親善試合にだってトロフィーはある…/原ゆみこのマドリッド

2022.08.07 22:00 Sun
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©Atlético de Madrid
「いきなり中止って」そんな風に私が驚いていたのは土曜日、そろそろチームがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場からバラハス空港に向けて出発する写真が見られるかなと、アトレティコのツィッターを開いた時のことでした。いやあ、この夏のプレシーズンマッチの予定を知った時から、ラストゲームがユベントス戦なのはいいとしても、何故に中東まで行ってやるのかと疑問には思ったんですけどね。どうやらこのところ、イスラエルでは戦闘行為が続き、テル・アビブにも爆弾が降ってくる可能性があるとかで、試合前日のお昼、朝練の後に中止決定とはまた急な話じゃないですか。

ちなみにレアル・マドリーのアメリカ西海岸ツアー最後の相手もこのユベントスだったんですが、ロスアンジェルスではベンゼマのPKとアセンシオのゴールで2-0と勝利。アトレティコも7月末にオスロでマンチェスター・ユナイテッドに1-0で勝っていますし、何より私もカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)で気分の上がるgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見てきたばかりですからね。できれば、お隣さんに負けない攻撃力をヨーロッパの強豪との対戦で披露してもらって、そのまま勢いに乗ってリーガ開幕に持ち込みたかったところ…はい、夕方には急遽、会場をユベントスの練習場に変えて、日曜午後6時(日本時間翌午前2時)からキックオフすることになりましたっけ。

まあ、それはともかく、今年もアトレティコがカランサ杯に参加すると聞いて、海水浴ができるいい機会とばかりに私も水曜からカディス(スペイン南西部のビーチリゾート)に乗り込んだんですが、やっぱり行って大正解。同じ真夏の暑さでもマドリッドの息のつまる気温37℃と比べると、あちらは27℃程度と穏やかですし、周りを海に囲まれた町なので空気もさわやかですしね。アトーチャ駅から電車で5時間とちょっと遠いのが難ですが、お昼過ぎに着いてもお日様が午後9時頃まで照っているため、かなり遅い時間までビーチにいても大丈夫と、いやまあ、おかげでホテルに戻った時にはその日、午後8時に始まったサント・ドミンゴでのアルコルコンvsレガネス戦がハーフタイムまで進んでいたなんてこともあったんですけどね。
開始2分に決まった柴崎岳選手の、このプレシーズン初ゴールや30分のシセの2点目で、すでにその時は0-2でリードしていたレガネスですが、同じマドリッドの弟分仲間のお隣さんとはいえ、相手のスタジアムだったからか、それともアルコルコンが今季はRFEF1部で戦うせいでしょうかね。恒例のYouTubeでの中継もなかったようなので、どちらにしろ、後半22分にはサム・ガランに1点を返されて、最後は1-2で勝利を掴んだレガネスの姿を追えなくても仕方なかったかと。

そして翌木曜、アトレティコが当日移動している最中にはセントロの細い路地を何となく辿っていくと着くLa Caleta(ラ・カレタ)のビーチではなく、ホテルの人が教えてくれたSanta Maria de Mar(サンタ・マリア・デ・マル)に行ってみることに。これが丁度、エスタディオ・ヌエボ・ミランディージャの脇にある超ロングビーチの手前にある浜で、両端が岩で囲まれて湾のようになっているせいか、妙に居心地が良く、砂もずっとサラサラなんですよ。

午後になると岸辺に藻が増えてくるラ・カレタより、水も綺麗だし、波打ち際に砂利もない最高のビーチで、何で今まで知らなかったんだろうと悔しくなった程だったんですが、欠点はパラソルや寝椅子を貸している業者がいないこと。ええ、前者には以前はレストランか何かだった大きな建物があって、土台部分が吹き抜けのため、日影には事欠かないんですが、こちらは自前のパラソルがない場合、ずっと炎天下にいないといけないのはちょっと辛いかも。3時間ぐらいでかなり私も日焼けしてしまったんですが、一旦、ホテルに帰ってシャワーを浴びた後、今度はRENFE(国鉄)の駅近くにあるバス停から1番のバスに乗って、カランサ杯観戦に出発です。

カディスにしてみれば、これが新シーズンのプレゼン試合とあって、キックオフ1時間前ぐらいから、スタジアム周辺はそこここに黄色のユニフォームを着たファンが跋扈していたんですが、やはり昨季は最終戦で1部残留が決まり、今季もリーガ戦で1流チームが見られるせいでしょうかね。客の入りはスタンドの3分の2ぐらいで、以前、彼らが2部や2部Bにいた頃に比べると、場内の熱気もそれ程ではなかったんですが、この日のアトレティコはマンU戦の後半に入った選手中心のスタメンでスタート。

昨年、PK戦で負けたカランサ杯ではユーロ2020やコパ・アメリカのせいでプレシーズン合流が遅かったメンバーが多かったため、かなり重用されたカンテラーノ(アトレティコBの選手)も先週頃から、マヌ・サンチェスがオサスナに3年目のレンタル、昨季は2部のミランデスで一緒に修行していたリケルメとカメージョもそれぞれジローナ、ラージョへとランクアップレンタルが完了。更にカラスコ、クーニャが休養、フェリペもまだケガが治らず帯同していなかったせいか、またしてもビッツェルとヴァスが、足首の負傷から回復したエルモーソとCBトリオを組んでいたんですが、それにも関わらず、先手を取ったのはシメオネ監督のチームでした。

ええ、開始7分に惜しくもグリーズマンのシュートがゴールポストに弾かれた後の13分、今度は彼がモラタにスルーパスを送ったところ、エリア内から先制ゴールを決めてくれたとなれば、ユベントス戦を利用して、相手のフロントと交渉することは何もない?それにはもちろん、ラ・リーガのサラリーキャップがどうたらこうたらと言われていながら、今週中にはしれっとビッツェル(ドルトムントから自由移籍)もナウエル(ウディネーゼから移籍)も選手登録が完了していたせいもありますけどね。モラタを始め、グリーズマン、ジョアン・フェリックス、コレア、クーニャ、どのFWも年間20得点級のゴール力はなくても、1人15本ずつくらい挙げてくれたら、リーガ優勝を争うことはできるかも。

そして42分にはルーカス・ペレスがポスト直撃、続いてロサノがGKオブラクに止められるというダブルチャンスをカディスが逃した後の前半ロスタイム、またしてもグリーズマンがやってくれます。いえ、彼のFKをジョアンがヘッドしたボールはサウールの腕に当たってゴールに入ったのが、電光掲示板に映るTVE(スペイン国営放送)の生中継のリプレーでもはっきりわかったんですけどね。カディスの選手たちもスタンドも猛抗議をしたものの、この試合にはVAR(ビデオ審判)がないことを理由に得点を認められるって、そんなラッキーなこと、あっていい?

後半開始直後もまだ、カディスの選手たちは不運な2失点目に気を取られていたのか、1分もしないうちにヴァスがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて、3点差にしたアトレティコでしたが、何よりの朗報は6分にやって来ます。ゴール前へのクロスにサウールが届かなかった後、ナウエンの代わりに入っていたカンテラーノのサムエル・ディアスがエリア内右奥から上げたボールをグリーズマンがヘッド。見事にネットに突き刺さり、年明けのコパ・デル・レイ32強対決マハダオンダ戦以来のゴールとなってくれたとなれば、長かったスランプに別れを告げるには最高のタイミングだったかと。

これでもう4点差とあって、15分には恒例の大量交代、7人がチェンジしたシメオネ監督だったんでですが、サビッチ、ヒメネス、レイニウドが入ったおかげで、3試合目にしてようやく、ビッツェルが本職のボランチとしてプレーできることに。まあ、それも15分程で、最後は彼もカンテラーノのカルロス・マルティンに代わり、フル出場したのはグリーズマンだけでしたが、大丈夫。42分にはマビルのラストパスをゴール前からアルバロ・ヒメネスに決められ、カディスに名誉の1点を与えてしまったとはいえ、GKは後半からゲルビッチに。絶対守護神のオブラクはこのプレシーズン3試合、クリーンシートを維持しています(最終結果1-4)。

そして試合が終わるやいなや、68回目となるカランサ杯で史上最多のUndecimo/ウンデシモ(11回目の優勝のこと)を達成。巨大なトロフィーと共に帰京したアトレティコを尻目に、まだ私がカディスをウロウロしていた金曜の午前中には、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でラージョと、1部に戻って来たバジャドリーの練習試合があったんですが、こちらはカメージョがデビューしたものの、肝心のファルカオが筋肉痛で出られず、スコアレスドローで終わることに。うーん、昨年夏に入団した時にはすでに背番号9が使用されていたため、3番でプレーした彼でしたが、今季はエヌテカが11番に変更することを快諾。晴れて、エースナンバーを着けられるようになったそうですしね。

どこぞのクラブなど、金曜に5万人をカンプ・ノウに集めたメガプレゼンでレバンドフスキに9番のユニを掲げさせるため、まだ退団するかどうかもわからないデパイから取り上げたなんて話も伝わってきましたが、ラージョはまだ補強も道半ば。ちょっと前から噂の出ていたジエゴ・コスタ(昨年までアトレティコ・ミネイロ)の入団も近々発表されて、13日(土)の開幕バルサ戦では、2013年にアトレティコのコパ・デル・レイ優勝の原動力となったファルカオとのゴールデンコンビ再結成が見られるかもしれないのにはきっと、胸を躍らせているファンも少なくないに違いありません。

そしてマドリッドに戻った金曜には夜になっても一向に暑さの引かないブタルケで新シーズンプレゼン試合、ビジャ・デ・レガネス杯を観戦した私だったんですが、うーん、相手のビジャレアルBは今季初めて2部に上がったカンテラだったんですけどね。前半には柴崎選手のシュートがゴールバーに当たったり、フアンン・ムニョスの一撃がポストを直撃したりしたんですが、若いチームを前にもしや油断した?43分にエリア内シュートで先制されると、ロスタイムにも追加点を奪われ、後半にカスミのゴールで1点を返すことができただけだったんですよ。


結局、1-2で負けて、Pepino de Oro/ペピーノ・デ・オロ(金のキュウリ)はビジャレアルBの手に渡り、レガネスはPepino de Plata/ペピーノ・デ・プラタ(銀のキュウリ)をゲットして終わったんですが、まあ大事なのは来週土曜の開幕アラベス戦ですからね。8月中ということで、バケーションに出ているファンも多く、とても満員御礼は期待できそうもありませんが、ビジャレアルB戦ではフル出場。最後まで全力で走っていた柴崎選手はもう相当、体が仕上がっているようなのは頼もしいですよね。

え、それで日曜に帰国、水曜からまたバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を始めたマドリーはどうしているんだって?いやあ、彼らの場合はもう水曜のUEFAスーパーカップまで、毎日、セッションが続くだけですからね。幸いながら、アメリカでの3試合でケガ人が出ることもなく、ほぼスタメンも決まっているため、大したことは伝わってこないんですが、相手のフランフルトはもう今週月曜にドイツカップ初戦をプレーして、2部のマグデブルクに鎌田大地選手の2発を含めて、0-4と大勝。

ただ、金曜のブンデスリーグ開幕戦ではバイエルンに1-6とボコボコにやられていたため、アンチェロッティ監督は「向こうは先にシーズンを始めているから、tenemos algunas desventajas/テネモス・アルグナス・デスベンタハス(ウチにはディスアドバンテージがある)」と言っていたものの、その辺はあまり心配しなくていい?あと気になるのは昨季のELでもカンプ・ノウでのバルサ戦やサンチェス・ピスファン(セビージャのホーム)での決勝レンジャース戦に大挙して押し寄せたフランクフルトファンがこのスーパーカップにも応援に行く気満々のようで、UEFAから各クラブへ割り当てられたチケット8000枚はすでに完売。

一般販売分の1万7000枚も買い占めそうな勢いなんですが、対してマドリーファンはクラブ割り当て分が1800枚しか売れていないこと。まあ、こればっかりは2014年から、昨季を含めてCLに5回も優勝し、そのたびにUEFAスーパーカップに出ているとあって、なかなかファンも散財ばかりしていられないということでしょうが、偶然にもフランクフルトのチームカラーも白ですからね。となれば、スタンドの大部分が敵のサポーターでも選手たちにはそんなに違和感はないかもしれない?

そうそう、マドリーにはロサンジェルスから戻るやいなや、弟分のヘタフェに河岸を変えた選手もいて、それは5年契約で完全移籍したボルハ・マジョラル。木曜には入団プレゼンも無事済んで、最後のプレシーズンマッチ、日曜のアルバセテ(2部)戦でデビューもできるよう。昨季後半もローマからの又貸しで1部残留を果たす手助けをしているだけに、すぐチームに馴染んでくれるのは間違いないかと。初めてのお子さんが生まれるという当人も、「Siempre he estado cedido y esta estabilidad me va a ayudar mucho/シエンプレ・エ・エスタードー・セディードー・イ・エスタ・エスタビリダッド・メ・バ・ア・アジュダル・ムーチョ(いつもレンタル生活だったから、この安定感はボクの大きな助けになるだろう)」とヘタフェへの帰還を喜んでいましたが、まだまだアンヘル・トーレス会長は暗躍中。この先、ラタサやブランコといったマドリーのカンテラーノ(RMカスティージャの選手)後輩がレンタルで加わる可能性もあるようです。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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また期待外れに終わった…/原ゆみこのマドリッド

「現地解散って、あんまり印象良くないよね」そんな風に私が首を振っていたのは水曜日、W杯16強対決で敗退が決まったスペイン代表の帰国便に26人の招集選手中、サラビア(PSG)、バルデ、ガビ、ブスケツ、フェラン・トーレス、ペドリ、アンス・ファティ(バルサ)、ラポール(マンチェスター・シティ)、パウ・トーレス、ジェレミー・ピノ(ビジャレアル)、ウナイ・シモン、ニコ・ウィリアムス(アスレティック)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、ダビド・ラジャ(ブレントフォード)ら、14人しか、乗っていなかったと知った時のことでした。いえ、アトレティコの例で言えば、先週木曜にベルギーのグループリーグ敗退が決まったカラスコ、ビッツェルがマハダオンダ(マドリッド近郊)のミニプレシーズン練習に顔を出したのはこの水曜になってからのこと。 翌木曜には、先週金曜にウルグアイの敗退が決まったヒメネス、そしてフィジカル・コーチのプロフェ・オルテガが合流と、W杯参加選手は母国代表の試合が終わった後、それぞれ5日間のバケーションをもらえることになっているようなんですけどね。となると、8時間かけて真冬のマドリッドに戻ってから、わざわざどこかに移動するより、休暇を最大限に活用。折よく家族も来ていることだし、カタール近辺の常夏のビーチでゆっくり過ごしてやろうとコケやモラタ、そしてマルコス・ジョレンテらが思っても仕方ないところですが、家に帰るまでが遠足という概念はこの代表にはない? まあ、そんなことはともかく、またしても呆気なく終わってしまったスペインのW杯最後の試合がどうだったか、お話ししていくことにすると。いやあ、月曜には彼らを抑えてグループ1位通過した日本がクロアチアと対戦。1-1のまま、ようやく漕ぎつけたPK戦で、それも勝率が絶対的に高い先攻を取ったにも関わらず、南野(モナコ)、三苫(ブライトン)、吉田(FC東京)の3選手がGKリバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)に弾かれ、成功したのは浅野(ボーフム)1人。逆にリバヤ(ハイジュク・スプリト)が外しただけだったクロアチアが、フランスとの決勝まで全て延長戦、うちPK戦2回という前回のW杯からの慣れもあったんでしょうかね。土壇場で底力を見せて、1-3で勝った辺りから、何かの予兆だったのかもしれません。 そう、グループ最終戦で日本に負けたおかげで2位通過となり、優勝候補のブラジルやアルゼンチンと決勝まで当たらないブロックに回れたと、火曜の16強対決モロッコ戦までは自らを慰めていたスペインだったんですけどね。試合前夜にも1時間以上のライブ配信に興じ、「チームは昇り調子」と請け合っていたルイス・エンリケ監督もゲンを担いだか、7-0と大勝した初戦のコスタリカ戦から、右SBをアスピリクエタ(チェルシー)ではなく、今大会初出場となるジョレンテに代えただけのスタメンでキックオフ。それがまさか、日本戦後半から発動したボールを持っているだけ、外縁でパスを回しているだけという悪癖がすでに更生不能な域にまで、チームに浸透していたとは! おかげで前半はほとんど特記に値するプレーがなく、辛抱強く守っているだけのモロッコもモロッコでしたが、ようやくスペインが枠内シュートを放ったのは後半8分になってのこと。オルモがGKボノ(セビージャ)に弾かれたんですが、このままではマズいかもしれないと、さすがにルイス・エンリケ監督も思ったんでしょう。17分にはアセンシオ(レアル・マドリー)、ガビを下げ、ここまで3試合連続得点していたモラタ、そしてカルロス・ソレル(PSG)を投入したものの、だからといって、スペインのプレーに変化は訪れず。31分にはフェラン・トーレスがニコ・ウィリアムスに代わり、やっと動きが出てきたかと期待したのも空しく、試合は0-0のまま、延長戦に入ることに。 その延長戦前半にはガソリン切れのジョルディ・アルバ(バルサ)、オルモがバルデ、アンス・ファティに代わっているんですが、うーん、ルイス・エンリケ監督は「Lo hemos intentado por tierra, mar y aire.../ロ・エモス・インテンタードー・ポル・ティエラ、マル・イ・アイレ(ウチは地上から海上、空中戦までして試みたんだが…)」と試合後、言っていたんですけどね。傍目には同じ周辺ボール回しサッカーをしているようにしか見えず、ポゼッションが70%以上、パス数が1000回を超えていてもシュートもゴールもないって、撃っても撃っても入らない、絶不調時のアトレティコよりひどくない? 逆に延長前半13分など、モロッコのシェディラ(バリ)に至近距離からシュートされ、GKウナイ・シモンがparadon(パラドン/スーパーセーブ)で防いでくれなければ、PK戦にも辿り着けなかったかもしれないんですが、いよいよ後半、残り2分となって、ルイス・エンリケ監督はPKキッカー要員として、ニコ・ウィリアムスに代えて、サラビアを送りこむことに。ロスタイム、その彼がゴール右横から撃ったシュートがポストに嫌われず、入ってくれていたら、あんな悲惨なPK戦を見ずに済んだのにと、今でも残念で仕方ないんですが、結局、両者共、無得点のままで120分間の戦いが終わり…。 いやあ、「Para mí no es una lotería/パラ・ミー・ノー・エス・ウナ・ロテリア(私にとってはくじ引きではない)。選手たちにはPKの宿題を出してあったし、ここでのセッションが終わった後にも皆、練習していた」とルイス・エンリケ監督は言うんですけどね。モロッコの第1キッカー、サビリ(サンプドリア)が成功した後、スペインはサラビアが蹴ったPKが、またしてもポストを直撃。相手は2人目のツィエク(チェルシー)もゴールにすると、いやあ、ソレルもかつてバレンシアにいた頃はマドリー戦でPKハットトリックという偉業も成し遂げているスペシャリスタなんですけどね。その彼がボノに弾かれてしまうんですから、ショックだったの何のって。 モロッコの3人目、ベヌン(アル・アハリ)こそ、ウナイ・シモンが止めてくれたため、僅かに希望が湧いたスペインだったものの、ルイス・エンリケ監督が指名したスペインの3番手、キャプテンのブスケツも易々とボノにキャッチされてしまってはねえ。最後はマドリーのカンテラーノ(RMカスティージャ出身の選手)、今はPSGでエムバペの親友。更にはこんな場面にこそ、いてくれたらと思ってしまうセルヒオ・ラモス(PSG)とも仲良くやっているアクラフが決めて、3-0で負けてしまったとなれば、スペイン人ファンはもう決して、日本代表を格下に見ることはできない? え、スペインがPK戦で負ける光景は珍しくも何ともないんじゃないかって?そうですね、ロペテギ監督(現ウォルバーハンプトン)が大会開催直前に解任され、当時、サッカー協会のスポーツディレクターを務めていたイエロ代理監督の下で戦った2018年のW杯ロシア大会でも、彼らは16強対決でホスト国とPK戦となり、この時はコケとイアゴ・アスパス(セルタ)が失敗して敗退。昨年開催のユーロ2020でもイタリア戦でオルモとモラタが決められず、決勝を目の前にして涙を飲んでいますし、実際、その前の準々決勝スイス戦では1-3でPK戦を制しているものの、やはりブスケツとロドリが失敗していますからね。となれば、ルイス・エンリケ監督が選手たちにPK練習を課したのも無理はないかと思いますが、本番の緊張感はどうやったって、再現できませんからね。 その辺の事情はPKが決まらず、泣きを見ることが多いシメオネ監督からもよく聞くんですが、試合後、ちょっと気掛かりだったのは、協会との契約がこのW杯で切れるルイス・エンリケ監督が進退を明らかにしなかったことで、しばらく前から、彼はアトレティコの次期監督に就任するんじゃないかとも言われているんですよ。ただ、元来、アトレティコのサッカーはスペイン代表のティキタカ(ショートパスを繋いでいく、メジャータイトル3連覇時代に有名になったスタイル)とはまったくの別系統。 大体がして、あんな悔しい早期敗退をした後でも、「Estoy más que satisfecho con mi equipo, han ejecutado a la perfección mi idea/エストイ・マス・ケ・サティスフェッチョー・コン・ミ・エキポ、アン・エヘクタードー・ア・ラ・ペルフェクシオン・ミ・イデア(チームには満足以上のものを感じている。私のアイデアを完璧に実行してくれた)」(ルイス・エンリケ監督)なんて、ケロリとした顔で言える指揮官では、とてもアトレティコファンの共感は得られないかと。それとも彼が来たら、この1月にも移籍したい意向のジョアン・フェリックスも気を変えてくれるかもしれない? というのも同じ火曜日、スペインとは真逆でスイスに6-1の大勝。しかもクリスチアーノ・ロナウドを控えにしながら、堂々、準々決勝に進んだポルトガルではジョアンの株がかなり上昇。とうとう、これまでは引き止め一択だったヒル・マリン筆頭株主からも、「シメオネ監督との関係、プレー時間、チームでのモチベーションなどを考えると、移籍のオファーが来れば、検討するのが妥当だろう。Aunque me encantaría que siguiera, esto no es la idea del jugador/アウンケ・メ・エンカンタリア・ケ・シギエラ、エスト・ノー・エス・ラ・イデア・デル・フガドール(私としては残留大歓迎だが、それは選手の考えとは違う)」というコメントが出てきたから。 早くも移籍先候補にはアストン・ビラなどが挙がっていたりもするんですが、ま、以前なら、ジョアンもCLにもELにも出ないチームなんてと、振り向きもしなかったかもしれませんが、今季はアトレティコもヨーロッパからの早期完全敗退で、まったく同じ身分ですからね。この先、どうなるのか、スペインが姿を消し、いよいよ木曜にはルイス・エンリケ監督の契約延長をしないことをサッカー協会が発表。その後、ほとんど間をおかず、2018年からスペインU21代表を率いて、昨年の東京五輪サッカーでは銀メダルをもたらしたデ・ラ・フエンテ監督のA代表昇格が決まったなんてことも。 こうなると12月下旬の公式戦再開まで、あとは私もマドリッドのクラブの選手たちがいる代表を気に掛けるぐらい。ええ、W杯準々決勝、金曜のクロアチア(モドリッチ、ゲルビッチ)vsブラジル(ビニシウス、ロドリゴ、ミリトン)、オランダvsアルゼンチン(デ・パウル、ナウエル・モリーナ、コレア)、土曜のモロッコvsポルトガル、イングランドvsフランス(グリーズマン)戦などを見守っていくばかりなんですけどね。そんな折、久々に木曜にはスタジアム観戦する機会が。ええ、公式戦再開に備えて、もう2週間程、プレシーズン練習をしているヘタフェがコリセウム・アルフォンソ・ペレスで、アトレティコやヘタフェのOBでもあるパウノビッチ監督率いるチバスとの親善試合を行ったんですよ。 生憎なことにキックオフ前から、ドシャ降りの雨に見舞われたこの一戦では、いえ、かなり座席に空きがあったため、クラブが屋根のない席にいたファンに正面スタンドを解放。おかげで助かった人も多かったはずですが、この寒さの中、ズブ濡れになってプレーする選手たちも相当気の毒だったかと。そのせいか、点が入ったのも雨が止んでくれた後半20分のことで、それもチバスのベルトランに先制点を奪われてしまったんですが、やはり先日、最初の親善試合だったバジャドリー戦でケガしたエースのエネス・ウナルが出ていなかったせいでしょうかねえ。 W杯グループリーグ敗退したセルビア勢のマクシモビッチ、ミトロビッチこそ、まだ合流していなかったものの、ほぼチーム全員が揃っていたにも関わらず、ヘタフェはそのまま0-1で連敗となり、親善試合でまで、「Quique vete ya!/キケ・ベテ・ジャー(キケ・サンチェス・フローレス監督、もう出て行け)」のカンティコを聞く破目になろうとは。うーん、今季はほとんどリーガ戦で出番のなかったマタや、歴史的偉業となる初の準々決勝進出を遂げたモロッコに招集してもらえず、悔しい思いをしていたムニルらも頑張っていたんですけどね。 この調子ではリーガ後半戦もヘタフェの課題はゴール不足解消になりそうですが、そうそう、この試合、記者席の前にあるパルコ(貴賓席)では現在、チバスのスポーツディレクターを務める、2018年W杯でスペインの代理監督だったイエロ氏が観戦。直前の監督解任ドタバタ騒ぎがあったチームと、順風満帆にW杯に辿り着いたチームがまったく同じ結果に終わったのにはおそらく、複雑な心境だったと思いますが、スペインは2010年のW杯優勝以来、本大会で3勝しかしていないという体たらく。この低迷状態は果たしてどうしたら、脱出できるんでしょうか。 <hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.12.09 20:00 Fri
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心臓に悪い試合だった…/原ゆみこのマドリッド

「さすがに今回は派手派手しく外出していないのかしら」そんな風に私が皮肉に思っていたのは土曜日、ドーハ入り後、2度目のオフをもらったスペイン代表の選手たちの動向が、夜になってもほとんど伝わってこないのに気がついた時のことでした。いやあ、グループリーグ初戦でコスタリカに7-0と大勝をした後、最初にもらった休日にはチームの大半が有名な高級レストランに繰り出し、マルカ(スポーツ紙)などがお店の前でライブ配信していたぐらいだったんですけどね。予定通り、木曜の最終節でグループ1位通過していれば、似たような光景が繰り返されたはずですが、あいにくそうは問屋が卸さず。 日本戦でまさかの黒星を喫した彼らは、いえ、結果的には2位通過で優勝候補のブラジル、アルゼンチンがいるブロックを避けられたため、良かったとも言えなくはないんですが、3位ドイツと同じ勝ち点の2位ですからね。しかもあと5点というゴールアベレージ差を引っくり返すべく、不屈のゲルマン魂を発揮したドイツが最後までコスタリカを攻めてくれたため、何とか2位に留まれたとなれば、W杯が終わって、クラブの練習に戻った時、日本に勝つように頼まれていたカルバハルなど、リュディガーに合わす顔がない? まあ、それは個人の問題なので別にいいんですが、とりあえず、その木曜の日本戦がどうだったか、お伝えしていかないと。グループ突破は決まっていなかったものの、引分けでも大丈夫というのが影響したか、ルイス・エンリケ監督はこの試合、スタメン5人をローテーション。ええ、カルバハル(レアル・マドリー)、ジョルディ・アルバ(バルサ)、ラポール(マンチェスター・シティ)、アセンシオ(マドリー)、フェラン・トーレス(バルサ)をアスピリクエタ(チェルシー)、バルデ(バルサ)、パウ・トーレス(ビジャレアル)、ニコ・ウィリアムス(アスレティック)、モラタ(アトレティコ)に代えたんですが、2試合目まで途中出場で2ゴールを挙げた、チーム唯一の真正CFを入れたのは一応、正解に思えたんですけどね。 というのも前半11分には、開始早々にふくらはぎに打撲を受けていたアスピリクエタが上げたクロスをエリア内にいたモラタがヘッド。2017~19年にチェルシーで培われたコネクションを生かして、先制点を挙げてくれたからで、この時にはもう他会場でドイツがナブリ(バイエルン)のゴールでコスタリカに0-1とリードしていたため、日本は3位に落ちてしまうことに。それでも森保監督のチームが動揺することはなく、「esperar en la primera y atacar en la segunda/エスペラール・エン・ラ・プリメーラ・イ・アタカル・エン・ラ・セグンダ(前半は待って、後半に攻撃する)」(久保建英選手)というプランを貫いたせいでしょうかね。スペインもとりあえず、リードはしたのだからという気分だったか、0-1のまま、前半を終えたんですが…。 それが後半いきなり、「Hemos entrado en modo colapso/エモス・エントラードー・エン・モード・コラプソ(ウチは崩壊状態になってしまった)」(ルイス・エンリケ監督)のは、うーん、「相手は攻めてくるはずだから、en el descanso les dije que estuvieran atentos/エン・エル・デスカンソ・レス・ディヘ・ケ・エストゥビエラン・アテントス(ハーフタイムには選手たちに気をつけるように言った)」そうなんですけどね。アスピリクエタがカルバハルに交代しただけのスペインに対し、日本が長友(東京FC)、久保(レアル・ソシエダ)に代え、三笘(ブライトン)、堂安(フライブルク)と早めに切り札を投入したのが大当たりしたんですよ。 ええ、これも作戦だったのか、前半はほとんどGKウナイ・シモン(アスレティック)のボール出しにプレスをかけてこなかった日本の選手たちが急に迫ってきたためでしょうか。やっとこ反対側に出したゴールキックをバルデがキープできず、ボールを奪った堂安にエリア前から、シュートを決められてしまったから、驚いたの何のって。それどころか、その4分後、今度は堂安からのパスを三笘がラインギリギリから戻し、ゴール前に詰めてきた田中碧(デュッセルドルフ)に押し込まれているって、スペイン守備陣のザル疑惑はやっぱり本当だった? うーん、この2点目に関しては、三笘が蹴った時にボールが完全にラインから出ているように見える映像しか流れず、得点の有効性に疑問が残ったんですけどね。主審もVAR(ビデオ審判)からの連絡を受け、モニターを見に行っての判断でしたし、翌日には遅ればせながら、FIFAもボールの端がまだライン上に残っている映像をツィッターで公開。要は正当なゴールということで、ルイス・エンリケ監督もそこに文句をつけることはありませんでしたが、どうやら12分にコスタリカが同点ゴールを入れて、ドイツに追いついたのがパニックモードに拍車をかけたよう。 ええ、13分にはニコとモラタを下げ、フェランとアセンシオを入れ、22分にもバルデとガビ(バルサ)をジョルディ・アルバとアンス・ファティ(バルサ)へと、FW4人で反撃することになったんですが、その直後でした。コスタリカが逆転したという最悪の知らせが入ってきたのは。つまりこの時点でグループ1位は日本、勝ち点で抜かれてコスタリカが2位となり、3位のスペインは「Me enteré de que estábamos fuera, teníamos que marcar/メ・エンテレ・デ・ケ・エスタバモス・フエラ、テニアモス・ケ・マルカル(ボクらが敗退していることがわかって、点を取らないといけなかった)」(ペドリ)という状態に。 もうその頃の彼らは自陣エリア付近に固まる日本勢を完全に包囲して攻めていたんですが、何かこれって、スペイン代表ではよくある光景ですよねえ。ボールを完全に握っていても突破口が見つからず、外側でパスを回すばかりの彼らに私もかなり絶望的な気分になっていたんですが、まさに果報は寝て待てとはこのこと。そう、3分もしないうちにドイツがハバーツ(チェルシー)のゴールで同点としたため、再びスペインは2位に戻ったんですよ! ちなみにこの魔の3分間、コケ(アトレティコ)を始めとして、ベンチにいた控え選手たちがピッチにいるチームメートにゴールを入れろと、パニック状態でわめいていたにも関わらず、ルイス・エンリケ監督が「Hemos estado eliminados en algún momento?/エモス・エスタードー・エリミナードス・エン・アルグン・モメントー(ウチが敗退していた時間があったのか?)」と、試合後の記者会見でしらばっくれていたのはちょっと不思議。まあ、その後はハバーツが自身2点目、最後はフュルクルク(ベルダー・ブレーメン)も決めて、ドイツが2-4と余裕のスコアで勝ってくれましたからね。 いえ、ようやく敵の守備の隙間を縫って、アセンシオやダニ・オルモ(ライプツィヒ)が撃ったシュートが決まり、引分けになった日には、日本がドイツに抜かれて敗退してしまうところだったため、結局、2-1でスペインが負けたのは最良の結果だったとも言えますけどね。何せこの日の彼らのボールポゼッションは82.3%ともう、異次元の域に到達。それでもゴールが入らないとなると、ルイス・エンリケ監督が「Tenemos que mostrar un poco más de contundencia/テネモス・ケ・モストラール・ウン・ポコ・マス・デ・コントゥンデンシア(ウチはもう少し、決定力を示さないといけない)」と、アトレティコのシメオネ監督みたいなことを言ってしまっても仕方ない? 逆にこの日は17.7%、ドイツ戦での26%をも下回るボール保持率で勝っている日本には感嘆するしかないんですけどね。そんな彼らは月曜午後4時(日本時間翌午前0時)の16強対決でFグループ2位、モドリッチ(マドリー)を擁するクロアチアと対戦。その先には最終節後半ロスタイムのゴールでポルトガルに2-1と勝利、大番狂わせで2位通過を果たした韓国vsブラジル戦の勝者が待っていることを考えると、決して楽観はできないんですが、まあ勝負はやってみるまでわかりませんからね。 それより怖いのは、スペインが火曜午後4時から対戦するモロッコで、こちらはグループ最後のカナダ戦でもツィエク(チェルシー)とエン・ネシリ(セビージャ)のゴールで1-2と勝利し、クロアチアを抑えて首位突破。2戦目のベルギー戦キックオフ直前に気分が悪くなってスタメンを代わった、昨季のリーガのサモラ(失点率が一番低いGK)であるボノ(セビージャ)も復帰しているようですし、他にもアクラフ(PSG)など、知った顔が結構いるんですよ。 ドイツ戦、日本戦でスペインの弱みが、いかなる状況でもゴールキックをショートでしか出さないGKウナイ・シモンと本職ボランチの転向CBロドリ(マンチェスター・シティ)、ラポール、パウ・トーレス、エリック・ガルシア(バルサ)、誰が先発しても不安がある守備陣にあるのもバレてしまったため、スピードのあるエン・ネシリのカウンター攻撃を喰らうんじゃないかとか、今は不安ばかりが沸いてくるのは私だけではない?幸い、試合翌日の練習をお休みしたアスピリクエタ、別調整となったモラタも土曜に再び、ライブ配信に戻ってきたルイス・エンリケ監督によると、試合までに回復できるようなので、負傷欠場がないのは朗報ですけどね。前回のW杯では16強対決ロシア戦にPK戦で敗退したこともありますし、せめてPKぐらいはしっかり練習しておいてほしいところです。 え、すでにマドリッドの1部クラブは皆、12月末の公式戦再開に備え、ミニプレシーズンを開始したようだけど、W杯グループリーグが終わって、戻って来る選手もいるんじゃないかって?そうですね、月曜からマハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でセッションをしているアトレティコでは、カラスコ、ビッツェル(ベルギー)、ヒメネス(ウルグアイ)、そして何より、ウルグアイ代表に出向していたフィジカルコーチのプロフェ・オルテガが来週中には合流できるよう。 木曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)でスタートしたお隣さんも、いえ、ベンゼマとアラバはまだバケーション中なんですけどね。クルトワ、アザール(ベルギー)、リュディガー(ドイツ)、ベルベルデ(ウルグアイ)らがカタールを引き上げることになったため、何日かお休みをもらった後、アンチェロッティ監督の指揮下に加わるはずです。その一方ですでにプレシーズンマッチをやっているチームもあって、弟分のヘタフェは水曜にバジャドリーと対戦して、1-0で負けていたなんてことも。W杯に参加していた2人、マクシモビッチとミトロビッチもセルビアがグループ敗退したため、近日中に帰ってくるはずですが、来週木曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催するチバス戦に間に合うのかどうか。 現在、トルコツアー中のもう1つの弟分、ラージョも水曜にはフェルネバフチェと親善試合をして、こちらは3-1で敗戦。土曜にあったガラタサライ戦ではアンドレス・マルティンのゴールで0-1と勝つことができたんですが、9月にエスパニョールから移籍したため、まだラージョでデビューができていなかったRdT(ラウール・デ・トマス)もようやく試合に出ることができたのは嬉しいかと。ちなみに唯一のW杯参加選手、シスはセネガル代表の16強対決イングランド戦が日曜に控えているため、まだ帰りはいつになるかわかりません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.12.04 22:00 Sun
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ゴール祭りは終わった…/原ゆみこのマドリッド

「あんな寒々しい練習、やっぱり行かないで正解ね」そんな風に私が頷いていたのは火曜日、ようやく前日にはマハダオンダ(マドリッド近郊)でアトレティコが12月終盤の公式戦再開に備え、セッションを始めたものの、時間が午後7時と、真冬となった今は日もとっぷり暮れて辺りは真っ暗。しかも最近は急に冷え込んできたため、W杯のparon(パロン/リーガの休止期間)に入ってから、かなり出不精になっていた自分は遠慮したんですが、翌日、マルカ(スポーツ紙)の記事で映像を見つけ、その荒涼たる風景を確認することができた時のことでした。 ええ、アトレティコのトップチームでW杯に参加していない選手は10人いるんですが、初日に出勤したのはフェリペ、エルモーソ、レギロン、レイニウド、サウール、コンドグビア、レマル、クーニャの8人だけ。GKオブラク(スロベニア)とサビッチ(モンテネグロ)は母国代表がW杯に出ていないものの、親善試合があったため、木曜からの合流になるというのはともかく、ウルグアイ代表に出向しているフィジカルコーチのプロフェ・オルテガのみならず、先日、ドーハで目撃されたシメオネ監督までいないんですよお。 2日目にはさすがにシメオネ監督こそ出て来たとはいえ、マドリッド勢弟分のラージョは先週木曜から、ヘタフェも金曜から、一足先に練習を始めていますからねえ。ただ、前者は丁度、火曜に決勝トーナメント進出が決まったシス(セネガル)が、後者も金曜のグループリーグ3節スイス戦が終わるまで、カタール滞在が伸びるかどうか、わからないマクシモビッチとミトロビッチ(セルビア)がW杯に参加中なんですが、それでもヘタフェなど、それ以外の選手が大方、揃っているからでしょうね。水曜にはもう、最初のプレシーズンマッチ、バジャドリー戦を迎えることに。 その一方で、今のところ、ドーハ延泊が決まったアトレティコの選手はグリーズマン(フランス)、ジョアン・フェリックス(ポルトガル)の2人だけ。モラタ、コケ、マルコス・ジョレンテ(スペイン)、カラスコ、ビッツェル(ベルギー)、ヒメネス(ウルグアイ)、デ・パウル、ナウエル・モリーナ、コレア(アルゼンチン)、ゲルビッチ(クロアチア)らは最終節でのグループ突破を目指しているところですが、その辺は木曜からバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習再開となるお隣さんも似たような状況かと。ええ、チュアメニ、カマビンガ(フランス)、ビニシウス、ロドリゴ、ロドリゴ(ブラジル)は決勝トーナメントに進出。 カルバハル、アセンシオ(スペイン)、クルトワ、アザール(ベルギー)、バルベルデ(ウルグアイ)、モドリッチ(クロアチア)、リュディガー(ドイツ)らは難易度の差はあるものの、皆、可能性を残して、グループリーグ3試合目に挑むことになるんですが、何なんでしょうね。ここ数日、大会開幕前に左太ももをケガして代表を離脱、マドリッドでリハビリしていたベンゼマが、ネンザで帰還が決まったガジャ(バレンシア)の代わりにバルデ(バルサ)がすぐ呼ばれたスペインと違い、フランスは誰も追加招集していないため、決勝トーナメントでデシャン監督のチームに戻るかもしれないという噂がチラホラと。それが結局、火曜にはバケーションに行ってしまったとは、一体、どうなっているのやら。 まあ、そんなことはともかく、今は気になるW杯でのスペインの様子をお話ししていくことにすると。Eグループ2節のあった日曜は、後半35分にフレール(エレディアーノ)に奪われた1点が返せず、日本がコスタリカに0-1で負けてスタート。夜のスペインvsドイツ戦までは時間があったため、今も続行中のリーガ2部のレガネスvsグラナダ戦を見に、午後はブタルケに行った私だったんですが、何か久々の感じでしたね。TV以外でサッカーを見るのは。スタンドのファンたちもW杯など、よその世界の出来事のように普通に応援していましたし、何とグラナダは前半3分にGKラウール・フェルナンデスがエリア外でアルナイスを倒して、レッドカードで退場に。 ホルヘ・モリーナに代わって、控えGKの入ったため、そこからレガネスはずっと数的有利で戦うことができたんですが、守備に専念した相手に手こずったか、ゴールは後半8分になって、ラバカウンターから決めてくれた1本だけ。17分にはカジェホンにvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決められて、ヒヤリリとさせられたりもしたんですが、幸いオフサイドで認められなかったため、1-0で逃げ切れたのは助かりましたっけ。 ちなみにこのレガネス、シーズン序盤は降格圏に沈んでいたものの、現在ではもう11位、昇格プレーオフ圏までも勝ち点3に接近。ここまでの2試合、柴崎岳選手が日本代表で出場していないのを見ると、2部22チーム中3人だけのmundialista(ムンディアリスタ/W杯参加選手)を擁しているのは光栄でしょうが、最近、勝つのにちょっと苦労しているイディアケス監督としては来週火曜のミランデス戦はともかく、土曜のアンドラ戦までには柴崎選手に戻って来てほしい? 何せ、19日のサラゴサ戦を最後に2部はクリスマス休暇に入るため、コパ・デル・レイ1回戦でゲルニカ(RFEF2部/実質4部)にPK戦で負けて敗退した彼らには来年、1月8日の週末まで試合がありませんからね。柴崎選手にとってもちょっと中途半端な日程になるかと思いますが、できれば、その間に劣化状態の激しいブタルケのピッチの芝も改善もできるといいんじゃないでしょうか。 そして帰宅後は家のTVでスペインの試合を見たんですが、7-0と大勝したコスタリカ戦から、ルイス・エンリケ監督はスタメンを1人しか変えず。ええ、右SBをアスピリクエタ(チェルシー)から、風邪が治ったカルバハル(マドリー)にしただけだったんですが、前半6分には早速、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)のシュートにGKノイアー(バイエルン)が触った後、枠に当たって弾かれるというチャンスがあったため、この日もゴールは結構、簡単に入るんじゃないかと思ったんですけどね。そこはさすがドイツというか、日本に負けて後がない相手の強烈なプレスに押されたスペインは前半得点できず。それどころか、39分にはCKからリュディガー(マドリー)のヘッドでうっかり先制されるところだったんですよ。 そのゴールはオフサイドだったため、0-0のままで後半に入ったところ、早くも9分、ルイス・エンリケ監督は真正CFのモラタをフェラン・トーレス(バルサ)に代えて投入することに。それがバッチリ当たって、17分にはジョルディ・アルバ(バルサ)のラストパスをモラタがゴール前で押し込み、待望の先制点を奪ってくれたんですが、うーん、何かこのパターン、バルサからの完全移籍が決まる前、移籍金を値切ろうと、シメオネ監督が出場試合数にカウントされない後半15分以降にしか、グリーズマンを使わず、それで逆に決定的な働きをしていたアトレティコに似ていない? 実はモラタのゴールの直後には、ルイス・エンリケ監督も「Para mí la jugada clave es la acción de Marco, le ha botado un poco antes de golpear/パラ・ミー・ラ・フガダ・クラベ・エス・ラ・アクシオン・デ・マルコ、レ・ボタードー・ウン・ポコ・アンテス・デ・ゴルペアル(私にとって、肝だったのはマルコのプレー。蹴る少し前にバウンドしてしまった)」と嘆いていたんですが、アセンシオが絶好のチャンスにシュートを外し、スペインは追加点を奪えず。21分にはそのアセンシオ、小さな体で果敢に屈強なドイツ人選手に挑み、何度も吹っ飛ばされた挙句、膝を打撲したガビをニコ・ウィリアムス(アスレティック)、コケに代えたんですが、今回、交代策が功を奏したのはフリック監督の方でした。 ええ、25分にミュラー、ゴレツカ(バイエルン)、ケーラー(ウェストハム)をザネ(バイエルン)、フュルクルク(ベルダー・ブレーメン)、クロスターマン(ライプツィヒ)へと一気に3人代えたところ、いえ、丁度、スペインもバルサの後輩、バルデがジョルディ・アルバを引き継いだタイミングだったのも悪かったんですかね。38分、ラポール(マンチェスター・シティ)がエリア前でパスミスしたのがキッカケとなり、ムシアラ(バイエルン)がフェルクルクに繋いで同点ゴールを奪われてしまったから、さあ大変! いえ、そのまま1-1で引分けることができたため、スペイン自体は「Al final te quedas un poco triste, pero estamos en lo alto de la clasificación/アル・フィナル・テ・ケダス・ウン・ポコ・トリステ、ペロ・エスタモス・エン・ロ・アルト・デ・ラ・クラシフィカシオン(結局、ちょっと残念なことになっただが、それでもウチは順位表のトップにいる)」(ルイス・エンリケ監督)と比較的、安泰なんですけどね。連勝で決勝トーナメント進出を決めることができなかったため、このグループは勝ち点1で最下位のドイツを含め、最終節には4チーム全部にまだ勝ち抜けのチャンスがあることに。 おかげで試合後、カルバハルはクラブの同僚リュディガーから、オルモはラウム、クロスターマンから「日本に絶対、勝ってくれ」と頼まれたそうですが、言われなくても引分けて、コスタリカがドイツに勝てば2位通過。万が一、負けたりすると、コスタリカ勝利で敗退、引分けなら2位、ドイツが7点差以上つけてコスタリカに勝っても敗退と、リスクがない訳じゃありませんからね。「No creo que nadie tenga dudas de que vamos a salir a ganar, nos asegura el primer puesto/ノー・クレオ・ケ・ナディエ・テンガ・ドゥーダス・デ・ケ・マモス・ア・サリール・ア・ガナール、ノス・アセグラ・エル・プリメール・プエストー(ボクらが勝利を目指してプレーするのを疑う者はいないだろう。1位確定もできるしね)」とカルバハルも言っていた通り、木曜午後8時(日本時間翌午前4時)の日本戦には全力を出してくるはずですが…。 ええ、むしろこれは日本にとっては困った問題で、だってえ、日本は負けると敗退確定なんですよ。こちらは引分けでもコスタリカが勝てば敗退、ドイツが2点差以上で勝っても敗退となるんですが、となると両者丸く収まるのは2試合共ドローに終わって、スペイン1位、日本2位で通過すること?といっても他会場の試合をコントロールする訳にもいきませんしね。ただ、スペインにも弱点がない訳じゃなくて、そう、ドイツ戦ではムシアラのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)し、失点を防いでくれたGKウナイ・シモン(アスレティック)なんですが、元はと言えば、これは敵にゴールキックしてしまった当人が引き起こしたピンチ。 彼は前半もエリア内にいたナブリ(バイエルン)にパスしていて、この時はシュートが外れてくれたため、事なきを得たんですが、やっぱり自分のクラブでやり慣れていないプレーはするもんじゃない?いえ、ルイス・エンリケ監督は「Todos los equipos que salimos jugando desde atrás corremos riesgos/トードス・ロス・エキポス・ケ・サリモス・フガンドー・デスデ・アトラス・コレモス・リエスゴー(後ろからプレーしていくチームはどこも危険を冒している)。ノイアーも同じことをしていた」と、あまり気に留めてなかったんですけどね。折しも月曜と火曜の練習ではガビと共に2試合、ボランチから転向CBとしてプレーしたロドリ(マンチェスター・シティ)も打撲で個別調整していたため、日本戦ではルイス・エンリケ監督も本職CBのパル・トーレス(ビジャレアル)やエリック・ガルシア(バルサ)の投入を検討しているかもって…うーん、彼らをイマイチ信用できないのは私だけ? ブスケツがイエローカードをもらったため、累積警告で16強対決が出場停止にならないように温存されて、ボランチにコケ、もしくはロドリがスタメンで入るという予想もあるんですけどね。ちなみに今回、休養日を設けなかったスペインですが、月曜午後には選手、スタッフの家族がカタール大学の寮を訪問。コケなど、3才になる息子のレオ君とグラウンドで遊んでいる映像がSNSに上がっていたりしたんですが、火曜の練習には日本のマスコミが大挙して来たなんて報道も。 そこですかさず記者会見にコケを出し、「チームは意欲とエネルギーに満ちていて、queremos seguir haciendo lo que venido haciendo porque lo estamos haciendo bien/ケレモス・セギール・アシエンドー・ロ・ケ・ベニードー・アシエンドー・ポルケ・ロ・エスタモス・アシエンドー・ビエン(ウチは上手くやっているから、今までやってきたことをやり続けたい)」なんてコメントで煙に巻いていたのは、サッカー協会の作戦だったかどうかわかりませんけどね。「Creo que será un partido parecido porque los alemanes se parecen al juego de España/クレオ・ケ・セラ・ウン・パルティードー・パレシードー・ポルケ・ロス・アレマネス・セ・パレセン・アル・フエゴ・デ・エスパーニャ(ドイルのプレーはスペインに似ているから、似たような試合になると思う)」(コケ)って、ドイツが日本に逆転負けしたのを踏まえて言っている? うーん、月曜のライブ配信でルイス・エンリケ監督も「難題を持ちかけてくるチームだ。タケ(久保建英)やドイツでプレーしている選手たちがね。Vamos a tener que estar muy atentos y sin especular/バモス・ア・テネール・ケ・エスタル・ムイ・アテントス・イ・シン・エスペクラル(ウチは注意を怠らず、逡巡しないで行かないといけない)」と日本を評価していましたが、果たしてこの一戦、どんな結果となるのやら。ちなみにA代表としては両者、これまで親善試合で1回しか対戦しておらず、2001年にスペインが1-0で勝利。直近では2021年の東京オリンピック準決勝延長戦でアセンシオがゴールを挙げ、スペインに軍配が挙がっているんですが、その時のメンバーがスペインには7人、日本には9人もいるというのは何か、因縁を感じますよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.11.30 19:00 Wed
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あまりのゴール力に茫然としている…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱりシメオネ監督だったのね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、W杯開催中のカタールからのニュース映像で最近、ご無沙汰している顔を見かけたなと思ったところ、後々、バケーション中のアトレティコの監督が、CONMEBOL(南米サッカー連盟)がドーハで開いたマラドーナ2回忌追悼の催しに出席していたことをスポーツ紙で確認できた時のことでした。いやあ、折しも前日はガーナとの初戦に挑んだポルトガルでジョアン・フェリックス(アトレティコ)が先発出場。クリスチアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッドとの契約を先日解除)の先制PKゴールをアイェウ(アル・サッド)に帳消しにされた後、後半33分、勝ち越し点ゴールを挙げていたんですけどね。 すでにロナウドとジョアンがベンチに下がっていた頃、ガーナもブカリ(ツベルナ・ズベズダ)のヘッドで2点目を奪ったため、その前にレオン(ミラン)が3点目を決めてくれていたのが幸いした形ですが(最終結果3-2)、アトレティコの試合と違い、代表ではノビノビとプレーしているように見える彼について、シメオネ監督が意見を求められたのは当然だったかと。いえ、一応、クラブでの上司は「Le vi muy bien/レ・ビ・ムイ・ビエン(とてもいいように見える)。この大会はジョアンにとって理想的だ。短期決戦では、彼のような選手がプレーの美しさやスピードでファンを魅了する」と部下を褒めていたんですけどね。 ただ、ジョアンの好調は今に始まったことではなく、今季の野望のかなりの部分が潰えた、10月下旬からの悪夢の5試合連続白星なし期間中、彼は3得点とチームで唯一、ゴールを決められるFWであることを証明。ポルトガル代表に向かう前の最後の試合、コパ・デル・レイ1回戦のアルマサン(RFEF3部/実質5部)戦でもネットを揺らし、今季のアトレティコに残された、たった1つの優勝の可能性がある大会で2回戦に進む手助けをしてくれましたからね。 それだけに金曜午後、「ジョアンは1月にアトレティコを出るつもりで、代理人のジョルジュ・メンデス氏に移籍先を探すよう頼んだ。昨夏は断固、売却を拒否したアトレティコも今回は引き止めるつもりがない」なんて記事がマルカ(スポーツ紙)に出ていたりすると、もしや、今では到底、2019年にベンフィカに払った移籍金1憶2700万ユーロ(約185億円)の元は取れず。それでもW杯で活躍すれば、なるたけ高値で放出して、CL及びヨーロッパの大会からの完全敗退による収入減を少しでも補えるかもというクラブの目論見にシメオネ監督も賛同しているんじゃないかと疑ってしまったのはきっと、私だけではない? でもそうなると、年末から再開するリーガで来季のCL出場権を獲得するための4位以内をキープ。更に12月22日に開催が決まった2回戦アレンテイロ(RFEF2部/実質4部)戦を皮切りに1月中、32強、16強、準々決勝と続く、コパで勝ち進むためのゴールは一体、誰が決めてくれるのかと、怖くなってくるんですが、実際、W杯グループリーグ1節が終わった金曜時点で得点を挙げたアトレティコのアタッカーはジョアン以外、モラタ(スペイン)だけですからね。 グリーズマン(フランス)、コレア(アルゼンチン)、カラスコ(ベルギー)らは不発となれば、シメオネ監督もカタールでのんびりしていないで、来週月曜に始まる今季2度目のプレシーズン練習をちょっとでも前倒しして、W杯不参加のクーニャやレマル、サウールらにシュート特訓でも課した方がいいのでは?まあ、そんな風に私が思ってしまうのは何と、弟分のラージョがこの木曜から、練習を再開していると知ったせいで、いえ、まだ各国代表の親善試合に参加していたファルカオ(コロンビア)、ディミトリエフスキ(マケドニア)、カメージョ(スペインU21)は戻っていないんですけどね。 彼らはもう、12月20日のコパ2回戦アトレティコ・サングンティーノ(RFEF2部)戦に向けてのロードマップも完璧で、この月末にはトルコツアーに出て、30日にはフェネルバフチェ、12月3日にはガラタサライ、戻って来た10日にはアトレティコ、17日にもニューキャッスルと足慣らしの親善4試合も決定済み。いよいよ、夏の移籍期間後にエスパニョールから河岸を変えたRdT(ラウール・デ・トマス)が1月の公式戦デビュー前にして、ラージョでプレーする姿も見られるはずですしね。それこそ、コンフェレンスリーグ出場圏の7位まで勝ち点差1の8位。同じ勝ち点でアトレティコとベティスが占めるEL出場圏の5、6位までも2差の位置に付ける彼らの野心を感じさせるような、早期プレシーズンスタートと言っても過言でないかと。 ちなみに弟分仲間のヘタフェも近日中に12月20日のコパ2回戦、ディオセサーノ(RFEF2部)戦を目指して、練習開始となるはずですが、スペイン・スーパーカップ参加チームとして、まだコパが免除されているレアル・マドリーは12月1日に再開。といってもW杯開幕前に左太ももを負傷して、フランス代表を離脱したベンゼマなどはすでにバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でリハビリに励んでいますし、11人もの選手がカタールに行っているアンチェロッティ監督としては、これ以上、誰もケガして帰ってこないように祈るしかないかもしれません。 え、それより肝心のスペインのW杯初戦はどうだったのかって?いやあ、水曜は先にキックオフとなったドイツvs日本戦をランチがてら、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた私だったんですけどね。案の条、前半33分にギュンドガン(マンチェスター・シティ)のPKで先制されながら、後半の選手交代策が効いて、30分には堂安律選手(フライブルク)、38分には浅野拓磨選手(ボーフム)のゴールが決まり、日本が見事な逆転勝利を挙げるのを喜んでいたのは自分だけ。他のお客さんたちはまったく試合に興味がなかったようで、バルの店員さんまでが、「日本が勝ったの?」と訊いてくる始末だったんですが、それはまあ、置いておいて。 スペインvsコスタリカ戦の方はTVE(スペイン国営放送)でも中継があったため、家に戻って見たんですが、スポーツ各紙の先発予想は完全に外れ、チーム唯一の真正CFだったモラタでなく、ルイス・エンリケ監督はアセンシオ(マドリー)のfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/シャドーCF)を採用。それが見事に当たって、開始10分までに彼とダニ・オルモ(ライプツィヒ)がペドリ(バルサ)のラストパスから、シュートしていたんですが、最初にアシストを記録したのは18才のガビ(バルサ)でした。ええ、11分、エリア内のダニ・オルモにボールを送ったところ、敵DFに当たったボールをvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めてくれるんですから、有難いじゃないですか。 いやあ、最初、コスタリカの5人DF制を見た時は膠着した試合展開を恐れた私だったんですけどね。この日のスペインは素早いボール回しで隙間を作り、21分にはジョルディ・アルバ(バルサ)のクロスをアセンシオがワンタッチで決めて、早くも2点目をゲットすることに。スペイン黄金時代の最後のタイトル、2012年ユーロも経験している左SBは30分にも、今度はドゥアルテ(アル・ワフダ)にエリア内で倒されてPKを獲得。「El lanzador de penaltis lo decido yo/エル・ランサドール・デ・ペナルティス・ロ・デシド・ジョ(キッカーを決めるのは私だ)」というルイス・エンリケ監督に指名されたフェラン・トーレス(バルサ)がそのPKをしっかり沈め、現在、交際中の監督の長女さんを失望させることはありませんでしたっけ。 前半だけで早くも3点差としたスペインだったんですが、ロッカールームで「En el descanso hemos hablado de que los goles eran importante/エン・エル・デスカンソ・エモス・アブラードー・デ・ケ・ロス・ゴーレス・エラン・インポルタンテス(ゴールの数は重要だと、ハーフタイムに話し合った)」(カルロス・ソレル/PSG)という彼らは後半もアクセルを緩めず。ええ、9分にはゴール右前でブライアン・オビエド(レアル・ソルトレーク)にボールを取られそうになりながら、諦めなかったフェランがGKケイロル・ナバス(PSG)が出て来たのも幸いして、4点目のゴールを決めてくれます。するとそこから、スペインはローテーションを始め、12分にはフェラン、ペドリがモラタ、ソレルに、18分にはブスケツ(バルサ)、ジョルディ・アルバがコケ(アトレティコ)、バルデ(バルサ)に、23分にはアセンシオがニコ・ウィリアムス(アスレティック)に交代。 それがまたチームに勢いを与えたか、39分には、うーん、せっかくエリア内でボールを受けながら、ケイロル・ナバスに邪魔されて、モラタはシュートを撃てなかったんですけどね。再び回ってきたボールを上げ、「ボクがいるのをモラタが見てくれて、tenía muy claro desde que salió la pelota que iba a darle de primeras/テニア・ムイ・クラーロ・デスデ・ケ・サリオ・ラ・ペロータ・ケ・イバ・ア・ダールレ・デ・プリメーラス(クロスをもらった時から、ファーストタッチで蹴るって決めていた)」ガビにW杯史上3番目の最年少得点者となる栄誉を贈ることに。 44分にもニコがゴール前に入れたラストパスをケイロル・ナバスが弾いたボールをソレルが押し込み、「Primero se lo he dedicado a mi novia Marta y luego a Jose/プリメーロ・セ・ロ・エ・デディカードー・ア・ミ・ノビア・マルタ・イ・ルエゴ・ア・ホセ(まずは彼女のマルタに、それからホセに捧げた)」という、軽いネンザでドーハまで来て代表離脱。昨季までバレンシアのキャプテンマークを分けった仲のガジャも喜んだであろうゴールを挙げ、とうとう6点まで行ったスペインだったんですが、良かったですよね。ロスタイム2分にはモラタもエリア内からシュートを決め、ようやく自分のゴールを手に入れられたのは。 いえ、アトレティコの試合なんかだと、私も「3点目以降は次の試合にゴールをとっておけばいいのに」なんて、ケチ臭い考えが浮かんできたりするんですけどね。2006年以来となるW杯初戦白星を7-0というgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で挙げ、試合後はロッカールームを訪問したスペイン国王、フェリペ6世にも祝福されていたルイス・エンリケ監督も、「Está espectacular, a un nivel... pletórico de confianza, ha estado soberbio como 9 en el remate/エルタ・エスペクタクラル、ア・ウン・ニベル…プレトリコ・デ・コンフィアンサ、ア・エスタードー・ソベルビオ・コモ・ヌエベ・エン・エル・レマテ(目を瞠るようなレベルで、自信に溢れていて、シュート時には見事に9番としての役目を果たした)」と褒めていたアセンシオを始め、ゴールづいている選手が多いのは本当に心強い。 もちろん、コスタリカが82%という、スペインでも滅多にない高いボールポゼッションを許し、シュートは1本も撃たず。しかもPSGで出番のないケイロル・ナバスが今季最初の公式戦だったというのも助けになったのは確かですが、これだけ完璧な初戦を見せられては、2010年以来、2回目のW杯優勝を夢見たファンも多かったのでは?1つだけ気になったのは、本職ボランチのロドリ(マンチェスター・シティ)がCBとして、ラポール(同)の相方を務めていたことで、これではエリック・ガルシア(バルサ)やパウ・トーレス(ビジャレアル)が信用できないんじゃないのかと、世間から思われてしまうことですが…。 大丈夫、ルイス・エンリケ監督も「No he repetido nunca una alineación, probablemente no repita/ノー・エ・レペティードーヌンカ・ウナ・アリネラシオン、プロバブレメンテ・ノー・レピタ(私はスタメンをリピートしたことはないから、多分、リピートしない)」と言っていましたし、日曜午後8時(日本時間翌午前4時)からのドイツ戦では、きっと彼らにも活躍の順番が回ってくるのでは?若い選手が多いスペインだけに大勝に過信してしまう懸念もありますが、そこはブスケツ、ジョルディ・アルバ、コケら、ベテランがしっかり手綱を握って離さないはずですしね。予想外の黒星発進で、「日曜にはウチにも最終節で決勝トーナメントに進出できる可能性があることを示さないといけない」(フリック監督)と必勝を誓っているドイツにも決してやる気で劣ることはないかと。 そんなスペインはコスタリカ戦の翌日、カタール大学のグラウンドでリハビリセッションを行った後、金曜は合宿を開始してから初めて練習がお休みに。選手の多くはトルコ人シェフの経営する有名な高級レストランチェーン、ソルトバエにお肉を食べに行ったようですが、家族と午後を過ごした後、夜には寮に戻り、この日、20才のバースデーを迎えたペドリが夕食の時、皆に祝ってもらっていたなんてことも。そうそう、試合当日こそ、予告通り、ルイス・エンリケ監督のライブ配信はなかったものの、また木金と復活していて、いやあ、コスタリカ戦でフェランがゴールを挙げた後、おしゃぶりのポーズをしていたなんてデマが出回ったせいでしょうかね。 ポル第2監督をゲストに迎えた金曜のストリーミングでは、本当にフェランがその、彼女の妊娠を祝うパフォーマンスをしたらと視聴者に訊かれ、「ゴールは嬉しいが、como haga ese gesto lo cambio y no vuelve a pisar el césped. Bromas las justas/コモ・アガ・エセ・ヘストー・ロ・カンビオ・イ・ノー・ブエルベ・ア・ピサール・エル・セスペッド。ブラマス・ラス・フスタス(それをしたら、彼を交代させて、2度とピッチに入れない。冗談もほどほどに)」と答えていましたが、娘の彼氏が代表選手にいるっていうのもやっぱり、ちょっと考えもの? 何はともあれ、ドイツ戦はハーフタイムで交代した久保建英選手(レアル・ソシエダ)も試合後、「Esperemos tener el trabajo hecho antes del ultimo partido ante Espana/エスペレモス・テネール・エル・トラバッホ・エッチョー・アンテス・デル・ウルティモ・パルティードー・アンテ・エスパーニャ(スペインとの最終戦を迎える前にグループ突破を決めたいね)。その試合が決戦にならないように」と言っていたように、日曜にコスタリカ戦に挑む日本共々、スペインも早めに決勝トーナメント行きの切符を手に入れることができるといいのですが…。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.11.26 22:00 Sat
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毎日、試合は沢山あるけど…/原ゆみこのマドリッド

「これは他山の石にしないと」そんな風に私が気を引き締めていたのは火曜日、W杯3日目最初の試合で優勝候補の一角だったアルゼンチンがサウジアラビアに1-2と、予想外の敗戦を喫したのを知った時のことでした。いやあ、いつもことではありますが、スペインの試合は今回、全てTVE(スペイン国営放送)のオープンチャンネルで放送してくれるものの、他の試合はバル(スペインの喫茶店兼バー)に足を運ばないと見られず。グループリーグ中はビッグネームのチームが出ても相手は大抵無名ですし、いやはや、冬季開催W杯の落とし穴がこんなところにもあったとは! そう、ここ数日は寒さが本格的になってきたせいで、家から出るのが億劫になり、スペイン戦以外、ニュースでサマリーを確認するだけいいやと思ってしまったんですが、もしかして今大会、マドリッドでオープンエアのパブリックビューイングをやるという話を一切、聞かないのもそのせいだった?それでもイングランドがイランに6-2のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝ったなんて聞くと、試合を見に行けば良かったと後悔したりもするんですが、他は開幕戦のカタールvsエクアドル(0-2)、セネガルvsオランダ(0-2)とそこそこのスコアで順当勝ちしていましたからね。 うっかりアルゼンチンの試合などを見て、アトレティコではダメダメのデ・パウルやナウエルがフル出場で大貢献したり、追加招集となったコレアが、いえ、彼はサルジアラビア戦ではベンチ観戦だったんですけどね。シメオネ監督のチームでは滅多に決まらないゴールを挙げて、イラッとさせられるのもイヤだったんですが、大丈夫。2010年のスペインだって、初戦でスイスに負けた後、ホンジュラス、チリに連勝してグループを首位通過。そこから初優勝に向けて突っ走ったんですから、アルゼンチンも初戦、スコアレスで分けたメキシコとポーランドとの残り試合に勝てば、特に問題はないかと。 といっても水曜午後5時(日本時間翌午前1時)からのスペインデビューとなるコスタリカ戦では、ええ、チームで唯一、これが4回目のW杯参加、2010年優勝も経験しているブスケツ(バルサ)も「De todos los que he jugado ninguno lo he empezado ganado, ya va siendo hora/デ・トードス・ロス・ケ・エ・フガードー・ニングーノ・ロ・エ・エンペサードー・ガナードー、ジャー・バ・シエンドー・オラ(自分がプレーしたW杯はどれも白星スタートできていない。そろそろ勝つ頃だよ)」と前日記者会見で言っていたんですけどね。それこそ2014年ブラジル大会では初戦でオランダに1-5と大敗して、まだ挽回可能と言っている間に2戦目もチリに負けて、早々にグループ敗退が決定してしまいましたからね。 後々、焦らなくていいように、ここは初戦から必勝の心構えで行ってほしいところですが、かといって、ただ勝てばいいという訳でもなく、だってえ、2006年のW杯なんて、グループリーグ3連勝しながら、16強対決でフランスにコロッと負けちゃったんですよ。それどころか、開幕直前にロペテギ監督(現ウォルバーハンプトン)が解任されるという悲劇があった、直近の2018年ロシア大会ではポルトガルと引分けで始まって、イランには勝ったものの、モロッコとも引分け。とりあえず、1位通過で挑んだ16強対決では開催国と1-1で延長戦にもつれ込み、挙句の果てにPK戦でコケ(アトレティコ)とイアゴ・アスパス(セルタ)が失敗して敗退という最悪な終わり方もありましたっけ。 どちらにしろ、コスタリカ、ドイツに連勝してさっさと突破を決めて、最後の日本戦ではローテーションできるぐらいの展開の方が、16強対決に備えて、力を蓄えられるんじゃないかと思いますが、一応、先週金曜にドーハ入り。それからずっと、カタール大学の寮に籠り、キャンパス内にあるグラウンドまで電動キックボードで通って、月曜などはダブルセションもする程、熱心にトレーニングを続けているスペイン代表の近況をお伝えしていくことにすると。 実はその初日には、テストマッチだったヨルダン戦前日の練習で足首をネンザしたガジャ(バレンシア)が代表離脱しているんですが、それが当人も自身のツィッターで、「No es fácil de asimilar que uno de tus sueños de niño se va al traste por un esguince leveノー・エス・ファシル・デ・アシミラル・ケ・ウノ・デ・トゥス・スエニョス・デ・ニーニョス・セ・バ・アル・トラステ・ポル・ウン・エスギンセ・レベ(軽いネンザのせいで子供の頃からの夢が台無しになるのを受け入れることは簡単じゃない)」と呟いていたせいもあったんですけどね。クラブに戻って検査を受けたところ、上手くいけば、コスタリカ戦にも間に合うんじゃないかというぐらい軽度という診断だったため、とりわけバレンシアファンの間で物議を醸すことに。 まあ、それにはもう1人のバレンシア勢、ギジャモンも先週月曜に代表がラス・ロサス(マドリッド郊外)の協会施設に集まってから、ヒザの負傷のリハビリをずっとしていて、この火曜まで1度もチーム練習に参加せず。下手したら、応援するクラブの選手がいなくなってしまうかもしれないという危機感もあったんでしょうけどね。その辺りの経緯をルイス・エンリケ監督が詳しく話してくれたのは、火曜のコスタリカ戦前日記者会見でのことでした。 曰く、「代表の医者は全治10~15日、最初の2試合はプレーできないと言った。バレンシアファンやガジャ自身の意見を聞きいれて、y Jordi Alba se me lesiona. ¿No tengo laterales para debutar?/イ・ジョルディ・アルバ・セ・メ・レシオナ。ノー・テンゴ・ラテラレス・パラ・デブタル(それでジョルディ・アルバがケガしたら、デビュー戦にSBが1人もいないことにならないか?)。左SBは唯一、選手の回復を待つことができないポジションで、もし他の場所だったら、彼を残していただろう」とのことで、うーん、ヨルダン戦なんて、本職CBのラポールがプレーしていましたけどね。 ただ、確かにこれが右SBなら、カルバハル(レアル・マドリー)、アスピリクエタ(チェルシー)が同時に負傷しても、アトレティコでそのポジションの経験を積んでいるマルコス・ジョレンテがいたりと、融通が利きそうですが、ガジャの代わりに追加招集された19才のバルデ(バルサ)がU21代表から河岸を変えて、土曜にはもうドーハに到着。普通なら、ラス・ロサスでやっていたはずですが、今回は大会前期間が短いためでしょうね。月曜に行われたオフィシャルフォト撮影にも間に合いましたが、彼はこれが大人の代表初体験。いきなりの大舞台で物怖じせず、実力が発揮できるかは不明ですが、チームにはバルサの先輩が7人もいるとなれば、大船に乗った気でいていい? ちなみにギジャモンの方はやはり、試合に出られるのは2戦目のドイツ戦以降になりそうで、そのせいですかね。ルイス・エンリケ監督は練習で本職ボランチのロドリ(マンチェスター・シティ)にCBの特訓を施しているのだとか。この辺はギジャモン自身、バレンシアではボランチを務めながら、代表にはCBとして招集されたという事情があるため、ちょっと面倒臭いんですが、まあ、中盤のスタメンはほぼ、コスタリカ戦の2日後に20才のバースデーを迎えるペドリ、18才のガビを33才のブスケツ率いるバルサトリオで決まりのよう。 そんな中、先日のライブ配信では、「en Catar tienen el aire puesto fortísimo y hay que ir apagando/エン・カタール・ティエネン・エル・アイレ・プエストー・フォルティシモ・イ・アイ・ケ・イル・アパガンドー(カタールじゃ、エアコンが強すぎて、消して回らないといけない)」とルイス・エンリケ監督が漏らしていたように、極端な低温設定のせいで風邪を引いたモラタ(アトレティコ)とカルバハルも回復と、いいニュースもあるスペインなんですが、そうそう。そのルイス・エンリケ監督の配信はTwitchで、午後8時過ぎ(日本時間翌午前4時)から、先週は金土日と3回あって、月曜はお休みした後、火曜にまた再開。 初日は24万人もいた視聴者も今は7万人ぐらいに落ち着いたようですが、一番驚かされたトークはルイス・エンリケ監督自身が、「Mi prolongación en el campo? Ferran Torres. Si no me coge mi hija y me corta la cabeza…/ミ・プロロンガシオン・エネル・カンポ?フェラン・トーレス。シー・ノー・メ・コヘ・ミ・イハ・イ・メ・コルタ・ラ・カベッサ(ピッチでの自分の延長役?フェラン・トーレス。彼を選ばないと娘が私のクビを切る)」と、バルサのFWと監督の21才の長女がお付き合いしていることをバラしていたことでしょうか。 うーん、丁度その翌日、定例会見で話すことになったフェラン自身は、「Lo sabemos diferenciar cuando es familiar o cuando somos seleccionador y jugador/ロ・サベモス・ディフェレンシアール・クアンド-・エス・ファミリアル・オ・クアンドー・ソモス・セレクシオナドール・イ・フガドール(ボクらは家族の時と代表監督、選手である時を分けることを知っている)」とあまり気にしていないようでしたけどね。そのおかげで、バルサで不調の時も代表に呼ばれていたんじゃないかとか、コスタリカ戦でもモラタ、サラビア(PSG)らと共に先発予定前線トリオに入ったんじゃないかと言われたりしても、あまり気にならない? それはともかく、監督がストリーミングで言っていた試合当日のチームの予定を紹介しておくと、「午前中、ランチまで選手たちは自由時間。それから敵チーム、コスタリカの情報を聞いて、スタジアムに出発する前に私が話すミーティングがある。会場ではアップして、キックオフでピッチに出る前にブスケツが檄を飛ばす」そうなんですが、その頃にはもう、同じグループのドイツvs日本戦(午後2時/日本時間午後10時)も終わっていますからね。次回の配信は水曜のマッチデーの夜はありませんが、木曜には日曜のライバルであるドイツ、そして最終戦の相手、日本についても意見が聞けるかもしれませんね。 そして最後にガジャ同様、W杯が始まる前に代表を諦めないといけなくなったベンゼマについても触れておくと、paron(パロン/リーガの中断期間)前から、しばらく筋肉疲労で試合に出ていなかった彼はフランス代表に合流してからもずっと個別調整していたんですけどね。初めてチーム練習に参加した土曜に左太ももを痛め、全治3週間ということで、日曜にはドーハを発ち、月曜から早速、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場にリハビリに通うことに。何せ、今はW杯に行っていないマドリー選手たちは12月1日までバケーションですからね。この期間、RMカスティージャのラウール監督の下で練習することにしたバジェホぐらいしか、トップチームの仲間と会えないのはちょっと淋しいかも。 まあ、それでもマドリッドの同僚チュアメニ、そしてアトレティコのグリーズマンも先発した火曜のオーストラリア戦でフランスは4-1の快勝で発進。せっかく2014年大会以来、2度目となるW杯出場をベンゼマが果たせなかったのは残念ですが、デシャン監督のチームには死角がなさそうですからね。当人もその点に関しては気が楽かと思いますが、逆にビニシウスやロドリゴ(ブラジル)やアセンシオ(スペイン)らがW杯で英雄になって帰って来たら、年末に再開するリーガで主役を奪われてしまう?何にせよ、マドリーは冬の移籍市場でFWを補強する予定はないそうなので、ベンゼマにはそれまでにじっくり、ケガを治してもらいたいところです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.11.23 13:00 Wed
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