ゴールの入れ方を忘れた訳ではなかった…/原ゆみこのマドリッド
2021.12.01 22:00 Wed
「ミッドウィークに試合がないから余裕ね」そんな風に私が感心していたのは月曜日、お昼のニュースではプレミオス・マルカ(大手スポーツ紙主催の賞)のリーガMVPのトロフィーを受け取っている姿が映っていたルイス・スアレスが表彰式を梯子。夜にはパリにいて、親友メッシ(PSG)のバロンドール授与役を務めているのを生中継で見た時のことでした。いやあ、昨季のリーガ優勝のおかげでマルカの方はシメオネ監督がミゲール・ムニョス(最優秀監督賞)、オブラクが5回目のサモラ(最少失点だったGKに与えられる賞)と、セレソ会長に付き添われたアトレティコ勢が主役を張っていたんですけどね。
どうにもフランス・フットボール誌主催の由緒ある賞には縁がないようで、表彰式に出席したのもスアレスだけだったんですが、何せお隣さんのベンゼマなど、一時は本命の噂まで出ていたものの、レバンドフスキ(バイエルン)、ジョルジーニョ(チェルシー)にも及ばず、結局は4位。そのせいもあったか、折よく水曜に試合が入っていることを理由に欠席していましたが、かつてクリスチアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド)やモドリッチが受賞した際など、過密日程などお構いなしにペレス会長と一緒に何人もチームメートがチャーター機で駆けつけて、それはそれで批判されていたなんてことも。
今回はコパ(21才以下の若手最優秀選手賞)に選ばれた19才のペドリ、そして昨季、バルサ女子をリーガ、コパ・デル・レイナ、CLの三冠に導き、バロンドール女子として輝いたアレクシア・プテラスをエスコートするラポルタ会長に花を持たせることになりましたが、バルサ男子がアトレティコ同様、週中はヒマなのはともかく、前者は3回目の負傷再発で年内は復帰できないんですよね。一方、後者も火曜にスペイン代表女子の2023年W杯予選スコットランド戦が予定されている中、セビージャで合宿中のチームを抜け出し、表彰式に弾丸出席っていうのもちょっと凄いなと思ったんですが、先発した当人は後半39分までプレー。ゴールまで決めて、チームは8-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)勝利となれば、全然、問題ない?
まあ、そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢がどうだったか、振り返っていくことにすると、土曜には弟分の2チームがどちらも苦手なアウェイでプレー。先にメスタジャでキックオフとなったのはラージョだったんですが、前半18分にはサルベリッチがウーゴ・ドゥーロをエリア内で倒し、PKを献上してしまったんですよ。カルロス・ソレルに決められて、バレンシアに1点をリードされたんですが、キャプテンのトレホを累積警告で欠きながらも意気消沈せず、反撃を続けていた彼らの努力が実ったのは後半19分。バリウのクロスをtaconazo(タコナソ/ヒールキック)でシュートしたカテナはGKシレッセンに弾かれてしまったものの、転がったボールに誰より早く詰めたイシがゴールにしてくれたから、助かったの何のって。
これで同点となったため、あとはファルカオが出れば解決と勝手に決めつけていた私でしたが、まさか遠征には同行しながら、「昨日の練習の後、全てがいい感じという訳でなかったから、creemos que no tiene sentido arriesgar/クレエモス・ケ・ノー・ティエネ・センティードー・アリエスガル(危険を冒してても意味はないと思った)」(イラオラ監督)という理由で、実は当人はベンチ入りしていなかったとは!そのせいもあってか、終了までに何度か勝ち越すチャンスはありながら、ラージョは1-1で引分けてしまいましたっけ。
そして次の時間帯ではヘタフェがマジョルカと対戦したんですが、こちらは雨の中、どちらも攻撃に冴えを欠き、0-0の引分けで終了。まあ、キケ・サンチェス・フローレス監督のチームも未だに19位ですが、残留ゾーンまであと勝ち点2と迫っているため、アウェイでは負けなければ良しとして、とりあえず、ここ2連勝しているコリセウム・アルフォンソ・ペレスで確実に白星を積んでくれればいいんですけどね。ただ、残念なのはケガが治ったばかりだったビトロが再度負傷してしまい、試合当日、ベンチを外れてしまったことで、せっかくの足慣らしになりそうだった火曜のコパ、モレルサ(カタルーニャ地方リーグ1部/実質6部)にも出られないのでは一体、いつになったら戦力になれるのやら。
その、事前に利用できる映像データがほとんどなかったというモルレサにはいきなり開始4分に先制され、どっきりさせられたヘタフェでしたが、幸いマタのPK2本を含むハットトリックなどもあり、最後は1-5で大勝とカテゴリー差を示せたのは朗報ですが、大事なのはやはり、来週月曜のアスレティック戦。というのも丁度、次節ではヘタフェのすぐ上のエルチェとカディスがぶつかるため、もしかしたら、降格圏脱出がいよいよ、実現できるかもしれないんですよ。
ちなみにマジョルカの方では9月からヒザを痛めて離脱していた久保建英選手が途中出場。このところ、ラージョ、ヘタフェとマドリッド勢との対戦が続いているルイス・ガルシア監督は、「タケとイ・ガンインが一緒にプレーすると、チームに多くのものを与えてくれるが、他のことを失ってしまう。Es un espectáculo verlos, pero nos restan profundidad/エス・ウン・エスペクタクロ・ベルロス、ペロ・ノス・レスタン・プロフンディダッド(彼らを見るのはスペクタクルだが、奥行きの深さが減ってしまうんだ)」と言っていたんですけどね。この土曜、ワンダ・メトロポリターノでの兄貴分との対決では2人のスタメン共演を期待してもいいんでしょうか。
え、そのアトレティコは日曜のカディス戦、CLグループリーグ5節でミランに負けたショックを克服できたのかって?いやあ、開始直後にはヒメネスが油断して、ロサノにエリア内奥まで切り込まれるというドッキリで始まったこの試合、前半はあまりパスが続かず、まだ水曜の悪夢の最中にいるような感じだったんですけどね。丁度、昼間はブタルケでレガネスが4-1でラス・パルマスに完勝。とりわけ、後半にはいいコンビネーションから、ランディエロビッチやサビン・メリノのゴールが決まるのを見ていたため、ナフティ新監督になってから、3勝2分けと見事に軌道修正、今や16位まで上昇し、その上は勝ち点が近いため、10位ぐらいまでなら、簡単に行けそうになっている2部の弟分の方がいいサッカーをしているんじゃないかとまで思い、悶々としていた私だったんですが、大丈夫。
後半になると様相が一変して、いやあ、どうやら「Hemos hablado entre nosotros y queríamos hacer un partido completo ofensiva y defensivamente/エモス・アブラードー・エントレ・ノソトロス・イ・ケリアモス・アセール・ウン・パルティードー・コンプレトー・オフェンシバ・イ・デフェンシバメンテ(ボクらの間で話して、攻撃的にも守備的にも完璧な試合をしたかった)」(レマル)という、意識改革がハーフタイムにあったようなんですけどね。11分にはカラスコのクロスをレマルがゴール前でヘッドして先制点を挙げると、25分にもマルコス・ジョレンテのラストパスをグリーズマンがワンタッチで撃ち込んで2点目をゲット。その後、交代で入った2人が連携して、31分にはクーニャのアシストでコレアが3点目を入れてくれたため、私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)を出て、サンティアゴ・ベルナベウに行くため、メトロの駅に向かったところ…。
まさか41分になって、ロサノが上げたクロスの目測をGKオブラクが誤り、ゴールに入ってしまうとは!途端に11月の代表戦直前の悪夢、ロスタイムにウーゴ・ドゥーロに2点を取られ、1-3で勝っていたのが、3-3の引分けに終わってしまったバレンシア戦を思い出し、ドキドキしてしまったんですが、それから1分もしないうち、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナから「Gooool!」の絶叫が。ええ、グリーズマンのスルーパスを受けたクーニャがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決め、再び3点差にしてくれたとなれば、ラジオ電波の届かない駅に入っても悔いはありませんって。
何せ、カディスは前節もヘタフェに4-0負けと、かなりの守備の弱さを露呈していましたからね。セルベラ監督も「最初のゴールまでウチはとても良かったが、失点した後は攻撃に出ないといけなくなる。そうするとスペースができて、aparecen tanto la calidad del rival como tus carencias/アパレセン・タントー・ラ・カリダッド・デル・リバル・コモ・トゥス・カレンシアス(敵の質の高さも、自分たちに足りないところも現れてくる)」と言っていたんですが、でも助かりましたよ。代表戦後、オサスナ戦では終盤にCKから、フェリペのヘッドでやっとこ1-0で勝利、そしてミラン戦では逆に相手のヘッドで0-1の負けと、またゴール日照りを疑われていたアトレティコながら、優秀なFWたちは決して得点の仕方を忘れたりはしないことがわかったのは。
ええ、オブラクもマルカの表彰式で「comparando con otros equipos de LaLiga no estamos tan mal/コンパランドー・コン・オトロス・エキポス・デ・ラリーガ・ノー・エスタモス・タン・マル(リーガの他のチームと比べて、ウチがそんなに悪い訳じゃない)。ただ、昨季があまりに強すぎただけ」と言っていましたし、この勝利のおかげでとうとう2位まで上がれましたからね。1月にスペイン・スーパーカップがあるため、免除されているコパ1回戦のない今週はシメオネ監督もゆっくり、選手たちの至らないところを指導できますし、カディス遠征には参加できなかったジョアン・フェリックスもマジョルカ戦には戻って来られるとなれば、リーガの方はまあ、いいんですが…来週火曜のCL最終節、決勝トーナメント進出の懸かったポルト戦ではそろそろ、スアレスのゴールが見られるといいですよね。
そして日曜の夜はマドリーvsセビージャ戦で終わったんですが、やはりジンクスというのはあるんですかね。相手はここ13年、昨季のエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で引き分けた以外、サンティアゴ・ベルナベウでは負け続けだったんですが、この日は前半11分、アクニャのCKをラファ・ミールがフリーでヘッドして先制点をゲット。それからも大したピンチはなかったんですが、まさか31分、ミリトンが遠めから放ったシュートをGKボノが、「posiblemente era mejor despejar a un lado, decido blocar/ポシブレメンテ・エラ・メホール・デスペハール・ア・ウン・ラドー、デシド・ブロカル(多分、サイドにクリアする方が良かったんだろうけど、ブロックすることにした)」ところ、手からこぼれたボールがポストに当たり、反対側のゴール前に転がっていってしまったから、さあ大変!
すかさず駆け寄ったベンゼマがゴールに押し込み、スコアは1-1となったんですが、その日のセビージャはホント、ツイていませんでしたよねえ。前半終盤にはエリア内でオカンポスがアラバに倒されながら、ペナルティも取ってもらえませんでしたし、2年連続で、せめて引分けにはできそうな気配が漂っていた後半41分、まさか、この日はチャンスに失敗ばかりしていたビニシウスにエリア外からのシュートを決められてしまうとは。ええ、ミリトンのロングボールをトラップした彼が敵をかわし、決勝点を奪ったんですが、これにはアンチェロッティ監督も「Su calidad en el uno a uno es muy fuerte/ス・カリダッド・エン・エル・ウノ・ア・ウノ・エス・ムイ・フエルテ(彼は1対1のレベルがとても高い)が、もっと驚きなのはゴールを入れる能力の高さだ」とベタ褒めしていた程でしたっけ。
結局、2-1でセビージャを下したマドリーは首位の座をガッチリ固め、ええ、2位のお隣さんとの差も勝ち点4あるんですけどね。おまけに彼らにはこの水曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、10月に延期されていたアスレティックとのホームゲームも入っているため、最悪、アトレティコとの差は7まで広がってしまうんですが、こればっかりはねえ。ちなみにそのアスレティック戦の招集リストにはここ3試合、急性胃腸炎のせいでベンチに入れなかったアザール、そして日曜の試合当日にやはり急性胃腸炎でお休みしたロドリゴも入っているんですが、こうも回復日数に違いがあるのはもしや年齢のせい?
何にしろ、マドリーの場合はコパでないため、アンチェロッティ監督もあまりローテーションはできないんですが、相手のアスレティックはここ5試合、4分け1敗と調子が上がっておらず。そこにCBのイニゴ・マルティネスが前節のグラナダ戦で退場して、出場停止となるハンデもあったりするんですが、果たして軍配はどちらに挙がるのか。どうも改装工事中のベルナベウでは、以前はあった暖房がないようで、かなり気温が下がった昨今、遅い時間の試合は私も寒くて辛いんですけどね。何より、コロナ流行による日本入国後、自宅待機期間2週間がネックとなって、この冬もホッカイロを補充しに帰国できそうもないため、手持ちが尽きたらどうしようと、最近はちょっと不安なんですよね。
どうにもフランス・フットボール誌主催の由緒ある賞には縁がないようで、表彰式に出席したのもスアレスだけだったんですが、何せお隣さんのベンゼマなど、一時は本命の噂まで出ていたものの、レバンドフスキ(バイエルン)、ジョルジーニョ(チェルシー)にも及ばず、結局は4位。そのせいもあったか、折よく水曜に試合が入っていることを理由に欠席していましたが、かつてクリスチアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド)やモドリッチが受賞した際など、過密日程などお構いなしにペレス会長と一緒に何人もチームメートがチャーター機で駆けつけて、それはそれで批判されていたなんてことも。
今回はコパ(21才以下の若手最優秀選手賞)に選ばれた19才のペドリ、そして昨季、バルサ女子をリーガ、コパ・デル・レイナ、CLの三冠に導き、バロンドール女子として輝いたアレクシア・プテラスをエスコートするラポルタ会長に花を持たせることになりましたが、バルサ男子がアトレティコ同様、週中はヒマなのはともかく、前者は3回目の負傷再発で年内は復帰できないんですよね。一方、後者も火曜にスペイン代表女子の2023年W杯予選スコットランド戦が予定されている中、セビージャで合宿中のチームを抜け出し、表彰式に弾丸出席っていうのもちょっと凄いなと思ったんですが、先発した当人は後半39分までプレー。ゴールまで決めて、チームは8-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)勝利となれば、全然、問題ない?
これで同点となったため、あとはファルカオが出れば解決と勝手に決めつけていた私でしたが、まさか遠征には同行しながら、「昨日の練習の後、全てがいい感じという訳でなかったから、creemos que no tiene sentido arriesgar/クレエモス・ケ・ノー・ティエネ・センティードー・アリエスガル(危険を冒してても意味はないと思った)」(イラオラ監督)という理由で、実は当人はベンチ入りしていなかったとは!そのせいもあってか、終了までに何度か勝ち越すチャンスはありながら、ラージョは1-1で引分けてしまいましたっけ。
確かに「un punto en Mestalla hay que valorarlo/ウン・プント・エン・メスタジャ・アイ・ケ・バルラルロ(メスタジャでの勝ち点1は評価されるべきもの)」というイラオラ監督の言葉はもっともですし、結果的にEL出場圏の6位の座は守れたので別にいいんですけどね。負け知らずのエスタディオ・バジェカスで日曜にあるエスパニョール戦までにはおそらく、ファルカオも完全に治ってくれると思うので、あまり心配はしていないんですが、彼らには木曜にギフエロ(RFEF3部/実質5部)のホームを訪ねるコパ1回戦もありますからね。上手いこと、ローテーションで乗り切ってくれるといいんですが、勝ち上がると12月15日の週に2回戦が入ったりと、日程が混んでくるのが、辛いところでしょうか。
そして次の時間帯ではヘタフェがマジョルカと対戦したんですが、こちらは雨の中、どちらも攻撃に冴えを欠き、0-0の引分けで終了。まあ、キケ・サンチェス・フローレス監督のチームも未だに19位ですが、残留ゾーンまであと勝ち点2と迫っているため、アウェイでは負けなければ良しとして、とりあえず、ここ2連勝しているコリセウム・アルフォンソ・ペレスで確実に白星を積んでくれればいいんですけどね。ただ、残念なのはケガが治ったばかりだったビトロが再度負傷してしまい、試合当日、ベンチを外れてしまったことで、せっかくの足慣らしになりそうだった火曜のコパ、モレルサ(カタルーニャ地方リーグ1部/実質6部)にも出られないのでは一体、いつになったら戦力になれるのやら。
その、事前に利用できる映像データがほとんどなかったというモルレサにはいきなり開始4分に先制され、どっきりさせられたヘタフェでしたが、幸いマタのPK2本を含むハットトリックなどもあり、最後は1-5で大勝とカテゴリー差を示せたのは朗報ですが、大事なのはやはり、来週月曜のアスレティック戦。というのも丁度、次節ではヘタフェのすぐ上のエルチェとカディスがぶつかるため、もしかしたら、降格圏脱出がいよいよ、実現できるかもしれないんですよ。
ちなみにマジョルカの方では9月からヒザを痛めて離脱していた久保建英選手が途中出場。このところ、ラージョ、ヘタフェとマドリッド勢との対戦が続いているルイス・ガルシア監督は、「タケとイ・ガンインが一緒にプレーすると、チームに多くのものを与えてくれるが、他のことを失ってしまう。Es un espectáculo verlos, pero nos restan profundidad/エス・ウン・エスペクタクロ・ベルロス、ペロ・ノス・レスタン・プロフンディダッド(彼らを見るのはスペクタクルだが、奥行きの深さが減ってしまうんだ)」と言っていたんですけどね。この土曜、ワンダ・メトロポリターノでの兄貴分との対決では2人のスタメン共演を期待してもいいんでしょうか。
え、そのアトレティコは日曜のカディス戦、CLグループリーグ5節でミランに負けたショックを克服できたのかって?いやあ、開始直後にはヒメネスが油断して、ロサノにエリア内奥まで切り込まれるというドッキリで始まったこの試合、前半はあまりパスが続かず、まだ水曜の悪夢の最中にいるような感じだったんですけどね。丁度、昼間はブタルケでレガネスが4-1でラス・パルマスに完勝。とりわけ、後半にはいいコンビネーションから、ランディエロビッチやサビン・メリノのゴールが決まるのを見ていたため、ナフティ新監督になってから、3勝2分けと見事に軌道修正、今や16位まで上昇し、その上は勝ち点が近いため、10位ぐらいまでなら、簡単に行けそうになっている2部の弟分の方がいいサッカーをしているんじゃないかとまで思い、悶々としていた私だったんですが、大丈夫。
後半になると様相が一変して、いやあ、どうやら「Hemos hablado entre nosotros y queríamos hacer un partido completo ofensiva y defensivamente/エモス・アブラードー・エントレ・ノソトロス・イ・ケリアモス・アセール・ウン・パルティードー・コンプレトー・オフェンシバ・イ・デフェンシバメンテ(ボクらの間で話して、攻撃的にも守備的にも完璧な試合をしたかった)」(レマル)という、意識改革がハーフタイムにあったようなんですけどね。11分にはカラスコのクロスをレマルがゴール前でヘッドして先制点を挙げると、25分にもマルコス・ジョレンテのラストパスをグリーズマンがワンタッチで撃ち込んで2点目をゲット。その後、交代で入った2人が連携して、31分にはクーニャのアシストでコレアが3点目を入れてくれたため、私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)を出て、サンティアゴ・ベルナベウに行くため、メトロの駅に向かったところ…。
まさか41分になって、ロサノが上げたクロスの目測をGKオブラクが誤り、ゴールに入ってしまうとは!途端に11月の代表戦直前の悪夢、ロスタイムにウーゴ・ドゥーロに2点を取られ、1-3で勝っていたのが、3-3の引分けに終わってしまったバレンシア戦を思い出し、ドキドキしてしまったんですが、それから1分もしないうち、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナから「Gooool!」の絶叫が。ええ、グリーズマンのスルーパスを受けたクーニャがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決め、再び3点差にしてくれたとなれば、ラジオ電波の届かない駅に入っても悔いはありませんって。
何せ、カディスは前節もヘタフェに4-0負けと、かなりの守備の弱さを露呈していましたからね。セルベラ監督も「最初のゴールまでウチはとても良かったが、失点した後は攻撃に出ないといけなくなる。そうするとスペースができて、aparecen tanto la calidad del rival como tus carencias/アパレセン・タントー・ラ・カリダッド・デル・リバル・コモ・トゥス・カレンシアス(敵の質の高さも、自分たちに足りないところも現れてくる)」と言っていたんですが、でも助かりましたよ。代表戦後、オサスナ戦では終盤にCKから、フェリペのヘッドでやっとこ1-0で勝利、そしてミラン戦では逆に相手のヘッドで0-1の負けと、またゴール日照りを疑われていたアトレティコながら、優秀なFWたちは決して得点の仕方を忘れたりはしないことがわかったのは。
ええ、オブラクもマルカの表彰式で「comparando con otros equipos de LaLiga no estamos tan mal/コンパランドー・コン・オトロス・エキポス・デ・ラリーガ・ノー・エスタモス・タン・マル(リーガの他のチームと比べて、ウチがそんなに悪い訳じゃない)。ただ、昨季があまりに強すぎただけ」と言っていましたし、この勝利のおかげでとうとう2位まで上がれましたからね。1月にスペイン・スーパーカップがあるため、免除されているコパ1回戦のない今週はシメオネ監督もゆっくり、選手たちの至らないところを指導できますし、カディス遠征には参加できなかったジョアン・フェリックスもマジョルカ戦には戻って来られるとなれば、リーガの方はまあ、いいんですが…来週火曜のCL最終節、決勝トーナメント進出の懸かったポルト戦ではそろそろ、スアレスのゴールが見られるといいですよね。
そして日曜の夜はマドリーvsセビージャ戦で終わったんですが、やはりジンクスというのはあるんですかね。相手はここ13年、昨季のエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で引き分けた以外、サンティアゴ・ベルナベウでは負け続けだったんですが、この日は前半11分、アクニャのCKをラファ・ミールがフリーでヘッドして先制点をゲット。それからも大したピンチはなかったんですが、まさか31分、ミリトンが遠めから放ったシュートをGKボノが、「posiblemente era mejor despejar a un lado, decido blocar/ポシブレメンテ・エラ・メホール・デスペハール・ア・ウン・ラドー、デシド・ブロカル(多分、サイドにクリアする方が良かったんだろうけど、ブロックすることにした)」ところ、手からこぼれたボールがポストに当たり、反対側のゴール前に転がっていってしまったから、さあ大変!
すかさず駆け寄ったベンゼマがゴールに押し込み、スコアは1-1となったんですが、その日のセビージャはホント、ツイていませんでしたよねえ。前半終盤にはエリア内でオカンポスがアラバに倒されながら、ペナルティも取ってもらえませんでしたし、2年連続で、せめて引分けにはできそうな気配が漂っていた後半41分、まさか、この日はチャンスに失敗ばかりしていたビニシウスにエリア外からのシュートを決められてしまうとは。ええ、ミリトンのロングボールをトラップした彼が敵をかわし、決勝点を奪ったんですが、これにはアンチェロッティ監督も「Su calidad en el uno a uno es muy fuerte/ス・カリダッド・エン・エル・ウノ・ア・ウノ・エス・ムイ・フエルテ(彼は1対1のレベルがとても高い)が、もっと驚きなのはゴールを入れる能力の高さだ」とベタ褒めしていた程でしたっけ。
結局、2-1でセビージャを下したマドリーは首位の座をガッチリ固め、ええ、2位のお隣さんとの差も勝ち点4あるんですけどね。おまけに彼らにはこの水曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、10月に延期されていたアスレティックとのホームゲームも入っているため、最悪、アトレティコとの差は7まで広がってしまうんですが、こればっかりはねえ。ちなみにそのアスレティック戦の招集リストにはここ3試合、急性胃腸炎のせいでベンチに入れなかったアザール、そして日曜の試合当日にやはり急性胃腸炎でお休みしたロドリゴも入っているんですが、こうも回復日数に違いがあるのはもしや年齢のせい?
何にしろ、マドリーの場合はコパでないため、アンチェロッティ監督もあまりローテーションはできないんですが、相手のアスレティックはここ5試合、4分け1敗と調子が上がっておらず。そこにCBのイニゴ・マルティネスが前節のグラナダ戦で退場して、出場停止となるハンデもあったりするんですが、果たして軍配はどちらに挙がるのか。どうも改装工事中のベルナベウでは、以前はあった暖房がないようで、かなり気温が下がった昨今、遅い時間の試合は私も寒くて辛いんですけどね。何より、コロナ流行による日本入国後、自宅待機期間2週間がネックとなって、この冬もホッカイロを補充しに帰国できそうもないため、手持ちが尽きたらどうしようと、最近はちょっと不安なんですよね。
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