まだ市場から目を離してはいけない…/原ゆみこのマドリッド
2022.08.17 20:30 Wed
「こういうことがあるから、8月末までは安心しちゃいけないのよ」そんな風に私が気を引き締めていたのは金曜日、2、3日前から唐突に浮上していたマンチェスター・ユナイテッド移籍がほぼ決まり、お昼のニュースでラ・セスタ(スペインの民放)のレポーターがバラハス空港で渡英するカセミロが来るのを待っている姿を見た時のことでした。いやあ、正式発表されたのは金曜深夜になってからだったんですが、午前中のセッション後、アンチェロッティ監督がセルタ戦前の記者会見に登場。「He hablado esta mañana con él/エ・アブラードー・エスタ・マニャーナ・コン・エル(今朝、彼と話したよ)。新たなチャレンジ、新たなチャンスを試したいそうだ」と言っていましたからね。
「Escuchando su voluntad y deseo no hay manera de volver atrás/エスクチャンドー・ス・ボルンタッド・イ・デセオ・ノー・アイ・マネラ・デ・ボルベル・アトラス(彼の意志と願いを聞くと、もう後戻りの方法はない)」(アンチェロッティ監督)なんて言葉まで聞けば、もうこれはほとんど本決まりと言っていいかと思いますが、マンUも移籍金6000万ユーロ(約83億円)+目標達成ボーナスオプション1000万ユーロ(約14億円)を30才のボランチにポンと払って、月曜のリバプール戦から早速出場してもらいたいって、もしや相当切羽詰まっている?カセミロもカセミロで、かつて同僚だったクリスチアーノ・ロナウドなど、今季はCLに出られないせいで、退団したくてたまらず。更に去年移籍したバランもパッとした話を聞かないチームへ行くなんて、まあ、マドリーとはあと3年だった契約が4年+1年オプションとなり、年棒もほぼ2倍の2000万ユーロ(約28億点)もらえるようなんですけどね。
どう見たって報酬に釣られたようにしか思えない電撃移籍だけに、あまりレアル・マドリーファンのリアクションは好意的ではないんですが、金曜の練習でチームメートたちに別れを告げていたカセミロがいなくなってもアンチェロッティ監督は意外と平気なよう。曰く、「Si Casemiro sale, tenemos seis medios/シー・カセッミロ・サレ、テネモス・セイス・メディオス(カセミロが去ってもウチには6人、中盤がいる)。シーズンを乗り切るにはそれで十分だと思う」とのことで、この夏はチュアメニ(モナコから移籍)も来ましたし、確かにクロース、モドリッチ、カマビンガ、バルベルデ、セバージョスと壮々たるメンツが揃っているのは間違いないかと。
ただ、先週末の開幕アルメリア戦では、「若い選手たちにはマドリーのユニフォームが重かった」と監督も認めていたように、23才のチュアメニと19才のカマビンガをスタメンに並べて、敵に先制点を取られてしまい、後半からモドリッチを投入。ルーカス・バスケルとアラバのゴールで1-2の逆転という、少々危うい勝ち方をしていますからね。おまけに土曜午後10時(日本時間翌午前5時)からのセルタ戦に向けた招集リストには風邪をひいたらしいクロースが入っておらず。最近はあまり、検査でサッカーチームからコロナ陽性が出たという話は聞かないので、多分、それとは違うんだと思いますが、もちろんカセミロもリストには入らず、ビゴ(スペイン北西部のビーチリゾート)遠征の中盤は5人だけなんですよ。
9月12日発売予定、まだプレゼンされていない黒の第3ユニを着てプレーしないといけないのと共に、いきなり昨季のCL決勝リバプール戦や先日のUEFAスーパーカップ・フランクフルト戦スタメンの黄金中盤トリオがモドリッチだけになるという試練をマドリーは受けることになりますが、果たしてこの恩恵を受けるのは誰になるのか。最近はチームを出ないという結論に落ち着いたようなセバージョスの初先発や、バルベルデが中盤に回って、ロドリゴの筋肉痛も治らないため、アセンシオの今季デビューが見られるのか、一気にスタメン予想が難しくなってしまいましたが、こればっかりはねえ。
え、私が気を引き締めているのはカセミロのせいだけじゃないんだろうって?その通りで、むしろ怖いのはプレミアリーグで開幕から2連敗しているマンUがなりふり構わず補強選手を探していることで、その大きな狩場になっているのがお隣さん。水曜にはジョアン・フェリックスに1憶3000万ユーロ(約180億円)の移籍オファーを出したとか、クーニャに4000万ユーロ(約56億円)、モラタにも4000万ユーロ、木曜にはとうとうカラスコにまで触手を伸ばしてきたそうで、いえ、マハダオンダの練習場を車で出るヒル・マリン筆頭株主は今季のチーム編成は終わったのかとTVレポーターに訊かれ、頷いてはいたんですけどね。
せっかくプレシーズンから、ゴール力溢れるアトレティコを楽しんでいたファンもこの札束攻勢にはヒヤヒヤしているんじゃないかと思いますが、今のところ、当該の選手たちには河岸を変える気はないのだとか。とはいってもカセミロのケースを見れば、何があっても不思議はないんですが、シメオネ監督も大変ですよね。ええ、0-3と快勝した開幕戦、ヘタフェとの兄弟分ダービーではサウールに先発を取られたカラスコなど、この日曜午後7時30分、今季からシビタス・メトロポリターノとなってお目見えするホームデビューのビジャレアル戦でも控えが続くと、考えてしまう恐れもなきにしろあらず。
それぐらい、今季の彼らは前線の人材が豊富なんですが、そうそう、守備陣ではコリセウム・アルフォンソ・ペレスではケガでプレーできなかったヒメネスとフェリペも今週はチーム練習に参加しているという朗報が。2人が戻って来てくれば、ようやく期待の新戦力、ビッツェル(ドルトムントから移籍)も本職のボランチで実力を示せますし、いえ、実は中盤も今季は激戦区で、シメオネ監督にはコケ、サウール、レマル、コンドグビア、デ・パウルとオプションが沢山あるんですけどね。今度はお得意様の弟分ではなく、いつも苦労させられるビジャレアルが相手となれば、スタメン選択に頭を悩ますのも監督冥利に尽きる?
ただFW陣が充実しているのはリーガ開幕でバジャドリーに0-3と完勝し、木曜のコンフェレンスリーグ・プレーオフのハイジュク・スプリト戦1stレグにも4-2で勝利。今年いっぱいホームのラ・セラミカが改装工事となるため、レバンテ(今季から2部)に借りたシュタット・デ・バレンシアでは、勝手知ったるモラレス(レバンテから移籍)がハットトリックを挙げていたりしたんですが、彼以外にもジェラール・モレノ、チュクワゼ、ジェレミー・ピノ、ダンジュマ、ジャクソンといて、とうとうパコ・アルカセルなど、アラブ首長国連邦のアル・シャールジャに出されてしまったぐらい。
実はこれもちょっと変な話で、最初はレンタルだったそうなんですが、急遽、翌日にはビジャレアルがアルカセルとの契約を解除、自由移籍でアル・シャールジャに入団したのだとか。ただ、ストライカーはもっと欲しいようで、クラブはカバーニ(マンUとの契約が満了)とも交渉中のよう。うーん、彼にはバレンシアも目をつけていて、彼の地では選手獲得ダービーみたいになっているようですけどね。ガットーゾ監督のチームもやりくりが大変なようで、先にマキシ・ゴメスとマルコス・アンドレを売却してからでないと、選手登録ができないようですが、そのおかげもあったんでしょうか。昨季、ヘルタ・ベルリンからレンタル移籍して、バレンシアでプレーしたアンデレテが金曜にはヘタフェに、こちらもレンタルで来てくれたのは良かったかと。
何せ、昨季のレギュラーだったクエンカはビジャレアルのお許しが出ず、再レンタルしてもらえないようですしね。3CB制を採用するキケ・サンチェス・フローレス監督としては、これでジェネ、ミトロビッチ、ガストン・アルバレス、ドゥアルテ(グラナダから移籍)に加え、5人目のCBが来てくれたのは心強いに決まっていますって。ちなみにそのヘタフェは2週連続で月曜試合となり、今回はアウェイのジローナ戦。アトレティコのカンテラーノ(Bチームの選手)、リケルメ(昨季は2部のミランデスにレンタル)が入ったせいで元々、ちょっと気になる相手だったんですが、金曜にはお隣さんのカンテラーノ、RMカスティージャから、2部の弟分、レガネスに移籍して、2年間プレーしていたハビ・エルナンデスもレンタルで加入。
それどころか、2020年にマドリー入りして、ビニシウス、ロドリゴに続く第3の若き逸材と期待されながら、ドルトムントでの2年間の修行では30試合出場1ゴールとあまり成長が見られず。EU圏外選手の登録枠の問題もあって、この夏は久保建英選手(レアル・ソシエダに移籍)と共に西海岸ツアーには行かず、行き先を探していたヘイニエルもレンタルされた上、時折、トップチームのベンチに座っていたミゲール・グティエレスまで入ったなんて、なかなかジローナのフロントはいい目をしている?
いえ、だからといって、アトレティコに負けて黒星スタートしたヘタフェが怖気づくこともないんですけどね。モンティリビでは何とか、今季初勝ち点を挙げて、8節まで白星がなく、ミチェル監督が解任となった昨季序盤の悪夢を早々に払拭してもらいたいところですが、とにかくゴール日照りを解消しないことにはねえ。エネス・ウナルもボルハ・マジョラル(マドリーから完全移籍)も昨季後半は普通に得点できていたんですし、開幕戦でバレンシアに1-0で負けたミチェル監督(こっちは元ラージョ)のジローナ相手なら、きっとチャンスも巡ってくると信じてはいるんですが…。
え、カンテラーノと言えば、一足先に金曜試合となったもう1つの弟分、ラージョではバルサから、スコアレスドローで殊勲の勝ち点1を奪った開幕戦に続いて、昨季はリケルメと一緒にミランデスにレンタル移籍していたカメージョがファルカオを差し置いて、エスパニョール戦でも連続先発していなかったかって?そうなんですよ。私もビックリだったんですが、こちらはゲームの方も目の回る展開で、前半16分にはルジューヌがホセルへのcodazo(コダソ/肘打ち)で2枚目のイエローカードをもらい、早くも退場に。
でも大丈夫。30分には相手もセルジ・ゴメスがカメージョへのファールで一発退場して、人数が均衡してくれたんです!すると45分、イシがショートのFKから、ウナイ・ロペスとのパス交換を経て、エリア外から撃ち込んだシュートがゴール左隅に決まってくれたから、驚いたの何のって。更に後半24分には、うーん、アルバロ・ガルシアもカンプ・ノウでGKテア・シュテーゲンに弾かれて、学んだんでしょうかね。この日はエリア内右奥からクロスを出し、シスが誰もいないゴールに蹴り込んで2点目をゲット。ファルカオが登場したのはその後、29分からだったんですが、エスパニョールのシュートが2度もポストに当たってくれたおかげもあり、そのまま0-2で勝利することができました。
こんな様子を見ると、また今季もラージョはシーズン前半戦で快進撃しそうな気がするんですが、まあエスパニョール相手にはここ5連勝と相性がいいようですからね。いよいよホームのエスタディオ・バジェカスでデビューとなる来週土曜のマジョルカ戦では、ファルカオにも今季初ゴールの期待が懸かりますが…最近アトレティコの旧ゴールデンコンビ再結成になるはずだったジエゴ・コスタ(昨季はアトレティコ・ミネイロでプレー)入団の噂が消えてしまったようなのは一体、どうなっているんでしょうかね。
「Escuchando su voluntad y deseo no hay manera de volver atrás/エスクチャンドー・ス・ボルンタッド・イ・デセオ・ノー・アイ・マネラ・デ・ボルベル・アトラス(彼の意志と願いを聞くと、もう後戻りの方法はない)」(アンチェロッティ監督)なんて言葉まで聞けば、もうこれはほとんど本決まりと言っていいかと思いますが、マンUも移籍金6000万ユーロ(約83億円)+目標達成ボーナスオプション1000万ユーロ(約14億円)を30才のボランチにポンと払って、月曜のリバプール戦から早速出場してもらいたいって、もしや相当切羽詰まっている?カセミロもカセミロで、かつて同僚だったクリスチアーノ・ロナウドなど、今季はCLに出られないせいで、退団したくてたまらず。更に去年移籍したバランもパッとした話を聞かないチームへ行くなんて、まあ、マドリーとはあと3年だった契約が4年+1年オプションとなり、年棒もほぼ2倍の2000万ユーロ(約28億点)もらえるようなんですけどね。
どう見たって報酬に釣られたようにしか思えない電撃移籍だけに、あまりレアル・マドリーファンのリアクションは好意的ではないんですが、金曜の練習でチームメートたちに別れを告げていたカセミロがいなくなってもアンチェロッティ監督は意外と平気なよう。曰く、「Si Casemiro sale, tenemos seis medios/シー・カセッミロ・サレ、テネモス・セイス・メディオス(カセミロが去ってもウチには6人、中盤がいる)。シーズンを乗り切るにはそれで十分だと思う」とのことで、この夏はチュアメニ(モナコから移籍)も来ましたし、確かにクロース、モドリッチ、カマビンガ、バルベルデ、セバージョスと壮々たるメンツが揃っているのは間違いないかと。
9月12日発売予定、まだプレゼンされていない黒の第3ユニを着てプレーしないといけないのと共に、いきなり昨季のCL決勝リバプール戦や先日のUEFAスーパーカップ・フランクフルト戦スタメンの黄金中盤トリオがモドリッチだけになるという試練をマドリーは受けることになりますが、果たしてこの恩恵を受けるのは誰になるのか。最近はチームを出ないという結論に落ち着いたようなセバージョスの初先発や、バルベルデが中盤に回って、ロドリゴの筋肉痛も治らないため、アセンシオの今季デビューが見られるのか、一気にスタメン予想が難しくなってしまいましたが、こればっかりはねえ。
ちなみに相手のセルタは開幕戦でエスパニョールにイアゴ・アスパスとパシエンシアのゴールで2点をリードしながら、エクスポシト、そして終了間際にホセルに決められ、最後は2-2の引分けでスタート。まあ、彼らはもう8年半もマドリーに勝てていませんしね。まだちょっと、エンジンがかかっていないようなベンゼマやビニシウスにゴールが生まれれば、メンバーを多少いじっても、アンチェロッティ監督のチームが勝つのに問題はない?選手補強はもうないようですし、11月のW杯開幕前にCLグループリーグを終わらせるべく、9月には過密日程が始まるため、今はとにかく、チュアメニやカマビンガが順当に育ってくれるのを待つしかありません。
え、私が気を引き締めているのはカセミロのせいだけじゃないんだろうって?その通りで、むしろ怖いのはプレミアリーグで開幕から2連敗しているマンUがなりふり構わず補強選手を探していることで、その大きな狩場になっているのがお隣さん。水曜にはジョアン・フェリックスに1憶3000万ユーロ(約180億円)の移籍オファーを出したとか、クーニャに4000万ユーロ(約56億円)、モラタにも4000万ユーロ、木曜にはとうとうカラスコにまで触手を伸ばしてきたそうで、いえ、マハダオンダの練習場を車で出るヒル・マリン筆頭株主は今季のチーム編成は終わったのかとTVレポーターに訊かれ、頷いてはいたんですけどね。
せっかくプレシーズンから、ゴール力溢れるアトレティコを楽しんでいたファンもこの札束攻勢にはヒヤヒヤしているんじゃないかと思いますが、今のところ、当該の選手たちには河岸を変える気はないのだとか。とはいってもカセミロのケースを見れば、何があっても不思議はないんですが、シメオネ監督も大変ですよね。ええ、0-3と快勝した開幕戦、ヘタフェとの兄弟分ダービーではサウールに先発を取られたカラスコなど、この日曜午後7時30分、今季からシビタス・メトロポリターノとなってお目見えするホームデビューのビジャレアル戦でも控えが続くと、考えてしまう恐れもなきにしろあらず。
それぐらい、今季の彼らは前線の人材が豊富なんですが、そうそう、守備陣ではコリセウム・アルフォンソ・ペレスではケガでプレーできなかったヒメネスとフェリペも今週はチーム練習に参加しているという朗報が。2人が戻って来てくれば、ようやく期待の新戦力、ビッツェル(ドルトムントから移籍)も本職のボランチで実力を示せますし、いえ、実は中盤も今季は激戦区で、シメオネ監督にはコケ、サウール、レマル、コンドグビア、デ・パウルとオプションが沢山あるんですけどね。今度はお得意様の弟分ではなく、いつも苦労させられるビジャレアルが相手となれば、スタメン選択に頭を悩ますのも監督冥利に尽きる?
ただFW陣が充実しているのはリーガ開幕でバジャドリーに0-3と完勝し、木曜のコンフェレンスリーグ・プレーオフのハイジュク・スプリト戦1stレグにも4-2で勝利。今年いっぱいホームのラ・セラミカが改装工事となるため、レバンテ(今季から2部)に借りたシュタット・デ・バレンシアでは、勝手知ったるモラレス(レバンテから移籍)がハットトリックを挙げていたりしたんですが、彼以外にもジェラール・モレノ、チュクワゼ、ジェレミー・ピノ、ダンジュマ、ジャクソンといて、とうとうパコ・アルカセルなど、アラブ首長国連邦のアル・シャールジャに出されてしまったぐらい。
実はこれもちょっと変な話で、最初はレンタルだったそうなんですが、急遽、翌日にはビジャレアルがアルカセルとの契約を解除、自由移籍でアル・シャールジャに入団したのだとか。ただ、ストライカーはもっと欲しいようで、クラブはカバーニ(マンUとの契約が満了)とも交渉中のよう。うーん、彼にはバレンシアも目をつけていて、彼の地では選手獲得ダービーみたいになっているようですけどね。ガットーゾ監督のチームもやりくりが大変なようで、先にマキシ・ゴメスとマルコス・アンドレを売却してからでないと、選手登録ができないようですが、そのおかげもあったんでしょうか。昨季、ヘルタ・ベルリンからレンタル移籍して、バレンシアでプレーしたアンデレテが金曜にはヘタフェに、こちらもレンタルで来てくれたのは良かったかと。
何せ、昨季のレギュラーだったクエンカはビジャレアルのお許しが出ず、再レンタルしてもらえないようですしね。3CB制を採用するキケ・サンチェス・フローレス監督としては、これでジェネ、ミトロビッチ、ガストン・アルバレス、ドゥアルテ(グラナダから移籍)に加え、5人目のCBが来てくれたのは心強いに決まっていますって。ちなみにそのヘタフェは2週連続で月曜試合となり、今回はアウェイのジローナ戦。アトレティコのカンテラーノ(Bチームの選手)、リケルメ(昨季は2部のミランデスにレンタル)が入ったせいで元々、ちょっと気になる相手だったんですが、金曜にはお隣さんのカンテラーノ、RMカスティージャから、2部の弟分、レガネスに移籍して、2年間プレーしていたハビ・エルナンデスもレンタルで加入。
それどころか、2020年にマドリー入りして、ビニシウス、ロドリゴに続く第3の若き逸材と期待されながら、ドルトムントでの2年間の修行では30試合出場1ゴールとあまり成長が見られず。EU圏外選手の登録枠の問題もあって、この夏は久保建英選手(レアル・ソシエダに移籍)と共に西海岸ツアーには行かず、行き先を探していたヘイニエルもレンタルされた上、時折、トップチームのベンチに座っていたミゲール・グティエレスまで入ったなんて、なかなかジローナのフロントはいい目をしている?
いえ、だからといって、アトレティコに負けて黒星スタートしたヘタフェが怖気づくこともないんですけどね。モンティリビでは何とか、今季初勝ち点を挙げて、8節まで白星がなく、ミチェル監督が解任となった昨季序盤の悪夢を早々に払拭してもらいたいところですが、とにかくゴール日照りを解消しないことにはねえ。エネス・ウナルもボルハ・マジョラル(マドリーから完全移籍)も昨季後半は普通に得点できていたんですし、開幕戦でバレンシアに1-0で負けたミチェル監督(こっちは元ラージョ)のジローナ相手なら、きっとチャンスも巡ってくると信じてはいるんですが…。
え、カンテラーノと言えば、一足先に金曜試合となったもう1つの弟分、ラージョではバルサから、スコアレスドローで殊勲の勝ち点1を奪った開幕戦に続いて、昨季はリケルメと一緒にミランデスにレンタル移籍していたカメージョがファルカオを差し置いて、エスパニョール戦でも連続先発していなかったかって?そうなんですよ。私もビックリだったんですが、こちらはゲームの方も目の回る展開で、前半16分にはルジューヌがホセルへのcodazo(コダソ/肘打ち)で2枚目のイエローカードをもらい、早くも退場に。
でも大丈夫。30分には相手もセルジ・ゴメスがカメージョへのファールで一発退場して、人数が均衡してくれたんです!すると45分、イシがショートのFKから、ウナイ・ロペスとのパス交換を経て、エリア外から撃ち込んだシュートがゴール左隅に決まってくれたから、驚いたの何のって。更に後半24分には、うーん、アルバロ・ガルシアもカンプ・ノウでGKテア・シュテーゲンに弾かれて、学んだんでしょうかね。この日はエリア内右奥からクロスを出し、シスが誰もいないゴールに蹴り込んで2点目をゲット。ファルカオが登場したのはその後、29分からだったんですが、エスパニョールのシュートが2度もポストに当たってくれたおかげもあり、そのまま0-2で勝利することができました。
こんな様子を見ると、また今季もラージョはシーズン前半戦で快進撃しそうな気がするんですが、まあエスパニョール相手にはここ5連勝と相性がいいようですからね。いよいよホームのエスタディオ・バジェカスでデビューとなる来週土曜のマジョルカ戦では、ファルカオにも今季初ゴールの期待が懸かりますが…最近アトレティコの旧ゴールデンコンビ再結成になるはずだったジエゴ・コスタ(昨季はアトレティコ・ミネイロでプレー)入団の噂が消えてしまったようなのは一体、どうなっているんでしょうかね。
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