ、後半ロスタイムに頼みの綱のレバンドフスキが決めて、バレンシアに0-1と辛勝したものの、カディスにしろ、ラージョにしろ、対戦相手がミッドウィークにCLをこなしている間もじっくり調整。敵の欠点を研究する時間がたっぷりあったからですが、日曜のサンティアゴ・ベルナベウでもまさにそれが再現されることに。ええ、連戦続きのマドリーもチュアメニが当日、筋肉痛で急遽欠場、W杯がだんだん近づいているのもあって、まだベンゼマは調整中と逆境はあったかと思いますが、実際、相手のジローナは降格圏にいたチームですからね。 それがまさか、ミチェル監督が練りに練った隙のない守備態勢を破れず、前半はロドリゴのシュートがボールポストを直撃したぐらい。ジローナもヤンヘル・エレーラがゴールバーに弾かれているため、まさに拮抗していたんですが、ようやく後半25分にはバルベルデのアシストでビニシウスが先制ゴールを挙げてくれたとなれば、スタンドのファンも安心したかと。ただ、惜しむらくはその1分後、カマビンガから代わったアセンシオの強烈な一撃がGKガッサニガに弾かれてしまったことですが、この日のマドリーはツキもなかったんでしょう。 そう、30分にジローナはエースのストゥアーニを入れていたんですが、その直後にあったCKをクリアしたプレーにVAR振り返り注進が入り、アセンシオの腕がボールに触れていたことが発覚。最近は何だか、PKを弾かれるシーンばかり見ているような気がした私でしたが、ストゥアーニが外すことはなく、ジローナが同点に追いつきます。うーん、このペナルティ判定はかなり物議を醸していて、試合後は珍しく、アンチェロッティ監督まで「アセンシオと話したが、ボールは胸に当たったと言っていた。Se lo han inventando/セ・ロ・アン・インベンタードー(ハンドを作り出したんだ)」と批判。 とはいえ、いくらアセンシオが主審に「Dime dónde pongo la mano/ディメ・ドンデ・ポンゴ・ラ・マノ(どこに手を置いときゃいいのか、言ってくれ)」とかみついても、肩より上がった腕にボールが当たれば、ペナルティとされても仕方ないですからね。要は得意の根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)で勝ち越し点を奪えなかった彼らが悪いんですが、え?43分にロドリゴがゴール前から、3度トライして、ようやくボールがゴールに入りながら、得点にならなかったのはどうしてなのかって? それは、後でクルトワも「Si como portero tiene la mano encima del balon, nadie puede tocar/シー・コモ・ポルテーロ・ティエネ・ラ・マノ・エンシーマ・デル・バロン・ナディエ・プエデ・トカール(GKがボールの上に手を置いていたら、誰も触ることはできない)」と言っていたんですが、ガッサニガはロドリゴの最初のシュートを弾き、2度目を弾いた後には地面にあるボールを片手でキープ。その状態でまたロドリゴが蹴ったため、ファールを取られたのだとか。こちらもロスタイムは9分と長かったため、またドラマが見られるのではないかとファンも期待していたものの、クロースが2枚目のイエローカードをもらい、プロとして740試合目で初めて退場処分を喰らったぐらいで、そのまま試合は1-1で終了です。 まあ、この日はVAR運が悪かったのはともかく、アンチェロッティ監督も「あまりに試合が多すぎて、最高のレベルのプレーをしているとは言えない。No hay tiempo de recuperar 100% física y mentalmente/ノー・アイ・ティエンポー・デ・レクペラール・シエントー・ポル・シエン・フィシカ・イ・メンタルメンテ(フィジカル、メンタル的に100%回復する時間がないからね)」と言っていたように、もうホント、この週2試合ペースは選手たちにはたまったもんじゃなし。さすがのマドリーにもその影響はあって、先週は火曜のCLライプツィヒ戦で今季初黒星を喫したのに続いて、リーガで2度目の引分けという結果になってしまいましたが、それでも彼らの状況は他のCL出場スペイン勢からすれば、まったく羨ましい限りかと。 だってえ、リーガは2位バルサと差が勝ち点1に縮まってしまったとはいえ、まだ首位のままですし、来年、CL決勝トーナメントが待っているのは彼らだけなんですよ。いえ、まだ水曜午後6時45分からのグループリーグ最終節、すでに4位敗退が確定しているセルティックをサンティアゴ・ベルナベウに迎える一戦では、こちらも勝ち点差1に迫った2位のライプツィヒがシャフタールに勝っても大丈夫なように、勝利を目指さないといけないんですけどね。ベンゼマとチュアメニが出場できるかもまだわからないんですが、敗退決定後の消化試合のためにチェコまでビクトリア・プルゼニ戦に出向かないといけないバルサやマンチェスター・シティのホームに乗り込まないといけないセビージャ、そしてEL行きを懸けてポルトに行くお隣さんに比べれば、まさに天と地の差ですって。 そしてまたしても月曜にプレーしたヘタフェはここ5試合、白星がなかったものの、最下位のエルチェを後半9分、アレニャのクロスをエネス・ウナルが決めて、0-1で下すことに。うーん、32分にはアマビが2枚目のイエローカードをもらって、1人少なくなったり、残り2分にはそのウナルがハンドでPKを献上。同点に追いつかれるピンチもあったんですけどね。上手くいっていないチームの常というか、ボジェの蹴ったPKはGKダビド・ソリアがコースを読んでセーブしてくれたため、降格圏と勝ち点1差の17位だったのがジャンプアップして、14位まで上昇。 あとはこの土曜、奇妙な縁でマドリッド勢3連戦となるカディスをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎える試合で弟分仲間に倣うことができれば、落ち着いてW杯のparon(パロン/中断期間)に入れそうですが、さて。ちなみにヘタフェは先週、アランバリとアンヘレリがそれぞれ、足首、頬骨の手術をして、すでにリーガ再開まで欠場することが決定。兄貴分のような地獄の連戦ではなくても今週末、そしてミッドウィーク開催の14節、そしてコパ・デル・レイ1回戦のある来週はW杯に出場する各国代表に招集されない選手にとって、最後の踏ん張りどころとなりそうですね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.11.04 21:00 Fri
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