代表選手もいい加減、バケーション入りしたいかも…/原ゆみこのマドリッド

2022.06.13 17:35 Mon
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©︎RFEF
「億超えって、結構、外れがあるからなあ」そんな風に私が疑心暗鬼になっていたのは土曜日、レアル・マドリーがモナコに払うチュアメニの移籍金が目標達成オプションも含めると、1憶ユーロ(約142億円)近くなるとマルカ(スポーツ紙)で知った時のことでした。いやあ、カセミロの後継となりうる22才のMFを彼らが獲得しようとしていることはかなり以前から話題になっていたため、入団決定のニュースには全然、驚かなかったんですけどね。PSGと競り合いになり、そこまで値段が上がったにも関わらず、やはりプレゼンはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習施設で来週火曜に実施というのもまあ、置いといて。

それこそエムバペ(PSG)が入団していたら、現在、改装中のサンティアゴ・ベルナベウが夏季集中工事フェーズ入りしたのを中断してもファンをスタンドに入れて、メガプレゼンとなったんじゃないかと想像していますが、問題はこれまでマドリーが大台を超えたのは2013年のベイル(トッテナムから移籍)、2019年のアザール(同チェルシー)のみ。とはいえ、元を取るどころか、有り余るほどのお釣りがあったのはほぼ1憶(9800万ユーロ/約140億円)で2009年に入団したクリスチアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッドから移籍)だけなんですよ。

うーん、アザールは来季での復活を先日、シベレス広場でのCL優勝イベントの際、ファンに誓っていただけでなく、ネーションズリーグのベルギー代表戦でもだんだん、いい感じになってきているため、まだ期待できなくもないんですけどね。この3シーズンはケガもあって、大したことができなかった度ではお隣さんの1憶2800万ユーロ(約182億円)、ジョアン・フェリックスといい勝負と言っていい?それでもジョアンはまだ22才と若いですし、31才のアザールより、ゴールを挙げているんですが、バルサもネイマールのPSG移籍で手にした2億2000万ユーロ(約320億円)の投資で大失敗。

ええ、1憶4500万ユーロ(約210億円)のデンベレ(ドルトムントから移籍)もケガが多く、結局、契約延長をせずにこの夏、フリーで移籍しようとしていますし、1憶6000万ユーロ(約230億円)のコウチーニョ(同リバプール)もレンタルを繰り返した挙句、5月には2000万ユーロ(約29億円)の買取オプションを行使したアストン・ヴィラに完全移籍しちゃいましたからね。そんな中、マドリーのもう1人の1憶プレーヤーが意外なところでいきなり主役になっていたから、ビックリしたの何のって。

いやあ、今週は久々のお出かけをして、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでヘタフェの新シーズン用ユニフォームのプレゼンを見に行ってきた私だったんですけどね。ユースの選手たちがモデルを務めた2022-23モデルはデザインにはあまり変化がなく、色も青、赤、そして黄緑と定番で落ち着いていたんですが、何せ、コロナ禍のせいで、そんなイベントがあるのも2年ぶりでしたからね。コリセウムのVIPルームがマスコミや招待客で賑わっていたのが新鮮だったのはともかく、まさかアンヘル・トーレス会長から、「丁度、45分前にガレス・ベイルの代理人と話しをしたよ。Nos lo han ofrecido/ノス・ロ・アン・オフレシードー(ウチに移籍をオファーしてきた)」という、サプライズ発言を聞くことになろうとは!

いやだって、先日はファンへの手紙で9年間、在籍したマドリーにお別れした当人は昨季、ほとんどクラブでの試合には出なかったものの、日曜には予選プレーオフでウクライナを1-0で下し、W杯出場の大願を成就。その前後にあったネーションズリーグのポーランドオランダ戦でプレーしていないのは体調のせいなのか、気分が乗らないせいなのかもわからないんですが、要は数年前、「Wales. Golf. Madrid. In that order(ウェールズ、ゴルフ、マドリー。この順番)」という旗を掲げていたぐらい、大事なウェールズ代表戦でもその程度の参加率となれば、ヘタフェに来たって、その優先順位は変わらないのでは?

実際、しばらく前にはアトレティコにもオファーが届いたそうで、おそらくお気に入りのゴルフ場もあるマドリッドから、ベイルが離れたくないということでしょうが、兄貴分は1200万ユーロ(約17億円)とも言われる高額年棒を嫌って、早々に辞退。ま、これはヘタフェにしろ、ファルカオが来季も続投するという朗報が届いたばかりのラージョも同様で、選手本人がかなりの減収を覚悟しないと、ムリかと思いますが、大体がして、ヘタフェには昨季、アトレティコからビトロをレンタル、チームの質を上げてくれると期待されながら、結局、シーズン通してケガに悩まされ、ほとんどプレーできなかったという悪しき前例がありますからね。

ただ、金曜にウェールズ代表での記者会見ではベイル自身が、「ヘタフェに行かないのは確かだ」とオファーを否定。更に「どこに行くにしてもウィンウィンの関係になるよ。だって、ボクはW杯前には試合に出るからね」なんて言っているようではそれこそ、12月に大会が終わった後はどうする気なのかという疑問も出て来るため、最後は来ないことになって、ホッとしているファンも少なくないんじゃないでしょうか。

それ以外でも、「Yo es una costumbre que tengo, visito al Madrid y al Atleti por si pesco algo/ジョ・エス・ウナ・コストゥンブレ・ケ・テンゴ、ビシト・レアル・マドリッド・イ・アル・アトレティ・ポル・シー・ペスコ・アルゴ(何か掘り出し物があるかもしれないから、習慣的にマドリーとアトレティコを訪問している)」というトーレス会長は先週もバルデババスのオフィスに赴き、マリアーノやヨビッチ、もしくはRMカスティージャの有望選手レンタル移籍の可能性を探っていたようですが、まだそっちの方は海のものとも山のものとも。何にせよ、7月4日のプレシーズン開始までに新シーズンの陣容が整うことはないようです。

その一方で、同じ水曜にはクロアチア代表参加中のモドリッチがマドリッドに電撃帰還。バルデベバスで契約の1年延長書類にサインして、金曜にネーションズリーグ初白星が懸かったデンマーク戦(0-1で勝利)を控えるチームにとんぼ帰りしたなんてことがあったんですが、もしやこれって、来週月曜のフランス戦が終わったら即、バケーションに入れるようにというクラブの気遣いだった?内々のセレモニーで、ファンはビデオでその様子を見ることとなったんですが、何にしろ、来季も彼がマドリーにいてくれるのは嬉しいですよね。

そして翌木曜にはやはり、まだ未勝利だったスペインもネーションズリーグ3節のスイス戦にジュネーブで挑んだんですが、ルイス・エンリケ監督は今回も8人のメンバーをローテーション。チェコ戦を経て、ほぼ最初のポルトガル戦のスタメンリピートで、違いはカルロス・ソレル(バレンシア)の代わりにマルコス・ジョレンテ(アトレティコ)が入っただけだったんですが、これが前半13分、見事に当たってくれたんです!

そう、フェラン・トーレス(バルサ)が敵エリア右前で奪い返したボールが、今回はアスピリクエタ(チェルシー)とカルバハル(マドリー)のおかげで右SBからお役御免に。21-22シーズンのアトレティコ、リーガ優勝に大貢献した時のMF業に専念できるようになったマルコス・ジョレンテが繋ぎ、そのラストパスをサラビア(PSGからレンタルで昨季はスポルティングCPでプレー)がゴールに押し込んでくれたとなれば、意気も上がるってもんじゃないですか。

幸いVAR(ビデオ審判)もオフサイドがなかったことを確認してくれたため、スペインは早い時間に先制点を挙げることに成功したんですが、うーん、それにしたって、何でもっと景気よくゴールが入らないんですかね。別にスイスはチェコのように5人DF体制で自陣に固まっていた訳でもなく、それなりにスペースはあった感じでしたが、後半になって、サラビアがダニ・オルモ(ライプツィヒ)に代わり、モラタ(アトレティコからレンタルで2年間、ユベントスでプレー)とガビ(バルサ)から、アセンシオ(マドリー)とコケ(アトレティコ)になってもスペインのシュート数が大して増えることもなかったかと。

折しもこの試合の当日にはもう1人のCF、RdT(ラウール・デ・トマス/エスパニョール)が喉の痛みを訴えて代表を離脱。今のところ、コロナ陽性は出ていないようですが、それで23人のベンチ入り枠に入れたアンス・ファテ(バルサ)はどうやら今回、戦力としてより、慣らし招集されたみたいですからね。おかげで攻撃カードの尽きたスペインは最後まで、その1点を守り切るしかなくなってしまったんですが…いや、ホント、紙一重でしたよ。

というのも残り4分になって、GKゾマー(メンヘングラッドバッハ)の長いロングキックをクリアしようとGKウナイ・シモン(アスレティック)がエリアを出て突進。セフォロビッチ(ベンフィカ)にボールを奪われ、エンボロ(メンヘングラッドバッハ)にガラ空きのゴールに撃たれた時にはとても生きた心地はしなかったかと。おまけにそのシュートが外れた後、1分もしないうちに今度はディエゴ・ジョレンテ(リーズ)がトラップミス。これもセフェロビッチがスペインDF陣に当ててくれたため、事なきを得たんですが、こんな状況を目の当たりにしても、「No me pone nervioso nunca/ノー・メ・ポネ・ネルビオーソ・ヌンカ(決して自分を神経質にさせることはない)」と言ってしまえるルイス・エンリケ監督はかなりの強心臓の持ち主かと。

そんな危ないシーンはあったものの、スイスでの代表戦では17試合で13勝4分けというゲンの良さも味方してくれたんでしょうね。そのままスペインは0-1で勝利。並行してプレーしていたポルトガルもチェコを2-0と破っていたため、彼らが勝ち点差2の首位となり、スペインは2位でネーションズリーグ6月分、最後となるチェコ戦を迎えることになったんですが、もう今更ですからねえ。リーガ終了直後にバケーション入りした選手たちは練習しなくなって久しいこともあったか、この試合のため、RdT離脱を補う追加招集はしないのだとか。

そして金曜にジュネーブから、マラガにチームが移動するのに合わせ、私も海水浴を兼ねて、現地に行くことに。いやあ、まさか安いから選んだ早朝6時45分発の便のおかげで、通常の夕方ではなく、ラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)での前日スタジアム練習が午前10時30分からになっても間に合ってしまうとは。とはいえ、やはりもう4試合目ともなると、毎回、スペイン代表オフィシャルページで最初の20分間、ライブ配信されているのとまったく同じ光景、軽いランニングのアップ、ピッチ中央で全員参加の巨大ロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)、ビブスを配ってpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)が始まって少ししたところで終了というのを見るのもちょっと、マンネリ感がなきにしろあらず。

おそらく、金曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのチェコ戦ではルイス・エンリケ監督のローテーション計画から察するに、先週日曜にプラハで2-2と引分けたメンバーが中心になりそうですしね。ただ、その日はイニゴ・マルティネス(アスレティック)が前日、練習中に足を踏まれ、「tiene el dedo bastante hinchado/ティエネ・エル・デドー・バスタンテ・インチャードー(かなり指が腫れている)」(ルイス・エンリケ監督)せいで不在だったため、エリック・ガルシア(バルサ)とCBコンビを組むのはパウ・トーレス(ビジャレアル)か、ディエゴ・ジョレンテになるかもしれません。

ちなみにここまで3試合、連続先発をしているのはウナイ・シモン、サラビア、ガビ(バルサ)の3人だけ。中でも8月にようやく成人年齢を迎えるMFについては、ルイス・エンリケ監督も「Yo creo que Gavi podría jugar 16 partidos seguidos/ジョ・クレオ・ケ・ガビ・ポドリア・フガール・ディエシセイス・パルティードス・セギードス(ガビは16試合連続出場だってできると思う)」と、17才の若さをいいことに使いまくっているんですけどね。クラブの先輩、前年度は代表でもユーロ、東京五輪と皆勤したせいで昨季は負傷が続き、このネーションズリーグには招集されていないペドリの二の舞は避けてほしいところかと。

逆に楽しみなのは初戦のポルトガル戦では会場のベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)のスタンドに結構、空席があったのとは違い、このチェコ戦は3万枚のチケットが15分で完売。地元のサッカーファンが2018年にマラガが2部降格して以来、1部チームの選手を見る機会がないのもあるんでしょうが、一応、パスやセルカニアス(国鉄近郊路線)など、公共交通機関の中だけはまだマスク着用が義務。もうそれ以外はコロナ禍なんて存在しなかったのように大勢のバケーション客で街が溢れかえっているだけに、その辺からの需要もあったんじゃないでしょうかね。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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トロフィー掲げて開幕とは羨ましい…/原ゆみこのマドリッド

「いくら当日でもできるって言ってもねえ」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、土曜に今季開幕となるラージョ戦をプレーするバルサが未だにラ・リーガから許可が下りず、この夏に獲得した新戦力を1人も選手登録できていないと聞いた時のことでした。いやあ、試合前日会見で話したチャビ監督は、「Mañana veremos si podemos salir con el 100%, tenemos hasta dos horas antes del partido/マニャーナ・ベレモス・シー・ポデモス・サリール・コン・エル・シエン・ポル・シエント、テネモス・アスタ・ドス・オラス・アンテス・デル・パルティードー(100%でスタートできるか明日、わかるだろう。試合開始2時間前まで余裕はあるんだから)」と楽観的な見方をしていたんですけどね。 レバンドフスキ(バイエルンから移籍)を筆頭にラフィーニャ(同リーズ)、クリステンセン(同チェルシー)、クンデ(同セビージャ)に加え、契約延長組のデンベレ、セルジ・ロベルト、ガビらも出られないとなれば、昨季はカンプ・ノウの試合も含め、バルサに2勝した頼もしいマドリッドの弟分にとって、願ってもない好機到来かと思いましたが、良かったです。念のため、金曜の午後に最後のセッションを終えたイラオラ監督が「Seguro que Lewandowski, Dembélé y Raphinha van a jugar/セグロ・ケ・レバンドフスキ、デンベレ・イ・ラフィーニャ・バン・ア・フガール(きっとレバンドフスキ、デンベレ、ラフィーニャらはプレーするだろう)」という心構えで選手たちを鍛えていてくれて。 というのもようやく金曜の夜になって、バルサが第4のpalanca(パランカ/テコ)入れを発動。クラブの持つ権利を切り売りして、更に1憶ユーロ(約140億円)余りの資金を獲得したため、クンデ以外は登録できたというニュースが入ってきたから。対照的にラージョの方はかつてのアトレティコ黄金コンビ再結成のため、ずっともう来る、もう来ると言われているジエゴ・コスタ(アトレティコ・ミネイロ)がまだ到着せず。 この土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの試合もファルカオやアルバロ・ガルシア、イシらのゴールに期待することになりますが、昨季、レンタルで修行に行った2部のミランデスで15得点を挙げたアトレティコのカンテラーノ(Bチームの選手)、カメージョにも注目してあげないと。こちらもサラリーキャップの関係でラージョBでの登録となってしまいましたが、ユース時代にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で憧れの目で追っていた大先輩、Tigre(ティグレ/虎、ファルカオの愛称)のお手伝いができたら、嬉しいですよね。 え、リーガで先陣を切るのはラージョだけど、もうすでに公式戦があったマドリッド勢もいるんだろうって?その通りで、この水曜には兄貴分のレアル・マドリーがヘルシンキでUEFAスーパーカップのフランクフルト戦をプレーしたんですが、失念していました。8月のマドリッドはバケーションシーズン真っ盛りだということを。おかげでいつものバル(スペインの喫茶店兼バー)が閉まっていて、ようやく今年になってから、コロナ禍中は赤字になるからと切っていた有料放送の契約を再開した、以前の行きつけにいけば、もう店内は超満員。 仕方なく、去年の夏、通っていたバルに回っても今季はまだTVを契約していなくて見られないと言われるし、開始15分して、ようやく自宅から1駅先で、観戦客で賑わっているお店を見つけて入ってみれば、この猛暑の中、冷房がないなんてことあっていい?おかげで鎌田大地選手のシュートがGKクルトワにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたシーンなどを見逃して、悔しい思いをしたものですが、大丈夫。 「Yo vi su movimiento y me lancé a la izquierda/ジョ・ビー・ス・モビミエントー・イ・メ・ランセ・ア・ラ・イスキエルダ(彼の動きを見て左に飛んだんだ)」とクルトワ自身が解説していたこのプレーは後で散々、ニュースでのサマリーで見ることができたから。ただ、もう立ち見でも仕方ないと腹を括り、汗が止まらなくても、そのバルに居座ることした私でしたが、もしや丁度いいタイミングだった?何と、ビールで喉を潤す前の17分にはビニシウスのシュートをフランクフルトのDFがゴール前でクリアしたり、36分にも彼の一撃がGKトラップに惜しくも逸らされたりと、マドリーがギアを上げるのに間に合ったんですよ。 そしてその1分後には先制点が入って、クロースのCKをベンゼマがヘッド、ゴール右前にいたカセミロがそれを頭で落としたところ、トラップが飛び出して空になっていたところにアラバが蹴り込んだんですが、アンチェロッティ監督に言わせると、「Ha sido bastante casual/ア・シードー・バスタンテ・カスアル(かなり偶然の産物だった)」のだとか。曰く、「あのセットプレーは元々、相手が苦手にしているファーポストにボールを入れるものだった」そうですが、少なくとも作戦通り、カセミロがあの場所にいてくれたのが幸いしたよう。 そのまま1-0でハーフタイムを迎えたマドリーでしたが、後半9分にはまたしてもビニシウスがトラップに弾かれてしまい、まさか夏休みの間に昨季、ようやく開花した決定力を忘れてしまったのかと心配させてくれたんですけどね。ユベントス移籍の近いコスティッチ以外、グラスナー監督が「クラブの歴史を作った選手たちが先発でプレーするのに値する」と言っていた、レンジャースとのEL決勝のスタメンを並べてきたフランクフルトも13分にはゲッツェを投入。 2014年W杯決勝でドイツの優勝を決めるゴールを挙げて以来、低迷しながら、PSVでの2年間で再生したのを買われ、今季から加わった司令塔に運命を託したんですけどね。やはり、「このところ5回もCLに優勝しているマドリーは別次元のレベル」(グラスナー監督)というのは本当だったようで、両チームには実力差がかなりあったんでしょう。 ええ、カセミロのエリア外シュートがゴールバーを直撃した後の20分、今度はビニシウスが自分で撃たずにベンゼマにラストパス。今ではアンチェロッティ監督以下、チームメートも「Está claro que va a ganar el Balón de Oro,/エスタ・クラーロ・ケ・バ・ア・ガナール・エル・バロン・デ・オロ(バロンドールを獲るのは明らかだ)」(カセミロ)と信じて疑わない、マルセロの退団で今季から第1キャプテンとなったCFがワンタッチで蹴ったシュートが決まったから、バルで観戦していたお客さんたちも興奮したの何のって。 2点目が入るとすぐにマドリーも交代カードを切って、実際、こちらもリバプールとのCL決勝スタメンをリピートしていたんですけどね。別にこの日は奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)は必要ないにも関わらず、最初にモドリッチからロドリゴにしたのは、準々決勝のチェルシー戦や準決勝マンチェスター・シティ戦で反撃への流れを作ってくれた彼へのご褒美?まあ、これに関しては当人も「負けている時や逆転しないといけない時だけじゃなくて、自分はもっとプレーできる。Quiero ser titular y estoy trabajando para ello/キエロ・セル・ティトゥラル・イ・エストイ・トラバハンドー・パラ・エジョ(レギュラーになりたいし、そのために努力しているんだ)」とアピールしていたんですけどね。 マドリーの前線はベンゼマ、ビニシウスは絶対で、残り1席を争う激戦区。当面は相手によって、ロドリゴとバルベルデ、アセンシオらを使い分けて行く方がアンチェロッティ監督には都合がいいのかも。31分にはバルベルデも下がり、こちらも昨季は途中出場でチームに貢献したカマビンガがピッチに入って守備固め。残り5分にはセバージョスに加え、新顔のチュアメニ(モナコから移籍)とリュディガー(同チェルシー)ら、今季の働きを期待される選手が登場と、相変わらず、アンチェロッティ監督の人心掌握術には舌をまかされましたが、試合はそのまま2-0で終了です。 これでUEFAスーパーカップ優勝5回目となり、バルサとミランの持つ最多記録に並んだマドリーでしたが、実は監督として唯一、4回のCL優勝経験を持つアンチェロッティ監督はUEFAスーパーカップ戴冠も最多となる4度目。ミランを率いて2回、マドリーでも2回とCLに勝つたび、きっちりその副産物であるUEFAスーパーカップもモノにしているのはホント、がっつりしていると思いますが、残念ながら、この大会は勝ってもマドリッドでの祝勝行事はないため、試合の後は割とあっさりしたものでしたっけ。 そう、すでに金曜からは日曜午後10時(日本時間翌午前5時)キックオフのアルメリア戦の準備がバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で始まっています。アンチェロッティ監督も「El domingo refrescaré algo al equipo/エル・ドミンゴ・レフレスカレ・アルゴ・アル・エキポ(日曜はチームの何かをリフレッシュするつもりだ)」と言っていたため、おそらくパワーホース・スタジアム(アルメリアのホーム)では、ヘルシンキで出番のなかったアセンシオやルーカス・バスケスなど、ちょっと違った顔が並ぶことになるかと。 ちなみにルビ監督率いるアルメリアは昨季2部を1位で終えて昇格。先日は2012年に弟分のラージョでデビューして、翌年はアトレティコに移籍、それから中国などにも行ったりして、最後は母国ブラジルのサントスでプレーしていたFWレオ・バプチストンが入団したり、降格したアラベスからGKパチェコが来たりと補強に余念がないようですが、何せ7年ぶりの1部ですからね。今季はSextete(セクステテ/リーガ、コパ・デル・レイ、CL、UEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップ、FIFAクラブW杯の6冠優勝)、スペインではバルサだけが2度やっている偉業の達成を狙っているマドリーと互角にやりあうのはちょっと難しいかも。 一方、お隣さんは月曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでヘタフェとの兄弟分ダービーでシーズンの幕を開けるんですが、プレシーズンマッチ中、副業の右SBだけでなく、CBまで務めて、シメオネ監督に重宝されていたヴァスが金曜になって、母国のブロンディへ移籍することが発表に。いやあ、フェリペやヒメネスがケガする中、本職ボランチのビッツェル(ドルトムントから移籍)と一緒に、3CB制だと頭数の足りなくなる守備ラインをヘルプしてくれた彼ですが、11月に始まるW杯のデンマーク代表じゃ、そんなポジションでプレーしませんからね。 今年1月にニューキャッスルに行ったトリピアーの代わりとして、バレンシアから移籍したものの、デビューとなったバルサ戦で負傷。回復しても使ってもらえず、結局、昨季は45分しかプレー時間がなかったとなれば、早めに誤りを修正する気になったのもわかりますが、そうなると、ナウエル(ウディネーゼから移籍)が加入早々、立派にスタメンを務めている右SBの控えはカンテラーノのセルヒオ・ディアスだけ?せっかく中盤に戻れたマルコス・ジョレンテを再び下げることだけはしてほしくないんですが、2年前のリーガ優勝シーズンのように彼が12得点もしなくても、この夏のアトレティコのFW陣はゴールづいているから、別にそうなっても平気という見方もできるかも。 ええ、プレシーズンマッチ4試合で13得点、それもマンチェスター・ユナイテッドやユベントスといった一流チームにも勝っているとなれば、ファンも胸を躍らせているはずですが、それと対照的なのがヘタフェでねえ。2部チームが中心だったプレシーズンマッチ6試合で無得点が4試合、ゴールは3本だけとなると、先が思いやられますが、先週のボルハ・マジョラル(マドリーから完全移籍)に続いて、今週来たのはGKカシージャ(リーズからレンタルで昨季はエルチェでプレー)だけ。いくら、スポーツディレクターのルーベン・レジェス氏が、「Va a haber más incorporaciones en ataque/バ・ア・アベール・マス・インコルポラシオン・エン・アタケ(攻撃陣の補強はもっとする)」と請け合っていたとて、昨季前半は降格圏にドップリ浸かっていたのもありますし、ファンは気が気でないかと。 といっても勝負は始まってみないとわかりませんしね。幸い土曜からはマドリッドの猛暑も少しは和らいで、ようやく昼間も外を歩けるようになりそうな気配が。そうそう、アトレティコはこの開幕戦に向けて、最後のプレシーズンマッチだったユベントス戦前から、何度もダブルセッションを繰り返し、1回だけの日も最高に暑い午後6時30分にトレーニング。選手たちがゆだらないよう、十分な耐久力をつけさせたシメオネ監督とはいえ、やっぱり試合は少しでも涼しい方がいいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.13 20:00 Sat
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親善試合にだってトロフィーはある…/原ゆみこのマドリッド

「いきなり中止って」そんな風に私が驚いていたのは土曜日、そろそろチームがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場からバラハス空港に向けて出発する写真が見られるかなと、アトレティコのツィッターを開いた時のことでした。いやあ、この夏のプレシーズンマッチの予定を知った時から、ラストゲームがユベントス戦なのはいいとしても、何故に中東まで行ってやるのかと疑問には思ったんですけどね。どうやらこのところ、イスラエルでは戦闘行為が続き、テル・アビブにも爆弾が降ってくる可能性があるとかで、試合前日のお昼、朝練の後に中止決定とはまた急な話じゃないですか。 ちなみにレアル・マドリーのアメリカ西海岸ツアー最後の相手もこのユベントスだったんですが、ロスアンジェルスではベンゼマのPKとアセンシオのゴールで2-0と勝利。アトレティコも7月末にオスロでマンチェスター・ユナイテッドに1-0で勝っていますし、何より私もカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)で気分の上がるgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見てきたばかりですからね。できれば、お隣さんに負けない攻撃力をヨーロッパの強豪との対戦で披露してもらって、そのまま勢いに乗ってリーガ開幕に持ち込みたかったところ…はい、夕方には急遽、会場をユベントスの練習場に変えて、日曜午後6時(日本時間翌午前2時)からキックオフすることになりましたっけ。 まあ、それはともかく、今年もアトレティコがカランサ杯に参加すると聞いて、海水浴ができるいい機会とばかりに私も水曜からカディス(スペイン南西部のビーチリゾート)に乗り込んだんですが、やっぱり行って大正解。同じ真夏の暑さでもマドリッドの息のつまる気温37℃と比べると、あちらは27℃程度と穏やかですし、周りを海に囲まれた町なので空気もさわやかですしね。アトーチャ駅から電車で5時間とちょっと遠いのが難ですが、お昼過ぎに着いてもお日様が午後9時頃まで照っているため、かなり遅い時間までビーチにいても大丈夫と、いやまあ、おかげでホテルに戻った時にはその日、午後8時に始まったサント・ドミンゴでのアルコルコンvsレガネス戦がハーフタイムまで進んでいたなんてこともあったんですけどね。 開始2分に決まった柴崎岳選手の、このプレシーズン初ゴールや30分のシセの2点目で、すでにその時は0-2でリードしていたレガネスですが、同じマドリッドの弟分仲間のお隣さんとはいえ、相手のスタジアムだったからか、それともアルコルコンが今季はRFEF1部で戦うせいでしょうかね。恒例のYouTubeでの中継もなかったようなので、どちらにしろ、後半22分にはサム・ガランに1点を返されて、最後は1-2で勝利を掴んだレガネスの姿を追えなくても仕方なかったかと。 そして翌木曜、アトレティコが当日移動している最中にはセントロの細い路地を何となく辿っていくと着くLa Caleta(ラ・カレタ)のビーチではなく、ホテルの人が教えてくれたSanta Maria de Mar(サンタ・マリア・デ・マル)に行ってみることに。これが丁度、エスタディオ・ヌエボ・ミランディージャの脇にある超ロングビーチの手前にある浜で、両端が岩で囲まれて湾のようになっているせいか、妙に居心地が良く、砂もずっとサラサラなんですよ。 午後になると岸辺に藻が増えてくるラ・カレタより、水も綺麗だし、波打ち際に砂利もない最高のビーチで、何で今まで知らなかったんだろうと悔しくなった程だったんですが、欠点はパラソルや寝椅子を貸している業者がいないこと。ええ、前者には以前はレストランか何かだった大きな建物があって、土台部分が吹き抜けのため、日影には事欠かないんですが、こちらは自前のパラソルがない場合、ずっと炎天下にいないといけないのはちょっと辛いかも。3時間ぐらいでかなり私も日焼けしてしまったんですが、一旦、ホテルに帰ってシャワーを浴びた後、今度はRENFE(国鉄)の駅近くにあるバス停から1番のバスに乗って、カランサ杯観戦に出発です。 カディスにしてみれば、これが新シーズンのプレゼン試合とあって、キックオフ1時間前ぐらいから、スタジアム周辺はそこここに黄色のユニフォームを着たファンが跋扈していたんですが、やはり昨季は最終戦で1部残留が決まり、今季もリーガ戦で1流チームが見られるせいでしょうかね。客の入りはスタンドの3分の2ぐらいで、以前、彼らが2部や2部Bにいた頃に比べると、場内の熱気もそれ程ではなかったんですが、この日のアトレティコはマンU戦の後半に入った選手中心のスタメンでスタート。 昨年、PK戦で負けたカランサ杯ではユーロ2020やコパ・アメリカのせいでプレシーズン合流が遅かったメンバーが多かったため、かなり重用されたカンテラーノ(アトレティコBの選手)も先週頃から、マヌ・サンチェスがオサスナに3年目のレンタル、昨季は2部のミランデスで一緒に修行していたリケルメとカメージョもそれぞれジローナ、ラージョへとランクアップレンタルが完了。更にカラスコ、クーニャが休養、フェリペもまだケガが治らず帯同していなかったせいか、またしてもビッツェルとヴァスが、足首の負傷から回復したエルモーソとCBトリオを組んでいたんですが、それにも関わらず、先手を取ったのはシメオネ監督のチームでした。 ええ、開始7分に惜しくもグリーズマンのシュートがゴールポストに弾かれた後の13分、今度は彼がモラタにスルーパスを送ったところ、エリア内から先制ゴールを決めてくれたとなれば、ユベントス戦を利用して、相手のフロントと交渉することは何もない?それにはもちろん、ラ・リーガのサラリーキャップがどうたらこうたらと言われていながら、今週中にはしれっとビッツェル(ドルトムントから自由移籍)もナウエル(ウディネーゼから移籍)も選手登録が完了していたせいもありますけどね。モラタを始め、グリーズマン、ジョアン・フェリックス、コレア、クーニャ、どのFWも年間20得点級のゴール力はなくても、1人15本ずつくらい挙げてくれたら、リーガ優勝を争うことはできるかも。 そして42分にはルーカス・ペレスがポスト直撃、続いてロサノがGKオブラクに止められるというダブルチャンスをカディスが逃した後の前半ロスタイム、またしてもグリーズマンがやってくれます。いえ、彼のFKをジョアンがヘッドしたボールはサウールの腕に当たってゴールに入ったのが、電光掲示板に映るTVE(スペイン国営放送)の生中継のリプレーでもはっきりわかったんですけどね。カディスの選手たちもスタンドも猛抗議をしたものの、この試合にはVAR(ビデオ審判)がないことを理由に得点を認められるって、そんなラッキーなこと、あっていい? 後半開始直後もまだ、カディスの選手たちは不運な2失点目に気を取られていたのか、1分もしないうちにヴァスがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて、3点差にしたアトレティコでしたが、何よりの朗報は6分にやって来ます。ゴール前へのクロスにサウールが届かなかった後、ナウエンの代わりに入っていたカンテラーノのサムエル・ディアスがエリア内右奥から上げたボールをグリーズマンがヘッド。見事にネットに突き刺さり、年明けのコパ・デル・レイ32強対決マハダオンダ戦以来のゴールとなってくれたとなれば、長かったスランプに別れを告げるには最高のタイミングだったかと。 これでもう4点差とあって、15分には恒例の大量交代、7人がチェンジしたシメオネ監督だったんでですが、サビッチ、ヒメネス、レイニウドが入ったおかげで、3試合目にしてようやく、ビッツェルが本職のボランチとしてプレーできることに。まあ、それも15分程で、最後は彼もカンテラーノのカルロス・マルティンに代わり、フル出場したのはグリーズマンだけでしたが、大丈夫。42分にはマビルのラストパスをゴール前からアルバロ・ヒメネスに決められ、カディスに名誉の1点を与えてしまったとはいえ、GKは後半からゲルビッチに。絶対守護神のオブラクはこのプレシーズン3試合、クリーンシートを維持しています(最終結果1-4)。 そして試合が終わるやいなや、68回目となるカランサ杯で史上最多のUndecimo/ウンデシモ(11回目の優勝のこと)を達成。巨大なトロフィーと共に帰京したアトレティコを尻目に、まだ私がカディスをウロウロしていた金曜の午前中には、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でラージョと、1部に戻って来たバジャドリーの練習試合があったんですが、こちらはカメージョがデビューしたものの、肝心のファルカオが筋肉痛で出られず、スコアレスドローで終わることに。うーん、昨年夏に入団した時にはすでに背番号9が使用されていたため、3番でプレーした彼でしたが、今季はエヌテカが11番に変更することを快諾。晴れて、エースナンバーを着けられるようになったそうですしね。 どこぞのクラブなど、金曜に5万人をカンプ・ノウに集めたメガプレゼンでレバンドフスキに9番のユニを掲げさせるため、まだ退団するかどうかもわからないデパイから取り上げたなんて話も伝わってきましたが、ラージョはまだ補強も道半ば。ちょっと前から噂の出ていたジエゴ・コスタ(昨年までアトレティコ・ミネイロ)の入団も近々発表されて、13日(土)の開幕バルサ戦では、2013年にアトレティコのコパ・デル・レイ優勝の原動力となったファルカオとのゴールデンコンビ再結成が見られるかもしれないのにはきっと、胸を躍らせているファンも少なくないに違いありません。 そしてマドリッドに戻った金曜には夜になっても一向に暑さの引かないブタルケで新シーズンプレゼン試合、ビジャ・デ・レガネス杯を観戦した私だったんですが、うーん、相手のビジャレアルBは今季初めて2部に上がったカンテラだったんですけどね。前半には柴崎選手のシュートがゴールバーに当たったり、フアンン・ムニョスの一撃がポストを直撃したりしたんですが、若いチームを前にもしや油断した?43分にエリア内シュートで先制されると、ロスタイムにも追加点を奪われ、後半にカスミのゴールで1点を返すことができただけだったんですよ。 結局、1-2で負けて、Pepino de Oro/ペピーノ・デ・オロ(金のキュウリ)はビジャレアルBの手に渡り、レガネスはPepino de Plata/ペピーノ・デ・プラタ(銀のキュウリ)をゲットして終わったんですが、まあ大事なのは来週土曜の開幕アラベス戦ですからね。8月中ということで、バケーションに出ているファンも多く、とても満員御礼は期待できそうもありませんが、ビジャレアルB戦ではフル出場。最後まで全力で走っていた柴崎選手はもう相当、体が仕上がっているようなのは頼もしいですよね。 え、それで日曜に帰国、水曜からまたバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を始めたマドリーはどうしているんだって?いやあ、彼らの場合はもう水曜のUEFAスーパーカップまで、毎日、セッションが続くだけですからね。幸いながら、アメリカでの3試合でケガ人が出ることもなく、ほぼスタメンも決まっているため、大したことは伝わってこないんですが、相手のフランフルトはもう今週月曜にドイツカップ初戦をプレーして、2部のマグデブルクに鎌田大地選手の2発を含めて、0-4と大勝。 ただ、金曜のブンデスリーグ開幕戦ではバイエルンに1-6とボコボコにやられていたため、アンチェロッティ監督は「向こうは先にシーズンを始めているから、tenemos algunas desventajas/テネモス・アルグナス・デスベンタハス(ウチにはディスアドバンテージがある)」と言っていたものの、その辺はあまり心配しなくていい?あと気になるのは昨季のELでもカンプ・ノウでのバルサ戦やサンチェス・ピスファン(セビージャのホーム)での決勝レンジャース戦に大挙して押し寄せたフランクフルトファンがこのスーパーカップにも応援に行く気満々のようで、UEFAから各クラブへ割り当てられたチケット8000枚はすでに完売。 一般販売分の1万7000枚も買い占めそうな勢いなんですが、対してマドリーファンはクラブ割り当て分が1800枚しか売れていないこと。まあ、こればっかりは2014年から、昨季を含めてCLに5回も優勝し、そのたびにUEFAスーパーカップに出ているとあって、なかなかファンも散財ばかりしていられないということでしょうが、偶然にもフランクフルトのチームカラーも白ですからね。となれば、スタンドの大部分が敵のサポーターでも選手たちにはそんなに違和感はないかもしれない? そうそう、マドリーにはロサンジェルスから戻るやいなや、弟分のヘタフェに河岸を変えた選手もいて、それは5年契約で完全移籍したボルハ・マジョラル。木曜には入団プレゼンも無事済んで、最後のプレシーズンマッチ、日曜のアルバセテ(2部)戦でデビューもできるよう。昨季後半もローマからの又貸しで1部残留を果たす手助けをしているだけに、すぐチームに馴染んでくれるのは間違いないかと。初めてのお子さんが生まれるという当人も、「Siempre he estado cedido y esta estabilidad me va a ayudar mucho/シエンプレ・エ・エスタードー・セディードー・イ・エスタ・エスタビリダッド・メ・バ・ア・アジュダル・ムーチョ(いつもレンタル生活だったから、この安定感はボクの大きな助けになるだろう)」とヘタフェへの帰還を喜んでいましたが、まだまだアンヘル・トーレス会長は暗躍中。この先、ラタサやブランコといったマドリーのカンテラーノ(RMカスティージャの選手)後輩がレンタルで加わる可能性もあるようです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.07 22:00 Sun
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開幕まで2週間を切った…/原ゆみこのマドリッド

「新しいユニフォームだったんだ」そんな風に私が驚いていたのは月曜日、オールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッド戦を終えたラージョのイラオラ監督や選手のコメントを探していたところ、その試合では今季用のユニでデビューするというお知らせを見つけた時のことでした。いやあ、彼らの試合は先週水曜にもIDブタルケ(レガネスの練習場)で観戦する機会があったんですけどね。その時は真正面から照りつける西日が強すぎて、ユニフォームを気にしている余裕もなかったというか、え、もしやあんまり変わってなくない? おまけに日曜午後5時の少し前から、唯一、中継が見られるというMUTV(マンUのクラブチャンネル)を繋いで、キックオフを楽しみに待っていれば、この試合がプレシーズンマッチデビューとなるクリスチアーノ・ロナウドを始め、選手たちが入場してきたのと同時に映像が消えると、有料の登録ページに移動。いや、この円安の真っ最中、この1試合のためだけに8ポンド(約1300円)はないなと諦めてしまった私でしたが、何せ、先週末もこれがマドリッド勢の4試合目でしたからね。さすがに観戦疲れもあって、マルカ(スポーツ紙)のライブスコアをチェックするだけで終わってしまったんですが…。 え、マンUと言えば、土曜にもアトレティコと試合していなかったかって?その通りで、何でプレミアリーグ開幕1週間前のこの時期に2日連続でプレーするのかという疑問はさておき、こちらはオスロのウルボーレ・スタディオンでの対戦となったんですが、うーん、プレシーズンマッチ初戦でヌマンシア(RFEF1部/実質3部)に4-0とあっさり勝ったせいで、期待しすぎましたかね。相手がヨーロッパの一流チームとなるや、立ち上がりから、お馴染みの3本もパスが繋がらない状態が発現。ロナウドこそ、お留守番でいなかったものの、ラッシュフォード、マルシャル、マグワイアと次々シュートを撃たれ、これではシメオネ監督の4人DF制回帰も長く持たないかもしれないと心配する破目に。 それでも前半は、38分にはGKオブラクがボールクリアのため、ジャンプしたところをマクトミナイにど突かれて転倒。親善試合なのにtangana(タンガナ/小競り合い)が始まるなんてこともあったんですが、レギュラーCBのサビッチ、ヒメネス、前日に入団プレゼンを済ませ、16番を着けてデビューした右SBナウエル、そして左SBレイニウドが奮闘して無失点で凌ぎます。0-0のままだった後半15分には恒例の一斉交代となり、新たに9人の選手がピッチに入ったんですが、やっぱりシステムは変化しましたよ。第2GKゲルビッチも入る準備をしていたのに待ったをかけて、絶対守護神オブラクは続投。その前を3CB制でガッチリ固めて…え?ヴァス、ビッツェル、レイニウドで? そう、昨季から3CBの左を務めることが多かったレイニウドはともかく、この日はフェリペに加え、ヌマンシア戦で足首をケガしたエルモーソもいなかったため、右SBのヴァス、ボランチのビッツェルで急造トリオを結成。遠征に参加していたカンテラーノ(アトレティコBの選手)のCB、マルコ・モレノは残念だったかもしれませんが、右SBには同僚のセルヒオ・ディアスが入り、ロディも負傷でお留守番だったため、サウールが昨季チェルシーへのレンタル移籍を決意する原因となった左SBを担当します。 その彼のvolea(ボレア/ボレーシュート)が決まっていれば、シメオネ監督にはありがちな、CL決勝トーナメント1stレグは0-0で御の字感も早めに払拭できたはずですが、大丈夫。リフレッシュ組にはまさに昨季、マンUとのCL16強対決1stレグに開始6分、ビックリ目覚ましゴールを挙げたジョアン・フェリックスもいたんですよ。時間は40分、敵陣の左サイドでボールを取り戻したアトレティコはそこからカウンター。モラタからパスをもらったジョアンがデロットをかわし、エリア前から放ったシュートがGKデ・ヘアを破ったとなれば、やっぱりこのチームの7番は彼で決まりですって。 昨季終盤のケガによる欠場から、4カ月ぶりに復活したジョアンのゴールがモノを言って、そのまま彼らは1-0で勝利。スタンドはほとんどマンU一色だったため、オスロのファンはガッカリしたかもしれませんが、これで2連勝とアトレティコの調整が順調にいっているのは、私には喜ばしい限りかと。それにしたって、今季の前線先発争いは熾烈で、この日もスタメンはコレアとクーニャ、交代出場がモラタ、グリーズマン、ジョアンという配役だったんですが、いえ、入団4年目を迎えるジョアンなど、「La competencia es buena porque nos obliga a trabajar mejor/ラ・コンペテンシア・エス・ブエナ・ポルケ・ノス・オブリガ・ア・トラバハル・メホール(競争があるのはいいことだよ。ボクらにより良く練習することを強いるからね)」と言っていたんですけどね。 ただ公式戦では交代枠は5人分しかありませんし、昨季同様、サビッチとヒメネスが負傷を繰り返すようだと、本職CBが4人しかいないのは守備の面でちょっと不安になりますが、まあそれはそれ。月曜夕方から練習を再開させたアトレティコの次戦は木曜のカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)。その後、日曜にテル・アビブでユベントスとプレシーズン最後の試合をしてから、いよいよ15日(月)にはヘタフェとのリーガ開幕兄弟分ダービーとなるんですが、補強はもう終わったようですしね。リケルメ(昨季はミランデスにレンタル)のジローナへのレンタル移籍が決まったりと、カンテラーノたちの整理も進んでいるんですが、ラ・リーガのサラリーキャップを満たすための4000万ユーロ(約54億円)分の選手売却って、ホントにあるんでしょうか。 そして土曜の夕方はまた、レガネスとアルバセテの親善試合を見にIDブタルケに向かった私でしたが、いやあ、ツイていましたよ。というのも再び焦熱地獄を覚悟していたところ、メトロに乗っている間に最近は珍しいスコールが通過。アルーチェ駅からバスに乗り換えて、練習場に着いてみると、雨は止んでも空は雲に覆われたままで、気温が相当下がってくれていたから。前回と違い、スマホでアトレティコの試合をチェックする必要もなかったため、ラージョ戦では控えだった柴崎岳選手も先発だし、これは落ち着いて観戦できると喜んだところ…。 何でしょうね、イディアケス新監督は用心深いのか、ウナイ・エメリ監督(ビジャレアル)のアシスタントコーチを務めていたせいか、別にボールを後ろから繋いでいくスタイルなのは構いませんが、レガネスはなかなか前に進めないんですよ。序盤はエリア外からのシュートを放っていた柴崎選手もどちらかというと、自陣ゴールに向かって走っている方が多かったようですし、せっかくのスルーパスも受け手がチャンスに繋げられなくてはねえ。 後半28分に彼が退いた後もレガネスはカスミが2度程、シュートしたものの、得点できず、アルバセテも決定力に欠けていたため、スコアレスドローで終わりましたが、この夏のIDブタルケでの試合はももうこれで最後。水曜にはマドリッド南部の弟分仲間、12年間いた2部に昨季別れを告げたアルコルコン(RFEF1部/実質3部)とサント・ドミンゴでプレーして、土曜にはビジャ・デ・レガネス杯で今季、昇格して2部で戦うことになったビジャレアルBをブタルケに迎えてから、開幕アラベス戦に挑むことになります。 え、それでまたしても日曜午前4時という早朝にキックオフ。レアル・マドリーの西海岸ツアーラストとなるユベントス戦はどうだったのかって?いやあ、もうクラブ・アメリカ戦で懲りていましたし、TVE(スペイン国営放送)も午後1時過ぎに再放送してくれるというので、私もムリして生中継は見なかったんですけどね。アンチェロッティ監督の予告通り、5月末のCL決勝リバプール戦と同じスタメンを並べたお隣さんは開始10秒、キックオフからの速攻でクロース、バルベルデと繋ぎ、ベンゼマがゴールを決めているんですから、驚いたの何のって。 残念ながら、これはオフサイドで認められなかったんですが、問題はありません。何故なら、18分にはビニシウスがダニーロに倒されてPKをゲット。これをしっかりベンゼマが決めて、先制点を奪っているとなれば、たとえ、プレシーズンマッチ初戦ではバルサに負けているとはいえ、前人未踏のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)達成したチームには今季もライバルはいない? まあ、バルベルデも「No teníamos ritmo en el Clásico y ahora ya tenemos otras cosas/ノー・テニアモス・リトモ・エン・エル・クラシコ・イ・アオラ・ジャー・テネモス・オトラス・コーサス(クラシコではウチにリズムがなかったけど、今は別のものを持っている)」と言っていたように、要はベンゼマがいるかいないかの違いかと思いますけどね。後半頭から、アンチェロッティ監督はミリトンをリュディガー(チェルシーから移籍)に代え、この日はアラバとのコンビでCB相性診断を続行。18分には残り9人のフィールドプレーヤーも一斉交代したんですが、23分にはBチームが意地を見せてくれます。 ベンゼマに代わってfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/シャドーCF)として入ったアザールが起点となり、アセンシオとのワンツーを経ると、右SBとして入っていたバジェホにパス。敵DF陣に妨げられることなく、そこから真っすぐゴール前に来たボールをアセンシオが決めて、点差を2点に拡大してくれたから、もう安心ですって。そのまま2-0で勝利したマドリーは1勝1分け1敗で西海岸ツアーを終了。水曜からはまたバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で10日(水)のUEFAスーパーカップ、ヘルシンキでのフランクフルト戦目指して調整することに。 それにしたって、羨ましいのはアンチェロッティ監督が「les llamo el triángulo de las Bermudas porque desaparece el balón ahí/レス・ジャノ・エル・トリアングロ・デ・ラス・ベルムーダス・ポルケ・デサパレセ・エル・バロン・アイー(彼らのことはバミューダのトライアングルと呼んでいる。あそこでボールが消えるからね)」と話していたモドリッチ、クロース、カセミロの中盤が全員30代になりながら、未だに十二分に機能していること。MFの頭数はいながら、誰もゲームメークができないどこぞのチームとは大違いですが、彼らを補うカマビンガ、チュアメニ(モナコから移籍)、バルベルデら若手も、監督は「A mí me gustan los dos, los clásicos y el rock and roll/ア・ミー・メ・グスタ・ロス・ドス、ロス・クラシコス・イ・エル・ロック・アンド・ロール(クラシックなのとロックンロール、私はどちらも好きだよ)」と高く評価していましたしね。 唯一、気になるのはベンゼマの控えはどうやらアザールで行くことに決まったようなところで、月曜早々にはボルハ・マジョラルのヘタフェ移籍が発表。何せ、このアメリカでの3試合、彼はまったく出番がもらえませんでしたからね。だったら、プレシーズンから、ゴール不足の気配が感じられる、昨季後半はレンタル移籍中だったローマからの又貸しでプレーした馴染みのあるチームに行った方が活躍できると当人が思うのも当然だった?弟分には恵みの新戦力とはいえ、マリアーノは員数外というマドリーが、本当に控えに大人の真正CFなしでシーズンを乗り切れるでしょうか。 ちなみにアルゴルファ(アリカンテ)第2次キャンプから戻り、この週末は地元で練習に励んでいたヘタフェはプレシーズンマッチも日曜のアルバセテ戦を残すのみ。UCLAのグラウンドでは普通に練習していたマジョアルですから、もうその試合には出られるでしょうし、開幕アトレティコ戦の準備にもまったく支障はないのは、キケ・サンチェス・フローレス監督も心強いかと。 そして最後にマンUvsラージョ戦の結果なんですが、相手は前日とはガラリとスタメンを変更。とうとうロナウドもこのプレシーズン初出場となったんですが、リーガ開幕戦でも十分ありうるベストメンバーを並べた弟分も一歩も引かず。前半をスコアレスドローで終えると、後半2分にはロナウドと交代で入ったアマッドに、アレックス・テレスのシュートをGKディミトリエフスキが弾いたボールを押し込まれ、先制されてしまったんですが、何とその10分後には同様にイシのシュートGKヒートンに弾かれながら、アルバロ・ガルシアが決めて同点に追いついているんですから、立派じゃないですか。 いやあ、その前のファルカオのエリア前からの一撃がゴールバーを叩いていなければ、勝利も夢じゃなかったんですけどね。予算諸々の差を考えれば、1-1で引き分けただけでも、昨季に続いて、スタートダッシュを狙っているラージョがいい仕上がりをしているのがわかりますって。そんな彼らは金曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のスペイン・サッカー協会施設で昇格組のバジャドリーと練習試合をした後、13日(土)にはもう、カンプ・ノウでバルサとリーガ開幕戦。大赤字と言われながら、月曜に入団プレゼンがあったクンデ(セビージャから移籍)を含め、ケシエ(同ミラン)、クリステンセン(同チェルシー)、ラフィーニャ(同リーズ)、レバンドフスキ(同バイエルン)と次々、大物を獲得している相手ですが、きっとイラオラ監督も1節から波乱を起こそうと張り切っているはずですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.02 21:15 Tue
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どこもマイペースで準備を進めている…/原ゆみこのマドリッド

「もうプレシーズンマッチやっているんだ」そんな風に私が驚いていたのは火曜日、ヘタフェがプレストン(イングランド2部)とカンポアモール(地中海沿岸のゴルフリゾート)で親善試合をしているのに気がついた時のことでした。いやあ、この午前10時45分から始まった、マドリッド勢の先陣を切る弟分の初戦、思い出した頃にはすでに終わりかけていたんですけどね。どちらにしろ、TV中継などありはせず、両チームのツィッターで細々と実況されていただけだったため、バケーションを兼ねてか、イギリス人サポーター300人余りが駆けつけて、プレストンを応援していたというのはともかく、それ以外、具体的にどんな内容だったのか、詳しいことはわからなかったものの、前半2分に先制されながら、後半にガストン・アルバレスが2点を挙げ、2-1の逆転勝利を飾るとは幸先がいい? とはいえ、私も最初はこの夏、新規加入したのは先週、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでプレゼンがあったポルトゥ(レアル・ソシエダからレンタル)とセアオネ(2部のウエスカから移籍)、そして折しも月曜に電撃入団したCBドゥアルテ(2部に降格したグラナダから移籍)だけでしたし、ガストン・アルバレスなんて、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)がいただろうかとと首を捻っていたんですが、いや失礼。実は彼、今年の1月にウルグアイのボストン・リバーから移籍した22才のCBで、同時期に入ったボルハ・マジョラルやゴンサロ・ビジャル(どちらもローマからレンタル)が1部残留の闘いの中、キケ・サンチェス・フローレス監督に重宝されていたのとは対照的に、デビューすらしていないんですよ。 それにも関わらず、地道に練習を続けていたのが良かったか、レンタル期間の終わったクエンカがビジャレアルに帰ったのもあり、今季は欠員のできたCBのポジション争いに参加できるかと思いますが、ヘタフェのロルダン(ムルシア)でのキャンプはこのプレストン戦をもって終了。今週の残りはマドリッドで練習し、土曜にブタルケでレガネスと親善試合をした後、また20日からはアルゴルファ(アリカンテ)で第2次キャンプとなります。いやあ、同じ先週の月曜にプレシーズン練習を開始した2部のお隣さんも今週頭からはオメルオと柴崎岳選手も合流し、猛暑のマドリッドでダブルセッションを重ねているんですけどね。 レガネスもヘタフェとのプレシーズンマッチ初戦を済ませた翌日には、サン・ペドロ・デル・ピナタル(ムルシア)での地中海沿岸キャンプに行ってしまうため、私も早めに練習を見に行っておかなきゃと思っているんですが、この時期のセッションは暑い時間を避けるため、朝9時30分からと早くてねえ。といっても月曜午後にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)に移動。ダブルセッション初日の火曜は最初の練習が午前7時45分からというアトレティコに比べれば、まだマシなんでしょうが、車のない自分にはそこまで行く気もないため、別にいいんですって。 え、それでもその朝練ではようやく、30度の急斜面駆け登りを含め、地獄のフィジカルトレが始まったのにはホッとしたんじゃないかって?いやあ、その通りで何せ、マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でスタートした日曜日、私も頑張って、朝9時半に行ってみたところ、マスコミに公開される15分は妙にお楽しみメニューばかりでねえ。最初は半球の上に乗ってボールを返したり、ミニトラポリンの上で足踏みとかやっていたんですが、続いてロープに囲まれた小さい区画の中、手繋ぎ鬼のようなゲームを始めたから、驚いたの何のって。 ちなみにその日、初練習に参加していたのは29人で、昨季1試合も出してもらえずにモナコに帰ったルコントに代わり、リールへのレンタルから戻ったゲルビッチに加え、オブラクを補佐するアトレティコBのGKが2人。カンテラーノは他にリケルメ(昨季は2部のミランデスにレンタル)、マヌ・サンチェス(同オサスナ)、契約満了したベルサイコがオリンピアコスに移籍したため、ヴァス1人となってしまった右SBをヘルプするセルヒオ・ディアスぐらいで、あとはレンタル帰りのモラタ(ユベントス)、サウール(チェルシー)、ナウエン・ペレス(グラナダ)、そして先週水曜に入団が発表されたアクセル・ビッツェル(ドルトムントと契約終了)、金曜に決まったサムエル・リノ(ジル・ビセンテから移籍)しか、新しい顔もありませんでしたしね。 まあ、そのアトレティコ初体験の2人もフィジカルコーチのプロフェ・オルテガが指揮するサマーキャンプの辛さはそれぞれ、ビッツェルはベルギー代表仲間のカラスコに、リノもクーニャやロディといったブラジル人の先輩に聞いて、心の準備もできていることでしょうが、火曜は早速、スロースターターのフェリペ、前日夕方のセッションで足を打撲したジョアン・フェリックスが欠席。開始早々これでは先が思いやられますが、大体がして、5月22日に昨季のリーガ最終節、レアル・ソシエダ戦が終わった後、アトレティコのバケーションは49日もあったんですよ。 そう、今週から、6月19日のプレーオフ決勝2ndレグでテネリフェを下し、アルメリア、バジャドリーに続く3番手として1部に戻って来たジローナもプレシーズン練習を開始。20チーム中、一番遅いスタートと言われながら、休みはたったの22日間しかなかったと聞いたため、ちょっと調べてみたところ、最終節が5月29日だったレガネスは36日。先週土曜から、エスタディオ・バジェカスで練習しているラージョだけは50日とアトレティコより多かったんですが、ヘタフェは43日、お隣さんに至っては5月28日にCL決勝があったため、37日しかなかったって、ちょっとシメオネ監督、余裕を見せすぎでは? いえ、先週金曜からバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で稼働しているレアル・マドリーは選手たちも五月雨式に合流。6月の代表戦に参加していない選手たちを中心に、久保建英選手(昨季はマジョルカ)やヘイニエル(同ドルトムント)、ボルハ・マジョラル(同ローマ、ヘタフェ)、オドリオソラ(同フィオレンティーナ)ら、レンタル移籍していたメンバーも加わってスタートした後、土曜にはカマビンガも繰り上げ出勤。日曜にはビニシウス、カセミロ、ロドリゴが戻り、ブラジル人モデルの彼女、カロリーナ・リマさんの出産に付き添ったミリトンも月曜には出て来たんですが、ベンゼマ、モドリッチ、アラバ、バルベルデ、カルバハル、アセンシオ、アザール、そしてこの夏、入団したリュディガー(チェルシーから移籍)、チュアメニ(同モナコ)と全員が揃うのは14日の木曜になりますからね。 ただ、毎日、こちらも暑さ全開のマドリッドでダブルセッションして鍛えているとはいえ、さすが昨季2冠を獲っただけのチーム。皆、バケーション明けでも体力に不足はないようで、日曜の夜にはカステジャーナ大通りにある創作日本料理レストラン、Zumaでマルセロが開いたお別れ夕食会にアンチェロッティ監督以下、ビニシウス、ロドリゴ、カセミロ、ナチョ、バジェホ、ルーカス・バスケス、セバージョス、マリアーノらが顔を出し、元キャプテンの宴に華を添えた後、月曜朝には普通に練習しているんですから、偉いじゃないですか。 といってもコロナ禍が始まって以来、ベルデベバスでの練習はCL決勝前のUEFA強制オープンメディアデーでもない限り、全てpurta cerrada(プエルタ・セラーダ/非公開)。よって、TVに映るセッションの映像なども公式ページに上がるビデオからのものばかりで、あまり面白みはないんですが、そうそう、先週はまだマドリッドの両雄が活動していなかった平日、ヒマを持て余して、両クラブのスタジアムツアーに行ってきたことも報告しておかないと。 まずはサンティアゴ・ベルナベウの全面改装工事のせいで2カ月間、閉鎖されていたマドリー・ミュージアムを訪ねたんですが、試合がある度、中断しなければいけなかったシーズン中と比べ、尚一層、工事現場感が増したスタジアム周辺の囲いに張られた標識を辿って着く現在のツアー入り口はpuerta(プエルタ/ゲート)55。カステジャーナ大通りの反対側、かつてVIP用ゲートがあった辺りなんですが、重機類の唸る音を聞きながら、下りて行った先に2部屋程が臨時ミュージアムになっていて、ええ、誰もが一緒に写真を撮りたがるDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)のトロフィーももちろん、展示されています。 35回目のリーガ優勝トロフィーもあるんですが、あとは完成後のベルナベル模型とか、在籍中に選手が受賞したバロンドールとかぐらいしか、今は見る物がなくてねえ。そう、ツアーとは言っても丁度、今はスタジアムの天井部取り付け真っ最中とあって、壮大なパノラマを楽しめる最上階にも行けませんし、ロッカールームも新築中。順路を作るのは不可能だったか、プレスルームも見られなくて、要はミュージアム出口から、10メートルぐらいスタンドを通って、内側の工事進行状況を眺めるぐらいしかできないんですよ。最後は今季の第1、第2の新ユニフォーム絶賛発売中のオフィシャルショップで終了と、うーん、これでメトロの駅を出てすぐ右のビル1階にあるチケット売り場で入場チケットが18ユーロ(約2500円、公式ページで購入すると15ユーロ/約2100円)もするのはちょっと暴利かも。 一方、翌日訪ねたワンダ・メトロポリターノのツアーは24ユーロ(約3300円、アトレティコの公式ページで買うと22ユーロ/約3000円)で、ちゃんとロッカールームを含めたスタジアム内部も見られるんですが、こちらにも落とし穴が!ええ、先週、今ならピッチのかなり奥まで入れるというニュースを見て、ワクワクして行ったところ、何と前日に催されたプライベートなパーティで使ったステージなどを解体中。試合の時、選手たちが通って出る階段にさえ下りられないって、そんな話、聞いていませんよお。 うーん、アトレティコもコロナ禍のせいで収入が減り、とりわけ通常モードに戻ったこの夏はスタジアムをコンサート会場にしまくるだけでなく、企業や個人のイベントにも利用してもらって、貸し出し料を稼ぐのに余念がありませんからね。間が悪いとピッチやベンチが見られない日があるということでしょうが、幸いTerritorio Atleti(テリトリオ・アトレティ/アトレティコのミュージアム)は充実。まあ、比べちゃいけないんですが、弟分チームたちのスタジアムには小さなトロフィールームしかないことを思えば、最新の2020-21シーズン優勝分を含め、リーガ11個、コパ・デル・レイ10個、EL3個などが燦然と並ぶトロフィー展示はそれなりに圧巻ですしね。ここにいっそ、大会最多の優勝回数を誇る巨大なカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会、この夏も8月4日にアトレティコが参加することが決まっている)トロフィー10個を全部並べてやれば、お隣さんだって、一目置いてくれるかもしれない? 言うまでもなく、唯一のネックはCLトロフィーが1つもないことですが、歴代選手や現役選手のユニフォームやシューズの展示などに加え、フェルナンド・トーレスの部屋とか、コパやEL決勝をピッチから見た3D映像とか、ビセンテ・カルデロン最後の日のビデオとか、ビジュアル的に楽しいアトラクションもあるため、マドリッドに来た際には立ち寄ってみても損はしないはずですが…その出口は定番、オフィシャルショップなのはいいとして、もうプレゼンビデオが出て久しいにも関わらず、今季の新ユニフォームがまだ売っていないとは、これ如何に! いやあ、メインのスポンサー企業が今季から、仮想通貨を扱うアンバーグループに決まり、ユニの胸に”WhaleFin”の文字が入ることになったのはこの月曜でしたからね。それまで発売できなかったという事情もわかりますが、昨季リーガ優勝が決まった試合の直後から、ベルナベウのオフィシャルショップが新ユニを求めるファンでバーゲン会場状態になっていたのを私など、実際に見ているだけに、かなり出遅れた感もなきにしろあらず。といっても元々、ユニの販売枚数で競争できる相手でもないですしね。何より今は、8月第2週のリーガスタート時に遅れを取らないことを願うしかありませんよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.07.14 09:00 Thu
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いよいよ動きだした…/原ゆみこのマドリッド

「練習始まっても見られないんじゃ」そんな風に私がガッカリしていたのは火曜日、マドリッド勢の先陣を切った弟分のヘタフェのオフィシャルサイトにトレーニングセッションのビデオが上がっているのに気づいた時のことでした。いやあ、前日はポルトゥ(レアル・ソシエダからレンタル移籍)とセアオネ(2部ウエスカと契約満了して移籍)の入団プレゼンがあったため、久々にコリセウム・アルフォンソ・ペレスに足を向けてみたんですけどね。広報部長が、月曜火曜はメデイカルチェックと体力テストだけで、チームのセッションは水曜にキャンプ地のロルダン(ムルシア)へ行くまでないと言っていたにも関わらず、その日の午後にはマスコミ非公開でしっかりやっているって、一体、どういうこと? それも何だか、コリセウムすぐ近くにあるシュダッド・デポルティボのグラウンド周りを覆う目隠しの幕が一層、高くなっている感じで、今季のヘタフェは兄貴分チームに倣ってか、ますます人目を避けて練習するようになった?うーん、レアル・マドリーやアトレティコとは違って、例年、キャンプ地まで番記者たちがついて行く訳でもなし。リーガ20チーム中、プレシーズンマッチ一番乗りとなる12日のプレストン(イングランド2部)戦どころか、20日から27日のアルゴルファ(アリカンテ)での第2次キャンプ中にプレーするカルタヘナ(2部)戦、レベンテ(2部)戦、エルチェ戦、8月7日のアルバセテ(2部)戦も相手チームのネット中継があればいい方で、TVで見ることなど、とても望めない彼らなんですけどね。 だったら、せめて地元で練習する時ぐらい、見せてくれてもいいのにと思ったんですが、ちなみに初日の練習ではアランバリやエネス・ウナル、マクシモビッチらの姿はなくて、それはリーガ終了後、6月の各国代表戦に参加した選手たちは遅れて合流するせい。入団プレゼンの席で新任のスポーツディレクター、ルーベン・レジェス氏も「Nosotros no hemos recibido en firme por ningún jugador/ノソトロス・ノー・エモス・レシビードー・エン・フィルメ・ポル・ニングン・フガドール(ウチの選手は誰1人、確固たる移籍オファーを受けていない)」と言っていたため、今のところは主力が抜ける心配をすることはないんですが、まあ、こればっかりはねえ。 そうそう、月曜は2部のお隣さん、レガネスもイディアケス新監督の下、負けじとプレシーズンをスタートさせていて、いえ、こちらは本当に最初の2日間はテストだけなんですけどね。代表戦に参加したオメルオ(ナイジェリア)と柴崎岳選手の合流は11日まで待たないといけないんですが、幸いなことにここ、2週間はシュダッド・デポルティボ・ブタルケでじっくり調整してくれることに。16日には丁度、キャンプの狭間に当たるヘタフェと練習試合を行って、17日から、サン・ペドロ・デ・ピナタル(ムルシア)に1週間滞在となるんですが、そちらではアンドラ(今季から2部)、ノッティンガム・フォレスト(今季からプレミアリーグ)のU23、エルチェとプレシーズンマッチが控えています。 戻って来てからもラージョやアルコルコン(昨季2部からREFE1部に降格)とのご近所対決があるんですが、レガネスではすでに選手の人事異動も着々と進行。先週はキャプテンのブスティンサが契約を解消し、翌日にはマラガ(2部)入団が発表されていたり、ラバ(ビジャレアルからレンタル、昨季はグラナダでプレー)やホルヘ・サエンス(バレンシアからレンタル、昨季はミランデスでプレー)ら、補強も到着しつつあるよう。もうこれで2部3年目となる彼らですし、今季こそは1部再昇格を果たすため、8月13日午後9時からの開幕アラベス戦から、ブタルケのファンを失望させないプレーを見せられるチームになっていてくれるといいのですが。 え、それでまだ、バケーション中の兄貴分たちの予定はどうなっているのかって?いやあ、7月に入るやいなや、ちょっと昨季のバルサにも似た、淡いパープルの第2ユニを発表したマドリーでしたが、やはり夏の観光シーズンをムダにする気はさらさなかったんでしょうね。この月曜には2カ月間、サンティアゴ・ベルナベウの全面改装工事のせいで閉鎖されていたミュージアムをリオープン。 いえ、まだスタジアムは工事現場そのものなんですけどね。獲りたてのDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)や35回目のリーガを含め、燦然と輝くトロフィー群をマドリッドを訪れるファンが見られるようになったのは良かったかと。チームの方は金曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でプレシーズン練習を開始するんですが、やはりこちらも時差出勤。第1陣として集まるのは、レンタル移籍を終えて戻ってくるボルハ・マジョラル(昨季はヘタフェ)、オドリオソラ(ここ2年はフィオレンティーナ)を加えての12人だけのよう。 要はクルトワ(ベルギー代表戦を恥骨炎で欠場)、ルニン、ルーカス・バスケス、ナチョ、バジェホ、メンディ、クロース、カマビンガ、セバージョス、マリアーノとなるんですが、残留するかどうか、スペイン代表で11月のW杯カタール大会に行きたいセバージョスはアンチェロッティ監督との話し合い待ち。毎年、放出候補に挙がりながら、移籍を拒否してきたマリアーノもようやく、河岸を変える気分になったのか、移籍先を探しているところなのだとか。 第2陣としては日曜にブラジル代表の4人が合流予定なんですが、うちミリトンとロドリゴは戻り次第、2028年まで契約延長をすることに。いやあ、2人共、昨季のマドリーの2冠達成に大きく貢献していますからね。前者は長年、チームの看板CBコンビだったセルヒオ・ラモス(PSG)とバラン(マンチェスター・ユナイテッド)が揃っていなくなった後、レギュラーの座を掴み、アラバと共に守備陣の要となりましたし、ロドリゴもマドリー入団3年目にして見事に開花。 何より、昨季は総合スコア同点に持ち込む準々決勝チェルシー戦2ndレグ後半35分のゴール、そして準決勝マンチェスター・シティ戦2ndレグでも後半45分過ぎに起死回生の2点を挙げ、延長戦での根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)を呼び込む活躍ぶりでしたからね。それがなければ、マドリーがパリでの決勝に進むこともできなかったはずですが、え、2019年に4500万ユーロ(約63億円)でサントスから移籍した彼に比べ、同じ夏にフランクフルトから来たヨビッチは7000万ユーロ(約98億円)もしたんだろうって? そうですね。プレシーズン練習には第3陣として、カルバハル、アセンシオ、アラバ、モドリッチ、アザール、ベンゼマ、バルベルデ、新加入のチュアメニ(モナコから移籍)、リュディガー(チェルシーとの契約が終わって移籍)ら、そしておそらく、マジョルカへのレンタル移籍から戻る久保建英選手も参加するんだと思いますが、そのヨビッチも一応、来週木曜に合流予定。とはいえ、ここ数日中にはフィオレンティーナへの移籍が決まりそうで、それもちょっと異例な形でレンタルではなく、マドリーは2025年まで契約のある選手の保有権50%を無料で譲り、相手は当人の年棒だけ負担するのだとか。もし来年の夏、フィオレンティーナが彼をどこかに売却した場合、その移籍金の半額が払われるという取引らしいんですが、とにかくここ3年、古巣へのレンタルもあったものの、マドリーでは3ゴールしか、挙げていない選手となれば、一体、どのくらい元が取れるのやら。 ただ、移籍金7000万ユーロというのにはお隣さんも結構、痛い目に遭っていて、それは2018年にクラブ史上最高額でモナコから入団したレマル。いやまあ、シメオネ監督には信頼されていて、ヨビッチよりは全然、出場試合数も多いんですが、ちょっと良くなると、ケガをするという繰り返しでねえ。今もあと1年に迫った契約満了を前にクラブは延長交渉を続けているんですが、進展したというニュースも聞こえないようでは、この夏の売却も仕方ないのかと思いきや…。 どうやら、年度末の6月30日までに選手を売却して、4000万ユーロ(約56億円)作らないと、収支が合わず、ラ・リーガの規定を守れないという情報はガセだったようで、まあ、サッカー記者もあまり数字には強くありませんからね。まさにその当日、TVのインタビューを受けたヒル・マリン筆頭株主も「No vamos a vender a ningún futbolista hoy/ノー・バモス・ア・ベンデル・ア・ニングン・フットボリスタ・オイ(ウチは今日、誰も選手を売らない)」と言っていましたが、どうやら、お金が必要なのは新しい選手の登録をするためで、遅くとも8月末の登録期限前、できれば、8月12日の開幕前に売却益を出せればいいのだとか。 おかげで今度はヒメネスなどが、6000万ユーロ(約84億円)ぐらい移籍金が期待できそうな選手として、放出候補に挙がっていましたが、いくらフェリペが出場試合数などで自動的に1年契約延長になったとはいえ、レギュラーCBの片翼を失うなんて、あまりに非現実的ですからね。その話は早々に立ち消えましたが、そんなアトレティコも今週末には体力テストのためにマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に集合。こちらは各国代表に参加していた選手も一緒で、全員揃って、日曜にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のサマーキャンプに出発するようですが、例外はビトロ(昨季はヘタフェにレンタル)とアリアス(同グラナダ)。 弟分チームでもほとんどプレーできなかった前者はラス・パルマス(2部)への古巣レンタルがほぼ決まっているようで、先月末にはベルサイコも契約が満了して、今はオリンピアコスに移っています。更に月曜にはシメオネ監督の三男、昨季はアトレティコBで25得点を挙げ、REFE3部から2部(実質5部から4部)への昇格を牽引したジュリアーノがサラゴサ(2部)にレンタル移籍することが決定。トップチームでリーガデビューさせてくれた父の下を離れ、一人、武者修行の旅に出ることになりましたが、逆に昨季はレンタル先のミランデス(2部)で計22ゴールを決め、黄金コンビとなったリケルメとカメージョス、2人のカンテラーノ(アトレティコBの選手)がキャンプに参加するのは楽しみかと。 何せ、すでに契約はまとまったと言われているビッツェル(ドルトムントとの契約が終了)でさえ、正式入団の発表がなく、新顔はモラタ(昨季はユベントスでプレー)とサウール(同チェルシー)しかいないアトレティコですからね。7月頭から、早速、カンプ・ノウの前に新スポンサー名のSpotifyが加わったバルサとは対照的に、6月末に契約が切れながら、相変わらずスタジアム名もワンタ・メトロポリターノのままだったりと、変化に乏しかったりするんですが、2週間のキャンプが終わる頃には新しい選手も入っているんじゃないでしょうか。 そして最後にもう1つのマドリッドの1部弟分、ラージョなんですが、こちらは金曜から始動。先週末にはサルビ、ディエゴ・ロペスとそれぞれ、カディス、エスパニョールの元キャプテンを自由契約でゲットしていましたが、とりわけ、ジダン監督の次男、ルカが退団し、ディミトリエフスキ1人になっていたGKに頼れるベテランが来てくれたのは嬉しいかと。そうこうするうちにプレシーズンマッチの予定も増えていて、16日にフライブルク(ブンデスリーグ1部)戦、19日にサレルニターナ(セリエA)戦、20日にシェフィールド(イングランド2部)戦、23日にバーミンガム(同)戦と国外での親善試合がてんこ盛りに。 マドリッドで彼らを見られるのは27日、ブタルケでのレガネス戦だけになりそうですが、やはり山場は31日、オールド・トラフォードでのマンチェスター・ユナイテッド戦になるでしょうか。ヘタフェ同様、こちらも親善試合のTV中継はなさそうですが、今季開幕戦の相手がバルサというのはともかく、昨季同様、スタートダッシュをかけられるチームに仕上がってくれたらいいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.07.06 20:30 Wed
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