W杯は冬まで来ない…/原ゆみこのマドリッド

2022.03.28 16:00 Mon
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「今、調子が良くてもねえ」そんな風に私が遠い目をしていたのは日曜日、スペイン代表がアルバニアに勝った記事を読んでいる時のことでした。いやあ、ルイス・エンリケ監督のチームが試合をするのも去年の11月以来、しかもこの各国代表戦週間明けにCL準々決勝で対決するチェルシー(アスピリクエタ、マルコス・アロンソ)とレアル・マドリー(カルバハル)、マンチェスター・シティ(ロドリ、ラポール)とアトレティコ(コケ、マルコス・ジョレンテ)の選手たちが肩を並べてプレーしているとなると結構、興味が沸いたりするんですが、でも本番、2022年のW杯カタール大会は11月21日に開幕ですからねえ。

おまけにその前、6月と9月にはネーションズリーグのグループリーグ6試合があるため、負傷中や回復直後といった理由で今回は呼ばれなかったジェラール・モレノ(ビジャレアル)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、アンス・ファティ(バルサ)、ガヤ(バレンシア)らも控えていることを考えると、実際のところ、3月のスペイン代表メンバーとW杯用のメンバーはかなり顔ぶれが変わるんじゃないかと思ったりもしないではないんですが…。

まあ、そんなことはともかく、今週は私も家でTV観戦ばかりだったんですが、先にマドリッドのクラブから各国代表に派遣されている選手たちの動向を見ていくことにすると。すでにW杯出場をグループリーグ首位で決め、お気楽な親善試合にいそしんでいるスペインとは違い、やはり大変だったのはグループ2位でプレーオフに回ったチーム。ええ、準決勝が一斉に行われた木曜にはポルトガルvsトルコ戦を見ていたんですが、うーん、オクタビオ(ポルト)とディオゴ・ジョタ(リバプール)のゴールで2点先行されたトルコもユルマズ(リール)が1点を返し、終盤には途中出場した弟分ヘタフェのエネス・ウナルがフォンテ(リール)に蹴られ、ペナルティをゲットしたんですけどね。

残念ながら、ユルマズがPKを外してしまい、最後はマテウス・ヌネス(スポルティングCP)に止めの3点目を決められて、3-1で敗退することに。まあ、ヘタフェにはまだ1部残留の厳しい戦いが控えているため、ウナルが早帰りできるのは有難いことですけどね。逆にCL出場権ゲットが懸かったリーガ戦とCL準々決勝マンチェスター・シティ戦が迫っている、後半26分から出場したアトレティコのジョアン・フェリックスは火曜の決勝までポルトに滞留。後半ロスタイムにトライコフスキ(アルファイハ)のゴールでイタリアを2大会連続となる予選敗退に追い込んだ北マケドニアとの決勝に挑むんですが、あちらのゴールを守っているGKディミトリエフスキも今年になって、1つも白星がないせいで、なかなか残留が決まらないラージョのことが気になっているかも。

え、そんな中、在籍クラブのことなど、まったく気にかけず、母国代表一途になっている選手がいるんじゃないかって?いやあ、paron(パロン/リーガの停止期間)直前のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)では0-4とgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らったものの、マドリーは2位に勝ち点差9をつけて首位を独走。CLにしたって、16強対決PSG戦2ndレグで見せた強さを持ってすれば、幸い、イギリス政府とUEFAの計らいでロシアのウクライナ侵攻以来、元オーナーのアブラモビッチ氏への制裁処置でチケット発売禁止にされていたスタンフォード・ブリッジでの1stレグにもマドリーファン2000人超が駆けつけることが可能になりましたからね。今回、フランス代表に行っていないベンゼマが予定通り回復すれば、ベイルが何をしようが、マドリーにほとんど支障はないというのは事実とはいえ…。

ただ、物事には限度というものがあって、彼は今年の6月に契約が満了するまで、年棒1300万ユーロ(約17億円)ものお給料をクラブからもらっている選手。それが日曜のクラシコ当日、背中の痛みでベンチ入りを見送った後、火曜にはウェールズ代表で普通に練習、それどころか、木曜のオーストリアとのプレーオフ準決勝では直接FKで先制点、2点目も挙げて、2-1の勝利の原動力となっているんですよ。バルサ戦ではフル出場、マドリーファンに大敗を謝るため、サンティアゴ・ベルナベウのピッチをクルトワ、ミリトン、バルベルデらと一周していたオーストリア代表キャプテンのアラバなど、試合後は普通にベイルに挨拶していたものの、正直、思うところはあったのでは?

更に間が悪いのはこのウェールズがいるプレーオフのグループで、もう1つの準決勝がスコットランドvsウクライナと戦争の渦中にある国のチームを含むため、この3月にはプレーできず。6月まで延期されているため、要はウェールズも決勝の相手が決まるまで待たないといけないんですが、うーん、となると、今季、マドリーで4試合出場しただけのベイルはそれまでバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で調整に専念することになる?何せ、このウェールズの試合では、当人、本気でプレーすれば、まだまだ決定的な仕事ができるFWだということがバレてしまいましたからねえ。とりわけ、ベンゼマの負傷欠場が響き、宿命のライバルに一矢も報えなかった後だけに、ファンが怒るのももっともだったかと。

ちなみに最近のマドリーでお給料とパフォーマンスが一致しないのはベイルだけではなく、同じくチーム内最高年棒をもらっているアザールも金曜に足首に入っている補強プレートの除去手術をすることを発表。ベルギー代表に呼ばれていなかったのはGKクルトワ同様、ロベルト・マルティネス監督の主力温存策のせいだったんですが、最近はベンチにいてもアンチェロッティ監督に使ってもらえないため、11月のW杯前に満を持して、2017年にケガして以来、度々、不具合を起こしていた部位を完璧に治すことにしたのだとか。まあ、彼の場合、前線の左サイドのレギュラーであるビニシウスが木曜のW杯南米予選チリ戦でブラジル代表初ゴールを挙げるなど、好調を維持していますからね。5週間程、リハビリでいなくても大丈夫ってことでしょうか。

そして金曜にはベンゼマだけでなく、エムバペもベンチ観戦だったフランスvsコートジボアールの親善試合でグリーズマンが後半30分までプレーするのを、ケガだけはしないようにと祈りながら見ていたところ、ペペ(アーセナル)のゴールでビジターチームが先制したものの、元アトレティコのテオ・エルナンデス(ミラン)のクロスをジルー(同)がヘッドで決めて同点に。終盤間際には、来季はマドリーが狙っているという記事をとりわけ、試合のないミッドウィークの紙面などで目にするチュアメニ(モナコ)がセットプレーから勝ち越し点を挙げて、フランスが2-1で勝利した後、いよいよ翌土曜にはスペイン代表がプレーしたんですが、スタメンにビッグサプライズがあったんですよ!

それは今回、いえ、長年、代表常連だったGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が呼ばれなかったのは先日、オールド・トラフォードでのCL16強対決2ndレグで古巣のアトレティコに負けたせいだけではないとは思うんですけどね。代わって第3GKとして、ダビド・ラジャ(ブレントフォード)が初招集されただけでも世間は意表を突かれていたんですが、まさか、試合当日、先発予定だった第2GKロベルト・サンチェス(ブライトン)が家族の事情で緊急離脱。そのせいでルイス・エンリケ監督が、ユース時代を会場のRCDEスタジアム(エスパニョールのホーム)の近所にあるUEコルネジャで過ごし、16才からイングランドに渡った26才の新人をいきなりデビューさせるとは!

いやあ、これには当人も「En la charla del míster dijo el once titular y me quedé un poco parado/エン・ラ・チャルラ・デル・ミステル・ディホ・エル・オンセ・ティトゥラル・イ・メ・ケデ・ウン・ポコ・パラードー(試合前ミーテインングで監督がスタメンを告げて、自分はちょっと固まってしまった)」と告白していた程だったんですけどね。相手にはセリエAでプレーしている選手が多いとはいえ、これまで1度も負けたことのないチームですし、アルバニアでは1000人に1人ぐらいの名字だったため、同国サッカー協会から声を掛けられ、曾祖父の代まで遡って、ルーツがないかどうか探したなんていう、直近親族がスペイン人ばかりのバリウをラージョから招集。それだけメンバー集めに苦労しているということですから、私も18年ぶりとなるカタルーニャ州(スペイン南東部、バルセロナのある地方)でのスペイン代表戦に嬉々として駆けつけた大勢のファン同様、すぐにゴールを見られると思ったんですが…。

開始からしばらく、ほぼボールを独占していたスペインだというのに前半はまったく冴えなくてねえ。ええ、フェラン・トーレスやペドリら、バルサ勢がシュートを撃っていったんですが、もしや、前日、ラス・ロサス(マドリッド近郊)での練習中、ジョレンテとの接触プレーで、ご当地選手であるRdT(ラウール・デ・トマス)が肩を痛め、離脱してしまったのが大きかった?フェランと3トップを組んだモラタ(ユベントス)、サラビア(スポルティングCP)も頑張ったんですが、彼らの攻撃力が発現するには後半19分以降、5人の選手が交代するまで待たされることになりましたっけ。

それは30分、モラタから代わったジェレミー・ピノ(ビジャレアル)のラストパスをフェランがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で撃ったシュートはGKベリシャ(トリノ)に弾かれてしまったものの、諦めずにまたピノがスルーパスを入れたところ、今度はフェランもネットを揺らすことに成功。この時点で、1-0ではちょっと寂しいとはいえ、スペインの勝利を確信したファンは多かったかと思いますが、一筋縄ではいかないから、サッカーは面白い。何と35分にはエリア内に落ちて来たボールをクリアしようとして、パウ・トーレス(ビジャレアル)がヘッドに失敗。これがウズニ(グラナダ)の顔に当たって、同点ゴールになってしまうなんて、ホント、「no es ni un fallo, sino mala suerte/ノー・エス・ニ・ウン・ファジョ、シノ・マラ・スエルテ(ミスじゃなくてアンラッキーだった)」(ラジャ)ですよね。

でも大丈夫。地元開催のメンツがあったか、45分にはペドリから、途中出場の大先輩、今回はブスケツ不在で代表キャプテンも務めるジョルディ・アルバにボールが通ると、やはり近所のオスピタレンセでサッカーを始めた左SBが、エスパニョールとバルサのカンテラ(下部組織)で育ったダニ・オルモ(ライプツイヒ)に繋ぎます。そのvaselina(バセリーナ/ループシュート)がすっぽりゴールに入ってしまうんですから、ビックリしたの何のって。スペインが2-1で勝ったため、「Me hubiera fastidiado mucho no ganar por el ambiente único que hemos vivido/メ・ウビエラ・ファスエィディアードー・ムーチョ・ノー・ガナール・ポル・エル・アンビエンテ・ウニコ・ケ・エモス・ビビードー(負けていたら、自分たちが体験した唯一の雰囲気に申し訳なくて、とてもイラついていただろう)」と、ルイス・エンリケ監督も面目を保てましたっけ。

そして試合後、バルセロナ泊となったチームは日曜にもRCDEスタジアムで練習。お昼は街中の洒落たレストランで代表合宿恒例の外出ランチをした後、せっかくグラウンドに新機軸の大型スクリーンを設置して、その場でビデオを見て動きの修正ができるようになったマドリッドの協会施設には戻らず、月曜には次の親善試合が待つラ・コルーニャ(スペイン北西部)に移動することに。リアソル(RFEF1部のデポルティーボのホーム)での前日セッションを終えてから、火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)のアイスランド戦に臨むことになりますが、ちょっと気になるのはアルバニア戦に出なかったアトレティコ勢のコケとジョレンテは多分、こちらでの出場になりそうなこと。

いやまあ、累積警告のコケは現在、アルゼンチン代表参加中のコレアと共に土曜のアラベス戦は出場停止ですし、木曜に父親が亡くなったシメオネ監督がずっと不在だったマハダオンダ(マドリッド近郊)での先週のセッションにはもうクーニャとヴァスも負傷が治って参加していますからね。特に問題になることもないはずですが、何より怖いのは代表戦で新たにケガすることかと。その辺に関してはどこも同じなんですが、できれば、木曜のペルー戦で1-0と勝ち、滑り込みでW杯参加を確定させたウルグアイ代表のルイス・スアレスやヒメネスやヘタフェのダミアン・スアレス、オリベイラらには早く帰って来てもらいたいところかと。

ちなみにお隣さんではビニシウスが累積警告になったそうで、もう月曜にはブラジルからマドリッドに着くようですが、カセミロ、ミリトン、ロドリゴはまだ大西洋の向こう側。この先はノンストップでタイトルレースが始まるため、どのチームの監督も今は選手たちが無事に帰還してくれるのをひたすら祈っているんじゃないでしょうか。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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ゴールが入ると話も早い…/原ゆみこのマドリッド

「ここは強気に出ないとね」そんな風に私が頷いていたのは火曜日、クリスチアーノ・ロナウドの退団に前向きになったマンチェスター・ユナイテッドがその代わりとして、クーニャを狙っているというニュースを読んだ時のことでした。いやあ、先月中は今季、CLに出られないのがイヤだという当人の移籍先有力候補して、名前が挙がったアトレティコでしたが、いつの間にやら、立ち消えに。 シメオネ監督のチームがプレシーズンマッチで揺るぎのないゴール力を示していたこともあって、オスロで彼不在のマンUを1-0で破った後、翌日のオールド・トラフォードでは弟分のラージョも1-1の引分けと善戦。その試合でこの夏、初出場となったロナウドが、交代した後半を見ずに帰宅してしまったなんて話を聞くと、和気藹々やっているアトレティコに波風立てそうな選手はやっぱりいらないと思ったものですけどね。 さすがにそういう態度にはマンUも考えたか、うーん、プレミアリーグ開幕から2試合、ブライトン、ブレントフォードに連敗、しかも後者には4-0の大敗を喫したというのも大きいんでしょう。だからって、今季自慢のFW5人組の一人、しかも23才と37才のロナウドより遥かに若いクーニャを獲りたいとはこれ如何に。幸いマルカ(スポーツ紙)ではクラブは5000万ユーロ(約70億円)の契約破棄金額以外、売却には応じない意向を示したと言っていたため、ホッとできたんですが、世の中、油断も隙もないとはまさにこのこと? まあ、今のアトレティコがゴールにまったく不自由していないのはまた後で話すことにして、今は先週末に開幕したリーガのマドリッド勢の試合を振り返っていくことにすると。先陣を切ったのは土曜にカンプ・ノウでバルサ戦に挑んだラージョだったんですが、イラオラ監督がファルカオではなく、アトレティコからレンタルで来たカメージョをCFとして先発に立てたのはちょっと意外。序盤から、ガンガン攻めてきたのは前日、ちゃっかり新戦力4人と契約更新したデンベレ、セルジ・ロベルトの選手登録を済ませた相手の方で、12分には早くもレバンドフスキ(バイエルンから移籍)のゴールが決まってドッキリしたんですが、オフサイドに判定してもらえたのはラッキーだったかと。 更にデンベレ、ラフィーニャ(同リーズ)らにも撃たれまくられたラージョでしたが、26分にお水休憩が入ったのが功を奏します。ええ、「Camello tenía una labor más complicada/カメージョ・テニア・ウナ・ラボール・マス・コンプリカーダ(カメージョには非常に難しい仕事があった)。後ろからプレーしながら、ボールを出すチームにプレスをかけないといけなかったからね」と後でイラオラ監督も言っていたように、その時間を利用して、2部のミランデスで15得点した昨季から、ステップアップするためにラージョに来た兄貴分のカンテラーノ(Bチームの選手)を入念に指導した甲斐あって、バルサにCKを12本も与えた前半を無失点で切り抜けることに。 それどころか、ロスタイムにエリア内からアルバロ・ガルシアが撃ったシュートがGKテア・シュテーゲンに止められなければ、ラージョがリードしていたかもしれないんですが、昨季のカンプ・ノウで0-1勝利のゴールを決めた彼だけに過信して、フリーのチームメートが目に入らなかった可能性もなきにしろあらず。後半6分にも今度はカメージョが敵DFをかわし、周り込んだゴール左側からシュートしたんですが、こちらは枠を外れてしまいます。 その10分後にはいよいよ、彼に代わってファルカオが登場したんですが、その時にはすでにバルサもアンス・ファティを投入済み。ただ、「もっと優位な状況を作るためにシステムを変えたが、nos ha faltado efectividad, acierto/ノス・ア・ファルタードー・エフェクティビダッド、アシエルトー(ウチは効率と精度が欠けていた)」(チャビ監督)という相手が再び、GKディミトリエフスキを破ったのは、いよいよオバメヤングも加わって、4人FW体制になっていた42分のことでした。とはいえ、アンス・ファティのゴールはオフサイドで認められず、8分もあったロスタイムの2分目には、ブスケツがファルカオへのファールで2枚目のイエローカードをもらって退場したため、ラージョに土壇場の1点勝利の期待が高まったんですが…残念です。 サルビ(カディスから移籍)のシュートがテア・シュテーゲンに弾かれたボールをファルカオがネットに入れたんですが、こちらもオフサイドとは世知辛い。結局、0-0のまま終わってしまいましたが、それでも昨季から3試合連続でバルサに負けていないラージョを褒めない訳にはいかないかと。ええ、ガンペル杯でプーマス(メキシコ)に0-6の大勝をした攻撃陣を引っ提げて、ホーム公式戦デビューした相手に枠内6本、合計21本もシュートを浴びながら1点も取られず。チャビ監督曰く、「Las expectativas generadas nos han pesado/ラス・エスペクタティーバス・ヘネラーダス・ノス・アン・ペサードー(懸けられた期待がウチには重かった)」と言わせてしまうんですから、今季も前半戦はこの弟分チームが台風に目になるかも。 そんなラージョは次節もアウェイでまたしてもバルセロナ遠征、金曜にエスパニョール戦となるんですが、え?私が近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で彼らの応援をしている間、2部の弟分レガネスがブタルケでアラベスとの開幕戦をプレーしていなかったかって?いやあ、その通りなんですが、まったくの同時刻展開だったため、一応、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継でチェックはしていたんですが、終盤の盛り上がりがモロかぶり。 前半20分、1年前は2部に落ちたばかりのレガネスでプレーしていたデ・ラ・フエンテに先制されると、後半22分にはカンテラーノのナイムが同点弾。ところが30分、こちらは昨季後半、ラージョにレンタルで来ていたシラのゴールで再びリードされたレガネスがロスタイム、キャプテンのオメロウが引分けのゴールを挙げたと実況で叫んでいたのは覚えているんですが、家に戻ってみれば、実はその後、オフサイド判定となり、1-2で負けていたとは! せっかくイディアケス新監督の下でもスタメンに入り、その日、フル出場した、3度目の正直で今季こそ、1部復帰を果たしたい柴崎岳選手も気の毒なスタートとなりましたが、逆に翌日曜はいいニュースから始まります。そう、夕方に行われた試合でレアル・マドリーから移籍した久保建英選手が先発デビューしただけでなく、ミケル・メリノのクロスからゴールを挙げ、レアル・ソシエダがカディスに0-1と白星発進する殊勲の働きを見せてくれたからですが、私はその映像を午後9時からのニュース番組で確認した後、再び近所のバルに向かうことに。 暑い時間を避けるため、8月は午後10時開催のカードがあって、マドリーのリーガ開幕戦がその時間帯に当たったからですが、先日のUEFAスーパーカップと違い、余裕で座れたのはやっぱり、マドリッド市民は皆、バケーションに行っているせい?ちなみにそのアルメリア戦の方は予告通り、アンチェロッティ監督がフランクフルト戦からスタメン5人を入れ替え。新加入のリュディガー(チェルシーから移籍)とチュアメニ(同モナコ)も先発デビューしたんですが、いやあ、驚かされましたね。まさか前半6分にはエグアラスが自陣センター左側から出したループパスにラマサニが反応すると、オフサイドラインをキープするのに失敗したリュディガーが追いかける中、ドリブルでエリアに入ってシュート。 これがGKクルトワを破り、昇格組のアルメリアが先制点を挙げたからですが、ラマサニが豪快に側転、バック転でゴールを祝ったせいもあったか、マドリーの選手たちへの目覚まし効果があったのも確かでしょう。ええ、そこから猛反撃が始まったんですが、前日の宿命のライバル同様、前半だけでCK12本もゲットしながら、42分のルーカス・バスケスのゴールはオフサイドで認められず、1-0でハーフタイムを迎えます。そこで後半頭から、カマビンガに代わり、モドリッチが助っ人に入ったんですが、アルメリアに最後のご奉公と、ビジャレアル移籍が噂されているサディクをクルトワが2度も止める破目になってはねえ。 13分にチュアメニがアザールと交代した時には、こんな時こそ、昨季のCL決勝トーナメントでremontada(レモンターダ/逆転劇)を先導したヒーロー、ロドリゴの出番だと思ったファンは多かったはずですが、その日の彼は負傷により、マドリッドでお留守番。この辺の間の悪さがやはり、レギュラーを狙うのに障害になっているのかもしれませんが、大丈夫です。16分、ビニシウスのシュートはGKフェルナンドに弾かれ、すぐ側にいたベンゼマもボールをキープできなかったものの、この時もしっかりゴール前まで上がっていたルーカス・バスケスが決めてくれるんですから、有難いじゃないですか。 それから10分もすると、カウンターで駆け上がる体力の尽きたサディクとラマサニが引っ込み、アルメニアは引分け狙いに転じたようだったんですが、そうは問屋が卸しません。29分、丁度、敵エリア右前でFKを獲得したタイミングでメンディがアラバに代わったため、普通はセットプレーの後なのにと私が不思議がっているヒマもあらばのことでした。後でアンチェロッティ監督は、「キッカーはベンゼマかクロースだったんだが、Davide dijo que saliera rápido, porque la iba a tirar/ダビデ・ディホ・ケ・サリエラ・ラピドー、ポルケ・ラ・イバ・ア・ティラール(ダビデがFKを蹴るため、急いで出るように言った)」と打ち明けていたように、第2監督の息子の指示でアラバがFKを蹴ったところ…。 見事にgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)が決まったんですよ。いやあ、確かにバイエルン時代は直接FKのゴールを10本も挙げ、昨季もCLグループリーグのシェリフ戦で入れている彼なんですけどね。おかげで1-2と逆転に成功したマドリーはそのまま逃げ切り、何とかリーガ白星スタートを果たすことに。いえ、アンチェロッティ監督も「今日は若い選手たちが練習で見せている高い質を披露できなかったが、es bastante normal, son muy jóvenes y la camiseta pesa/エス・バスタンテ・ノルマル、ソン・ムイ・ホベネス・イ・ラ・カミセタ・ペサ(十分、ノーマルなことだ。彼らはとても若く、マドリーのユニフォームは重い)」とカマビンガやチュアメニを庇っていたんですけど、先は長いですからね。 モドリッチ、クロース、カセミロら、30代の中盤黄金トリオが皆勤する訳にもいきませんし、ここは出場機会をもらうたび、いい働きを見せるルーカス・バスケスやナチョを見習って、次は土曜のセルタ戦で使ってもらえるように努力を続けるしかないかと。ちなみにUEFAスーパーカップに続いて、この日も終盤少ししか出番のなかったセバージョスは翌月曜、古巣のベティスを応援するところをベニト・ビジャマリンのエルチェ戦で目撃されているんですが、ペレグリーニ監督のチームがサラリーキャップを越えてしまうため、未だに新規戦力の登録が1人もできていないのを見ると、この夏、帰還するのは難しそう。その他、アセンシオなどもまだ1度もプレーしていませんし、マリアーノやオドリオソラら、月末までにマドリーはまだ放出の方で動きがあるかもしれません。 え、それで月曜午後7時30分から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでの兄弟分ダービーで開幕を迎えたアトレティコの何が凄かったのかって?いやあ、ラッキーにもここ数日、猛暑が収まってくれたマドリッドだったため、ヘタフェのファンも大挙して応援に駆けつけた兄貴分のファンもゆだることはなかったんですけどね。どうも最後のプレシーズンマッチ、0-4のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)でユベントスを負かした試合でハットトリックしたモラタの古巣恩返しスイッチが入ってしまったようで、アトレティコの少年チームで使ってもらえなかったせいで河岸を変え、マドリーからスカウトされるキッカケとなったヘタフェにもまったく容赦なし。 もちろんそれには今季こそ、3年前にベンフィカに払ったクラブ史上最高額の移籍金1憶2800万ユーロ(約176億円)に値する輝きを見せようと誓っているジョアン・フェリックスの協力が不可欠だったんですが、前半15分には青いユニの選手が密集する中をレマル、サウール、ジョアンと繋ぎ、エリア前からモラタがシュートを決めて先制点をゲット。0-1で折り返すと、後半14分にもミトロビッチが自陣エリアから出したパスをジョアンがカットして、再びラストパスをもらったモラタが2点目を奪っているんですから、コリセウム中にアトレティコファンの歌声が響き渡ったのも仕方なかった? その後すぐ、カラスコ、デ・パウルらと共に最初のリフレッシュ要員となった1人、グリーズマンも30分にはセンターからのジョアンのロングパスを受けてエリア外からゴールを決め、昨年11月以来のリーガでの得点を挙げてくれましたしね。そして38分、最後の交代もモラタとジョアンから、コレアとクーニャとくれば、シメオネ監督も「Con la competencia arriba tendré que afinar el ojo/コン・ラ・コンペテンシア・アリバ・テンドレ・ケ・アフィナル・エル・オフォ(前線のポジション争いのせいで自分も見る目を磨かないといけない)」と言っていたように、こんなにレギュラークラスの控えがゴロゴロいるアトレティコ、ついぞ記憶にありませんって。 それとは対照的だったのは補強が追いつかず、その日も控えにはカンテラーノが5人。25人の定員中、6つも埋まっていない背番号が残っているヘタフェは、うーん、相変わらずアトレティコがサイドからのクロスを簡単に許してしまうため、イグレシアスにがんがん上げられ、マジョラル(マドリーから移籍)やエネス・ウナルが惜しいシュートを放っていたんですけどねえ。結局、0-3で完敗したんですが、これは織り込み済みの面もなきにしろあらず。というのも彼らは元々、この兄貴分に弱くて、特にシメオネ監督が来てからは22試合で白星がなく、0-0で3回引分けるのが精一杯だったから。 昨季まで得点すらできなかったことを考えれば、さっさと頭を切り替えて、次の月曜試合、ジローナ戦から、早めに勝ち点を貯めていってもらいたいところですが、試合終了後もコリセウムのピッチで、控え選手たちがただ走るんじゃなく、ボールを使った練習をしていたアトレティコの方は日曜にホーム開幕となるビジャレアル戦。相手はベティスと共に初戦に3-0で勝って首位に立つ3チームの一角ですから、今季の彼らの実力を測るのに最適な試合になりそうですが、そろそろヒメネス、フェリペがケガから回復して、ビッツェル(ドルトムントから移籍)をCBではなく、本職のボランチで見てみたい気もしますよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.17 20:00 Wed
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トロフィー掲げて開幕とは羨ましい…/原ゆみこのマドリッド

「いくら当日でもできるって言ってもねえ」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、土曜に今季開幕となるラージョ戦をプレーするバルサが未だにラ・リーガから許可が下りず、この夏に獲得した新戦力を1人も選手登録できていないと聞いた時のことでした。いやあ、試合前日会見で話したチャビ監督は、「Mañana veremos si podemos salir con el 100%, tenemos hasta dos horas antes del partido/マニャーナ・ベレモス・シー・ポデモス・サリール・コン・エル・シエン・ポル・シエント、テネモス・アスタ・ドス・オラス・アンテス・デル・パルティードー(100%でスタートできるか明日、わかるだろう。試合開始2時間前まで余裕はあるんだから)」と楽観的な見方をしていたんですけどね。 レバンドフスキ(バイエルンから移籍)を筆頭にラフィーニャ(同リーズ)、クリステンセン(同チェルシー)、クンデ(同セビージャ)に加え、契約延長組のデンベレ、セルジ・ロベルト、ガビらも出られないとなれば、昨季はカンプ・ノウの試合も含め、バルサに2勝した頼もしいマドリッドの弟分にとって、願ってもない好機到来かと思いましたが、良かったです。念のため、金曜の午後に最後のセッションを終えたイラオラ監督が「Seguro que Lewandowski, Dembélé y Raphinha van a jugar/セグロ・ケ・レバンドフスキ、デンベレ・イ・ラフィーニャ・バン・ア・フガール(きっとレバンドフスキ、デンベレ、ラフィーニャらはプレーするだろう)」という心構えで選手たちを鍛えていてくれて。 というのもようやく金曜の夜になって、バルサが第4のpalanca(パランカ/テコ)入れを発動。クラブの持つ権利を切り売りして、更に1憶ユーロ(約140億円)余りの資金を獲得したため、クンデ以外は登録できたというニュースが入ってきたから。対照的にラージョの方はかつてのアトレティコ黄金コンビ再結成のため、ずっともう来る、もう来ると言われているジエゴ・コスタ(アトレティコ・ミネイロ)がまだ到着せず。 この土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの試合もファルカオやアルバロ・ガルシア、イシらのゴールに期待することになりますが、昨季、レンタルで修行に行った2部のミランデスで15得点を挙げたアトレティコのカンテラーノ(Bチームの選手)、カメージョにも注目してあげないと。こちらもサラリーキャップの関係でラージョBでの登録となってしまいましたが、ユース時代にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で憧れの目で追っていた大先輩、Tigre(ティグレ/虎、ファルカオの愛称)のお手伝いができたら、嬉しいですよね。 え、リーガで先陣を切るのはラージョだけど、もうすでに公式戦があったマドリッド勢もいるんだろうって?その通りで、この水曜には兄貴分のレアル・マドリーがヘルシンキでUEFAスーパーカップのフランクフルト戦をプレーしたんですが、失念していました。8月のマドリッドはバケーションシーズン真っ盛りだということを。おかげでいつものバル(スペインの喫茶店兼バー)が閉まっていて、ようやく今年になってから、コロナ禍中は赤字になるからと切っていた有料放送の契約を再開した、以前の行きつけにいけば、もう店内は超満員。 仕方なく、去年の夏、通っていたバルに回っても今季はまだTVを契約していなくて見られないと言われるし、開始15分して、ようやく自宅から1駅先で、観戦客で賑わっているお店を見つけて入ってみれば、この猛暑の中、冷房がないなんてことあっていい?おかげで鎌田大地選手のシュートがGKクルトワにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたシーンなどを見逃して、悔しい思いをしたものですが、大丈夫。 「Yo vi su movimiento y me lancé a la izquierda/ジョ・ビー・ス・モビミエントー・イ・メ・ランセ・ア・ラ・イスキエルダ(彼の動きを見て左に飛んだんだ)」とクルトワ自身が解説していたこのプレーは後で散々、ニュースでのサマリーで見ることができたから。ただ、もう立ち見でも仕方ないと腹を括り、汗が止まらなくても、そのバルに居座ることした私でしたが、もしや丁度いいタイミングだった?何と、ビールで喉を潤す前の17分にはビニシウスのシュートをフランクフルトのDFがゴール前でクリアしたり、36分にも彼の一撃がGKトラップに惜しくも逸らされたりと、マドリーがギアを上げるのに間に合ったんですよ。 そしてその1分後には先制点が入って、クロースのCKをベンゼマがヘッド、ゴール右前にいたカセミロがそれを頭で落としたところ、トラップが飛び出して空になっていたところにアラバが蹴り込んだんですが、アンチェロッティ監督に言わせると、「Ha sido bastante casual/ア・シードー・バスタンテ・カスアル(かなり偶然の産物だった)」のだとか。曰く、「あのセットプレーは元々、相手が苦手にしているファーポストにボールを入れるものだった」そうですが、少なくとも作戦通り、カセミロがあの場所にいてくれたのが幸いしたよう。 そのまま1-0でハーフタイムを迎えたマドリーでしたが、後半9分にはまたしてもビニシウスがトラップに弾かれてしまい、まさか夏休みの間に昨季、ようやく開花した決定力を忘れてしまったのかと心配させてくれたんですけどね。ユベントス移籍の近いコスティッチ以外、グラスナー監督が「クラブの歴史を作った選手たちが先発でプレーするのに値する」と言っていた、レンジャースとのEL決勝のスタメンを並べてきたフランクフルトも13分にはゲッツェを投入。 2014年W杯決勝でドイツの優勝を決めるゴールを挙げて以来、低迷しながら、PSVでの2年間で再生したのを買われ、今季から加わった司令塔に運命を託したんですけどね。やはり、「このところ5回もCLに優勝しているマドリーは別次元のレベル」(グラスナー監督)というのは本当だったようで、両チームには実力差がかなりあったんでしょう。 ええ、カセミロのエリア外シュートがゴールバーを直撃した後の20分、今度はビニシウスが自分で撃たずにベンゼマにラストパス。今ではアンチェロッティ監督以下、チームメートも「Está claro que va a ganar el Balón de Oro,/エスタ・クラーロ・ケ・バ・ア・ガナール・エル・バロン・デ・オロ(バロンドールを獲るのは明らかだ)」(カセミロ)と信じて疑わない、マルセロの退団で今季から第1キャプテンとなったCFがワンタッチで蹴ったシュートが決まったから、バルで観戦していたお客さんたちも興奮したの何のって。 2点目が入るとすぐにマドリーも交代カードを切って、実際、こちらもリバプールとのCL決勝スタメンをリピートしていたんですけどね。別にこの日は奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)は必要ないにも関わらず、最初にモドリッチからロドリゴにしたのは、準々決勝のチェルシー戦や準決勝マンチェスター・シティ戦で反撃への流れを作ってくれた彼へのご褒美?まあ、これに関しては当人も「負けている時や逆転しないといけない時だけじゃなくて、自分はもっとプレーできる。Quiero ser titular y estoy trabajando para ello/キエロ・セル・ティトゥラル・イ・エストイ・トラバハンドー・パラ・エジョ(レギュラーになりたいし、そのために努力しているんだ)」とアピールしていたんですけどね。 マドリーの前線はベンゼマ、ビニシウスは絶対で、残り1席を争う激戦区。当面は相手によって、ロドリゴとバルベルデ、アセンシオらを使い分けて行く方がアンチェロッティ監督には都合がいいのかも。31分にはバルベルデも下がり、こちらも昨季は途中出場でチームに貢献したカマビンガがピッチに入って守備固め。残り5分にはセバージョスに加え、新顔のチュアメニ(モナコから移籍)とリュディガー(同チェルシー)ら、今季の働きを期待される選手が登場と、相変わらず、アンチェロッティ監督の人心掌握術には舌をまかされましたが、試合はそのまま2-0で終了です。 これでUEFAスーパーカップ優勝5回目となり、バルサとミランの持つ最多記録に並んだマドリーでしたが、実は監督として唯一、4回のCL優勝経験を持つアンチェロッティ監督はUEFAスーパーカップ戴冠も最多となる4度目。ミランを率いて2回、マドリーでも2回とCLに勝つたび、きっちりその副産物であるUEFAスーパーカップもモノにしているのはホント、がっつりしていると思いますが、残念ながら、この大会は勝ってもマドリッドでの祝勝行事はないため、試合の後は割とあっさりしたものでしたっけ。 そう、すでに金曜からは日曜午後10時(日本時間翌午前5時)キックオフのアルメリア戦の準備がバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で始まっています。アンチェロッティ監督も「El domingo refrescaré algo al equipo/エル・ドミンゴ・レフレスカレ・アルゴ・アル・エキポ(日曜はチームの何かをリフレッシュするつもりだ)」と言っていたため、おそらくパワーホース・スタジアム(アルメリアのホーム)では、ヘルシンキで出番のなかったアセンシオやルーカス・バスケスなど、ちょっと違った顔が並ぶことになるかと。 ちなみにルビ監督率いるアルメリアは昨季2部を1位で終えて昇格。先日は2012年に弟分のラージョでデビューして、翌年はアトレティコに移籍、それから中国などにも行ったりして、最後は母国ブラジルのサントスでプレーしていたFWレオ・バプチストンが入団したり、降格したアラベスからGKパチェコが来たりと補強に余念がないようですが、何せ7年ぶりの1部ですからね。今季はSextete(セクステテ/リーガ、コパ・デル・レイ、CL、UEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップ、FIFAクラブW杯の6冠優勝)、スペインではバルサだけが2度やっている偉業の達成を狙っているマドリーと互角にやりあうのはちょっと難しいかも。 一方、お隣さんは月曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでヘタフェとの兄弟分ダービーでシーズンの幕を開けるんですが、プレシーズンマッチ中、副業の右SBだけでなく、CBまで務めて、シメオネ監督に重宝されていたヴァスが金曜になって、母国のブロンディへ移籍することが発表に。いやあ、フェリペやヒメネスがケガする中、本職ボランチのビッツェル(ドルトムントから移籍)と一緒に、3CB制だと頭数の足りなくなる守備ラインをヘルプしてくれた彼ですが、11月に始まるW杯のデンマーク代表じゃ、そんなポジションでプレーしませんからね。 今年1月にニューキャッスルに行ったトリピアーの代わりとして、バレンシアから移籍したものの、デビューとなったバルサ戦で負傷。回復しても使ってもらえず、結局、昨季は45分しかプレー時間がなかったとなれば、早めに誤りを修正する気になったのもわかりますが、そうなると、ナウエル(ウディネーゼから移籍)が加入早々、立派にスタメンを務めている右SBの控えはカンテラーノのセルヒオ・ディアスだけ?せっかく中盤に戻れたマルコス・ジョレンテを再び下げることだけはしてほしくないんですが、2年前のリーガ優勝シーズンのように彼が12得点もしなくても、この夏のアトレティコのFW陣はゴールづいているから、別にそうなっても平気という見方もできるかも。 ええ、プレシーズンマッチ4試合で13得点、それもマンチェスター・ユナイテッドやユベントスといった一流チームにも勝っているとなれば、ファンも胸を躍らせているはずですが、それと対照的なのがヘタフェでねえ。2部チームが中心だったプレシーズンマッチ6試合で無得点が4試合、ゴールは3本だけとなると、先が思いやられますが、先週のボルハ・マジョラル(マドリーから完全移籍)に続いて、今週来たのはGKカシージャ(リーズからレンタルで昨季はエルチェでプレー)だけ。いくら、スポーツディレクターのルーベン・レジェス氏が、「Va a haber más incorporaciones en ataque/バ・ア・アベール・マス・インコルポラシオン・エン・アタケ(攻撃陣の補強はもっとする)」と請け合っていたとて、昨季前半は降格圏にドップリ浸かっていたのもありますし、ファンは気が気でないかと。 といっても勝負は始まってみないとわかりませんしね。幸い土曜からはマドリッドの猛暑も少しは和らいで、ようやく昼間も外を歩けるようになりそうな気配が。そうそう、アトレティコはこの開幕戦に向けて、最後のプレシーズンマッチだったユベントス戦前から、何度もダブルセッションを繰り返し、1回だけの日も最高に暑い午後6時30分にトレーニング。選手たちがゆだらないよう、十分な耐久力をつけさせたシメオネ監督とはいえ、やっぱり試合は少しでも涼しい方がいいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.13 20:00 Sat
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親善試合にだってトロフィーはある…/原ゆみこのマドリッド

「いきなり中止って」そんな風に私が驚いていたのは土曜日、そろそろチームがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場からバラハス空港に向けて出発する写真が見られるかなと、アトレティコのツィッターを開いた時のことでした。いやあ、この夏のプレシーズンマッチの予定を知った時から、ラストゲームがユベントス戦なのはいいとしても、何故に中東まで行ってやるのかと疑問には思ったんですけどね。どうやらこのところ、イスラエルでは戦闘行為が続き、テル・アビブにも爆弾が降ってくる可能性があるとかで、試合前日のお昼、朝練の後に中止決定とはまた急な話じゃないですか。 ちなみにレアル・マドリーのアメリカ西海岸ツアー最後の相手もこのユベントスだったんですが、ロスアンジェルスではベンゼマのPKとアセンシオのゴールで2-0と勝利。アトレティコも7月末にオスロでマンチェスター・ユナイテッドに1-0で勝っていますし、何より私もカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)で気分の上がるgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見てきたばかりですからね。できれば、お隣さんに負けない攻撃力をヨーロッパの強豪との対戦で披露してもらって、そのまま勢いに乗ってリーガ開幕に持ち込みたかったところ…はい、夕方には急遽、会場をユベントスの練習場に変えて、日曜午後6時(日本時間翌午前2時)からキックオフすることになりましたっけ。 まあ、それはともかく、今年もアトレティコがカランサ杯に参加すると聞いて、海水浴ができるいい機会とばかりに私も水曜からカディス(スペイン南西部のビーチリゾート)に乗り込んだんですが、やっぱり行って大正解。同じ真夏の暑さでもマドリッドの息のつまる気温37℃と比べると、あちらは27℃程度と穏やかですし、周りを海に囲まれた町なので空気もさわやかですしね。アトーチャ駅から電車で5時間とちょっと遠いのが難ですが、お昼過ぎに着いてもお日様が午後9時頃まで照っているため、かなり遅い時間までビーチにいても大丈夫と、いやまあ、おかげでホテルに戻った時にはその日、午後8時に始まったサント・ドミンゴでのアルコルコンvsレガネス戦がハーフタイムまで進んでいたなんてこともあったんですけどね。 開始2分に決まった柴崎岳選手の、このプレシーズン初ゴールや30分のシセの2点目で、すでにその時は0-2でリードしていたレガネスですが、同じマドリッドの弟分仲間のお隣さんとはいえ、相手のスタジアムだったからか、それともアルコルコンが今季はRFEF1部で戦うせいでしょうかね。恒例のYouTubeでの中継もなかったようなので、どちらにしろ、後半22分にはサム・ガランに1点を返されて、最後は1-2で勝利を掴んだレガネスの姿を追えなくても仕方なかったかと。 そして翌木曜、アトレティコが当日移動している最中にはセントロの細い路地を何となく辿っていくと着くLa Caleta(ラ・カレタ)のビーチではなく、ホテルの人が教えてくれたSanta Maria de Mar(サンタ・マリア・デ・マル)に行ってみることに。これが丁度、エスタディオ・ヌエボ・ミランディージャの脇にある超ロングビーチの手前にある浜で、両端が岩で囲まれて湾のようになっているせいか、妙に居心地が良く、砂もずっとサラサラなんですよ。 午後になると岸辺に藻が増えてくるラ・カレタより、水も綺麗だし、波打ち際に砂利もない最高のビーチで、何で今まで知らなかったんだろうと悔しくなった程だったんですが、欠点はパラソルや寝椅子を貸している業者がいないこと。ええ、前者には以前はレストランか何かだった大きな建物があって、土台部分が吹き抜けのため、日影には事欠かないんですが、こちらは自前のパラソルがない場合、ずっと炎天下にいないといけないのはちょっと辛いかも。3時間ぐらいでかなり私も日焼けしてしまったんですが、一旦、ホテルに帰ってシャワーを浴びた後、今度はRENFE(国鉄)の駅近くにあるバス停から1番のバスに乗って、カランサ杯観戦に出発です。 カディスにしてみれば、これが新シーズンのプレゼン試合とあって、キックオフ1時間前ぐらいから、スタジアム周辺はそこここに黄色のユニフォームを着たファンが跋扈していたんですが、やはり昨季は最終戦で1部残留が決まり、今季もリーガ戦で1流チームが見られるせいでしょうかね。客の入りはスタンドの3分の2ぐらいで、以前、彼らが2部や2部Bにいた頃に比べると、場内の熱気もそれ程ではなかったんですが、この日のアトレティコはマンU戦の後半に入った選手中心のスタメンでスタート。 昨年、PK戦で負けたカランサ杯ではユーロ2020やコパ・アメリカのせいでプレシーズン合流が遅かったメンバーが多かったため、かなり重用されたカンテラーノ(アトレティコBの選手)も先週頃から、マヌ・サンチェスがオサスナに3年目のレンタル、昨季は2部のミランデスで一緒に修行していたリケルメとカメージョもそれぞれジローナ、ラージョへとランクアップレンタルが完了。更にカラスコ、クーニャが休養、フェリペもまだケガが治らず帯同していなかったせいか、またしてもビッツェルとヴァスが、足首の負傷から回復したエルモーソとCBトリオを組んでいたんですが、それにも関わらず、先手を取ったのはシメオネ監督のチームでした。 ええ、開始7分に惜しくもグリーズマンのシュートがゴールポストに弾かれた後の13分、今度は彼がモラタにスルーパスを送ったところ、エリア内から先制ゴールを決めてくれたとなれば、ユベントス戦を利用して、相手のフロントと交渉することは何もない?それにはもちろん、ラ・リーガのサラリーキャップがどうたらこうたらと言われていながら、今週中にはしれっとビッツェル(ドルトムントから自由移籍)もナウエル(ウディネーゼから移籍)も選手登録が完了していたせいもありますけどね。モラタを始め、グリーズマン、ジョアン・フェリックス、コレア、クーニャ、どのFWも年間20得点級のゴール力はなくても、1人15本ずつくらい挙げてくれたら、リーガ優勝を争うことはできるかも。 そして42分にはルーカス・ペレスがポスト直撃、続いてロサノがGKオブラクに止められるというダブルチャンスをカディスが逃した後の前半ロスタイム、またしてもグリーズマンがやってくれます。いえ、彼のFKをジョアンがヘッドしたボールはサウールの腕に当たってゴールに入ったのが、電光掲示板に映るTVE(スペイン国営放送)の生中継のリプレーでもはっきりわかったんですけどね。カディスの選手たちもスタンドも猛抗議をしたものの、この試合にはVAR(ビデオ審判)がないことを理由に得点を認められるって、そんなラッキーなこと、あっていい? 後半開始直後もまだ、カディスの選手たちは不運な2失点目に気を取られていたのか、1分もしないうちにヴァスがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて、3点差にしたアトレティコでしたが、何よりの朗報は6分にやって来ます。ゴール前へのクロスにサウールが届かなかった後、ナウエンの代わりに入っていたカンテラーノのサムエル・ディアスがエリア内右奥から上げたボールをグリーズマンがヘッド。見事にネットに突き刺さり、年明けのコパ・デル・レイ32強対決マハダオンダ戦以来のゴールとなってくれたとなれば、長かったスランプに別れを告げるには最高のタイミングだったかと。 これでもう4点差とあって、15分には恒例の大量交代、7人がチェンジしたシメオネ監督だったんでですが、サビッチ、ヒメネス、レイニウドが入ったおかげで、3試合目にしてようやく、ビッツェルが本職のボランチとしてプレーできることに。まあ、それも15分程で、最後は彼もカンテラーノのカルロス・マルティンに代わり、フル出場したのはグリーズマンだけでしたが、大丈夫。42分にはマビルのラストパスをゴール前からアルバロ・ヒメネスに決められ、カディスに名誉の1点を与えてしまったとはいえ、GKは後半からゲルビッチに。絶対守護神のオブラクはこのプレシーズン3試合、クリーンシートを維持しています(最終結果1-4)。 そして試合が終わるやいなや、68回目となるカランサ杯で史上最多のUndecimo/ウンデシモ(11回目の優勝のこと)を達成。巨大なトロフィーと共に帰京したアトレティコを尻目に、まだ私がカディスをウロウロしていた金曜の午前中には、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でラージョと、1部に戻って来たバジャドリーの練習試合があったんですが、こちらはカメージョがデビューしたものの、肝心のファルカオが筋肉痛で出られず、スコアレスドローで終わることに。うーん、昨年夏に入団した時にはすでに背番号9が使用されていたため、3番でプレーした彼でしたが、今季はエヌテカが11番に変更することを快諾。晴れて、エースナンバーを着けられるようになったそうですしね。 どこぞのクラブなど、金曜に5万人をカンプ・ノウに集めたメガプレゼンでレバンドフスキに9番のユニを掲げさせるため、まだ退団するかどうかもわからないデパイから取り上げたなんて話も伝わってきましたが、ラージョはまだ補強も道半ば。ちょっと前から噂の出ていたジエゴ・コスタ(昨年までアトレティコ・ミネイロ)の入団も近々発表されて、13日(土)の開幕バルサ戦では、2013年にアトレティコのコパ・デル・レイ優勝の原動力となったファルカオとのゴールデンコンビ再結成が見られるかもしれないのにはきっと、胸を躍らせているファンも少なくないに違いありません。 そしてマドリッドに戻った金曜には夜になっても一向に暑さの引かないブタルケで新シーズンプレゼン試合、ビジャ・デ・レガネス杯を観戦した私だったんですが、うーん、相手のビジャレアルBは今季初めて2部に上がったカンテラだったんですけどね。前半には柴崎選手のシュートがゴールバーに当たったり、フアンン・ムニョスの一撃がポストを直撃したりしたんですが、若いチームを前にもしや油断した?43分にエリア内シュートで先制されると、ロスタイムにも追加点を奪われ、後半にカスミのゴールで1点を返すことができただけだったんですよ。 結局、1-2で負けて、Pepino de Oro/ペピーノ・デ・オロ(金のキュウリ)はビジャレアルBの手に渡り、レガネスはPepino de Plata/ペピーノ・デ・プラタ(銀のキュウリ)をゲットして終わったんですが、まあ大事なのは来週土曜の開幕アラベス戦ですからね。8月中ということで、バケーションに出ているファンも多く、とても満員御礼は期待できそうもありませんが、ビジャレアルB戦ではフル出場。最後まで全力で走っていた柴崎選手はもう相当、体が仕上がっているようなのは頼もしいですよね。 え、それで日曜に帰国、水曜からまたバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を始めたマドリーはどうしているんだって?いやあ、彼らの場合はもう水曜のUEFAスーパーカップまで、毎日、セッションが続くだけですからね。幸いながら、アメリカでの3試合でケガ人が出ることもなく、ほぼスタメンも決まっているため、大したことは伝わってこないんですが、相手のフランフルトはもう今週月曜にドイツカップ初戦をプレーして、2部のマグデブルクに鎌田大地選手の2発を含めて、0-4と大勝。 ただ、金曜のブンデスリーグ開幕戦ではバイエルンに1-6とボコボコにやられていたため、アンチェロッティ監督は「向こうは先にシーズンを始めているから、tenemos algunas desventajas/テネモス・アルグナス・デスベンタハス(ウチにはディスアドバンテージがある)」と言っていたものの、その辺はあまり心配しなくていい?あと気になるのは昨季のELでもカンプ・ノウでのバルサ戦やサンチェス・ピスファン(セビージャのホーム)での決勝レンジャース戦に大挙して押し寄せたフランクフルトファンがこのスーパーカップにも応援に行く気満々のようで、UEFAから各クラブへ割り当てられたチケット8000枚はすでに完売。 一般販売分の1万7000枚も買い占めそうな勢いなんですが、対してマドリーファンはクラブ割り当て分が1800枚しか売れていないこと。まあ、こればっかりは2014年から、昨季を含めてCLに5回も優勝し、そのたびにUEFAスーパーカップに出ているとあって、なかなかファンも散財ばかりしていられないということでしょうが、偶然にもフランクフルトのチームカラーも白ですからね。となれば、スタンドの大部分が敵のサポーターでも選手たちにはそんなに違和感はないかもしれない? そうそう、マドリーにはロサンジェルスから戻るやいなや、弟分のヘタフェに河岸を変えた選手もいて、それは5年契約で完全移籍したボルハ・マジョラル。木曜には入団プレゼンも無事済んで、最後のプレシーズンマッチ、日曜のアルバセテ(2部)戦でデビューもできるよう。昨季後半もローマからの又貸しで1部残留を果たす手助けをしているだけに、すぐチームに馴染んでくれるのは間違いないかと。初めてのお子さんが生まれるという当人も、「Siempre he estado cedido y esta estabilidad me va a ayudar mucho/シエンプレ・エ・エスタードー・セディードー・イ・エスタ・エスタビリダッド・メ・バ・ア・アジュダル・ムーチョ(いつもレンタル生活だったから、この安定感はボクの大きな助けになるだろう)」とヘタフェへの帰還を喜んでいましたが、まだまだアンヘル・トーレス会長は暗躍中。この先、ラタサやブランコといったマドリーのカンテラーノ(RMカスティージャの選手)後輩がレンタルで加わる可能性もあるようです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.07 22:00 Sun
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開幕まで2週間を切った…/原ゆみこのマドリッド

「新しいユニフォームだったんだ」そんな風に私が驚いていたのは月曜日、オールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッド戦を終えたラージョのイラオラ監督や選手のコメントを探していたところ、その試合では今季用のユニでデビューするというお知らせを見つけた時のことでした。いやあ、彼らの試合は先週水曜にもIDブタルケ(レガネスの練習場)で観戦する機会があったんですけどね。その時は真正面から照りつける西日が強すぎて、ユニフォームを気にしている余裕もなかったというか、え、もしやあんまり変わってなくない? おまけに日曜午後5時の少し前から、唯一、中継が見られるというMUTV(マンUのクラブチャンネル)を繋いで、キックオフを楽しみに待っていれば、この試合がプレシーズンマッチデビューとなるクリスチアーノ・ロナウドを始め、選手たちが入場してきたのと同時に映像が消えると、有料の登録ページに移動。いや、この円安の真っ最中、この1試合のためだけに8ポンド(約1300円)はないなと諦めてしまった私でしたが、何せ、先週末もこれがマドリッド勢の4試合目でしたからね。さすがに観戦疲れもあって、マルカ(スポーツ紙)のライブスコアをチェックするだけで終わってしまったんですが…。 え、マンUと言えば、土曜にもアトレティコと試合していなかったかって?その通りで、何でプレミアリーグ開幕1週間前のこの時期に2日連続でプレーするのかという疑問はさておき、こちらはオスロのウルボーレ・スタディオンでの対戦となったんですが、うーん、プレシーズンマッチ初戦でヌマンシア(RFEF1部/実質3部)に4-0とあっさり勝ったせいで、期待しすぎましたかね。相手がヨーロッパの一流チームとなるや、立ち上がりから、お馴染みの3本もパスが繋がらない状態が発現。ロナウドこそ、お留守番でいなかったものの、ラッシュフォード、マルシャル、マグワイアと次々シュートを撃たれ、これではシメオネ監督の4人DF制回帰も長く持たないかもしれないと心配する破目に。 それでも前半は、38分にはGKオブラクがボールクリアのため、ジャンプしたところをマクトミナイにど突かれて転倒。親善試合なのにtangana(タンガナ/小競り合い)が始まるなんてこともあったんですが、レギュラーCBのサビッチ、ヒメネス、前日に入団プレゼンを済ませ、16番を着けてデビューした右SBナウエル、そして左SBレイニウドが奮闘して無失点で凌ぎます。0-0のままだった後半15分には恒例の一斉交代となり、新たに9人の選手がピッチに入ったんですが、やっぱりシステムは変化しましたよ。第2GKゲルビッチも入る準備をしていたのに待ったをかけて、絶対守護神オブラクは続投。その前を3CB制でガッチリ固めて…え?ヴァス、ビッツェル、レイニウドで? そう、昨季から3CBの左を務めることが多かったレイニウドはともかく、この日はフェリペに加え、ヌマンシア戦で足首をケガしたエルモーソもいなかったため、右SBのヴァス、ボランチのビッツェルで急造トリオを結成。遠征に参加していたカンテラーノ(アトレティコBの選手)のCB、マルコ・モレノは残念だったかもしれませんが、右SBには同僚のセルヒオ・ディアスが入り、ロディも負傷でお留守番だったため、サウールが昨季チェルシーへのレンタル移籍を決意する原因となった左SBを担当します。 その彼のvolea(ボレア/ボレーシュート)が決まっていれば、シメオネ監督にはありがちな、CL決勝トーナメント1stレグは0-0で御の字感も早めに払拭できたはずですが、大丈夫。リフレッシュ組にはまさに昨季、マンUとのCL16強対決1stレグに開始6分、ビックリ目覚ましゴールを挙げたジョアン・フェリックスもいたんですよ。時間は40分、敵陣の左サイドでボールを取り戻したアトレティコはそこからカウンター。モラタからパスをもらったジョアンがデロットをかわし、エリア前から放ったシュートがGKデ・ヘアを破ったとなれば、やっぱりこのチームの7番は彼で決まりですって。 昨季終盤のケガによる欠場から、4カ月ぶりに復活したジョアンのゴールがモノを言って、そのまま彼らは1-0で勝利。スタンドはほとんどマンU一色だったため、オスロのファンはガッカリしたかもしれませんが、これで2連勝とアトレティコの調整が順調にいっているのは、私には喜ばしい限りかと。それにしたって、今季の前線先発争いは熾烈で、この日もスタメンはコレアとクーニャ、交代出場がモラタ、グリーズマン、ジョアンという配役だったんですが、いえ、入団4年目を迎えるジョアンなど、「La competencia es buena porque nos obliga a trabajar mejor/ラ・コンペテンシア・エス・ブエナ・ポルケ・ノス・オブリガ・ア・トラバハル・メホール(競争があるのはいいことだよ。ボクらにより良く練習することを強いるからね)」と言っていたんですけどね。 ただ公式戦では交代枠は5人分しかありませんし、昨季同様、サビッチとヒメネスが負傷を繰り返すようだと、本職CBが4人しかいないのは守備の面でちょっと不安になりますが、まあそれはそれ。月曜夕方から練習を再開させたアトレティコの次戦は木曜のカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)。その後、日曜にテル・アビブでユベントスとプレシーズン最後の試合をしてから、いよいよ15日(月)にはヘタフェとのリーガ開幕兄弟分ダービーとなるんですが、補強はもう終わったようですしね。リケルメ(昨季はミランデスにレンタル)のジローナへのレンタル移籍が決まったりと、カンテラーノたちの整理も進んでいるんですが、ラ・リーガのサラリーキャップを満たすための4000万ユーロ(約54億円)分の選手売却って、ホントにあるんでしょうか。 そして土曜の夕方はまた、レガネスとアルバセテの親善試合を見にIDブタルケに向かった私でしたが、いやあ、ツイていましたよ。というのも再び焦熱地獄を覚悟していたところ、メトロに乗っている間に最近は珍しいスコールが通過。アルーチェ駅からバスに乗り換えて、練習場に着いてみると、雨は止んでも空は雲に覆われたままで、気温が相当下がってくれていたから。前回と違い、スマホでアトレティコの試合をチェックする必要もなかったため、ラージョ戦では控えだった柴崎岳選手も先発だし、これは落ち着いて観戦できると喜んだところ…。 何でしょうね、イディアケス新監督は用心深いのか、ウナイ・エメリ監督(ビジャレアル)のアシスタントコーチを務めていたせいか、別にボールを後ろから繋いでいくスタイルなのは構いませんが、レガネスはなかなか前に進めないんですよ。序盤はエリア外からのシュートを放っていた柴崎選手もどちらかというと、自陣ゴールに向かって走っている方が多かったようですし、せっかくのスルーパスも受け手がチャンスに繋げられなくてはねえ。 後半28分に彼が退いた後もレガネスはカスミが2度程、シュートしたものの、得点できず、アルバセテも決定力に欠けていたため、スコアレスドローで終わりましたが、この夏のIDブタルケでの試合はももうこれで最後。水曜にはマドリッド南部の弟分仲間、12年間いた2部に昨季別れを告げたアルコルコン(RFEF1部/実質3部)とサント・ドミンゴでプレーして、土曜にはビジャ・デ・レガネス杯で今季、昇格して2部で戦うことになったビジャレアルBをブタルケに迎えてから、開幕アラベス戦に挑むことになります。 え、それでまたしても日曜午前4時という早朝にキックオフ。レアル・マドリーの西海岸ツアーラストとなるユベントス戦はどうだったのかって?いやあ、もうクラブ・アメリカ戦で懲りていましたし、TVE(スペイン国営放送)も午後1時過ぎに再放送してくれるというので、私もムリして生中継は見なかったんですけどね。アンチェロッティ監督の予告通り、5月末のCL決勝リバプール戦と同じスタメンを並べたお隣さんは開始10秒、キックオフからの速攻でクロース、バルベルデと繋ぎ、ベンゼマがゴールを決めているんですから、驚いたの何のって。 残念ながら、これはオフサイドで認められなかったんですが、問題はありません。何故なら、18分にはビニシウスがダニーロに倒されてPKをゲット。これをしっかりベンゼマが決めて、先制点を奪っているとなれば、たとえ、プレシーズンマッチ初戦ではバルサに負けているとはいえ、前人未踏のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)達成したチームには今季もライバルはいない? まあ、バルベルデも「No teníamos ritmo en el Clásico y ahora ya tenemos otras cosas/ノー・テニアモス・リトモ・エン・エル・クラシコ・イ・アオラ・ジャー・テネモス・オトラス・コーサス(クラシコではウチにリズムがなかったけど、今は別のものを持っている)」と言っていたように、要はベンゼマがいるかいないかの違いかと思いますけどね。後半頭から、アンチェロッティ監督はミリトンをリュディガー(チェルシーから移籍)に代え、この日はアラバとのコンビでCB相性診断を続行。18分には残り9人のフィールドプレーヤーも一斉交代したんですが、23分にはBチームが意地を見せてくれます。 ベンゼマに代わってfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/シャドーCF)として入ったアザールが起点となり、アセンシオとのワンツーを経ると、右SBとして入っていたバジェホにパス。敵DF陣に妨げられることなく、そこから真っすぐゴール前に来たボールをアセンシオが決めて、点差を2点に拡大してくれたから、もう安心ですって。そのまま2-0で勝利したマドリーは1勝1分け1敗で西海岸ツアーを終了。水曜からはまたバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で10日(水)のUEFAスーパーカップ、ヘルシンキでのフランクフルト戦目指して調整することに。 それにしたって、羨ましいのはアンチェロッティ監督が「les llamo el triángulo de las Bermudas porque desaparece el balón ahí/レス・ジャノ・エル・トリアングロ・デ・ラス・ベルムーダス・ポルケ・デサパレセ・エル・バロン・アイー(彼らのことはバミューダのトライアングルと呼んでいる。あそこでボールが消えるからね)」と話していたモドリッチ、クロース、カセミロの中盤が全員30代になりながら、未だに十二分に機能していること。MFの頭数はいながら、誰もゲームメークができないどこぞのチームとは大違いですが、彼らを補うカマビンガ、チュアメニ(モナコから移籍)、バルベルデら若手も、監督は「A mí me gustan los dos, los clásicos y el rock and roll/ア・ミー・メ・グスタ・ロス・ドス、ロス・クラシコス・イ・エル・ロック・アンド・ロール(クラシックなのとロックンロール、私はどちらも好きだよ)」と高く評価していましたしね。 唯一、気になるのはベンゼマの控えはどうやらアザールで行くことに決まったようなところで、月曜早々にはボルハ・マジョラルのヘタフェ移籍が発表。何せ、このアメリカでの3試合、彼はまったく出番がもらえませんでしたからね。だったら、プレシーズンから、ゴール不足の気配が感じられる、昨季後半はレンタル移籍中だったローマからの又貸しでプレーした馴染みのあるチームに行った方が活躍できると当人が思うのも当然だった?弟分には恵みの新戦力とはいえ、マリアーノは員数外というマドリーが、本当に控えに大人の真正CFなしでシーズンを乗り切れるでしょうか。 ちなみにアルゴルファ(アリカンテ)第2次キャンプから戻り、この週末は地元で練習に励んでいたヘタフェはプレシーズンマッチも日曜のアルバセテ戦を残すのみ。UCLAのグラウンドでは普通に練習していたマジョアルですから、もうその試合には出られるでしょうし、開幕アトレティコ戦の準備にもまったく支障はないのは、キケ・サンチェス・フローレス監督も心強いかと。 そして最後にマンUvsラージョ戦の結果なんですが、相手は前日とはガラリとスタメンを変更。とうとうロナウドもこのプレシーズン初出場となったんですが、リーガ開幕戦でも十分ありうるベストメンバーを並べた弟分も一歩も引かず。前半をスコアレスドローで終えると、後半2分にはロナウドと交代で入ったアマッドに、アレックス・テレスのシュートをGKディミトリエフスキが弾いたボールを押し込まれ、先制されてしまったんですが、何とその10分後には同様にイシのシュートGKヒートンに弾かれながら、アルバロ・ガルシアが決めて同点に追いついているんですから、立派じゃないですか。 いやあ、その前のファルカオのエリア前からの一撃がゴールバーを叩いていなければ、勝利も夢じゃなかったんですけどね。予算諸々の差を考えれば、1-1で引き分けただけでも、昨季に続いて、スタートダッシュを狙っているラージョがいい仕上がりをしているのがわかりますって。そんな彼らは金曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のスペイン・サッカー協会施設で昇格組のバジャドリーと練習試合をした後、13日(土)にはもう、カンプ・ノウでバルサとリーガ開幕戦。大赤字と言われながら、月曜に入団プレゼンがあったクンデ(セビージャから移籍)を含め、ケシエ(同ミラン)、クリステンセン(同チェルシー)、ラフィーニャ(同リーズ)、レバンドフスキ(同バイエルン)と次々、大物を獲得している相手ですが、きっとイラオラ監督も1節から波乱を起こそうと張り切っているはずですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.08.02 21:15 Tue
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どこもマイペースで準備を進めている…/原ゆみこのマドリッド

「もうプレシーズンマッチやっているんだ」そんな風に私が驚いていたのは火曜日、ヘタフェがプレストン(イングランド2部)とカンポアモール(地中海沿岸のゴルフリゾート)で親善試合をしているのに気がついた時のことでした。いやあ、この午前10時45分から始まった、マドリッド勢の先陣を切る弟分の初戦、思い出した頃にはすでに終わりかけていたんですけどね。どちらにしろ、TV中継などありはせず、両チームのツィッターで細々と実況されていただけだったため、バケーションを兼ねてか、イギリス人サポーター300人余りが駆けつけて、プレストンを応援していたというのはともかく、それ以外、具体的にどんな内容だったのか、詳しいことはわからなかったものの、前半2分に先制されながら、後半にガストン・アルバレスが2点を挙げ、2-1の逆転勝利を飾るとは幸先がいい? とはいえ、私も最初はこの夏、新規加入したのは先週、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでプレゼンがあったポルトゥ(レアル・ソシエダからレンタル)とセアオネ(2部のウエスカから移籍)、そして折しも月曜に電撃入団したCBドゥアルテ(2部に降格したグラナダから移籍)だけでしたし、ガストン・アルバレスなんて、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)がいただろうかとと首を捻っていたんですが、いや失礼。実は彼、今年の1月にウルグアイのボストン・リバーから移籍した22才のCBで、同時期に入ったボルハ・マジョラルやゴンサロ・ビジャル(どちらもローマからレンタル)が1部残留の闘いの中、キケ・サンチェス・フローレス監督に重宝されていたのとは対照的に、デビューすらしていないんですよ。 それにも関わらず、地道に練習を続けていたのが良かったか、レンタル期間の終わったクエンカがビジャレアルに帰ったのもあり、今季は欠員のできたCBのポジション争いに参加できるかと思いますが、ヘタフェのロルダン(ムルシア)でのキャンプはこのプレストン戦をもって終了。今週の残りはマドリッドで練習し、土曜にブタルケでレガネスと親善試合をした後、また20日からはアルゴルファ(アリカンテ)で第2次キャンプとなります。いやあ、同じ先週の月曜にプレシーズン練習を開始した2部のお隣さんも今週頭からはオメルオと柴崎岳選手も合流し、猛暑のマドリッドでダブルセッションを重ねているんですけどね。 レガネスもヘタフェとのプレシーズンマッチ初戦を済ませた翌日には、サン・ペドロ・デル・ピナタル(ムルシア)での地中海沿岸キャンプに行ってしまうため、私も早めに練習を見に行っておかなきゃと思っているんですが、この時期のセッションは暑い時間を避けるため、朝9時30分からと早くてねえ。といっても月曜午後にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)に移動。ダブルセッション初日の火曜は最初の練習が午前7時45分からというアトレティコに比べれば、まだマシなんでしょうが、車のない自分にはそこまで行く気もないため、別にいいんですって。 え、それでもその朝練ではようやく、30度の急斜面駆け登りを含め、地獄のフィジカルトレが始まったのにはホッとしたんじゃないかって?いやあ、その通りで何せ、マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でスタートした日曜日、私も頑張って、朝9時半に行ってみたところ、マスコミに公開される15分は妙にお楽しみメニューばかりでねえ。最初は半球の上に乗ってボールを返したり、ミニトラポリンの上で足踏みとかやっていたんですが、続いてロープに囲まれた小さい区画の中、手繋ぎ鬼のようなゲームを始めたから、驚いたの何のって。 ちなみにその日、初練習に参加していたのは29人で、昨季1試合も出してもらえずにモナコに帰ったルコントに代わり、リールへのレンタルから戻ったゲルビッチに加え、オブラクを補佐するアトレティコBのGKが2人。カンテラーノは他にリケルメ(昨季は2部のミランデスにレンタル)、マヌ・サンチェス(同オサスナ)、契約満了したベルサイコがオリンピアコスに移籍したため、ヴァス1人となってしまった右SBをヘルプするセルヒオ・ディアスぐらいで、あとはレンタル帰りのモラタ(ユベントス)、サウール(チェルシー)、ナウエン・ペレス(グラナダ)、そして先週水曜に入団が発表されたアクセル・ビッツェル(ドルトムントと契約終了)、金曜に決まったサムエル・リノ(ジル・ビセンテから移籍)しか、新しい顔もありませんでしたしね。 まあ、そのアトレティコ初体験の2人もフィジカルコーチのプロフェ・オルテガが指揮するサマーキャンプの辛さはそれぞれ、ビッツェルはベルギー代表仲間のカラスコに、リノもクーニャやロディといったブラジル人の先輩に聞いて、心の準備もできていることでしょうが、火曜は早速、スロースターターのフェリペ、前日夕方のセッションで足を打撲したジョアン・フェリックスが欠席。開始早々これでは先が思いやられますが、大体がして、5月22日に昨季のリーガ最終節、レアル・ソシエダ戦が終わった後、アトレティコのバケーションは49日もあったんですよ。 そう、今週から、6月19日のプレーオフ決勝2ndレグでテネリフェを下し、アルメリア、バジャドリーに続く3番手として1部に戻って来たジローナもプレシーズン練習を開始。20チーム中、一番遅いスタートと言われながら、休みはたったの22日間しかなかったと聞いたため、ちょっと調べてみたところ、最終節が5月29日だったレガネスは36日。先週土曜から、エスタディオ・バジェカスで練習しているラージョだけは50日とアトレティコより多かったんですが、ヘタフェは43日、お隣さんに至っては5月28日にCL決勝があったため、37日しかなかったって、ちょっとシメオネ監督、余裕を見せすぎでは? いえ、先週金曜からバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で稼働しているレアル・マドリーは選手たちも五月雨式に合流。6月の代表戦に参加していない選手たちを中心に、久保建英選手(昨季はマジョルカ)やヘイニエル(同ドルトムント)、ボルハ・マジョラル(同ローマ、ヘタフェ)、オドリオソラ(同フィオレンティーナ)ら、レンタル移籍していたメンバーも加わってスタートした後、土曜にはカマビンガも繰り上げ出勤。日曜にはビニシウス、カセミロ、ロドリゴが戻り、ブラジル人モデルの彼女、カロリーナ・リマさんの出産に付き添ったミリトンも月曜には出て来たんですが、ベンゼマ、モドリッチ、アラバ、バルベルデ、カルバハル、アセンシオ、アザール、そしてこの夏、入団したリュディガー(チェルシーから移籍)、チュアメニ(同モナコ)と全員が揃うのは14日の木曜になりますからね。 ただ、毎日、こちらも暑さ全開のマドリッドでダブルセッションして鍛えているとはいえ、さすが昨季2冠を獲っただけのチーム。皆、バケーション明けでも体力に不足はないようで、日曜の夜にはカステジャーナ大通りにある創作日本料理レストラン、Zumaでマルセロが開いたお別れ夕食会にアンチェロッティ監督以下、ビニシウス、ロドリゴ、カセミロ、ナチョ、バジェホ、ルーカス・バスケス、セバージョス、マリアーノらが顔を出し、元キャプテンの宴に華を添えた後、月曜朝には普通に練習しているんですから、偉いじゃないですか。 といってもコロナ禍が始まって以来、ベルデベバスでの練習はCL決勝前のUEFA強制オープンメディアデーでもない限り、全てpurta cerrada(プエルタ・セラーダ/非公開)。よって、TVに映るセッションの映像なども公式ページに上がるビデオからのものばかりで、あまり面白みはないんですが、そうそう、先週はまだマドリッドの両雄が活動していなかった平日、ヒマを持て余して、両クラブのスタジアムツアーに行ってきたことも報告しておかないと。 まずはサンティアゴ・ベルナベウの全面改装工事のせいで2カ月間、閉鎖されていたマドリー・ミュージアムを訪ねたんですが、試合がある度、中断しなければいけなかったシーズン中と比べ、尚一層、工事現場感が増したスタジアム周辺の囲いに張られた標識を辿って着く現在のツアー入り口はpuerta(プエルタ/ゲート)55。カステジャーナ大通りの反対側、かつてVIP用ゲートがあった辺りなんですが、重機類の唸る音を聞きながら、下りて行った先に2部屋程が臨時ミュージアムになっていて、ええ、誰もが一緒に写真を撮りたがるDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)のトロフィーももちろん、展示されています。 35回目のリーガ優勝トロフィーもあるんですが、あとは完成後のベルナベル模型とか、在籍中に選手が受賞したバロンドールとかぐらいしか、今は見る物がなくてねえ。そう、ツアーとは言っても丁度、今はスタジアムの天井部取り付け真っ最中とあって、壮大なパノラマを楽しめる最上階にも行けませんし、ロッカールームも新築中。順路を作るのは不可能だったか、プレスルームも見られなくて、要はミュージアム出口から、10メートルぐらいスタンドを通って、内側の工事進行状況を眺めるぐらいしかできないんですよ。最後は今季の第1、第2の新ユニフォーム絶賛発売中のオフィシャルショップで終了と、うーん、これでメトロの駅を出てすぐ右のビル1階にあるチケット売り場で入場チケットが18ユーロ(約2500円、公式ページで購入すると15ユーロ/約2100円)もするのはちょっと暴利かも。 一方、翌日訪ねたワンダ・メトロポリターノのツアーは24ユーロ(約3300円、アトレティコの公式ページで買うと22ユーロ/約3000円)で、ちゃんとロッカールームを含めたスタジアム内部も見られるんですが、こちらにも落とし穴が!ええ、先週、今ならピッチのかなり奥まで入れるというニュースを見て、ワクワクして行ったところ、何と前日に催されたプライベートなパーティで使ったステージなどを解体中。試合の時、選手たちが通って出る階段にさえ下りられないって、そんな話、聞いていませんよお。 うーん、アトレティコもコロナ禍のせいで収入が減り、とりわけ通常モードに戻ったこの夏はスタジアムをコンサート会場にしまくるだけでなく、企業や個人のイベントにも利用してもらって、貸し出し料を稼ぐのに余念がありませんからね。間が悪いとピッチやベンチが見られない日があるということでしょうが、幸いTerritorio Atleti(テリトリオ・アトレティ/アトレティコのミュージアム)は充実。まあ、比べちゃいけないんですが、弟分チームたちのスタジアムには小さなトロフィールームしかないことを思えば、最新の2020-21シーズン優勝分を含め、リーガ11個、コパ・デル・レイ10個、EL3個などが燦然と並ぶトロフィー展示はそれなりに圧巻ですしね。ここにいっそ、大会最多の優勝回数を誇る巨大なカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会、この夏も8月4日にアトレティコが参加することが決まっている)トロフィー10個を全部並べてやれば、お隣さんだって、一目置いてくれるかもしれない? 言うまでもなく、唯一のネックはCLトロフィーが1つもないことですが、歴代選手や現役選手のユニフォームやシューズの展示などに加え、フェルナンド・トーレスの部屋とか、コパやEL決勝をピッチから見た3D映像とか、ビセンテ・カルデロン最後の日のビデオとか、ビジュアル的に楽しいアトラクションもあるため、マドリッドに来た際には立ち寄ってみても損はしないはずですが…その出口は定番、オフィシャルショップなのはいいとして、もうプレゼンビデオが出て久しいにも関わらず、今季の新ユニフォームがまだ売っていないとは、これ如何に! いやあ、メインのスポンサー企業が今季から、仮想通貨を扱うアンバーグループに決まり、ユニの胸に”WhaleFin”の文字が入ることになったのはこの月曜でしたからね。それまで発売できなかったという事情もわかりますが、昨季リーガ優勝が決まった試合の直後から、ベルナベウのオフィシャルショップが新ユニを求めるファンでバーゲン会場状態になっていたのを私など、実際に見ているだけに、かなり出遅れた感もなきにしろあらず。といっても元々、ユニの販売枚数で競争できる相手でもないですしね。何より今は、8月第2週のリーガスタート時に遅れを取らないことを願うしかありませんよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.07.14 09:00 Thu
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