もう誰にも説明できない…/原ゆみこのマドリッド

2022.05.07 20:00 Sat
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©Atlético de Madrid
「もう少し早い時期だったら、盛り上がったのにね」そんな風に私が肩を落としていたのは金曜日、この週末にはマドリーダービー2本立てがありながら、その関連話題があまり出ていないことに気づいた時のことでした。いやあ、確かに日曜午後2時から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで始まる弟分ダービーは前節、ベティスと0-0で引き分けたヘタフェが降格圏と勝ち点5差の15位、同様にレアル・ソシエダと1-1だったラージョが同10差の11位と、どちらも確定はまだとはいえ、ほぼ来季も1部でプレーできる見通しが立っていますからね。

もちろん、出場停止となるCBミトロビッチと入れ替わりでクエンカが戻って来るヘタフェはシーズン前半戦に3-0とやられた借りを返したいと思っているとか、あと勝ち点2で上がりとなるラージョは先週末の試合でファルカオがゴールと共に復帰したことで、ますます自信をつけているといった話はありますが、双方共、勝っても負けてもそれ程、懐は痛まず。よって、純粋にマドリッド第1の弟分の地位を巡る戦いを楽しんでもらえればいいんですが、え?となると、深刻なことになっているのはアトレティコだけ?

だってえ、兄貴分ダービーは日曜午後9時(日本時間翌午前4時)にキックオフとなるんですが、すでに前節にはレアル・マドリーが今季4試合を残して戴冠。シベレス広場でのお祝いも終わっているため、彼らにとって、リーカはもう消化試合なのと対照的に、アトレティコの方は未だに来季のCL出場権獲得競争の真っ只中なんですよ。しかもマズいことにここ、6試合で2得点だけ、勝ったのもそのカラスコが2ゴール挙げたエスパニョール戦だけという、最悪の日照り状態に陥っているとなれば、シメオネ監督が金曜土曜と2日連続、練習場所をマハダオンダ(マドリッド郊外)から、ワンダ・メトロポリターノに移して、選手たちにゴールの位置を再確認させているのも仕方なかったかと。

何せ、先週末こそ、自分たちはアスレティックに2-0と負けながら、弟分たちの援護射撃のおかげで5位のベティスとは3、6位のレアル・ソシエダとは6と勝ち点差を1縮められただけに済んだとはいえ、今回はそうはいきませんからね。レイニウドこそ、金曜の上訴委員会で前節のイエローカードが取り消され、累積警告による出場停止を免れたものの、サビッチと入れ替わりにエルモーソは出られませんし、ジョアン・フェリックスとレマルはまだリハビリ中。

それこそルイス・スアレスやグリーズマン、コレア、クーニャらが全力を振り絞って、ゴールを挙げてくれないことには残り4試合、到底、白星は望めませんし、うっかりCL圏外で終わろうものなら、現在、世界一多い4000万ユーロ(約55億円)と言われるシメオネ監督の年棒だけでなく、選手たちも給料大幅減になるのだとか。その辺を考えれば、入場時にお隣さんを”Pasillo de campeones/パシージョ・デ・カンペオネス(チャンピオンの花道)”で迎えるのをガンとして拒むのではなく、とりあえずは愛想良くしておいて、相手を油断させた方がいいんじゃないかと思いますが…やっぱり、あの水曜の奇跡を見た後では何をしてもムダかもしれませんね。

そう、今週のミッドウィークはCL準決勝2ndレグがあったんですが、いえ、火曜にリバプールを迎えたビジャレアルもラ・セラミカのファンの後押しもあって、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転突破)のお膳立てまでは整えたんですよ。というのも開始早々、3分にはエストゥピニャンのクロスをカプエがゴール前のディアスに送り、彼のシュートで先制。座して待つの姿勢一辺倒だったアンフィールドとは別のチームのように敵陣に攻め込んで、いえ、36分にロ・チェルソがGKアリソンに倒されたペナルティは主審にスルーされてしまったんですけどね。それでも40分、今度はカプエがエリア内右奥から上げたクロスをコケリンがヘッドで決めて、前半のうちに総合スコアを2-2にしてしまったから。

でもねえ、そこはCL優勝経験が6回もあるリバプール、クロップ監督がハーフタイムに「サッカーをプレーするんだ!」と選手たちに檄を飛ばし、FWの1人をジオゴ・ジョタから、ルイス・ディアスに代えたところ、うーん、「Hemos pagado el esfuerzo de la primera parte/エモス・パガードー・エル・エスフエルソ・デ・ラ・プリメーラ・パルテ(ボクらは前半の努力のツケを払った)」(アルビオル)という、体力的な理由もあったようですけどね。16分にはサラーのスルーパスから、ファビーニョに撃たれたシュートがGKルリの股間を通ってネットへ。21分にもアレクサンダー=アーノルドのクロスをディアスがヘッドしたところ、またしてもルリに当たって、2点目を取られてしまうとは!

おまけに悪いことは重なるもので、この試合に超特急でリハビリを間に合わせたエースのジェラール・モレノがまた太ももに痛みを覚え、23分には交代せざるを得なかっただけでなく、29分にはエリアを飛び出したルリがマネを逃がし、止めの3点目を奪われているとなれば、もう万事休す。決勝トーナメントではユベントス、バイエルンらの強豪を倒し、17年ぶりの準決勝に進出したビジャレアルでしたが、3度目の奇跡は起きず、予想通りの敗退となってしまいましたっけ(総合スコア5-2)。

え、いくら逆転にゴールが必要な2ndレグとはいえ、エメリ監督も「Nos hemos quedado sin fuerzas/ノス・エモス・ケダードー・シン・フエルサ(ウチは力尽きてしまった)」と言っていたように、前半からガンガン飛ばす作戦はあまりお勧めできないんじゃないかって?そうですね、チームバスのお出迎えに15万人のファンがサンティアゴ・ベルナベウ周辺に集結したマドリーも準々決勝2ndレグのアトレティコを参考にしたか、水曜のマンチェスター・シティ戦では壮絶な撃ち合いとなった1stレグとは打って変わり、0-0で前半を終えることに。

すでにその前半から、シティのGKエメルソンのゴールキックが遅く、スタンドからピーピーやられていた上、後半に入ると負傷明けのウォーカーが2度程倒れていたため、これはまた、1stレグの1点リードを守るため、グアルディオラ監督のotro futbol/オトロ・フトボル(もう1つのサッカー)、最終奥義、時間稼ぎが発動するのかと思いきや、早計でした。ええ、後半26分にはウォーカーとデ・ブライネがジンチェンコとギュンドガンに代わったんですが、その2分後、ベルナルド・シウバのパスから、マフレズがゴールを決めてしまったから、さあ大変!

いや、大変なのは世間一般の普通のチームであって、16強対決のPSG戦もそうでしたが、マドリーに限っては、点差が広がるのが逆にモチベーションになるから、あら不思議。ええ、30分にはモドリッチ、カセミロに代わって、カマビンガとアセンシオが入ったんですが、先にクロースと代わっていたロドリゴも合わせ、5年間でCL優勝4回を成し遂げたジェネレーションがピッチを去っても、クラブに連綿と受け継がれる根性のレモンターダ精神は健在でした。40分過ぎにはグリーリッシュが2度、エリア内からシュートを放ち、最初はメンディがゴールライン前でクリア、次はGKクルトワが伸ばした左足のスパイクで軌道を逸らし、ピンチを凌いだ後、いよいよ時間は45分。

実際、当人までが、試合後に家族で訪れたデ・マリア(マドリッドのステーキレストラン)でマイクを向けられて、その時は「Pensé que ya estábamos fuera, estábamos muertos/ペンセー・ケ・ジャー・エスタバモス・フエラ、エスタバモス・ムエルトス(もう敗退すると思っていた。ボクらは死んでいた)」と言っていたぐらいだったんですが、いよいよベルナベウのmagia(マヒア/マジック)が具現したから、ビックリしたの何のって。そう、カマビンガがエリア外からクロスを入れると、ベンゼマがゴールラインぎりぎりのジャンピングボレーで戻し、ルーベン・ディアスに先んじたロドリゴがまず、1点差に迫るゴールで口火を切ったんですよ。

それだけならともかく、ロスタイム6分が表示された後、1分もしないうちに今度はカルバハルがクロスを送り、アセンシオの頭がかすって落ちて来たボールをロドリゴがヘッドで決め、あっという間に総合スコアが同点になるなんてこと、あっていい? 準々決勝チェルシー戦に続き、またしても彼のお手柄で延長戦に入ったマドリーとなれば、ええ、アンチェロッテイ監督も「En la prórroga lo más importante era la cabeza, la psicología/エン・ラ・プロロガ・ロ・マス・インポルタンテ・エラ・ラ・カベッサ、ラ・シコロヒア(延長戦で一番大事なのは頭、心理学だ)。最後の最後になって追いつかれると、私もリバプール戦で経験したが、流れは良くなかった」と、2004-05シーズンにミランを率いて挑んだCL決勝で後半、3-3と追いつかれ、PK戦までもつれ込んで負けた試合を思い出していたんですけどね。

シティの選手たちもこれには同様したか、延長戦前半5分にはベンゼマがルーベン・ディアスにエリア内で倒され、ペナルティをゲット。一旦はハットトリックの可能性があったロドリゴにキッカーを打診したキャプテンでしたが、最後は1stレグでも成功していた彼がPKを決め、ついにマドリーが逆転です。延長戦後半には脚を痛めたミリトンが複数回、医療スタッフのお世話になるなど、心配なシーンもあったものの、セバージョス、ルーカス・バスケス、バジェホで守備をソツなく固めた彼らが5年ぶりのCL決勝進出を果たしているんですから、まさにこちらは2度あることは3度ある方の奇跡だった(総合スコア5-6)?

いやあ、正直、ロドリゴなども「Creo que no lo puedo explicar/クレオ・ケ・ノー・ロ・プエド・エクスプリカル(説明することはできないと思う)」と言っていたように、彼らのレモンターダ体質については、「En una palabra, Real Madrid/エス・プナ・パラブラ、レアル・マドリッド(一言で言えば、レアル・マドリーだから)」という、それこそ2014年、リスボンでのCL決勝でアトレティコのゴールを守り、「Noventa y Ramos/ノベンタ・イ・ラモス(90分過ぎのラモス弾)」で同点とされ、延長戦で負けたクルトワの言葉を引用するしかないんですけどね。

準々決勝では1点差を追いつくべく、攻勢に出ていた後半44分、フェリペがフォーデンに足をかけて退場。tangana(タンガナ/小競り合い)が始まったせいで、逆転のシナリオがうやむやになってしまったお隣さん相手とはまさに真逆の結果には、グアルディオラ監督も「tenían que hacer dos goles y eran capaces de hacerlo, lo dice su historia/テニアン・ケ・アセール・ドス・ゴーレス・イ・エラン・カパセス・デ・アセールロ、ロ・ディセ・ス・イストリア(向こうは2点取らないといけなくて、それは可能だった。彼らの歴史がそう言っている)」と頭を垂れるしかないようでしたっけ。

おかげで試合終了後のベルナベウのピッチでは、先週土曜のリーガ優勝決定から続けて、選手たちのフィエスタが始まったんですが、スタンドが、「Si, si, si, nos vamos a Paris!/シー、シー、シー、ノス・バモス・ア・パリス(イエス、ボクらはパリに行く!)」とカンティコを唱和する中、気の毒だったのは、ロドリゴのゴールが決まる前にスタジアムを出ていた、諦めの早い一部のファン。歓声を聞いて、戻ろうとしても再入場は認められず、結局、場外で同点、そして逆転劇に耳を澄ますことになったんですが、この教訓はいつか、マドリーのCLマッチ観戦に行こうと思っている日本人ファンも忘れない方がいいかと。

まあ、そんな具合で28日のスタッド・ド・フランスでのCL決勝は2018年の再戦、リバプールとマドリーが激突することになったんですが、今や、戦争の最中にあるキエフのオリンピスキ・スタジアム(ディナモ・キエフのホーム)での大一番では前半30分にサラーがセルヒオ・ラモスとの接触プレーで肩を痛めて交代。3-1で負けて優勝を逃したこともあり、「We have a score to settle(ボクらには決着をつけることがある)」と当人が早速、ツィートしていたんですけどね。ここしばらく決勝から遠ざかっていたマドリーも選手全員が「A POR LA 14/ア・ポル・ラ・デシモクアルタ(14回目のCL優勝を目指せ)」と書かれたシャツを着て、士気の高さでは決して負けておらず。

何せ、すでにリーガの片がついた彼らと比べ、クロップ監督のチームは勝ち点差1でシティとプレミアリーグ優勝をまだ争っていますからねえ。これをアンチェロッテイ監督が利用しない手はないですし、残り4試合は日曜のマドリーダービーを始め、主力選手の休養を考えたローテーション体制に入ってくれるんじゃないかと期待しているんですが、はあ。シティ戦でもはっきりしたように、とにかくアトレティコがゴールを取り戻してくれない限り、どうにもならないんですよね。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。


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親善試合にだってトロフィーはある…/原ゆみこのマドリッド

「いきなり中止って」そんな風に私が驚いていたのは土曜日、そろそろチームがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場からバラハス空港に向けて出発する写真が見られるかなと、アトレティコのツィッターを開いた時のことでした。いやあ、この夏のプレシーズンマッチの予定を知った時から、ラストゲームがユベントス戦なのはいいとしても、何故に中東まで行ってやるのかと疑問には思ったんですけどね。どうやらこのところ、イスラエルでは戦闘行為が続き、テル・アビブにも爆弾が降ってくる可能性があるとかで、試合前日のお昼、朝練の後に中止決定とはまた急な話じゃないですか。 ちなみにレアル・マドリーのアメリカ西海岸ツアー最後の相手もこのユベントスだったんですが、ロスアンジェルスではベンゼマのPKとアセンシオのゴールで2-0と勝利。アトレティコも7月末にオスロでマンチェスター・ユナイテッドに1-0で勝っていますし、何より私もカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)で気分の上がるgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見てきたばかりですからね。できれば、お隣さんに負けない攻撃力をヨーロッパの強豪との対戦で披露してもらって、そのまま勢いに乗ってリーガ開幕に持ち込みたかったところ…はい、夕方には急遽、会場をユベントスの練習場に変えて、日曜午後6時(日本時間翌午前2時)からキックオフすることになりましたっけ。 まあ、それはともかく、今年もアトレティコがカランサ杯に参加すると聞いて、海水浴ができるいい機会とばかりに私も水曜からカディス(スペイン南西部のビーチリゾート)に乗り込んだんですが、やっぱり行って大正解。同じ真夏の暑さでもマドリッドの息のつまる気温37℃と比べると、あちらは27℃程度と穏やかですし、周りを海に囲まれた町なので空気もさわやかですしね。アトーチャ駅から電車で5時間とちょっと遠いのが難ですが、お昼過ぎに着いてもお日様が午後9時頃まで照っているため、かなり遅い時間までビーチにいても大丈夫と、いやまあ、おかげでホテルに戻った時にはその日、午後8時に始まったサント・ドミンゴでのアルコルコンvsレガネス戦がハーフタイムまで進んでいたなんてこともあったんですけどね。 開始2分に決まった柴崎岳選手の、このプレシーズン初ゴールや30分のシセの2点目で、すでにその時は0-2でリードしていたレガネスですが、同じマドリッドの弟分仲間のお隣さんとはいえ、相手のスタジアムだったからか、それともアルコルコンが今季はRFEF1部で戦うせいでしょうかね。恒例のYouTubeでの中継もなかったようなので、どちらにしろ、後半22分にはサム・ガランに1点を返されて、最後は1-2で勝利を掴んだレガネスの姿を追えなくても仕方なかったかと。 そして翌木曜、アトレティコが当日移動している最中にはセントロの細い路地を何となく辿っていくと着くLa Caleta(ラ・カレタ)のビーチではなく、ホテルの人が教えてくれたSanta Maria de Mar(サンタ・マリア・デ・マル)に行ってみることに。これが丁度、エスタディオ・ヌエボ・ミランディージャの脇にある超ロングビーチの手前にある浜で、両端が岩で囲まれて湾のようになっているせいか、妙に居心地が良く、砂もずっとサラサラなんですよ。 午後になると岸辺に藻が増えてくるラ・カレタより、水も綺麗だし、波打ち際に砂利もない最高のビーチで、何で今まで知らなかったんだろうと悔しくなった程だったんですが、欠点はパラソルや寝椅子を貸している業者がいないこと。ええ、前者には以前はレストランか何かだった大きな建物があって、土台部分が吹き抜けのため、日影には事欠かないんですが、こちらは自前のパラソルがない場合、ずっと炎天下にいないといけないのはちょっと辛いかも。3時間ぐらいでかなり私も日焼けしてしまったんですが、一旦、ホテルに帰ってシャワーを浴びた後、今度はRENFE(国鉄)の駅近くにあるバス停から1番のバスに乗って、カランサ杯観戦に出発です。 カディスにしてみれば、これが新シーズンのプレゼン試合とあって、キックオフ1時間前ぐらいから、スタジアム周辺はそこここに黄色のユニフォームを着たファンが跋扈していたんですが、やはり昨季は最終戦で1部残留が決まり、今季もリーガ戦で1流チームが見られるせいでしょうかね。客の入りはスタンドの3分の2ぐらいで、以前、彼らが2部や2部Bにいた頃に比べると、場内の熱気もそれ程ではなかったんですが、この日のアトレティコはマンU戦の後半に入った選手中心のスタメンでスタート。 昨年、PK戦で負けたカランサ杯ではユーロ2020やコパ・アメリカのせいでプレシーズン合流が遅かったメンバーが多かったため、かなり重用されたカンテラーノ(アトレティコBの選手)も先週頃から、マヌ・サンチェスがオサスナに3年目のレンタル、昨季は2部のミランデスで一緒に修行していたリケルメとカメージョもそれぞれジローナ、ラージョへとランクアップレンタルが完了。更にカラスコ、クーニャが休養、フェリペもまだケガが治らず帯同していなかったせいか、またしてもビッツェルとヴァスが、足首の負傷から回復したエルモーソとCBトリオを組んでいたんですが、それにも関わらず、先手を取ったのはシメオネ監督のチームでした。 ええ、開始7分に惜しくもグリーズマンのシュートがゴールポストに弾かれた後の13分、今度は彼がモラタにスルーパスを送ったところ、エリア内から先制ゴールを決めてくれたとなれば、ユベントス戦を利用して、相手のフロントと交渉することは何もない?それにはもちろん、ラ・リーガのサラリーキャップがどうたらこうたらと言われていながら、今週中にはしれっとビッツェル(ドルトムントから自由移籍)もナウエル(ウディネーゼから移籍)も選手登録が完了していたせいもありますけどね。モラタを始め、グリーズマン、ジョアン・フェリックス、コレア、クーニャ、どのFWも年間20得点級のゴール力はなくても、1人15本ずつくらい挙げてくれたら、リーガ優勝を争うことはできるかも。 そして42分にはルーカス・ペレスがポスト直撃、続いてロサノがGKオブラクに止められるというダブルチャンスをカディスが逃した後の前半ロスタイム、またしてもグリーズマンがやってくれます。いえ、彼のFKをジョアンがヘッドしたボールはサウールの腕に当たってゴールに入ったのが、電光掲示板に映るTVE(スペイン国営放送)の生中継のリプレーでもはっきりわかったんですけどね。カディスの選手たちもスタンドも猛抗議をしたものの、この試合にはVAR(ビデオ審判)がないことを理由に得点を認められるって、そんなラッキーなこと、あっていい? 後半開始直後もまだ、カディスの選手たちは不運な2失点目に気を取られていたのか、1分もしないうちにヴァスがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて、3点差にしたアトレティコでしたが、何よりの朗報は6分にやって来ます。ゴール前へのクロスにサウールが届かなかった後、ナウエンの代わりに入っていたカンテラーノのサムエル・ディアスがエリア内右奥から上げたボールをグリーズマンがヘッド。見事にネットに突き刺さり、年明けのコパ・デル・レイ32強対決マハダオンダ戦以来のゴールとなってくれたとなれば、長かったスランプに別れを告げるには最高のタイミングだったかと。 これでもう4点差とあって、15分には恒例の大量交代、7人がチェンジしたシメオネ監督だったんでですが、サビッチ、ヒメネス、レイニウドが入ったおかげで、3試合目にしてようやく、ビッツェルが本職のボランチとしてプレーできることに。まあ、それも15分程で、最後は彼もカンテラーノのカルロス・マルティンに代わり、フル出場したのはグリーズマンだけでしたが、大丈夫。42分にはマビルのラストパスをゴール前からアルバロ・ヒメネスに決められ、カディスに名誉の1点を与えてしまったとはいえ、GKは後半からゲルビッチに。絶対守護神のオブラクはこのプレシーズン3試合、クリーンシートを維持しています(最終結果1-4)。 そして試合が終わるやいなや、68回目となるカランサ杯で史上最多のUndecimo/ウンデシモ(11回目の優勝のこと)を達成。巨大なトロフィーと共に帰京したアトレティコを尻目に、まだ私がカディスをウロウロしていた金曜の午前中には、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でラージョと、1部に戻って来たバジャドリーの練習試合があったんですが、こちらはカメージョがデビューしたものの、肝心のファルカオが筋肉痛で出られず、スコアレスドローで終わることに。うーん、昨年夏に入団した時にはすでに背番号9が使用されていたため、3番でプレーした彼でしたが、今季はエヌテカが11番に変更することを快諾。晴れて、エースナンバーを着けられるようになったそうですしね。 どこぞのクラブなど、金曜に5万人をカンプ・ノウに集めたメガプレゼンでレバンドフスキに9番のユニを掲げさせるため、まだ退団するかどうかもわからないデパイから取り上げたなんて話も伝わってきましたが、ラージョはまだ補強も道半ば。ちょっと前から噂の出ていたジエゴ・コスタ(昨年までアトレティコ・ミネイロ)の入団も近々発表されて、13日(土)の開幕バルサ戦では、2013年にアトレティコのコパ・デル・レイ優勝の原動力となったファルカオとのゴールデンコンビ再結成が見られるかもしれないのにはきっと、胸を躍らせているファンも少なくないに違いありません。 そしてマドリッドに戻った金曜には夜になっても一向に暑さの引かないブタルケで新シーズンプレゼン試合、ビジャ・デ・レガネス杯を観戦した私だったんですが、うーん、相手のビジャレアルBは今季初めて2部に上がったカンテラだったんですけどね。前半には柴崎選手のシュートがゴールバーに当たったり、フアンン・ムニョスの一撃がポストを直撃したりしたんですが、若いチームを前にもしや油断した?43分にエリア内シュートで先制されると、ロスタイムにも追加点を奪われ、後半にカスミのゴールで1点を返すことができただけだったんですよ。 結局、1-2で負けて、Pepino de Oro/ペピーノ・デ・オロ(金のキュウリ)はビジャレアルBの手に渡り、レガネスはPepino de Plata/ペピーノ・デ・プラタ(銀のキュウリ)をゲットして終わったんですが、まあ大事なのは来週土曜の開幕アラベス戦ですからね。8月中ということで、バケーションに出ているファンも多く、とても満員御礼は期待できそうもありませんが、ビジャレアルB戦ではフル出場。最後まで全力で走っていた柴崎選手はもう相当、体が仕上がっているようなのは頼もしいですよね。 え、それで日曜に帰国、水曜からまたバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を始めたマドリーはどうしているんだって?いやあ、彼らの場合はもう水曜のUEFAスーパーカップまで、毎日、セッションが続くだけですからね。幸いながら、アメリカでの3試合でケガ人が出ることもなく、ほぼスタメンも決まっているため、大したことは伝わってこないんですが、相手のフランフルトはもう今週月曜にドイツカップ初戦をプレーして、2部のマグデブルクに鎌田大地選手の2発を含めて、0-4と大勝。 ただ、金曜のブンデスリーグ開幕戦ではバイエルンに1-6とボコボコにやられていたため、アンチェロッティ監督は「向こうは先にシーズンを始めているから、tenemos algunas desventajas/テネモス・アルグナス・デスベンタハス(ウチにはディスアドバンテージがある)」と言っていたものの、その辺はあまり心配しなくていい?あと気になるのは昨季のELでもカンプ・ノウでのバルサ戦やサンチェス・ピスファン(セビージャのホーム)での決勝レンジャース戦に大挙して押し寄せたフランクフルトファンがこのスーパーカップにも応援に行く気満々のようで、UEFAから各クラブへ割り当てられたチケット8000枚はすでに完売。 一般販売分の1万7000枚も買い占めそうな勢いなんですが、対してマドリーファンはクラブ割り当て分が1800枚しか売れていないこと。まあ、こればっかりは2014年から、昨季を含めてCLに5回も優勝し、そのたびにUEFAスーパーカップに出ているとあって、なかなかファンも散財ばかりしていられないということでしょうが、偶然にもフランクフルトのチームカラーも白ですからね。となれば、スタンドの大部分が敵のサポーターでも選手たちにはそんなに違和感はないかもしれない? そうそう、マドリーにはロサンジェルスから戻るやいなや、弟分のヘタフェに河岸を変えた選手もいて、それは5年契約で完全移籍したボルハ・マジョラル。木曜には入団プレゼンも無事済んで、最後のプレシーズンマッチ、日曜のアルバセテ(2部)戦でデビューもできるよう。昨季後半もローマからの又貸しで1部残留を果たす手助けをしているだけに、すぐチームに馴染んでくれるのは間違いないかと。初めてのお子さんが生まれるという当人も、「Siempre he estado cedido y esta estabilidad me va a ayudar mucho/シエンプレ・エ・エスタードー・セディードー・イ・エスタ・エスタビリダッド・メ・バ・ア・アジュダル・ムーチョ(いつもレンタル生活だったから、この安定感はボクの大きな助けになるだろう)」とヘタフェへの帰還を喜んでいましたが、まだまだアンヘル・トーレス会長は暗躍中。この先、ラタサやブランコといったマドリーのカンテラーノ(RMカスティージャの選手)後輩がレンタルで加わる可能性もあるようです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.07 22:00 Sun
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開幕まで2週間を切った…/原ゆみこのマドリッド

「新しいユニフォームだったんだ」そんな風に私が驚いていたのは月曜日、オールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッド戦を終えたラージョのイラオラ監督や選手のコメントを探していたところ、その試合では今季用のユニでデビューするというお知らせを見つけた時のことでした。いやあ、彼らの試合は先週水曜にもIDブタルケ(レガネスの練習場)で観戦する機会があったんですけどね。その時は真正面から照りつける西日が強すぎて、ユニフォームを気にしている余裕もなかったというか、え、もしやあんまり変わってなくない? おまけに日曜午後5時の少し前から、唯一、中継が見られるというMUTV(マンUのクラブチャンネル)を繋いで、キックオフを楽しみに待っていれば、この試合がプレシーズンマッチデビューとなるクリスチアーノ・ロナウドを始め、選手たちが入場してきたのと同時に映像が消えると、有料の登録ページに移動。いや、この円安の真っ最中、この1試合のためだけに8ポンド(約1300円)はないなと諦めてしまった私でしたが、何せ、先週末もこれがマドリッド勢の4試合目でしたからね。さすがに観戦疲れもあって、マルカ(スポーツ紙)のライブスコアをチェックするだけで終わってしまったんですが…。 え、マンUと言えば、土曜にもアトレティコと試合していなかったかって?その通りで、何でプレミアリーグ開幕1週間前のこの時期に2日連続でプレーするのかという疑問はさておき、こちらはオスロのウルボーレ・スタディオンでの対戦となったんですが、うーん、プレシーズンマッチ初戦でヌマンシア(RFEF1部/実質3部)に4-0とあっさり勝ったせいで、期待しすぎましたかね。相手がヨーロッパの一流チームとなるや、立ち上がりから、お馴染みの3本もパスが繋がらない状態が発現。ロナウドこそ、お留守番でいなかったものの、ラッシュフォード、マルシャル、マグワイアと次々シュートを撃たれ、これではシメオネ監督の4人DF制回帰も長く持たないかもしれないと心配する破目に。 それでも前半は、38分にはGKオブラクがボールクリアのため、ジャンプしたところをマクトミナイにど突かれて転倒。親善試合なのにtangana(タンガナ/小競り合い)が始まるなんてこともあったんですが、レギュラーCBのサビッチ、ヒメネス、前日に入団プレゼンを済ませ、16番を着けてデビューした右SBナウエル、そして左SBレイニウドが奮闘して無失点で凌ぎます。0-0のままだった後半15分には恒例の一斉交代となり、新たに9人の選手がピッチに入ったんですが、やっぱりシステムは変化しましたよ。第2GKゲルビッチも入る準備をしていたのに待ったをかけて、絶対守護神オブラクは続投。その前を3CB制でガッチリ固めて…え?ヴァス、ビッツェル、レイニウドで? そう、昨季から3CBの左を務めることが多かったレイニウドはともかく、この日はフェリペに加え、ヌマンシア戦で足首をケガしたエルモーソもいなかったため、右SBのヴァス、ボランチのビッツェルで急造トリオを結成。遠征に参加していたカンテラーノ(アトレティコBの選手)のCB、マルコ・モレノは残念だったかもしれませんが、右SBには同僚のセルヒオ・ディアスが入り、ロディも負傷でお留守番だったため、サウールが昨季チェルシーへのレンタル移籍を決意する原因となった左SBを担当します。 その彼のvolea(ボレア/ボレーシュート)が決まっていれば、シメオネ監督にはありがちな、CL決勝トーナメント1stレグは0-0で御の字感も早めに払拭できたはずですが、大丈夫。リフレッシュ組にはまさに昨季、マンUとのCL16強対決1stレグに開始6分、ビックリ目覚ましゴールを挙げたジョアン・フェリックスもいたんですよ。時間は40分、敵陣の左サイドでボールを取り戻したアトレティコはそこからカウンター。モラタからパスをもらったジョアンがデロットをかわし、エリア前から放ったシュートがGKデ・ヘアを破ったとなれば、やっぱりこのチームの7番は彼で決まりですって。 昨季終盤のケガによる欠場から、4カ月ぶりに復活したジョアンのゴールがモノを言って、そのまま彼らは1-0で勝利。スタンドはほとんどマンU一色だったため、オスロのファンはガッカリしたかもしれませんが、これで2連勝とアトレティコの調整が順調にいっているのは、私には喜ばしい限りかと。それにしたって、今季の前線先発争いは熾烈で、この日もスタメンはコレアとクーニャ、交代出場がモラタ、グリーズマン、ジョアンという配役だったんですが、いえ、入団4年目を迎えるジョアンなど、「La competencia es buena porque nos obliga a trabajar mejor/ラ・コンペテンシア・エス・ブエナ・ポルケ・ノス・オブリガ・ア・トラバハル・メホール(競争があるのはいいことだよ。ボクらにより良く練習することを強いるからね)」と言っていたんですけどね。 ただ公式戦では交代枠は5人分しかありませんし、昨季同様、サビッチとヒメネスが負傷を繰り返すようだと、本職CBが4人しかいないのは守備の面でちょっと不安になりますが、まあそれはそれ。月曜夕方から練習を再開させたアトレティコの次戦は木曜のカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)。その後、日曜にテル・アビブでユベントスとプレシーズン最後の試合をしてから、いよいよ15日(月)にはヘタフェとのリーガ開幕兄弟分ダービーとなるんですが、補強はもう終わったようですしね。リケルメ(昨季はミランデスにレンタル)のジローナへのレンタル移籍が決まったりと、カンテラーノたちの整理も進んでいるんですが、ラ・リーガのサラリーキャップを満たすための4000万ユーロ(約54億円)分の選手売却って、ホントにあるんでしょうか。 そして土曜の夕方はまた、レガネスとアルバセテの親善試合を見にIDブタルケに向かった私でしたが、いやあ、ツイていましたよ。というのも再び焦熱地獄を覚悟していたところ、メトロに乗っている間に最近は珍しいスコールが通過。アルーチェ駅からバスに乗り換えて、練習場に着いてみると、雨は止んでも空は雲に覆われたままで、気温が相当下がってくれていたから。前回と違い、スマホでアトレティコの試合をチェックする必要もなかったため、ラージョ戦では控えだった柴崎岳選手も先発だし、これは落ち着いて観戦できると喜んだところ…。 何でしょうね、イディアケス新監督は用心深いのか、ウナイ・エメリ監督(ビジャレアル)のアシスタントコーチを務めていたせいか、別にボールを後ろから繋いでいくスタイルなのは構いませんが、レガネスはなかなか前に進めないんですよ。序盤はエリア外からのシュートを放っていた柴崎選手もどちらかというと、自陣ゴールに向かって走っている方が多かったようですし、せっかくのスルーパスも受け手がチャンスに繋げられなくてはねえ。 後半28分に彼が退いた後もレガネスはカスミが2度程、シュートしたものの、得点できず、アルバセテも決定力に欠けていたため、スコアレスドローで終わりましたが、この夏のIDブタルケでの試合はももうこれで最後。水曜にはマドリッド南部の弟分仲間、12年間いた2部に昨季別れを告げたアルコルコン(RFEF1部/実質3部)とサント・ドミンゴでプレーして、土曜にはビジャ・デ・レガネス杯で今季、昇格して2部で戦うことになったビジャレアルBをブタルケに迎えてから、開幕アラベス戦に挑むことになります。 え、それでまたしても日曜午前4時という早朝にキックオフ。レアル・マドリーの西海岸ツアーラストとなるユベントス戦はどうだったのかって?いやあ、もうクラブ・アメリカ戦で懲りていましたし、TVE(スペイン国営放送)も午後1時過ぎに再放送してくれるというので、私もムリして生中継は見なかったんですけどね。アンチェロッティ監督の予告通り、5月末のCL決勝リバプール戦と同じスタメンを並べたお隣さんは開始10秒、キックオフからの速攻でクロース、バルベルデと繋ぎ、ベンゼマがゴールを決めているんですから、驚いたの何のって。 残念ながら、これはオフサイドで認められなかったんですが、問題はありません。何故なら、18分にはビニシウスがダニーロに倒されてPKをゲット。これをしっかりベンゼマが決めて、先制点を奪っているとなれば、たとえ、プレシーズンマッチ初戦ではバルサに負けているとはいえ、前人未踏のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)達成したチームには今季もライバルはいない? まあ、バルベルデも「No teníamos ritmo en el Clásico y ahora ya tenemos otras cosas/ノー・テニアモス・リトモ・エン・エル・クラシコ・イ・アオラ・ジャー・テネモス・オトラス・コーサス(クラシコではウチにリズムがなかったけど、今は別のものを持っている)」と言っていたように、要はベンゼマがいるかいないかの違いかと思いますけどね。後半頭から、アンチェロッティ監督はミリトンをリュディガー(チェルシーから移籍)に代え、この日はアラバとのコンビでCB相性診断を続行。18分には残り9人のフィールドプレーヤーも一斉交代したんですが、23分にはBチームが意地を見せてくれます。 ベンゼマに代わってfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/シャドーCF)として入ったアザールが起点となり、アセンシオとのワンツーを経ると、右SBとして入っていたバジェホにパス。敵DF陣に妨げられることなく、そこから真っすぐゴール前に来たボールをアセンシオが決めて、点差を2点に拡大してくれたから、もう安心ですって。そのまま2-0で勝利したマドリーは1勝1分け1敗で西海岸ツアーを終了。水曜からはまたバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で10日(水)のUEFAスーパーカップ、ヘルシンキでのフランクフルト戦目指して調整することに。 それにしたって、羨ましいのはアンチェロッティ監督が「les llamo el triángulo de las Bermudas porque desaparece el balón ahí/レス・ジャノ・エル・トリアングロ・デ・ラス・ベルムーダス・ポルケ・デサパレセ・エル・バロン・アイー(彼らのことはバミューダのトライアングルと呼んでいる。あそこでボールが消えるからね)」と話していたモドリッチ、クロース、カセミロの中盤が全員30代になりながら、未だに十二分に機能していること。MFの頭数はいながら、誰もゲームメークができないどこぞのチームとは大違いですが、彼らを補うカマビンガ、チュアメニ(モナコから移籍)、バルベルデら若手も、監督は「A mí me gustan los dos, los clásicos y el rock and roll/ア・ミー・メ・グスタ・ロス・ドス、ロス・クラシコス・イ・エル・ロック・アンド・ロール(クラシックなのとロックンロール、私はどちらも好きだよ)」と高く評価していましたしね。 唯一、気になるのはベンゼマの控えはどうやらアザールで行くことに決まったようなところで、月曜早々にはボルハ・マジョラルのヘタフェ移籍が発表。何せ、このアメリカでの3試合、彼はまったく出番がもらえませんでしたからね。だったら、プレシーズンから、ゴール不足の気配が感じられる、昨季後半はレンタル移籍中だったローマからの又貸しでプレーした馴染みのあるチームに行った方が活躍できると当人が思うのも当然だった?弟分には恵みの新戦力とはいえ、マリアーノは員数外というマドリーが、本当に控えに大人の真正CFなしでシーズンを乗り切れるでしょうか。 ちなみにアルゴルファ(アリカンテ)第2次キャンプから戻り、この週末は地元で練習に励んでいたヘタフェはプレシーズンマッチも日曜のアルバセテ戦を残すのみ。UCLAのグラウンドでは普通に練習していたマジョアルですから、もうその試合には出られるでしょうし、開幕アトレティコ戦の準備にもまったく支障はないのは、キケ・サンチェス・フローレス監督も心強いかと。 そして最後にマンUvsラージョ戦の結果なんですが、相手は前日とはガラリとスタメンを変更。とうとうロナウドもこのプレシーズン初出場となったんですが、リーガ開幕戦でも十分ありうるベストメンバーを並べた弟分も一歩も引かず。前半をスコアレスドローで終えると、後半2分にはロナウドと交代で入ったアマッドに、アレックス・テレスのシュートをGKディミトリエフスキが弾いたボールを押し込まれ、先制されてしまったんですが、何とその10分後には同様にイシのシュートGKヒートンに弾かれながら、アルバロ・ガルシアが決めて同点に追いついているんですから、立派じゃないですか。 いやあ、その前のファルカオのエリア前からの一撃がゴールバーを叩いていなければ、勝利も夢じゃなかったんですけどね。予算諸々の差を考えれば、1-1で引き分けただけでも、昨季に続いて、スタートダッシュを狙っているラージョがいい仕上がりをしているのがわかりますって。そんな彼らは金曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のスペイン・サッカー協会施設で昇格組のバジャドリーと練習試合をした後、13日(土)にはもう、カンプ・ノウでバルサとリーガ開幕戦。大赤字と言われながら、月曜に入団プレゼンがあったクンデ(セビージャから移籍)を含め、ケシエ(同ミラン)、クリステンセン(同チェルシー)、ラフィーニャ(同リーズ)、レバンドフスキ(同バイエルン)と次々、大物を獲得している相手ですが、きっとイラオラ監督も1節から波乱を起こそうと張り切っているはずですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.02 21:15 Tue
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どこもマイペースで準備を進めている…/原ゆみこのマドリッド

「もうプレシーズンマッチやっているんだ」そんな風に私が驚いていたのは火曜日、ヘタフェがプレストン(イングランド2部)とカンポアモール(地中海沿岸のゴルフリゾート)で親善試合をしているのに気がついた時のことでした。いやあ、この午前10時45分から始まった、マドリッド勢の先陣を切る弟分の初戦、思い出した頃にはすでに終わりかけていたんですけどね。どちらにしろ、TV中継などありはせず、両チームのツィッターで細々と実況されていただけだったため、バケーションを兼ねてか、イギリス人サポーター300人余りが駆けつけて、プレストンを応援していたというのはともかく、それ以外、具体的にどんな内容だったのか、詳しいことはわからなかったものの、前半2分に先制されながら、後半にガストン・アルバレスが2点を挙げ、2-1の逆転勝利を飾るとは幸先がいい? とはいえ、私も最初はこの夏、新規加入したのは先週、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでプレゼンがあったポルトゥ(レアル・ソシエダからレンタル)とセアオネ(2部のウエスカから移籍)、そして折しも月曜に電撃入団したCBドゥアルテ(2部に降格したグラナダから移籍)だけでしたし、ガストン・アルバレスなんて、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)がいただろうかとと首を捻っていたんですが、いや失礼。実は彼、今年の1月にウルグアイのボストン・リバーから移籍した22才のCBで、同時期に入ったボルハ・マジョラルやゴンサロ・ビジャル(どちらもローマからレンタル)が1部残留の闘いの中、キケ・サンチェス・フローレス監督に重宝されていたのとは対照的に、デビューすらしていないんですよ。 それにも関わらず、地道に練習を続けていたのが良かったか、レンタル期間の終わったクエンカがビジャレアルに帰ったのもあり、今季は欠員のできたCBのポジション争いに参加できるかと思いますが、ヘタフェのロルダン(ムルシア)でのキャンプはこのプレストン戦をもって終了。今週の残りはマドリッドで練習し、土曜にブタルケでレガネスと親善試合をした後、また20日からはアルゴルファ(アリカンテ)で第2次キャンプとなります。いやあ、同じ先週の月曜にプレシーズン練習を開始した2部のお隣さんも今週頭からはオメルオと柴崎岳選手も合流し、猛暑のマドリッドでダブルセッションを重ねているんですけどね。 レガネスもヘタフェとのプレシーズンマッチ初戦を済ませた翌日には、サン・ペドロ・デル・ピナタル(ムルシア)での地中海沿岸キャンプに行ってしまうため、私も早めに練習を見に行っておかなきゃと思っているんですが、この時期のセッションは暑い時間を避けるため、朝9時30分からと早くてねえ。といっても月曜午後にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)に移動。ダブルセッション初日の火曜は最初の練習が午前7時45分からというアトレティコに比べれば、まだマシなんでしょうが、車のない自分にはそこまで行く気もないため、別にいいんですって。 え、それでもその朝練ではようやく、30度の急斜面駆け登りを含め、地獄のフィジカルトレが始まったのにはホッとしたんじゃないかって?いやあ、その通りで何せ、マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でスタートした日曜日、私も頑張って、朝9時半に行ってみたところ、マスコミに公開される15分は妙にお楽しみメニューばかりでねえ。最初は半球の上に乗ってボールを返したり、ミニトラポリンの上で足踏みとかやっていたんですが、続いてロープに囲まれた小さい区画の中、手繋ぎ鬼のようなゲームを始めたから、驚いたの何のって。 ちなみにその日、初練習に参加していたのは29人で、昨季1試合も出してもらえずにモナコに帰ったルコントに代わり、リールへのレンタルから戻ったゲルビッチに加え、オブラクを補佐するアトレティコBのGKが2人。カンテラーノは他にリケルメ(昨季は2部のミランデスにレンタル)、マヌ・サンチェス(同オサスナ)、契約満了したベルサイコがオリンピアコスに移籍したため、ヴァス1人となってしまった右SBをヘルプするセルヒオ・ディアスぐらいで、あとはレンタル帰りのモラタ(ユベントス)、サウール(チェルシー)、ナウエン・ペレス(グラナダ)、そして先週水曜に入団が発表されたアクセル・ビッツェル(ドルトムントと契約終了)、金曜に決まったサムエル・リノ(ジル・ビセンテから移籍)しか、新しい顔もありませんでしたしね。 まあ、そのアトレティコ初体験の2人もフィジカルコーチのプロフェ・オルテガが指揮するサマーキャンプの辛さはそれぞれ、ビッツェルはベルギー代表仲間のカラスコに、リノもクーニャやロディといったブラジル人の先輩に聞いて、心の準備もできていることでしょうが、火曜は早速、スロースターターのフェリペ、前日夕方のセッションで足を打撲したジョアン・フェリックスが欠席。開始早々これでは先が思いやられますが、大体がして、5月22日に昨季のリーガ最終節、レアル・ソシエダ戦が終わった後、アトレティコのバケーションは49日もあったんですよ。 そう、今週から、6月19日のプレーオフ決勝2ndレグでテネリフェを下し、アルメリア、バジャドリーに続く3番手として1部に戻って来たジローナもプレシーズン練習を開始。20チーム中、一番遅いスタートと言われながら、休みはたったの22日間しかなかったと聞いたため、ちょっと調べてみたところ、最終節が5月29日だったレガネスは36日。先週土曜から、エスタディオ・バジェカスで練習しているラージョだけは50日とアトレティコより多かったんですが、ヘタフェは43日、お隣さんに至っては5月28日にCL決勝があったため、37日しかなかったって、ちょっとシメオネ監督、余裕を見せすぎでは? いえ、先週金曜からバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で稼働しているレアル・マドリーは選手たちも五月雨式に合流。6月の代表戦に参加していない選手たちを中心に、久保建英選手(昨季はマジョルカ)やヘイニエル(同ドルトムント)、ボルハ・マジョラル(同ローマ、ヘタフェ)、オドリオソラ(同フィオレンティーナ)ら、レンタル移籍していたメンバーも加わってスタートした後、土曜にはカマビンガも繰り上げ出勤。日曜にはビニシウス、カセミロ、ロドリゴが戻り、ブラジル人モデルの彼女、カロリーナ・リマさんの出産に付き添ったミリトンも月曜には出て来たんですが、ベンゼマ、モドリッチ、アラバ、バルベルデ、カルバハル、アセンシオ、アザール、そしてこの夏、入団したリュディガー(チェルシーから移籍)、チュアメニ(同モナコ)と全員が揃うのは14日の木曜になりますからね。 ただ、毎日、こちらも暑さ全開のマドリッドでダブルセッションして鍛えているとはいえ、さすが昨季2冠を獲っただけのチーム。皆、バケーション明けでも体力に不足はないようで、日曜の夜にはカステジャーナ大通りにある創作日本料理レストラン、Zumaでマルセロが開いたお別れ夕食会にアンチェロッティ監督以下、ビニシウス、ロドリゴ、カセミロ、ナチョ、バジェホ、ルーカス・バスケス、セバージョス、マリアーノらが顔を出し、元キャプテンの宴に華を添えた後、月曜朝には普通に練習しているんですから、偉いじゃないですか。 といってもコロナ禍が始まって以来、ベルデベバスでの練習はCL決勝前のUEFA強制オープンメディアデーでもない限り、全てpurta cerrada(プエルタ・セラーダ/非公開)。よって、TVに映るセッションの映像なども公式ページに上がるビデオからのものばかりで、あまり面白みはないんですが、そうそう、先週はまだマドリッドの両雄が活動していなかった平日、ヒマを持て余して、両クラブのスタジアムツアーに行ってきたことも報告しておかないと。 まずはサンティアゴ・ベルナベウの全面改装工事のせいで2カ月間、閉鎖されていたマドリー・ミュージアムを訪ねたんですが、試合がある度、中断しなければいけなかったシーズン中と比べ、尚一層、工事現場感が増したスタジアム周辺の囲いに張られた標識を辿って着く現在のツアー入り口はpuerta(プエルタ/ゲート)55。カステジャーナ大通りの反対側、かつてVIP用ゲートがあった辺りなんですが、重機類の唸る音を聞きながら、下りて行った先に2部屋程が臨時ミュージアムになっていて、ええ、誰もが一緒に写真を撮りたがるDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)のトロフィーももちろん、展示されています。 35回目のリーガ優勝トロフィーもあるんですが、あとは完成後のベルナベル模型とか、在籍中に選手が受賞したバロンドールとかぐらいしか、今は見る物がなくてねえ。そう、ツアーとは言っても丁度、今はスタジアムの天井部取り付け真っ最中とあって、壮大なパノラマを楽しめる最上階にも行けませんし、ロッカールームも新築中。順路を作るのは不可能だったか、プレスルームも見られなくて、要はミュージアム出口から、10メートルぐらいスタンドを通って、内側の工事進行状況を眺めるぐらいしかできないんですよ。最後は今季の第1、第2の新ユニフォーム絶賛発売中のオフィシャルショップで終了と、うーん、これでメトロの駅を出てすぐ右のビル1階にあるチケット売り場で入場チケットが18ユーロ(約2500円、公式ページで購入すると15ユーロ/約2100円)もするのはちょっと暴利かも。 一方、翌日訪ねたワンダ・メトロポリターノのツアーは24ユーロ(約3300円、アトレティコの公式ページで買うと22ユーロ/約3000円)で、ちゃんとロッカールームを含めたスタジアム内部も見られるんですが、こちらにも落とし穴が!ええ、先週、今ならピッチのかなり奥まで入れるというニュースを見て、ワクワクして行ったところ、何と前日に催されたプライベートなパーティで使ったステージなどを解体中。試合の時、選手たちが通って出る階段にさえ下りられないって、そんな話、聞いていませんよお。 うーん、アトレティコもコロナ禍のせいで収入が減り、とりわけ通常モードに戻ったこの夏はスタジアムをコンサート会場にしまくるだけでなく、企業や個人のイベントにも利用してもらって、貸し出し料を稼ぐのに余念がありませんからね。間が悪いとピッチやベンチが見られない日があるということでしょうが、幸いTerritorio Atleti(テリトリオ・アトレティ/アトレティコのミュージアム)は充実。まあ、比べちゃいけないんですが、弟分チームたちのスタジアムには小さなトロフィールームしかないことを思えば、最新の2020-21シーズン優勝分を含め、リーガ11個、コパ・デル・レイ10個、EL3個などが燦然と並ぶトロフィー展示はそれなりに圧巻ですしね。ここにいっそ、大会最多の優勝回数を誇る巨大なカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会、この夏も8月4日にアトレティコが参加することが決まっている)トロフィー10個を全部並べてやれば、お隣さんだって、一目置いてくれるかもしれない? 言うまでもなく、唯一のネックはCLトロフィーが1つもないことですが、歴代選手や現役選手のユニフォームやシューズの展示などに加え、フェルナンド・トーレスの部屋とか、コパやEL決勝をピッチから見た3D映像とか、ビセンテ・カルデロン最後の日のビデオとか、ビジュアル的に楽しいアトラクションもあるため、マドリッドに来た際には立ち寄ってみても損はしないはずですが…その出口は定番、オフィシャルショップなのはいいとして、もうプレゼンビデオが出て久しいにも関わらず、今季の新ユニフォームがまだ売っていないとは、これ如何に! いやあ、メインのスポンサー企業が今季から、仮想通貨を扱うアンバーグループに決まり、ユニの胸に”WhaleFin”の文字が入ることになったのはこの月曜でしたからね。それまで発売できなかったという事情もわかりますが、昨季リーガ優勝が決まった試合の直後から、ベルナベウのオフィシャルショップが新ユニを求めるファンでバーゲン会場状態になっていたのを私など、実際に見ているだけに、かなり出遅れた感もなきにしろあらず。といっても元々、ユニの販売枚数で競争できる相手でもないですしね。何より今は、8月第2週のリーガスタート時に遅れを取らないことを願うしかありませんよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.07.14 09:00 Thu
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いよいよ動きだした…/原ゆみこのマドリッド

「練習始まっても見られないんじゃ」そんな風に私がガッカリしていたのは火曜日、マドリッド勢の先陣を切った弟分のヘタフェのオフィシャルサイトにトレーニングセッションのビデオが上がっているのに気づいた時のことでした。いやあ、前日はポルトゥ(レアル・ソシエダからレンタル移籍)とセアオネ(2部ウエスカと契約満了して移籍)の入団プレゼンがあったため、久々にコリセウム・アルフォンソ・ペレスに足を向けてみたんですけどね。広報部長が、月曜火曜はメデイカルチェックと体力テストだけで、チームのセッションは水曜にキャンプ地のロルダン(ムルシア)へ行くまでないと言っていたにも関わらず、その日の午後にはマスコミ非公開でしっかりやっているって、一体、どういうこと? それも何だか、コリセウムすぐ近くにあるシュダッド・デポルティボのグラウンド周りを覆う目隠しの幕が一層、高くなっている感じで、今季のヘタフェは兄貴分チームに倣ってか、ますます人目を避けて練習するようになった?うーん、レアル・マドリーやアトレティコとは違って、例年、キャンプ地まで番記者たちがついて行く訳でもなし。リーガ20チーム中、プレシーズンマッチ一番乗りとなる12日のプレストン(イングランド2部)戦どころか、20日から27日のアルゴルファ(アリカンテ)での第2次キャンプ中にプレーするカルタヘナ(2部)戦、レベンテ(2部)戦、エルチェ戦、8月7日のアルバセテ(2部)戦も相手チームのネット中継があればいい方で、TVで見ることなど、とても望めない彼らなんですけどね。 だったら、せめて地元で練習する時ぐらい、見せてくれてもいいのにと思ったんですが、ちなみに初日の練習ではアランバリやエネス・ウナル、マクシモビッチらの姿はなくて、それはリーガ終了後、6月の各国代表戦に参加した選手たちは遅れて合流するせい。入団プレゼンの席で新任のスポーツディレクター、ルーベン・レジェス氏も「Nosotros no hemos recibido en firme por ningún jugador/ノソトロス・ノー・エモス・レシビードー・エン・フィルメ・ポル・ニングン・フガドール(ウチの選手は誰1人、確固たる移籍オファーを受けていない)」と言っていたため、今のところは主力が抜ける心配をすることはないんですが、まあ、こればっかりはねえ。 そうそう、月曜は2部のお隣さん、レガネスもイディアケス新監督の下、負けじとプレシーズンをスタートさせていて、いえ、こちらは本当に最初の2日間はテストだけなんですけどね。代表戦に参加したオメルオ(ナイジェリア)と柴崎岳選手の合流は11日まで待たないといけないんですが、幸いなことにここ、2週間はシュダッド・デポルティボ・ブタルケでじっくり調整してくれることに。16日には丁度、キャンプの狭間に当たるヘタフェと練習試合を行って、17日から、サン・ペドロ・デ・ピナタル(ムルシア)に1週間滞在となるんですが、そちらではアンドラ(今季から2部)、ノッティンガム・フォレスト(今季からプレミアリーグ)のU23、エルチェとプレシーズンマッチが控えています。 戻って来てからもラージョやアルコルコン(昨季2部からREFE1部に降格)とのご近所対決があるんですが、レガネスではすでに選手の人事異動も着々と進行。先週はキャプテンのブスティンサが契約を解消し、翌日にはマラガ(2部)入団が発表されていたり、ラバ(ビジャレアルからレンタル、昨季はグラナダでプレー)やホルヘ・サエンス(バレンシアからレンタル、昨季はミランデスでプレー)ら、補強も到着しつつあるよう。もうこれで2部3年目となる彼らですし、今季こそは1部再昇格を果たすため、8月13日午後9時からの開幕アラベス戦から、ブタルケのファンを失望させないプレーを見せられるチームになっていてくれるといいのですが。 え、それでまだ、バケーション中の兄貴分たちの予定はどうなっているのかって?いやあ、7月に入るやいなや、ちょっと昨季のバルサにも似た、淡いパープルの第2ユニを発表したマドリーでしたが、やはり夏の観光シーズンをムダにする気はさらさなかったんでしょうね。この月曜には2カ月間、サンティアゴ・ベルナベウの全面改装工事のせいで閉鎖されていたミュージアムをリオープン。 いえ、まだスタジアムは工事現場そのものなんですけどね。獲りたてのDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)や35回目のリーガを含め、燦然と輝くトロフィー群をマドリッドを訪れるファンが見られるようになったのは良かったかと。チームの方は金曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でプレシーズン練習を開始するんですが、やはりこちらも時差出勤。第1陣として集まるのは、レンタル移籍を終えて戻ってくるボルハ・マジョラル(昨季はヘタフェ)、オドリオソラ(ここ2年はフィオレンティーナ)を加えての12人だけのよう。 要はクルトワ(ベルギー代表戦を恥骨炎で欠場)、ルニン、ルーカス・バスケス、ナチョ、バジェホ、メンディ、クロース、カマビンガ、セバージョス、マリアーノとなるんですが、残留するかどうか、スペイン代表で11月のW杯カタール大会に行きたいセバージョスはアンチェロッティ監督との話し合い待ち。毎年、放出候補に挙がりながら、移籍を拒否してきたマリアーノもようやく、河岸を変える気分になったのか、移籍先を探しているところなのだとか。 第2陣としては日曜にブラジル代表の4人が合流予定なんですが、うちミリトンとロドリゴは戻り次第、2028年まで契約延長をすることに。いやあ、2人共、昨季のマドリーの2冠達成に大きく貢献していますからね。前者は長年、チームの看板CBコンビだったセルヒオ・ラモス(PSG)とバラン(マンチェスター・ユナイテッド)が揃っていなくなった後、レギュラーの座を掴み、アラバと共に守備陣の要となりましたし、ロドリゴもマドリー入団3年目にして見事に開花。 何より、昨季は総合スコア同点に持ち込む準々決勝チェルシー戦2ndレグ後半35分のゴール、そして準決勝マンチェスター・シティ戦2ndレグでも後半45分過ぎに起死回生の2点を挙げ、延長戦での根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)を呼び込む活躍ぶりでしたからね。それがなければ、マドリーがパリでの決勝に進むこともできなかったはずですが、え、2019年に4500万ユーロ(約63億円)でサントスから移籍した彼に比べ、同じ夏にフランクフルトから来たヨビッチは7000万ユーロ(約98億円)もしたんだろうって? そうですね。プレシーズン練習には第3陣として、カルバハル、アセンシオ、アラバ、モドリッチ、アザール、ベンゼマ、バルベルデ、新加入のチュアメニ(モナコから移籍)、リュディガー(チェルシーとの契約が終わって移籍)ら、そしておそらく、マジョルカへのレンタル移籍から戻る久保建英選手も参加するんだと思いますが、そのヨビッチも一応、来週木曜に合流予定。とはいえ、ここ数日中にはフィオレンティーナへの移籍が決まりそうで、それもちょっと異例な形でレンタルではなく、マドリーは2025年まで契約のある選手の保有権50%を無料で譲り、相手は当人の年棒だけ負担するのだとか。もし来年の夏、フィオレンティーナが彼をどこかに売却した場合、その移籍金の半額が払われるという取引らしいんですが、とにかくここ3年、古巣へのレンタルもあったものの、マドリーでは3ゴールしか、挙げていない選手となれば、一体、どのくらい元が取れるのやら。 ただ、移籍金7000万ユーロというのにはお隣さんも結構、痛い目に遭っていて、それは2018年にクラブ史上最高額でモナコから入団したレマル。いやまあ、シメオネ監督には信頼されていて、ヨビッチよりは全然、出場試合数も多いんですが、ちょっと良くなると、ケガをするという繰り返しでねえ。今もあと1年に迫った契約満了を前にクラブは延長交渉を続けているんですが、進展したというニュースも聞こえないようでは、この夏の売却も仕方ないのかと思いきや…。 どうやら、年度末の6月30日までに選手を売却して、4000万ユーロ(約56億円)作らないと、収支が合わず、ラ・リーガの規定を守れないという情報はガセだったようで、まあ、サッカー記者もあまり数字には強くありませんからね。まさにその当日、TVのインタビューを受けたヒル・マリン筆頭株主も「No vamos a vender a ningún futbolista hoy/ノー・バモス・ア・ベンデル・ア・ニングン・フットボリスタ・オイ(ウチは今日、誰も選手を売らない)」と言っていましたが、どうやら、お金が必要なのは新しい選手の登録をするためで、遅くとも8月末の登録期限前、できれば、8月12日の開幕前に売却益を出せればいいのだとか。 おかげで今度はヒメネスなどが、6000万ユーロ(約84億円)ぐらい移籍金が期待できそうな選手として、放出候補に挙がっていましたが、いくらフェリペが出場試合数などで自動的に1年契約延長になったとはいえ、レギュラーCBの片翼を失うなんて、あまりに非現実的ですからね。その話は早々に立ち消えましたが、そんなアトレティコも今週末には体力テストのためにマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に集合。こちらは各国代表に参加していた選手も一緒で、全員揃って、日曜にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のサマーキャンプに出発するようですが、例外はビトロ(昨季はヘタフェにレンタル)とアリアス(同グラナダ)。 弟分チームでもほとんどプレーできなかった前者はラス・パルマス(2部)への古巣レンタルがほぼ決まっているようで、先月末にはベルサイコも契約が満了して、今はオリンピアコスに移っています。更に月曜にはシメオネ監督の三男、昨季はアトレティコBで25得点を挙げ、REFE3部から2部(実質5部から4部)への昇格を牽引したジュリアーノがサラゴサ(2部)にレンタル移籍することが決定。トップチームでリーガデビューさせてくれた父の下を離れ、一人、武者修行の旅に出ることになりましたが、逆に昨季はレンタル先のミランデス(2部)で計22ゴールを決め、黄金コンビとなったリケルメとカメージョス、2人のカンテラーノ(アトレティコBの選手)がキャンプに参加するのは楽しみかと。 何せ、すでに契約はまとまったと言われているビッツェル(ドルトムントとの契約が終了)でさえ、正式入団の発表がなく、新顔はモラタ(昨季はユベントスでプレー)とサウール(同チェルシー)しかいないアトレティコですからね。7月頭から、早速、カンプ・ノウの前に新スポンサー名のSpotifyが加わったバルサとは対照的に、6月末に契約が切れながら、相変わらずスタジアム名もワンタ・メトロポリターノのままだったりと、変化に乏しかったりするんですが、2週間のキャンプが終わる頃には新しい選手も入っているんじゃないでしょうか。 そして最後にもう1つのマドリッドの1部弟分、ラージョなんですが、こちらは金曜から始動。先週末にはサルビ、ディエゴ・ロペスとそれぞれ、カディス、エスパニョールの元キャプテンを自由契約でゲットしていましたが、とりわけ、ジダン監督の次男、ルカが退団し、ディミトリエフスキ1人になっていたGKに頼れるベテランが来てくれたのは嬉しいかと。そうこうするうちにプレシーズンマッチの予定も増えていて、16日にフライブルク(ブンデスリーグ1部)戦、19日にサレルニターナ(セリエA)戦、20日にシェフィールド(イングランド2部)戦、23日にバーミンガム(同)戦と国外での親善試合がてんこ盛りに。 マドリッドで彼らを見られるのは27日、ブタルケでのレガネス戦だけになりそうですが、やはり山場は31日、オールド・トラフォードでのマンチェスター・ユナイテッド戦になるでしょうか。ヘタフェ同様、こちらも親善試合のTV中継はなさそうですが、今季開幕戦の相手がバルサというのはともかく、昨季同様、スタートダッシュをかけられるチームに仕上がってくれたらいいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.07.06 20:30 Wed
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月が替われば、バケーションも終わる…/原ゆみこのマドリッド

「ちょっとズレたところで結果、良かったのかなあ」そんな風に私が自分を納得させていたのは火曜日、プエルタ・デ・ソルの7階建てビルにオープンするというサッカー・ミュージアム、レジェンズ-ホーム・オブ・フットボールのプレゼンでもらったパンフレットで、その住所を見つけた時のことでした。いやあ、5月の末、Decimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)を達成したレアル・マドリーがマドリッド州庁舎を表敬訪問した際もプエルタ・デル・ソルは全面改装工事中。周辺の道全てが広場に入る直前で通行止めになっていたため、バルコニーから挨拶する選手たちを一目見ようと駆けつけたファンも遠巻きに眺めるしかなかったんですけどね。 その状態は数日前、年々、前倒しになってきているサマーセールがとうとう今年は6月後半からスタート。暇に乗じてバーゲン巡りをしていた私が近くを通った時も同じだったんですが、ちょっと調べてみたところ、こちらの工事が終わるのは来年の春なのだとか。となると、12月オープン予定のサッカー・ミュージアムも当面、裏口から入ることになるのかなんて考えていたんですが、大丈夫。 というのもマラドーナやメッシ、チャビ監督がスペインの優勝した2010年W杯で着たユニやアトレティコが1974年にインターコンティネンタルカップ(ヨーロッパと南米の王者が対決するトヨタカップ、現クラブW杯の前身)を制した時のユニなど、5000点余りのサッカー史に残る品々を展示。体験型のゲームセクションやレストランなども併設されるという複合アミューズメント施設の住所は、プエルタ・デル・ソルから東側に向かうCarrera de San Jeronimo(カレラ・デ・サン・ヘロニモ)を50メートル程、行った辺りだったから。 広場に入れなくても問題ありませんが、それならプエルタ・デ・ソルすぐ側にオープンとか言ってくれた方が良かったのにと思ったのは私だけ?他にも少々、引っかかったことがあって、そのプレゼンに出席したマドリッド市長のアルメイダ氏がこのミュージアムを新しい観光スポットと称え、いえ、まあ、アトレティコファンを公言している当人としては、苦肉の策ではあったんでしょうけどね。 「Entre todos los equipos de fútbol tenemos 14 Copas de Europa en esta ciudad/エントレ・トードス・ロス・エキポス・デ・フトボル・テネモス・カトルセ・コパス・デ・エウロッパ・エン・エスタ・シュダッド(全てのサッカーチームの間でこの街は14の欧州カップを獲得している)。そのことだけでもマドリッドがサッカー界で重要な位置を占めていると言えるが」とスピーチを始めたところ、隣に座っていた、自身も2002年のNovena(ノベナ/9回目のCL優勝のこと)に貢献しているUEFA大使のフィーゴが笑いを抑えられず。それも当然、燦然と輝く14個のトロフィーがズラリと展示されているのは、サンティアゴ・ベルナベウにあるお隣さんのミュージアムなんですから、仕方ありませんって。 ただ現在、そのレアル・マドリーはスタジアムが全面改修工事の夏季集中フェーズに入ったため、ミュージアムも閉鎖中で、ピッチどころか、ロッカールームも消滅。ツアー自体やっていないんですけどね。おそらく昨季同様、リーガに頼んで、9月まで遅らせたホーム開幕戦、4節のベティス戦の頃にはまた復活しているんじゃないかと思いますが、となると、この夏の間、マドリッドを訪れるファンが見学できるのはワンダ・メトロポリターノのアトレティコ・ミュージアムだけ。丁度、6月28日から7月17日まではスタジアムツアーでピッチに入れる経路が延長され、かなり中まで行って写真を撮れるため、私も機会があれば、2節のホーム開幕試合ビジャレアル戦前に寄ってみたいものですが…。 え、ということはもう、2022-23シーズンのリーガ日程が決まったのかって?その通りで、先週の木曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会本部で抽選があったんですが、8月14日の週末の1節のマドリッド勢は何と、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでヘタフェとアトレティコの兄弟分ダービーからスタートすることに。その一方でもう1つの弟分ラージョはカンプ・ノウでバルサ戦、マドリーは昇格組アルメリアのホーム、フエゴス・メディテラネオスを8年ぶりに訪問します。 ちなみにチェックしておきたい日程としては、まず9月18日の週末にあるワンダでの兄貴分ダービーで、ベルナベウ開催は2月26日。クラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)は逆に10月16日がベルナベウ、3月11日がカンプ・ノウとなっているんですが、何しろ今季は11月21日から12月18日の予定でW杯が割り込んできますからね。リーガも11月9日の14節を最後にparon(パロン/一時休止)に入り、12月31日の週末にようやく再開。 年明けは1部チームが参戦するコパ・デル・レイ32強対決が始まり、1月11日から15日にはサウジアラビアでマドリー(昨季リーガ王者)、バルサ(同準優勝)、ベティス(昨季コパ王者)、バレンシア(同準優勝)がファイナルフォーを戦うスペイン・スーパーカップもありますからね。W杯で準決勝、決勝まで行くチームに招集される選手たちはずっと忙しい反面、早期敗退、母国代表が出場しない、もしくは代表とは無縁の選手たちとはかなり、体力的に差が出そうですが、リーガ最終節が6月4日というのも相当な長丁場かと。 とりあえず、今年の分だけ考えるなら、8月25日のCL、ELグループリーグ抽選を待って、9月6、7日から、11月1、2日までと、例年より短期開催されるヨーロッパの大会の日程も決まったところで、サッカー観戦を兼ねたスペイン旅行を計画してみるのも一興かと思いますけどね。いい加減、その頃までには帰国便搭乗前のPCR検査陰性証明も必要なくなっていて欲しいんですが…ランチメニューの平均的な値段、12ユーロが今や1800円程にもなってしまう、最近の円安傾向も日本のファンには痛いところですよね。 まあ、それはともかく、気がつくと日にちが経つのは早くて、世界各国のビーチで海パン姿を披露していた選手たちのバケーションも残りは僅か。来週にはもう、リーガでも多くのチームがプレシーズン練習を開始するんですが、マドリッド勢で一番乗りとなるは月曜スタートのヘタフェ。といっても2日程、恒例のメディカルチェックや体力テストを地元でやった後、すぐにカンポアモール(地中海沿岸にあるゴルフリゾート)へ行ってしまうんですが、あちらでは12日にプレストン(イングランド2部)、21日にはカルタヘナ、24日にはレバンテとリーガ2部チームとの親善試合がすでにセッティング済みです。 よって、先週、レアル・ソシエダからのレンタル移籍が決まったポルトゥのプレゼンなども週明け頃にはあるんじゃないかと思いますが、彼を入れてもまだ、キケ・サンチェス・フローレス監督のチームにはFWが足りなくてねえ。昨季終盤に肩を痛め、同時に恥骨炎の手術もしたマタは回復しているはずですが、ボルハ・マジョラルとサンドロはそれぞれ、マドリー、ウエスカからのレンタル移籍が終了。延長交渉はしているものの、とりわけ前者など、マリアーノ、ヨビッチがベンゼマの控えとしての務めを果たせなかったことから、今季はマドリーを離れる可能性が高いため、アンチェロッティ監督にその後釜として、期待されているのだとか。 結局、アンヘル・トーレス会長が代理人からオファーがあったと暴露し、一時、ヘタフェファンを沸かせたベイルもMSLのLAギャラクシー入りが決まりましたしね。あとはGKダビド・ソリアの控えだったルーベン・ヤネスがマラガ(2部)に行く代わりに降格したアラベスからパチェコが来るとか、同レバンテからデ・フルートス、同グラナダからルイス・ミジャを獲りたいなんて話も挙がってはいるんですが、この辺は果たしてどうなることやら、先を見てのお楽しみといったところでしょうか。 そして第2陣のスタート組は来週金曜、ラージョとマドリーになるんですが、弟分の方は7月19日にサレルニターナ(セリエA)と、31日にマンチェスター・ユナイテッドと親善試合があることがわかっている程度。ヘタフェ同様、こちらもファルカオこそ、残ってくれるものの、セルジ・グアルディオラ(バジャドリーからのレンタルが終了)、シラ(同アラベス)が欠ける前線の補強が待たれているところです。一応、今でもカバーニ(マンチェスター・ユナイテッドと契約が終了)やノリト(同セルタ)など、興味深い名前は出てはいますけどね。やはり例年通り、8月末日の市場クローズまで、新チームのメンバーが揃うことはなさそうな。 一方、昨季2冠に輝いたマドリーはバルデベバス(バラハス空港の近く)でプレシーズン練習を始めるんですが、実はこれ、6月の各国代表戦に参加していない選手の集合日で、ネーションズリーグが最後に終わったフランスのベンゼマなど、14日まで、戻って来ないのだとか。要は五月雨式の合流で、いえ、23日にバルサ戦(ラスベガス)、26日にクラブ・アメリカ戦(サンフランシスコ)、30日にユベントス戦(ロサンジェルス)が組まれているアメリカツアーまでには全員、揃うんですけどね。彼らの場合、リーガ開幕前の8月10日にはUEFAスーパーカップ、ヘルシンキでのフランクフルト戦と公式戦が控えているため、あまりノンビリはしていられない? そんなマドリーは補強も早くて、すでにチュアメニ(モナコから移籍)、リュディガー(同チェルシー)は入団プレゼン済み。この夏はこれで打ち止めのようで、今ではスポーツ紙で見かける候補の名前もブラジルで活躍する将来有望な18才とか、15才とか、ちょっと憶測が過ぎる世界に入ってしまった感があるんですが、やはりファンが気になるのはあと1年しか契約が残っておらず、この夏、河岸を変えるかもしれない選手たちでしょうか。 いえ、32才のクロースは今季のパフォーマンスを見てからと、自ら、契約延長に待ったをかけているようなんですけどね。まだ20代半ばのアセンシオとセバージョスなど、クラブ側から延長オファーを今のところ、出す予定はないと言われてしまったのだとか。うーん、彼らにはスペイン代表で冬のW杯に出るという夢もありますし、アンチェロッティ監督からもっと出番をもらえない限り、移籍も十分ありうるかと。 え、先週木曜にはとうとう、アメリカの投資会社に所有権を売却。新経営陣、イディアケス新監督を迎えてスタートする2部のレガネスでさえ、来週からプレシーズン開始というのに、アトレティコだけが1週間遅れ、11日からというのはちょっと怠けていないかって?いやあ、その代わりに今回は代表に行った選手も揃って、全員でロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のサマーキャンプを始められるんですが、どうも補強の動きが鈍いなと思っていたところ、何と月曜になって、とんでもない新事実が発覚。 というのもリーガのサラリーキャップに引っかかり、昨季の会計年度が終わる6月末までに、「Son 40 millones lo que tenemos que vender/ソン・クアレンタ・ミジョネス・ロ・ケ・テネモス・ケ・ベンデル(ウチは4000万ユーロ/約57億円分、売却しないといけない)」とセレソ会長が認めたせいで、そうでない限り、新しい選手を獲ることはできないのだとか。いえ、まだサインはしていないものの、ドルトムントとの契約が満了するアクセル・ビッツェルの入団だけはほとんど決まっているようなんですけどね。 どうやら昨季、3500万ユーロ(約50億円)の買取オプション付きでレンタル移籍していたモラタ(ユベントス)、サウール(チェルシー)のどちらも行使してもらえず、戻って来るのも影響しているみたいで、となると、ここ数日はエルモーソ、ロディ、レマルなど、放出の噂の出ている選手の進退について注目するばかり。といっても彼らでは全員売れても4000万に届くかどうか、一挙挽回するにはそれこそ、ジョアン・フェリックスやカラスコといったクラスの選手を出さないといけないんじゃないかと、ちょっと心配になるんですが、さて。 ちなみに昨季の終盤をケガで欠場、ポルトガル代表戦にも行かず、マイアミで養生していたジョアンは最近のインタビューで、「Una salida del Atlético no está sobre la mesa/ウナ・サリーダ・デル・アトレティコ・ノー・エスタ・ソブレ・ラ・メサ(アトレティコから出ることは頭にないよ)」と発言。ファンをホッとさせていたんですが、先のことはわからないですからね。何はともあれ、シメオネ監督のトッププライオリティである、右SBの補強だけは早いところ、してくれることを祈っています。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.06.30 18:00 Thu
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