今回は時間稼ぎができた…/原ゆみこのマドリッド
2021.10.16 21:00 Sat
「クルトワの言った通りになったわ」そんな風に私が茫然としていたのは金曜日、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)に続き、ネーションズリーグ・ファイナルフォーに参加したスペイン代表のオジャルサバル(レアル・ソシエダ)が練習中、ハムストリングに小さい肉離れを起こし、戦線離脱したという報を聞いた時のことでした。いやあ、クルトワがトリノでの3位決定戦の後、近年の試合数過多やバケーションの少ないことをあげつらい、このままだと皆、ケガしてしまうと怒っていたのは半分、ベルギーがイタリアにも2-1と負け、計5失点の4位で大会を去ることになったせいによる、八つ当たりもあるんじゃないかと思っていた私ですけどね。
右足中足骨の骨折が判明したフェランに関しては実際、ケガをしたのは準決勝のイタリア戦でのことだったため、絶対決勝に出たいという当人の意欲も災いした感があって、この夏の東京オリンピック・グループリーグ初戦で足首を捻挫。大会中に復帰するため、ムリにトレーニングしたものの、以降の試合には出られず、帰国してみれば、実は足首の靭帯を3つも断裂していることがわかり、今でもリハビリ中のセバージョス(レアル・マドリー)にちょっと似ている気もしますけどね。まあ、後者はこのところ、ルイス・エンリケ監督に呼ばれていないのが不幸中の幸いで、イタリア相手に2ゴールを決めて、スペインに決勝進出をもたらす原動力となったフェランが全治2カ月半、つまり2022年W杯出場が懸かった11月の予選2試合にも出られないのはあまりに痛いかと。
一方、オジャルサバルも決勝のフランス戦で先制ゴールを挙げた貴重なスペイン代表の得点源なんですが、こちらは今年の夏、ユーロ2020と東京オリンピックを梯子した6選手のうちの1人。このネーションズリーグ・ファイナルフォー中も24才という若さを過信したか、「バケーションがなくても、今のフィジカルコンディションはベストで、それを利用したい」と言っていましたが、いやいや。だってえ、同じ梯子組、18才のペドリ(バルサ)ですら、9月に負傷して、ミラノに行くことができなかったんですよ。
ダニ・オルモ(ライプツィヒ)もリーグ開幕からケガでまだ出場していませんしね。とりあえず、GKウナイ・シモン(アスレティック)、パウ・トーレス(ビジャレアル)、エリック・ガルシア(バルサ)は元気なようですが、ユーロオンリーだったジェラール・モレノ(ビジャレアル)やモラタ(ユベントス)もファイナルフォーには負傷で招集できず。これじゃ、ルイス・エンリケ監督もギリシャ、スウェーデンを連続撃破して、グループ首位でW杯出場権を手に入れるはずの2試合に一体、誰が使えるか、今から気が気ではない?
まあ、国際大会や代表戦数についてはFIFAやUEFA、各大陸連盟が考えることなので、今は置いておくとして、この土曜にもう再開するリーガの話もしていかないと。実はこの9節は9月のparon(パロン/リーガの停止期間)直後の節同様、CONMEBOL(南米サッカー連盟)のW杯予選3試合開催と翌週火曜にCLグループリーグをプレーするチームの過密日程を慮って、2カードが延期となっているんですが、今回はそれがスペイン首都の両雄に当たることに。ええ、グラナダvsアトレティコ戦とレアル・マドリーvsアスレティック戦なんですが、ヨーロッパの大会のないマドリッドの弟分たちは2週間ぶりにリーガ戦に挑みます。
まだビトロとマタはケガが治っていないようですが、キケ監督も「No son jugadores rotos, no son jugadores que están mentalmente atravesando un drama/ノー・ソン・フガドーレス・ロトス、ノー・ソン・フガドーレス・ケ・エスタン・メンタルメンテ・アトラベサンドー・ウン・ドラマ(選手たちは壊れている訳じゃなく、メンタル的に悲劇に浸ってもない)」と言っていたように、チームは前向きになっているようですからね。このレバンテ、セルタ、グラナダ、エスパニョールと続く、上位陣との試合がない間に白星を稼いでいけば、降格圏脱出も早々にできると思いますが、さて。怖いのはやはり、まだ今季勝利のない相手も同じことを考えていることですが、果たして新監督効果勝負はどちらに軍配が挙がるんでしょうか。
そして翌日曜午後2時からエスタディオ・バジェカスにエルチェを迎えるのがラージョなんですが、丁度、前節からキャパ100%の入場が可能になったのを機にクラブは遅ればせながら、今季のabono(アボノ/年間指定席)を発売。ところが、またシステムトラブルでサイトがダウンしたようで、木曜にはスタジアムにファンが詰めかける騒ぎになっていましたが、購入できてもそのカードを受け取るのに試合前日、メトロでもっと遥か先まで南下して、駅から徒歩30分の練習場まで行かないといけないって、いやホント、このクラブ、大丈夫?テレ・マドリッド(ローカルTV局)の現地レポでは、年少の子供の席が親と反対のスタンドになっていたとかいう話もありましたし、この辺がやはり、試合中など、何かというと、「Presa vete ya!/プレサ・ベテ・ジャ(プレサ会長、もう出て行け)」のカンティコが始まってしまう理由なのかもしれません。
え、それよりコロンビア代表に行っていたファルカオがちゃんと戻って来られるのか方が気になるって?いやあ、ウルグアイ、ブラジル、エクアドルとの3試合に彼が出場しながら、全部スコアレスドローで終わったというのも何ですが、エルチェにも同僚のモヒカがいて、エスクリバ監督が金曜の午後には着くと言っていたため、おそらくファルカオも一緒かと。加えて、相手はチリから帰って来るエンソ・リコが土曜着と、あと2人の各国代表組がバリウ(アルバニア)とディミトリエフスキ(マケドニア)のヨーロッパ勢であるラージョはむしろ、余裕のある方なんですが、代表戦前はオサスナに1-0で負けていますからね。それでも6位の高みにいるとはいえ、EL出場権はともかく、なるたけ早く1部残留を確定させるためにも、ファルカオのゴールがまた見られるといいですよね。
一方、今週末は試合がなく、火曜にそれぞれ、アウェイでシャフタール、ワンダ・メトロポリターノでリバプールとのCLグループリーグ3節を迎える兄貴分たちはというと。まずは南米に出向していた選手たちの動向から話すと、マドリーからブラジル代表に招集されたカセミロ、ミリトン、ビニシウスは悲喜こもごも。というのも親知らずで歯茎が腫れて、1試合も出ずに直帰したカセミロは十分休めたものの、ミリトンは2試合目のコロンビア戦で右脚を負傷。3試合目には出ずに戻り、それ程、重傷ではなかったのは良かったんですが、ビニシウスなど、初戦のベネズエラ戦に途中出場しただけで、あとはベンチ観戦だったなんて、一体、何のための長旅だったんでしょう。
同じことはお隣さんのコレアにも言えて、こちらはまったく出場機会がもらえず。いえ、デ・パウルの方は3試合全部先発で、3-0と勝ったウルグアイ戦ではゴールも挙げる活躍ぶりだったんですけどね。ビニシウスにしろ、コレアにしろ、今季は開幕からゴールづいていたものの、最近はスランプ気味という共通点がありますが、まあ、首位と2位、どちらも代表もW杯出場圏内にいるのは喜ばしいことかと。何せ、両チームから選手が派遣されているウルグアイはこの3試合、1分け2敗で5位に落ち、このままだと大陸間プレーオフに行く破目になりますからね。その上、マドリーはバルベルデが皆勤、アトレティコもルイス・スアレスが3連続先発しながら、彼の得点はブラジルに4-1で負けた最後の試合で焼石に水のFKゴールだけなんですよ。
更にアトレティコのヒメネスは1試合目のコロンビア戦で太ももを負傷して帰還と、いよいよグループ内最強の敵、リバプールが2年前の16強対決敗退のリベンジを懸けて乗り込んでくるというのに、サビッチの出場停止処分もまだ終わっていないとあって、少々、シメオネ監督のチームは守備体制が不安なんですけどね。木曜にはコケ(スペイン)、グリーズマン(フランス)、カラスコ(ベルギー)のネーションズリーグ・ファイナルフォー組がチーム練習はお休みだったにも関わらず、マハダオンダ(マドリッド近郊)に出勤していたと聞いたため、翌日は私も見学に行ってきたんですが、開始から15分間のマスコミ公開中にはリハビリ最終段階にいるはずのマルコス・ジョレンテやクーニャはヒメネス同様、グラウンドの片隅にあるテント内のジムにいたようで、姿は見えず。
いやあ、先日はシメオネ監督がアルゼンチンのメディアから受けたインタビューで、マハダオンダにも以前はなかった完璧なジム設備が今では整ったし、選手たちが朝食や昼食を一緒に食べられるようにもなったと話していたんですけどね。それでも「ウチには使えるグラウンドが2つしかない。Son dos canchas que nos pueden ver desde afuera cotidianamente/ソン・ドス・カンチャス・ケ・ノス・プエデン・ベル・デスデ・アフエラ・コティディアーナメンテ(日常的に外から見ることができる2つのグラウンドだ)。キャンバス地で周りは覆ったが、日光の当たり具合によっては見えてしまうんだから、同じだよ」と、お隣さんの入り口から15分は歩かないとグラウンドに着かない、バルデベバス(バラハス空港の近く)のような広大な練習場が欲しいみたいでしたけどね。
といっても何回か、外縁を周ったことのある私も、ま、キャンバス地に穴が開いている時はありましたが、逆にクラブの人から注意されるのが怖くて、そうそう覗き見はできず。個人的には昔のようにファンがフェンスに張り付いて応援しているぐらいの方が、チームに親しみが持てるんじゃないかと思ったりもするんですが、こればっかりはねえ。結局、内通者がいるようなマルカやAS(大手スポーツ紙)の記事で、その日は後からジョレンテが出て来て、ボールを蹴っていたとか、コンドグビアを急造CBとして使っていたとか、知るしかなかったんですが、まだ日にちもありますし、もっと近くなってから、リバプール戦の先発予想などはお知らせしていきたいかと。
一方、マドリーではミリトンだけでなく、水曜にはオーストリア代表のデンマーク戦でアラバも左ヒザをケガしたと報じられ、シャフタール戦に向けて暗雲が垂れ込めたんですが、金曜には2人共、火曜までに回復できる見込みに。うーん、セバージョス、ベイル、カルバハルはもちろん、ネーションズリーグ・ファイナルフォー準決勝フランス戦でハムストリングの筋肉痛と診断されたアザールには悪い前例もあって、ちょっと微妙なんですが、カセミロやフランスU21代表を早退して、足の甲の治療に専念したカマビンガも18才と若いせいか、もう治ったようですしね。この2週間でイスコ、アセンシオ、メンディ、マルセロらも普通に練習できるようになったため、キエフでのシャルタール戦で人材不足に陥るということはなさそうな。
ただ、ゴールアベレージの差でアトレティコを抑え、リーガ首位を保っているマドリーですが、代表戦週間前の成績は3試合白星なしと低迷気味。何より、サンティアゴ・ベルナベウでのCLシェリフ戦、RCDEスタジアムでのエスパニョール戦をどちらも最少得点差で落としたのは頂けなかったんですが、今はベンゼマが乗りに乗っていますからね。ただ、その彼が今年のバロンドール賞に輝けるかという話題以外、ここ数日はエムバペ(PSG)やポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)ら、来季の補強選手候補ばかり、取り沙汰されていたため、もしかしてスペインメディアのマドリー番記者も他にファンの夢を膨らませるネタがないのかなという気もしましたが、さて。何はともあれ、昨季のCLではエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でも、NSCオリンピスキーでも負けてしまったシャフタールにはちゃんとリベンジしておかないといけませんよね。
右足中足骨の骨折が判明したフェランに関しては実際、ケガをしたのは準決勝のイタリア戦でのことだったため、絶対決勝に出たいという当人の意欲も災いした感があって、この夏の東京オリンピック・グループリーグ初戦で足首を捻挫。大会中に復帰するため、ムリにトレーニングしたものの、以降の試合には出られず、帰国してみれば、実は足首の靭帯を3つも断裂していることがわかり、今でもリハビリ中のセバージョス(レアル・マドリー)にちょっと似ている気もしますけどね。まあ、後者はこのところ、ルイス・エンリケ監督に呼ばれていないのが不幸中の幸いで、イタリア相手に2ゴールを決めて、スペインに決勝進出をもたらす原動力となったフェランが全治2カ月半、つまり2022年W杯出場が懸かった11月の予選2試合にも出られないのはあまりに痛いかと。
一方、オジャルサバルも決勝のフランス戦で先制ゴールを挙げた貴重なスペイン代表の得点源なんですが、こちらは今年の夏、ユーロ2020と東京オリンピックを梯子した6選手のうちの1人。このネーションズリーグ・ファイナルフォー中も24才という若さを過信したか、「バケーションがなくても、今のフィジカルコンディションはベストで、それを利用したい」と言っていましたが、いやいや。だってえ、同じ梯子組、18才のペドリ(バルサ)ですら、9月に負傷して、ミラノに行くことができなかったんですよ。
まあ、国際大会や代表戦数についてはFIFAやUEFA、各大陸連盟が考えることなので、今は置いておくとして、この土曜にもう再開するリーガの話もしていかないと。実はこの9節は9月のparon(パロン/リーガの停止期間)直後の節同様、CONMEBOL(南米サッカー連盟)のW杯予選3試合開催と翌週火曜にCLグループリーグをプレーするチームの過密日程を慮って、2カードが延期となっているんですが、今回はそれがスペイン首都の両雄に当たることに。ええ、グラナダvsアトレティコ戦とレアル・マドリーvsアスレティック戦なんですが、ヨーロッパの大会のないマドリッドの弟分たちは2週間ぶりにリーガ戦に挑みます。
先陣を切るのは前節にレアル・ソシエダと1-1で分け、8試合で勝ち点1の最下位という最悪の流れを断ち切るため、ミチェル監督を解任し、キケ・サンチェス・フローレス監督を招聘したヘタフェ。同じく、パコ・ロペス監督から、ハビエル・ペレイラ監督(河南嵩山龍門との契約を破棄して就任)になったレバンテと土曜にシュタット・デ・バレンシアで対戦となるんですが、向こうは新任指揮官が中国から来るのに時間がかかり、まだ数回しか、チームのセッションを率いておらず、これは代表戦週間入り直後から、ダブルセッションを重ねてきたキケ監督の方に有利に働くかも。幸い、各国代表組に南米勢はおらず、キャプテンのジェネ(トーゴ)も、マクシモビッチとミトロビッチのセルビアコンビなど、それこそW杯予選グループ首位で意気揚々と水曜には戻って来ていますからね。
まだビトロとマタはケガが治っていないようですが、キケ監督も「No son jugadores rotos, no son jugadores que están mentalmente atravesando un drama/ノー・ソン・フガドーレス・ロトス、ノー・ソン・フガドーレス・ケ・エスタン・メンタルメンテ・アトラベサンドー・ウン・ドラマ(選手たちは壊れている訳じゃなく、メンタル的に悲劇に浸ってもない)」と言っていたように、チームは前向きになっているようですからね。このレバンテ、セルタ、グラナダ、エスパニョールと続く、上位陣との試合がない間に白星を稼いでいけば、降格圏脱出も早々にできると思いますが、さて。怖いのはやはり、まだ今季勝利のない相手も同じことを考えていることですが、果たして新監督効果勝負はどちらに軍配が挙がるんでしょうか。
そして翌日曜午後2時からエスタディオ・バジェカスにエルチェを迎えるのがラージョなんですが、丁度、前節からキャパ100%の入場が可能になったのを機にクラブは遅ればせながら、今季のabono(アボノ/年間指定席)を発売。ところが、またシステムトラブルでサイトがダウンしたようで、木曜にはスタジアムにファンが詰めかける騒ぎになっていましたが、購入できてもそのカードを受け取るのに試合前日、メトロでもっと遥か先まで南下して、駅から徒歩30分の練習場まで行かないといけないって、いやホント、このクラブ、大丈夫?テレ・マドリッド(ローカルTV局)の現地レポでは、年少の子供の席が親と反対のスタンドになっていたとかいう話もありましたし、この辺がやはり、試合中など、何かというと、「Presa vete ya!/プレサ・ベテ・ジャ(プレサ会長、もう出て行け)」のカンティコが始まってしまう理由なのかもしれません。
え、それよりコロンビア代表に行っていたファルカオがちゃんと戻って来られるのか方が気になるって?いやあ、ウルグアイ、ブラジル、エクアドルとの3試合に彼が出場しながら、全部スコアレスドローで終わったというのも何ですが、エルチェにも同僚のモヒカがいて、エスクリバ監督が金曜の午後には着くと言っていたため、おそらくファルカオも一緒かと。加えて、相手はチリから帰って来るエンソ・リコが土曜着と、あと2人の各国代表組がバリウ(アルバニア)とディミトリエフスキ(マケドニア)のヨーロッパ勢であるラージョはむしろ、余裕のある方なんですが、代表戦前はオサスナに1-0で負けていますからね。それでも6位の高みにいるとはいえ、EL出場権はともかく、なるたけ早く1部残留を確定させるためにも、ファルカオのゴールがまた見られるといいですよね。
一方、今週末は試合がなく、火曜にそれぞれ、アウェイでシャフタール、ワンダ・メトロポリターノでリバプールとのCLグループリーグ3節を迎える兄貴分たちはというと。まずは南米に出向していた選手たちの動向から話すと、マドリーからブラジル代表に招集されたカセミロ、ミリトン、ビニシウスは悲喜こもごも。というのも親知らずで歯茎が腫れて、1試合も出ずに直帰したカセミロは十分休めたものの、ミリトンは2試合目のコロンビア戦で右脚を負傷。3試合目には出ずに戻り、それ程、重傷ではなかったのは良かったんですが、ビニシウスなど、初戦のベネズエラ戦に途中出場しただけで、あとはベンチ観戦だったなんて、一体、何のための長旅だったんでしょう。
同じことはお隣さんのコレアにも言えて、こちらはまったく出場機会がもらえず。いえ、デ・パウルの方は3試合全部先発で、3-0と勝ったウルグアイ戦ではゴールも挙げる活躍ぶりだったんですけどね。ビニシウスにしろ、コレアにしろ、今季は開幕からゴールづいていたものの、最近はスランプ気味という共通点がありますが、まあ、首位と2位、どちらも代表もW杯出場圏内にいるのは喜ばしいことかと。何せ、両チームから選手が派遣されているウルグアイはこの3試合、1分け2敗で5位に落ち、このままだと大陸間プレーオフに行く破目になりますからね。その上、マドリーはバルベルデが皆勤、アトレティコもルイス・スアレスが3連続先発しながら、彼の得点はブラジルに4-1で負けた最後の試合で焼石に水のFKゴールだけなんですよ。
更にアトレティコのヒメネスは1試合目のコロンビア戦で太ももを負傷して帰還と、いよいよグループ内最強の敵、リバプールが2年前の16強対決敗退のリベンジを懸けて乗り込んでくるというのに、サビッチの出場停止処分もまだ終わっていないとあって、少々、シメオネ監督のチームは守備体制が不安なんですけどね。木曜にはコケ(スペイン)、グリーズマン(フランス)、カラスコ(ベルギー)のネーションズリーグ・ファイナルフォー組がチーム練習はお休みだったにも関わらず、マハダオンダ(マドリッド近郊)に出勤していたと聞いたため、翌日は私も見学に行ってきたんですが、開始から15分間のマスコミ公開中にはリハビリ最終段階にいるはずのマルコス・ジョレンテやクーニャはヒメネス同様、グラウンドの片隅にあるテント内のジムにいたようで、姿は見えず。
いやあ、先日はシメオネ監督がアルゼンチンのメディアから受けたインタビューで、マハダオンダにも以前はなかった完璧なジム設備が今では整ったし、選手たちが朝食や昼食を一緒に食べられるようにもなったと話していたんですけどね。それでも「ウチには使えるグラウンドが2つしかない。Son dos canchas que nos pueden ver desde afuera cotidianamente/ソン・ドス・カンチャス・ケ・ノス・プエデン・ベル・デスデ・アフエラ・コティディアーナメンテ(日常的に外から見ることができる2つのグラウンドだ)。キャンバス地で周りは覆ったが、日光の当たり具合によっては見えてしまうんだから、同じだよ」と、お隣さんの入り口から15分は歩かないとグラウンドに着かない、バルデベバス(バラハス空港の近く)のような広大な練習場が欲しいみたいでしたけどね。
といっても何回か、外縁を周ったことのある私も、ま、キャンバス地に穴が開いている時はありましたが、逆にクラブの人から注意されるのが怖くて、そうそう覗き見はできず。個人的には昔のようにファンがフェンスに張り付いて応援しているぐらいの方が、チームに親しみが持てるんじゃないかと思ったりもするんですが、こればっかりはねえ。結局、内通者がいるようなマルカやAS(大手スポーツ紙)の記事で、その日は後からジョレンテが出て来て、ボールを蹴っていたとか、コンドグビアを急造CBとして使っていたとか、知るしかなかったんですが、まだ日にちもありますし、もっと近くなってから、リバプール戦の先発予想などはお知らせしていきたいかと。
一方、マドリーではミリトンだけでなく、水曜にはオーストリア代表のデンマーク戦でアラバも左ヒザをケガしたと報じられ、シャフタール戦に向けて暗雲が垂れ込めたんですが、金曜には2人共、火曜までに回復できる見込みに。うーん、セバージョス、ベイル、カルバハルはもちろん、ネーションズリーグ・ファイナルフォー準決勝フランス戦でハムストリングの筋肉痛と診断されたアザールには悪い前例もあって、ちょっと微妙なんですが、カセミロやフランスU21代表を早退して、足の甲の治療に専念したカマビンガも18才と若いせいか、もう治ったようですしね。この2週間でイスコ、アセンシオ、メンディ、マルセロらも普通に練習できるようになったため、キエフでのシャルタール戦で人材不足に陥るということはなさそうな。
ただ、ゴールアベレージの差でアトレティコを抑え、リーガ首位を保っているマドリーですが、代表戦週間前の成績は3試合白星なしと低迷気味。何より、サンティアゴ・ベルナベウでのCLシェリフ戦、RCDEスタジアムでのエスパニョール戦をどちらも最少得点差で落としたのは頂けなかったんですが、今はベンゼマが乗りに乗っていますからね。ただ、その彼が今年のバロンドール賞に輝けるかという話題以外、ここ数日はエムバペ(PSG)やポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)ら、来季の補強選手候補ばかり、取り沙汰されていたため、もしかしてスペインメディアのマドリー番記者も他にファンの夢を膨らませるネタがないのかなという気もしましたが、さて。何はともあれ、昨季のCLではエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でも、NSCオリンピスキーでも負けてしまったシャフタールにはちゃんとリベンジしておかないといけませんよね。
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