ゴールに年齢は関係ない…/原ゆみこのマドリッド

2021.09.25 19:00 Sat
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©Atlético de Madrid
「過密日程にしてはまだマシな方よね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、ミッドウィーク開催の6節が終わったかと思いきや、すぐに7節が始まるのに備えて、週末の日程表を見直していた時のことでした。いやあ、前日はカディスと0-0で引き分けた後、バルサのピケが試合間隔が短すぎると、延々と文句を言っていたのを聞いて、思わず、マドリッド勢の予定もチェックしてみたんですけどね。来週はCLグループリーグ2節が火曜にあるため、兄貴分2チームが土曜にプレーしないといけないのは当然ですが、火曜にプレーしたアトレティコは中3日。水曜にプレーしたレアル・マドリーは中2日となりますが、こちらはマジョルカ戦でたっぷりローテーションしましたからね。

翻って、弟分2チームの方はどちらも日曜開催で、早く今季初勝ち点をゲットしないといけないヘタフェも、1部では20年ぶりとなる好発進を遂げたラージョも中4日。しっかり間が空いているだけでなく、前者の相手ベティス、後者の相手カディスは共に木曜プレー組で中2日となれば、かなりラッキーだったと言えますが、どうにもミチェル監督のチームはまだ復帰できそうな選手がいなくてねえ。ラージョとの弟分ダービーで脚を折ったかと思われていたヤンクトはネンザで済んだそうですが、アランバリ、ビトロ、サンドロらの肉離れ勢が治る前に10月の各国代表戦週間が来てしまいそうというのはホント、辛いところじゃないでしょうか。

え、ヘタフェをますます崖っぷちに追い詰めたのはアトレティコだったんじゃないのかって?いや、実際、その通りで、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでの兄弟分ダービーでは私もどっちを応援したらよいものやら、踏ん切りがつかなかったんですけどね。最初はいいスタートを切りながら、「luego faltó intensidad, velocidad, circulación para lastimar al rival/ルエゴ・ファルトー・インテンシダッド、ベロシダッド、シルクラシオン・パラ・ラスティマール・アル・リバル(その後、プレーの強度、スピード、相手にダメージを与えるボール回しに欠けていた)」(シメオネ監督)昨季王者はハーフタイム入り直前、まさかの先制点を奪われてしまうことに。

ええ、珍しくGKオブラクがボールを掴み損ね、逃してしまったところ、マクシモビッチが右から入れたクロスをミトロビッチにヘッドで撃たれ、ゴールポストに当たって入ってしまったから、驚いたの何のって。もちろん、それにはここ10年程、ヘタフェはアトレティコにただ白星がないだけでなく、通算対戦スコアが34-0と、得点すらできていなかったという理由もあったんですけどね。1点ビハインドで後半に入り、ここ3試合連続ドロー中のシメオネ監督が恒例のテコ入れを行ったのは17分。まずはトリッピアーとロディの両SBを下げ、デ・パウルとエルモーソを入れたんですが、ルイス・スアレスのヘッドもゴールバーに弾かれてしまったため、これは懐事情の厳しい弟分に、さして裕福でもない我が身を顧みず、彼らがそのまま勝ち点3を心優しく差し出してしまう恐れもなんて考え、単なる私の杞憂にすぎませんって。

転機が訪れたのは28分、アレニャがクーニャに後ろからタックルしたプレーを一旦、主審は流したものの、シメオネ監督の執拗な抗議も効いたか、VAR(ビデオ審判)の注進でモニターチェックすることに。すると、スパイクがふくらはぎに当たっていたのがわかり、アレニャにレッドカードが出されたんですが、まあ、「人目を引くプレーだが、alguien que ha jugado al futbol sabe que no hay intención de hacer daño/アルギエン・ケ・ア・フガードー・アル・フトボル・サベ・ケ・ノー・アイ・インテンシオン・デ・アセール・ダーニョ(サッカーをしたことのある者なら、ケガさせる意図はないのがわかるはず)」というミチェル監督の言い分も理解できますけどね。

敵が1人、少なくなったおかげでスペースを見つけやすくなったか、33分にはエルモーソのスルーパスをスアレスが決めて、アトレティコは同点に。更に45分にも前節のアスレティック戦では、もう年で走れないと散々叩かれていたエースが本領発揮。ベルサイコの上げたクロスをゴール前、ミトロビッチの背後でジャンプするまでもなく、頭で決勝ゴールを挙げたとなれば、いやあ、シメオネ監督も「Cualquiera hubiera quitado a Suárez y Suárez hizo goles/クアルキエラ・ウビエラ・キタードー・ア・スアレス・イ・スアレス・イソ・ゴーレス(誰もがスアレスを代えていたところだろうが、そのスアレスがゴールを決めた)」と交代策の正しさを自画自賛していましたけどね。昨季21得点でチームを優勝に導いてくれた34才を決して侮ってはいけません。

まあ、「試合開始時に何が影響するのか、no sabemos si es actitud y preparación/ノー・サベモス・シー・エス・アクティトゥッド・イ・プレパラシオン(自分たちの態度や準備のせいなのかはわからない)」とエルモーソも言っていたように、眠ったままピッチに出るというお家芸が時々、出てしまう欠点はいまだに直ってないようですけどね。とりあえず、スアレスもエンジンがかかってきたことですし、あとは今の協調的なプレースタイルに進化したアトレティコにグリーズマンが適応してくれれば、土曜午後2時(日本時間午後9時)からのアラベス戦でも難なく勝って、少なくとも同じ0ポイントで最下位を争っている弟分の援護射撃はできるかと。

ちなみに金曜に私が見学に行ったマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場ではレマルの姿こそ、見えなかったものの、コンドグビアはもうチームに合流。最初の10分程、コーチとマンツーマンで調整をしていたコケも遅れて加わり、ビトリア(スペイン北部、アラベスのホームタウン)遠征の招集リストに入っています。アスレティック戦での退場で受けた出場停止処分の2試合目となるジョアン・フェリックスも上訴委員会には減刑を認められなかったものの、クラブが処分一時停止措置を求めてTAD(スポーツ行政法廷)に訴えているため、万が一に備えて同行していますが、今季の前線レギュラー争いは例年になく熾烈ですからね。足首が完全に治った彼もそろそろ、本気でアピールしないとマズかもしれません。

その一方で日曜夜、ベニト・ビジャマリンでオサスナに1-3と快勝したばかりのベティスに挑むヘタフェには幸運を祈るばかりですが、火曜の兄弟分ダービーの後には4チーム目のマドリッド勢、ラージョがサン・マメスでアスレティックと対戦。まだ私がコリセウムにいるうちから、前半5分、アルバロ・ガルシアがvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKウナイ・シモンを破り、早くも先制という報が入り、それはメトロに乗っていた33分、敵のCKをシスがオウンゴールにして、帳消しになっていましたが、後半途中からでも見た甲斐は十分ありました。というのも、ドシャ降りの雨が弱まった後半31分、ウナイ・ロペスと交代でファルカオがピッチに入ったから。規定時間内にはあまり動きがなかったものの、6分間与えられたロスタイムの最後のFKに彼が完璧なタイミングで頭を合わせ、まさか土壇場で勝ち越しゴールを奪ってしまうとは、35才になってもTigre(ティグレ/虎、ファルカオの愛称)の本能はまったく衰えていない?

それもエリア近くでアスレティックのファールを誘ったのも彼自身なら、FKをベベが蹴る前、どこを狙うべきか細かく指示しているんですから、見上げたゴールへの執念と言えますが、これで1-2の勝利をもぎ取ったラージョはEL出場権のもらえる6位まで上昇。イラオラ監督が「前節、ヘタフェに勝ったウチより、相手はアトレティコ戦で消耗していた」と言っていたのは何ですが、デビューから2試合で2得点と、ファルカオの加入がラージョファンの夢を掻き立てているのは事実かと。木曜にはまた、この日曜にエスタディオ・バジェカスでプレーするカディス戦のチケットを求めるファンの長い列ができていましたが…ただ、これって、チケットのオンライン販売システムに再度の不具合が出ているせいなのかもしれないんですよね。

そして翌水曜は今季2回目のサンティアゴ・ベルナベウ観戦をした私でしたが、最近のマドリーはベテランが多いですからね。この日のアンチェロッティ監督はモドリッチ、カセミロ、アザールをベンチに置くローテーションを敢行。システムも4-2-3-1にして、中盤は初先発の18才カマビンガと23才のバルベルデという若いコンビになったんですが、それがどうとか言う前に、DFに負傷者が多発しているマジョルカで先発CBに抜擢されたカンテラーノ(Bチームの選手)、ガヤが自陣エリア近くで痛恨のミスを犯してしまったんですよ。ええ、足を滑らせてボールを失ったところ、駆けつけて来た絶好調、33才ベンゼマに先制点を決められてしまってはもう、お手上げです。

続いてマドリーは24分にも、ロドリゴのシュートはGKレイナに弾かれたものの、この日、トップ下として起用されたアセンシオが2点目をゲット。実はこの直後、マジョルカのキックオフからのプレーでイ・ガンインにゴールを決められてしまったんですが、それも4分もしないうちにベンゼマのアシストを受けて、アセンシオが追加点を挙げてくれたため、問題はなかったかと。いやあ、実はこの試合にはマドリーからマジョルカにレンタル移籍をしている久保建英選手も先発、所属元と6回目の対戦となったんですけどね。前半途中から、ヒザを気にする仕草をしていた彼は3-1で入ったハーフタイムで交代。翌日にはマドリッド泊のホテルに入る際、松葉杖をついていたとの報もあり、当人も自身のインスタで10月の日本代表戦にも間に合わない負傷で離脱することを告げていたのは、ちょっと気の毒な結末になりましたね。

そして後半もマドリーのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は続き、いえ、3分にベンゼマが入れたゴールはVARで直前にファールがあったことが発覚して、スコアボードには上がらなかったんですけどね。10分には再びアセンシオを決めて、ここまで出番が少なかった鬱憤を晴らすかのようにハットトリックを達成。そして33分にはベンゼマが自身2点目、39分にもビニシウスのラストパスをイスコが押し込んで、ベルナベウ復帰試合だったセルタ戦の5-2を上回る6-1で大勝となれば、午後10時キックオフという、最近では十分肌寒い時間に応援に駆けつけたファンも大満足して、家路を辿れたに違いありませんって。

え、これだけ活躍できるんだったら、どうしてアンチェロッティ監督はアセンシオをもっと使ってこなかったんだって?まあ、今はベイルがリハビリ中とはいえ、マドリーも前線にはロドリゴ、アザール、ルーカス・バスケスなど、オプションがイロイロありますからね。「Lo puede hacer muy bien ahí, en esa posición entre líneas/ロ・プエデ・アセール・ムイ・ビエン・アイー、エン・エサ・ポシシオン・エントレ・リネアス(ライン間のあのポジション、そこがとてもうまくやれる場所)」(アンチェロッティ監督)という、当人が得意とするトップ下もシステムによっては存在しない場合もあって、大体がして、それがスペインA代表にルイス・エンリケ監督が最近呼んでくれない理由だったりするかもしれないんですが、まあ、それはそれ。

この土曜午後9時(日本時間翌午前4時)もマドリーはホームにエースのジェラール・モレノをケガで欠きながら、エルチェ戦では4-1と大勝したビジャレアルを迎えるんですが、ベンゼマとビニシウスのコンビは現在不動らしいため、アセンシオが先発リピートできるかは微妙なところかと。ちなみに金曜のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションには恥骨炎のリハビリのため、ずっと休んでいたクロースが普通に加わっていたんですが、夜に発表された招集リストにはまだ入らず。他、ベイル、メンディ、マルセロ、セバージョスと負傷休場選手は同じで、再びアンチェロッティ監督はミゲール・グティエレスやブランコら、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)を当てにすることに。

いやあ、それにしてもリーガ、たったの7試合を消化しただけでもう21ゴールというのは、マドリーでも30年以上ぶりのハイペースなんだそうですけどね。別にまだ9得点しか挙げていないアトレティコも勝ち点差2での2番手をキープしていますから、最後は効率の問題とはいえ、このままいくと、久々に100得点以上という、マドリーのゴール祭りシーズンが戻ってきたりするんでしょうか。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。


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スーパーダービーはなかった…/原ゆみこのマドリッド

「同じ敗退組なのにこうも明暗が分かれるとは」そんな風に私が愕然としていたのは金曜日、午前中にバラハス空港から、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に着いたアトレティコの選手たちの映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いえ、マドリッドでは明け方に気温が急激に下がったせいで、選手たちが屋外駐車場止めておいた車のフロントガラスが霜で真っ白に。各自、自分の手でコシコシ払ってからでないと、運転できなかったなんていうのは別にいいんですけどね。 何というか、1日早く、水曜のスペイン・スーパーカップ準決勝で宿命のライバルに負けたバルサについては、17才のガビを筆頭に、67日ぶりの出場でゴールを挙げた19才のアンス・ファティ、負傷とコロナ感染の逆境ダブルから回復した19才のペドリ、尚且つ、チーム練習を1回もせずに先発デビューした21才のフェラン・トーレス(マンチェスター・シティから移籍)、先週金曜に手の手術をしたばかりながら、保護カバーをして120分の激闘を戦い抜いた22才のアラウホと、何人もの若手がこのスーパーカップ・クラシコ(伝統の一戦、レアル・マドリー戦のこと)で善戦。おかげで世間から、チャビ監督のチームの未来は明るい的な評価をされることに。 実際のところ、リーガでは首位のマドリーと勝ち点差17でCL出場圏外の6位、サウジアラビアから帰国後の初戦、来週木曜のコパ・デル・レイ16強対決の相手も昨季のスペイン・スーパーカップ決勝でトロフィーをさらわれたアスレティックですし、2月にあるEL16強対決のプレーオフではナポリと対戦。そうそう楽観的になれるとも思えないんですけどね。ええ、同じティーンエイジャーで、もう1つの準決勝でアスレティックに勝利をもたらしたニコ・ウィリアムスが、マルセリーノ監督に「Tiene 19 años y no hay que añadirle presión. Vamos a ir paso a paso/ティエネ・ディエシヌエベ・アーニョス・イ・ノー・アイ・ケ・アニャディルレ・プレシオン。バモス・ア・イル・ア・パソ・ア・パソ(19才だから、プレッシャーを増やしちゃいけない。一歩一歩、やっていくつもりだ)」と気遣われているのを見れば、何をか言わんやですって。 世が世なら、天下のバルサの屋台骨を若い子ばかりに背負わせる訳にもいかないはずですが、何せ、アトレティコなど、移籍金1憶2700万ユーロ(約170億円)で3年前に獲得した若手ギャラクティコ、22才のジョアン・フェリックスがまたしても期待に応えられませんでしたからね。今季もう、何度繰り返したかわからないチーム全員のミスも一向に直らないとあって、昨年12月の4連敗の後、年明けの2連勝で一時、収まっていたシメオネ監督批判も再燃してきたんですが、はあ。こちらもお隣さんとは勝ち点差16のリーガ4位、来週水曜のコパ16強対決は去年4月、アスレティックを破って、2019-20シーズンのコパ王者となったレアル・ソシエダとですし、CL16強対決の相手もマンチェスター・ユナイテッドとあって、何だかお先真っ暗な気がしてきたんですが…いや、今は嘆いてないで、スペイン・スーパーカップ準決勝の2試合がどうだったか、お伝えしていかないと。 まずは水曜、リヤドのキング・ファハドスタジアムで昨季リーガ2位のマドリーとコパ優勝のバルサが激突、今季2度目のクラシコとなったんですが、先手を取ったのはアンチェロッティ監督のチームの方。ええ、相手が「Hemos jugado con muchos complejos durante 20 o 25 minutos/エモス・フガードー・コン・ムーチョ・コンプレホス・ドゥランテ・ベインテ・オ・ベインテシンコ・ミヌートス(ウチは20か25分間ぐらい、コンプレックスを沢山抱えてプレーしていた)」(チャビ監督)という前半25分には、センターでベンゼマがブスケツからボールを奪い、最後はフラメンゴから移籍して4年目、21才の今季、いよいよ開花したビニシウスがアラウホを振り切ってシュート。これが見事に先制点となったため、やはり戦前の予想通り、リーガでの差が如実に反映する展開になるのかと思いきや…。 まあ、確かに41分、デンベレのシュートをゴール前でミリトンがクリアしようとして、ルーク・デ・ヨングにボールが当たり、同点ゴールになってしまったのは運が悪かったんですけどね。バルサがフランキー・デ・ヨングと10月のネーションズリーグ・ファイナルフォーのスペイン代表で負傷して以来、プレーしていなかったフェランをペドリとアブデ(20才)に代えた後半27分には再びマドリーが得点。これも一旦はベンゼマが弾かれて、カルバハルが撃ち直したボールもGKテア・シュテーゲンの足で逸らされてしまったものの、そのボールがベンゼマの前に。もちろん、リーガピチチ(得点王)がこんなチャンスを逃す訳はなく、またしてもマドリーがリードを奪ったとなれば、もう勝負はあった? でもそうは問屋が卸さなかったんですよ。というのもやはり、年少の選手の中でも2020年からスペイン!代表に招集され、メッシ(現PSG)の背番号10を受け継いだアンス・ファティは才能が飛び抜けているんでしょうかね。負傷を繰り返している今季は8試合しか出場していないにも関わらず、4ゴールを挙げているんですが、この日も後半21分にピッチに入ると、38分にはジョルディ・アルバのクロスをヘッド。易々とGKクルトワを破ってしまったから、ビックリしたの何のって。これでスコアは2-2となり、試合は延長戦に入ることに。 でも大丈夫。この日も途中から、「Apretar arriba nos cuesta más/アプレタル・アリバ・ノス・クエスタ・マス(ウチは高い位置でプレスをかけるのに苦労する)」(アンチェロッティ監督)という理由により、自陣で敵を待ち受ける戦法に切り替えたマドリーの必殺カウンターが、延長戦前半8分にとうとう爆発したんですよ。いやもう、モウリーニョ監督下のBBC(ベンゼマ、ベイル、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)時代から、足の速い選手が多いチームは羨ましいと思っていたんですが、この時も5人程、ドドッと白のユニフォームがバルサのゴールに突進する中、敵はたったの3人。右からロドリゴが送ったラストパスを後ろにベンゼマの気配を感じ取ったビニシウスはスルーしたんですが、まさかモドリッチと交代で入っていた、やはり健脚のバルベルデが先んじてシュートしてしまうとは! この3点目のゴールで、いえ、2-3で負けたチャビ監督は試合後も「Hemos dominado al Madrid, que se ha metido atrás/エモス・ドミナードー・アル・マドリッド・ケ・セ・ア・メティードー・アトラス(ウチがマドリーを支配していたから、彼らは自陣に引きこもっていた)」と言っていましたけどね。アンチェロッティ監督は「Partido igualado/パルティードー・イグアラードー(拮抗した試合)」と反論。「El bloque bajo no es muy estético/エル・ブロケ・バホ・ノー・エス・ムイ・エスティコ(低い位置でプレーするのはあまり美的ではない)が、ウチの前線にある質の高さを楽しまないのはもったいなさすぎる」そうですが、まあ昔から、世界最高のクラブと自称する彼らがボールポゼッションを捨てて、カウンター戦法を取ると、あれこれ世間がうるさいですからね。 その辺はアンチェロッティ監督も気が引けているのかもしれませんが、合わせて38得点14アシストという、ベンゼマとビニシウスのコンビの豊作を見れば、誰も文句はつけられないかと。そこで翌木曜は、スペイン・スーパーカップ決勝ではスーパークラシコに続いて、スーパーダービーを見ることになるのかと、私も気を引き締めて、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に連日出勤したんですが、とんでもない。前日はコロナ感染予防のため、キャパ50%までの観客制限ギリギリの4万人を集めたスタジアムに6000人しか入らなかったのにもめげず、キックオフ直後、アトレティコはレマルからパスを受けたジョアンがアスレティックのエリアに切り込んでシュート。電光石火の先制点と喜んだのも束の間、あっさりオフサイドでノーゴールとなった時から、今になって思えば、ケチがついていたんでしょうか。 そこから15分程は攻めていたアトレティコもいつしか尻つぼみとなり、0-0のままだった後半開始時には臀部の負傷を三度、再発させたマルコス・ジョレンテがロディに交代。更に5分にはコンドグビアもどこかを痛め、デ・パウルに代わることになり、こうなるとスコアレスでの延長戦も覚悟しないといけないと、私も2杯目のカーニャ(グラスビール)をいつ頼むか、思案していたんですけどね。それでも17分にはレマルの蹴ったCKをジョアンがヘッド、ゴールポストに弾かれたボールがGKウナイ・シモンの背中に当たってオウンゴールになってくれたため、ちょっとは気が楽になったんですが、何せ今季のアトレティコはよく逆転されていましたからねえ。とても1点だけでは心もとないというのに、まさか、お家芸の「リードしたら一歩後退」をこの日も忠実に実行してくれるとは! 案の定、アスレティックの猛反撃に遭い、うーん、FKからのイニゴ・マルティネスのヘッドやウィリアムス兄の一撃はGKオブラクが必死にセーブしてくれたんですけどね。32分には苦手中の苦手、CKの守備がお約束のように破綻。ええ、ムニアインの上げたボールに合わせたジェライに潰されるばかりだったコケにそのヘッドを阻むことはできず、同点ゴールを決められてしまったから、さあ大変。おまけにその4分後にも再びCKを与え、今度はイニゴ・マルティネスのヘッドこそ、ダニ・ガルシアに当たって逸れたものの、エリア内に転がったボールをウィリアムス弟にフリーで撃ち込まれているって、もう一体、どうしたらいいのやら。 その後はジョアン、ルイス・スアレス、クーニャのFW3人で同点を目指したアトレティコですが、ゴールは生まれず、それどころか、ロスタイムにはヒメネスが空中キックでイニゴ・マルティネスの頭を直撃して、レッドカードで退場する始末。いやあ、1-2で敗退が決まった後、シメオネ監督も「El equipo no tiene fortaleza defensiva en el juego aéreo/エル・エキポ・ノー・ティエネ・フォルタレサ・デフェンシバ・エン・エル・フエゴ・アエレオ(チームは空中戦での守備力がない)」と認めていましたけどね。もうシーズンも半ば過ぎているというのに今更、「Hay que trabajar la concentración/アイ・ケ・トラバハール・ラ・コンセントラシオン(集中力を鍛えないといけない)」(コケ)なんていう言葉を聞くと、やっぱり彼らは全然、学んでいない? いや実際、「Es fácil entrenarlo cuando no hay gente, el problema es cuando hay rival/エス・ファシル・エントレナールロ・クアンドー・ノー・アイ・ヘンテ、エル・プロブレマ・エス・クアンドー・アイ・リバル(人がいない時に練習するのは簡単だが、問題は敵がいる時)」とシメオネ監督も嘆いていたんですけどね。チームのリードを守ろうと孤軍奮闘したオブラクなど、もっと踏み込んで、「ゴールを入れた後、ウチは後ろに下がって待つけど、si esperamos a lo que va a pasar es que ocurren cosas como las de hoy/シー・エスペラモス・ア・ロ・ケ・バ・ア・パサール・エス・ケ・オクレン・コーサス・コモ・ラス・デ・オイ(何が起きるか待っていると、今日みたいなことが起きる)」と苦言を呈していましたが、とにかく彼らには暇になるこの週末に今一度、猛省を促したいところです。 一方、ロッカールームで決勝進出をまたしてもビジャリブレのトランペット伴奏で祝ったアスレティックはスペイン・スーパーカップ2連覇のチャンスをゲットしたんですが、奇しくも彼らは12月中にリーガで2回、マドリーと対戦。マルセリーノ監督も「jugamos como nunca y perdimos como siempre/フガモス・コモ・ヌンカ・イ・ペルディモス・コモ・シエンプレ(今までないぐらいにいいプレーをしたが、いつものように負けてしまった)」と話していた通り、サンティアゴ・ベルナベウではベンゼマのゴールで1-0。年内最終戦だったサン・マメスでも7分までにベンゼマに2点を決められ、サンセットが1点返しただけで、1-2で涙を飲んでいるんですよ。 それも後者の日など、マドリーが大量5人もコロナ感染で選手がいなかったとなると、いくら延長戦だったとはいえ、休みが1日多い相手が有利なのは変わらないかと思いますが、金曜になって、カルバハルが検査で陽性になったのはちょっと注意が必要かと。ええ、月曜にリヤド入りした彼らは練習と試合以外、外出していないため、それでもうつったとなれば、チーム内クラスターである可能性もなきにしろあらず。加えて、バルサ戦をふくらはぎ痛で欠場したアラバも回復が難しいとなれば、今年もアスレティックが波乱を起こすかもしれません。 そして最後にマドリッドの弟分チームの予定も見ておくと、この週末は土曜にラージョがコパ16強対決ジローナ戦に挑むことに。しかも会場は昨季の昇格プレーオフ決勝2ndレグでまさにこの相手を下し、1部復帰を決めたモンテリビ。向こうの指揮官がこれまた、ラージョのレジェンドであるミチェル監督となれば、結構、見応えのある試合になりそうな。対照的に2回戦でコパ敗退しているヘタフェは来週木曜のリーガ21節グラナダ戦まで、ゆっくりしていられるんですが、この金曜には残留達成に大きく力を貸してくれそうな選手が2人、ローマからレンタル移籍で到着。マドリー出身のFWボルハ・マジョラルとエルチェ出身のMFゴンサロ・ビジャルなんですが、ネックはチェマがエイバル(2部)に行った後もまだ1つ登録選手枠が足らず、早く空きを作らないといけないことでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.01.15 22:00 Sat
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気がついたら次はクラシコだった…/原ゆみこのマドリッド

「スペインから応援に行けないんじゃねえ」そんな風に私が嘆いていたのは火曜日、オミクロン株によるコロナ感染拡大を受けて、水曜からサウジアラビアで開催されるスペイン・スーパーカップはほとんどの観客が地元民の大会になると知った時のことでした。いやあ、ここ数日はテニスのオーストラリアオープンにワクチン接種をしていないジョコビッチが出られるのか、出られないのか、世間の注目を集めていたため、とってつけたように参加4チームの中にワクチン非接種の選手がいたら、サウジアラビアに入国できないなんて話もあったんですけどね。ヨーロッパの他のリーグに比べると、ラ・リーガは接種率が高く、それで引っかかった選手はいなかったようですが、リヤドのキング・ファハドスタジアムではお馴染みのファンのカンティコ(応援歌)が聞こえないというのは結構、淋しいかも。 実際、まだ先週末のリーガ戦の余韻も覚めやらぬうち、月曜にはスペイン・スーパーカップを最初に戦うレアル・マドリーとバルサが、火曜にはアトレティコとアスレティックがそれぞれ、リヤド入りしたんですが、水木の準決勝も日曜の決勝もバル(スペインの喫茶店兼バー)のTVで見られるのはいいとして、その間、リーガ戦はないですからね。土日にはコパ・デル・レイ16強対決の5試合があるものの、すでに敗退しているチームなど、クリスマス休暇並に1週間以上、ヒマになるというのもどうかと。 ちなみに昨季、無観客のカルトゥーハで開催されたスペイン・スーパーカップで王者となったのは準決勝でマドリーを破り、レアル・ソシエダを破って決勝に進出したバルサを2-1で倒したアスレティック。ただ、その後に行われた2019-21シーズンのコパ決勝ではレアル・ソシエダに負け、続いて2021-22シーズンのコパ決勝でもバルサに負けるという、悔しい思いをしているだけに、マルセリーノ監督もリベンジに燃えているかと思いますが、今回の出場チーム中、彼らはリーガ9位と、一番順位が低いのはちょっと、辛いところかもしれませんね。 まあ、スペイン・スーパーカップについてはまた、後で話すとして、今は先にリーガ前節のマドリッド勢の試合を見ていくことにすると。1チームだけ土曜にプレーしたのが兄貴分のマドリーで、サンティアゴ・ベルナベウでの年明け初試合ではバレンシアと対戦。コロナからビニシウスも回復し、ほぼベストメンバーで挑めた彼らとは対照的に欠場者が多かったボルダラス監督のチームですが、前半は拮抗していたんですよ。そう43分、アルデレテがカセミロをエリア内で倒したとして、マドリーがPKをゲットするまでは。それもスロー再生のリプレーではどうにも、カセミロの方がぶつかっていったみたいで、審判が頑としてVAR(ビデオ審判)のモニターを見に行かないものだから、バレンシアのスタッフが自前のパソコンで映像を提示しようとまでしていたんですけどね。 まったく相手にされず、ベンゼマのPKが決まって、1-0でハーフタイムに入ることになったんですが、クラブ公式ツィッターでもすぐさま、「Lo de los robos en Madrid empieza a ser algo repetitivo/ロ・デ・ロス・ロボス・エン・マドリッド・エンピエサ・ア・セル・アルゴ・レペティティーボ(マドリッドで盗まれるのはもうリピートされる何かになっている)」と呟いていたように、バレンシア側がこの件にこだわりすぎたせいでしょうか。後半はマドリーのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まり、7分にはベンゼマとのワンツーでエリア内に入ったビニシウスがディアカビとアルデレテをかわしてシュート。2点目を挙げると、15分にはアセンシオの一撃はGKシレッセンに弾かれたものの、丁度いい位置に詰めていたビニシウスがヘッドで3点目もゲットすることに。 そんな彼の活躍ぶりにはアンチェロッティ監督も「Ha marcado goles de delantero centro, de delantero de área/ア・マルカードー・ゴーレス・デ・デランテーロ・セントロ、デ・デランテーロ・デ・アレア(CFのゴール、エリア内のFWのゴールを決めた)」と賛辞を惜しまなかったんですけどね。31分にはメンディがマルコス・アンドレの手を引っ張って、シュートの邪魔をしたため、バレンシアにもPKが与えられ、1度はGKクルトワが弾きながら、跳ね返りをキッカーのゲデスが再度ヘッド。これで1点を返されたものの、43分にはベンゼマがエースの貫禄を示す4点目を挙げているとなれば、「no vamos a poner excusas del árbitro cuando te ganan 4-1/ノー・バモス・ア・ポンーエル・エクスクーサス・デル・アルビトロ・クアンドー・テ・ガナン・クアトロ・ウノ(4-1で勝たれた時に審判を言い訳にするつもりはない)」というガヤの弁も当然だったかと。 これで2位のセビージャに距離を縮められる懸念も払拭、ベンゼマ(17得点)とビニシウス(12得点)のリーガピチチ(得点王)と次点のコンビを引っ提げて、スペイン・スーパーカップのクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)に臨めることになったマドリーだったんですが、サウジアラビア遠征には更にコロナ明けのヨビッチ、そして負傷の治ったカルバハルでパワーアップして出発。いえ、アンチェロッティ監督によると、「カルバハルの先発は微妙、右サイドもアセンシオにするか、ロドリゴにするか。Son las únicas dudas que tengo/ソン・ラス・ウニカス・ドゥーダス・ケ・テンゴ(決まっていないのはそれだけだ)」とスタメンにはまだ迷いがあるようですけどね。 確かに「Nadie sabe lo que puede pasar, independientemente de la diferencia de puntos/ナディエ・サベ・ロ・ケ・プエデ・パサール、インデペンディエンテメンテ・デ・ラ・ディフェレンシア・デ・プントス(勝ち点差とは関係なく、何が起きるかは誰もわからない)」(チャビ監督)のがクラシコとはいえ、相手は土曜のグラナダ戦でも終盤に追いつかれ、1-1で引分けるという無念を味わったばかり。アンス・ファティが満を持して復帰、金曜に手を手術したばかりのアラウホも強行参加、入団プレゼン直後にコロナ陽性となり、ようやく陰性となって、ペドリと一緒に1日遅れて現地に移動したフェラン・トーレス(マンチェスター・シティから移籍)もコウチーニョのアストン・ビラへのレンタル移籍、ウムティッティの減給契約延長により、ラ・リーガのサラリーキャップをかわして選手登録はできたとはいえ、その期待の彼も負傷明けだったりしますからね。 そうなると、コパのアルコジャノ(RFEF1部/実質3部)戦で負傷したマリアーノと今度は背筋痛でやはり、ウェールズ代表のW杯プレーオフがある3月が近づくまで、クラブの実戦に出る気はないんじゃないかという疑いのあるベイルだけが欠場となるマドリーの方が、水曜午後8時(日本時間翌午前4時)からの準決勝には有利な気がしますが、さて。そういえば、昨年10月のリーガ、シーズン前半クラシコもアラバとルーカス・バスケスのゴールで1-2とマドリーが勝利していましたが、その時のバルサの1点が心臓のトラブルで昨年中に現役引退したアグエロのゴールだったのを思い出すとちょっと、しんみりしてしまいますね。 そして翌日曜には今季、ラージョの定番時間帯となったような午後2時からのベティス戦を見にエスタディオ・バジェカスに行った私だったんですが、こちらもジャッジでトラブルが発生。ええ、まだ0-0だった前半35分、2019年に2部に落ちたラージョから、ベティスに河岸を変えたアレックス・モレノの足がイシの頭に当たり、当人はピッチに倒れていたにも関わらず、プレーが続いていたんですけどね。一段落ついて、審判が様子を見に近づいた頃にはイシのスキンヘッドの頭が血まみれだったため、アレックス・モレノにはレッドカードが出されることに。 まあ、実のところは「相手が頭を下げたから、足が当たっただけ。Con la sangre se impresionó/コン・ラ・サングレ・セ・インプレシオノ(出血を見てショックを受けたんだろう)」(ペジェグリーニ監督)というのが正解でしょうが、でもねえ。相手が10人になったのにラージョが油断してしまったんですよ。おかげで前半ロスタイムにはベジェリンが送ったラストパスをカナレスに、ディミトリエフスキの負傷で最近、先発を任されるようになったジダン監督の次男、ルカがガラ空きのゴールに決められて、0-1とリードされてしまうんですから、困ったもんじゃないですか。 いえ、後半26分にはその日、コパに続いてスタメン出場していたファルカオのヘッドはGKルイ・シウバに弾かれてしまったものの、ゴール前に人が沢山、倒れているうちにバリュウが撃ち込んで、何とか同点にはなったんですけどね。結局、1-1のドローで終わり、8勝2分けとホーム無敗は維持できたんですが、レアル・ソシエダが勝ったため、順位が7位に落ちてしまったのは残念だったかと。それでも帰りがけ、スタジアム前でファンにサインしていたイシは傷口こそ、パーカーのフードで見えなかったものの、元気そうでしたし、肉離れで戦線離脱していたアルバロ・ガルシアも途中出場で復帰という朗報もあるため、今週土曜のコパ16強対決、昨季のプレーオフ決勝2ndレグで勝利し、1部昇格を決めた思い出のモンテリビでのジローナ(2部)戦ではいい試合が期待できると思いますよ。 え、でも日曜は次の時間帯でプレーしたもう1つの弟分も、夜9時の試合となった兄貴分も勝利は掴めなったんだろうって?その通りでラージョ以上にアウェイが苦手で、今季1勝も挙げていないヘタフェは、まあ、相手が2位のセビージャというのもありますけどね。前半22分、オカンポスのパスからラファ・ミールにtaconazo(タコナソ/ヒールキック)でシュートを撃たれ、「uno de nuestros mejores jugadores, Soria, no está acertado/ウノ・デ・ヌエストロス・メホーレス・フガドーレス、ソリア、ノー・エスタ・セルタードー(ウチの最高の選手の1人、ソリアが上手く捌けなかった)」(キケ・サンチェス・フローレス監督)というGKのミスで先制点を奪われてしまうことに。 それだけでなく、ミールには他にもオフサイドで取り消されたゴールがありましたし、アランバリとオリベイラを累積警告で欠くヘタフェはほとんどシュートもできなかったため、そのまま1-0で負けてしまったのも仕方ないんですが、幸い降格圏外16位の順位は変わらず。コパ敗退済みの彼らは20日のグラナダ戦まで試合もありませんし、長らく欠場していたビトロも戻って来たため、ここしばらくは1月後半のリーガ戦に備えて、じっくり調整できるのを強みに変えてもらいたいところです。 一方、ラ・セラミカでビジャレアルに挑んだのが4位のアトレティコなんですが、いやあ、人生に1度起きるか起きないかの奇跡というのはやはり悲劇の前触れだったんですね。そう、序盤から、圧倒的にボールを敵に支配されていた彼らだったんですが、前半10分、パレホのパスをセンターでカットしたコレアがそのままロングシュート。「ya conozco a Rulli y sé que su manera de jugar es muy adelantado/ジャー・コノスコ・ア・ルリ・イ・セ・ケ・ス・マネラ・デ・フガール・エス・ムイ・アデランタードー(ルリのことは知っていて、ゴールから凄く前に出てプレーするのもわかっていた)」という当人の目論見通り、50メートルの距離からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めたんですが、だからといって、その後も3本とパスが続かない、ポゼッション最低プレーが改善するには至りません。 いえ、それでもクーニャが1対1のシュートをGKルリに弾かれたり、今度はコレアがゴール前から決めたゴールがオフサイドだったりということはあったんですが、20分、アルベルト・モレノのパスがレマルの腕に当たったとして、ペナルティを取られてしまってはねえ。幸運もここまでかと思われたんですが、それからが予想外の連続です。だってえ、スペシャリストのジェラール・モレノが、PKセーブがあまり得意でないGKオブラクに弾かれるなんて、滅多にあることじゃないんですよ。それなのにフェリペとぶつかり合った末、パレホの腰に当たったボールがゴールになったとなれば、もう泣いちゃうしかありませんって。 でも大丈夫。ここでもう1度、奇跡が起こり、VAR判定でパレホの手にボールが当たっていたとして、このゴールは認められないことに。といっても29分にはそのパレホのFKをオブラクがキャッチし損ね、こぼれたボールをパウ・トーレスに同点ゴールにされているんですから、まったく救えませんけどね。後半13分には再び、出場停止のヒメネスに頼れないフェリペとエルモーソのCBコンビが決壊し、ジェラール・モレノのスルーパスをアントニオ・モレノに撃ち込まれて、とうとう逆転されてしまった時にはもう、年明けのラージョ戦、コパのラージョ・マハダオンダ(RFEF1部、ラージョ・バジェカーノと経営関係はない)戦の快勝はただの幻だったのかと、私も肩を落としていたんですが…。 まさか選手交代の効果があそこまで出るなんて!ええ、リードされてすぐ、シメオネ監督がデ・パウル、クーニャ、ロディをコケ、ジョアン・フェリックス、ベルサイコに代え、4-4-2から、CBを3人にする5-3-2にシステムチェンジしたアトレティコは急に盛り返し、23分には右から左に移ったカラスコのラストパスをコレアがシュート。これはルリに弾かれてしまったものの、コンドグビアがエリア前から同点ゴールを決めてしまったから、驚いたの何のって。それどころか、2-2になった後の彼らはとても同じチームとは思えないぐらいパスが上手くなり、ガンガン繋げるようになったんですが、まったくもう。 それができるなら、最初からやればいいのにというのは私の勝手な言い分で、後半ロスタイムにはコンドグビアが2枚目のイエローカードをもらい、退場となったのもあり、結局、試合はそのままドローで終了。おかげで3位のベティスにも追いつけず、首位のお隣さんとの差もまた勝ち点16に開いてしまったんですが、まあこればっかりはねえ。ちなみに木曜午後8時からのスペイン・スーパーカップ準決勝ではこの日、出場停止だったヒメネスとルイス・スアレスは復帰するものの、コパで太ももケガを再発したグリーズマン、12月からずっとリハビリ中のサビッチは戻って来られず。シーズン前半戦ではスコアレスドローに終わったカードでしたが、今度は誰が勝利のゴールを入れてくれることになるんでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.01.12 21:00 Wed
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異常だったのは昨季の方…/原ゆみこのマドリッド

「いよいよ見応えのあるカードが出てきたわね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、ラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるスペイン・サッカー協会施設で行われたコパ・デル・レイ16強対決組み合わせ抽選の結果を見た時のことでした。いやあ、この辺まで来ると、生き残りのほとんどが1部のチームなのは例年のことなんですが、何せ昨季はマドリッド両雄が揃って早期敗退したため、ほとんどコパを堪能できず。それが今季はどちらも32強対決を突破して、レアル・マドリーはエルチェ、アトレティコはレアル・ソシエダとそれぞれ、マルティネス・バレロ、レアル・アレナでのアウェイ戦で準々決勝行きの切符を争うことに。 ちなみに1部勢同士のカードは5つあって、他はベティスvsセビージャのアンダルシアコパダービー、アスレティックvsバルサの昨季コパ決勝の再演、そしてマジョルカvsエスパニョールなんですが、ちょっと得した感じなのは2つしかない2部生き残りの1チーム、ジローナと当たった弟分のラージョだったかと。2部で残留争いをしているマドリッドの弟分、フエンラブラダから後半ロスタイムに1点を奪って勝利、次もスポルティング・ヒホンと当たることになった、自身も残留争い真っ只中にあるカディスなどは、逆に1部のプライドみたいなのがあるため、少々、有難迷惑だったりするかもしれませんけどね。そんな中、当たりを引いたのは、ヘタフェを5-0と破った後、セルタも2-1で倒し、RFEF1部(実質3部)で唯一、ここまで上がってきたアトレティコ・バレアレスとの組み合わせになったバレンシアでしょうか。 え、そのコパ16強対決はスペイン・スーパーカップに出場しないチームは来週の週末、出場するチームはその次の週のミッドウィークに開催とまだ先だし、肝心のマドリッド勢の32強対決はどんなだったのかって?そうですね、順番にお伝えしていくことにすると、まず先陣を切ったのは2部の弟分、レガネスで水曜の夕方にレアル・ソシエダとブタルケで対戦。やはり1部、しかもその上位チームでEL決勝トーナメントにも残っている相手というだけでなく、「Hoy hemos traído a todo lo que teníamos. Hemos sacado el mejor once possible/オイ・エモス・トライドー・ア・トードー・ロ・ケ・テニアモス。ヘモス・サカードー・エル・メホール・オンセ(使える選手全員を連れて来て、最高のスタメンを並べた)」(イマノル監督)せいもあったんでしょうね。 前半9分にはイサクに、43分にもオジャルサバルにゴールを決められて、対照的に柴崎岳選手をベンチ外にするなど、控え選手中心で挑んだレガネスは互いの実力差をはっきり示されてしまったんですが、冷たい雨の中、スタンドのファンが傘をさして応援する後半、まさかサプライズが待っていたとは!それが始まったのは15分、ランジェロビッチの上げたクロスをファン・ムニョスがヘッドで1点を返したかと思いきや、その10分後にもまた彼がエリア前からのシュートを決め、あっさり同点に追いついてしまったとなれば、昨年はコロナ禍で開催できなかったロス・レジェス・マゴス(東方の3賢人)のcabalgata(カバルガタ/パレード)を見に行かず、寒さに耐えてスタジアムに残っていたサポーターたちも報われた? でもねえ、そのすぐ後だったんですよ。せっかくremontada(レモンターダ/逆転勝利)ムードに入りながら、この試合に抜擢されたカンテラーノ(レガネスBの選手)、リーガ出場未経験のルビオが自陣エリア内でオジャルサバルの足を踏んでしまったのは。PKのスペシャリストである当人がこれを決め、最後はアルナイスやルーベン・パルド、ボルハ・ガルセスら、主力を投入したものの、レガネスが追いつくことはできませんでしたっけ(最終結果2-3)。 それでもファンは、「ハーフタイムまでに0-2にされ、点差はもっと開いていた可能性があった。その時点でのオプションは2つ。土曜のリーガのことを考えるか、勝利を信じて戦うか。Lo hemos querido hasta el final/ロ・エモス・ケリードー・アスタ・エル・フィナル(ウチは最後まで勝利を求めた)」というナフティ監督のチームの健闘を拍手で称えてくれていましたからね。これはこれで、今はまだ勝ち点差9もありますが、昇格プレーオフ出場圏入りを目指して、シーズン後半戦の巻き返しを図るのには、いいキッカケになるかもしれませんよ。 そして水曜にはラージョも2部のミランデスと戦ったんですが、こちらは後半22分までスコアが動かず。先発したファルカオではなく、アンドレス・マルティンのヘッドで奪った1点を最後まで守りきり、イラオラ監督がアンドゥーバへの凱旋帰還を16強進出で飾ることができたのは良かったかと。そうそう、彼らはこの日曜にはベニト・ビジャマリンでベティス戦なんですが、リーガ前節の年明け試合では、アトレティコにワンダ・メトロポリターノで2-0と負けてスタート。おかげで兄貴分だけでなく、マジョルカに勝ったバルサにも抜かれ、6位になってしまったんですが、まだ3位のベティスとの勝ち点差は3ですからね。アウェイの苦手意識を克服する意味でも勝利を目指してもらいたいところですが、相手もコパではローテーションメンバーを使って、2部のバジャドリーに0-3と快勝したばかりとなると、ちょっと難しいですかね。 え、それで2年連続でエル・コジャオを訪れたマドリーはリベンジを果たせたのかって?そうですね、クルトワ、ベンゼマ、モドリッチ、メンディにお休みを与えたアンチェロッティ監督のチームは少々、手こずったものの、前半39分にはロドリゴの蹴ったCKをミリトンがヘッドで決め、先制点奪取に成功。でもこれって、延長戦で2-1とアルコジャーノに負けた昨季とまったく同じパターンで、しかもこの日は後半開始早々、遠征に同行した唯一のCFだったマリアーノがハムストリンングスをケガして交代という不幸に見舞われたから、さあ大変。おまけに仕方なく、アセンシオを入れて、アザールにfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/シャドーCF)をさせていた20分、カセミロをエリア内で切り返したダニ・ベガがとてもRFEF1部の選手とは思えないgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決め、同点にされてしまったとなれば、胸がザワザワし始めたマドリーファンも多かったかと。 でも大丈夫。この日の彼らには昨季はなかった運があったんです。いやだって、31分に撃ったアセンシオのシュートは敵に当たって軌道を変え、GKホセ・ファンを惑わして勝ち越しゴールになりましたし、その2分後など、アルコジャーノがクリアしようとしたボールがチームメートに跳ね返されてエリア内に。それを追ったイスコがホセ・ファンにぶつかられる直前に蹴っていたんですが、最後は相手の踵に当たって3点目になったとなれば、これをツキと呼ばずして何と呼ぶ(最終結果1-3)? いえ、アンチェロッティ監督は「Este equipo esta noche ha puesto la calidad abajo y ha luchado/エステ・エキポ・エスタ・ノチェ・ア・プエストー・ラ・カリダッド・アバホ・イ・ア・ルチャード(今夜のチームはプレーの質を脇に置いて戦った)。ここではそれをしないと、昨季のように負けることになる」と言っていましたけどね。大体がして、実質3部のチーム相手に敗退した前回が異常だっただけで、いえ、去年はコロナ禍のせいで無観客試合となり、スタジアムに隣接したマンションの住人だけしか、生で見られなかったゴールデンマッチのリピートとあって、この日はスタンドどころか、ピッチが見える周辺道路からも応援していた地元のファンには残念でしたけどね。 この先は負けても言い訳のできる同等の1部チームとしか、ほぼ対戦しないとあって、今ではマドリーの関心も土曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのバレンシア戦に移っていますが、ちょっとこの試合は用心が必要かも。というのも、相手がコパでは後半ロスタイムにチェリシェフが決勝ゴールを挙げ、2部のカルタヘナを1-2で下したというのは別にして、ボルダラス監督は前節、多彩なファールを駆使して、マドリーから1-0の勝利を挙げた弟分ヘタフェを5年間率いていた指揮官。その哲学はバレンシアでも忠実に引き継がれ、今季は20チーム中、ヘタフェを2位に抑えて、ファール数1位を維持しているから。 ただ、司令塔のカルロス・ソレルがコパで負傷、他にもユネス・ムサー、ディアカビ、ラチッチと出場が微妙な選手もいる上、ボルダラス監督の愛弟子、ヘタフェのカンテラ出身のウーゴ・ドゥーロも出場停止となると、バレンシアのプレーも変わってくるかもしれませんけどね。どちらにしろ、コリセウム・アルフォンソ・ペレスではまだクリマスのバケーション気分が抜けなかったマドリーの選手たちもアルコジャーノ戦のように闘争心を忘れずにプレーしないと、サンティアゴ・ベルナベウのファンをガッカリさせることになりかねないかと。 でもまあ、今度はコパでお休みをもらった選手たちに加え、いよいよコロナ明けのビニシウスも戻って来ますしね。この試合に勝てば、2位セビージャとの差を勝ち点5のまま維持して、サウジアラビアでのスペイン・スーパーカップ準決勝のクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)に挑めますし、そちらでは背中に痛みを抱えるベイルは間に合わないかもしれませんが、カルバハルとヨビッチは復帰できそうというのはいいニュースですよね。 そして翌木曜、極寒の夜9時半からラージョ・マハダオンダ(RFEF1部、ラージョ・バジェカーノと経営関係はない)と対戦したアトレティコはというと。いやあ、いくら相手がホームして使っているとはいえ、いつも自分たちが練習しているマハダオンダ(マドリッド近郊)のミニスタジアムでは真剣勝負の雰囲気に欠けると心配したか、ワンダ・メトロポリターノを会場として提供したのがバッチリ当たったんですよ。というか、よっぽどここ2年、格下の2部B(今季からRFEF1部と2部に分裂)だったクルトゥラル・レオネサとコルネジャに早期敗退を喰らっているのが効いたんでしょうね。これまでコパでは常に控えGKを使っていたシメオネ監督がルコントではなく、オブラクを先発させていたのには私も目を白黒させるばかり。 それ以外の選手もリーガ前節のラージョ戦から、コレアがクーニャに、エルモーソがフェリペに、ニューキャッスルに行ってしまったトリッピアーが負傷から復帰したマルコス・ジョレテンテに代わっただけと、バリバリのレギュラーを並べたとなれば、「La Copa es muy importante para nosotros y la vamos a pelear/ラ・コパ・エス・ムイ・インポルタテ・パラ・ノソトロス・イ・ラ・マモス・ア・ペレアル(ウチにとって、コパはとても重要で、優勝を争うつもりだ)」(クーニャ)と、選手たちが監督からのメッセージを感じ取ったのも当然だった?おかげで鼻息荒く、序盤からトップギアでスタートした彼らは、うーん、1万7000人という、ワンダの正面スタンドを除いた1、2階を埋めるだけの人数ですが、定員3000人のホームを大いに上回るチケット収入を得ることができたぐらいが慰めで、マハダオンダにはちょっと、気の毒だったんですけどね。 相手は開始1分になる前にFKから、コンドグビアのヘッドを弾いたGKゴルカが手をルイス・スアレスに踏まれ、ほとんど夢の舞台でプレーすることなく、控えのアルバロに代わらないといけなかったという不幸も重なりましたが、こうなるともうカテゴリーの差がありあり。ええ、12分のゴールはオフサイドで認められなかったものの、17分にはエリア内からボールを出そうとしたカサードのパスがカラスコに当たり、またもやオフサイドの位置だったクーニャのシュートによるゴールがスコアに挙がって先制点に。おかげでワンダでの試合ながら、ACDCのサンターストラックが大音響で鳴り響くラインアップ紹介の電飾ショーもなく、アカペラでクラブ歌を合唱することもできず、欲求不満を感じていた多数派のアトレティコファンがどんなに沸いたことか。 いえ、こういう不具合も16強対決から、VAR(ビデオ審判)が入れば、なくなるはずですけどね。更に17分、アトレティコはレマルのスルーパスをロディが撃ち込んで畳みかけると、41分には右サイドから切り込んだジョレンテのラストパスを受け、とうとう9試合ぶりにルイス・スアレスがゴールを挙げてくれたとなれば、こんなに心強いことはない?最近、よくケガがぶり返すヒメネスとジョレンテがコケとベルサイコに、スアレスのリーガ次戦出場停止に備えて、クーニャがコレアに代わった後半もアトレティコの勢いは止まらず、22分にはコレアのスルーパスから、こちらも途中出場のグリーズマンが4点目をゲット。唯一の後悔はその後、昨年のマドリーダービーの後、右太ももを痛め、バケーション中のコロナ感染もあって、ようやくこの日、実戦復帰となった彼が31分に同じケガを再発してしまったことでしょうか。 ええ、この週末ばかりか、来週のスペイン・スーパーカップにも出場できないことが自分でもわかったか、泣きながら、当人もピッチを去って行ったんですが、いやもう、その時はすでにアトレティコの交代枠は残っておらず、チームは10人で残り時間をプレーすることになったんですけどね。34分にはカラスコが自陣から放ったスルーパスを追いかけ、ジョアン・フェリックスが5点目を決めているとなれば、これぞまさに昨季リーガ王者の実力? いえ、2つもカテゴリーが下のチーム相手に0-5と大勝したからって、全然、威張ることはできませんけどね。選手たちが真価を見せつけないといけないのはこの日曜、午後9時からのビジャレアル戦で、何せ、出場停止なのはスアレスだけでなく、ヒメネスもですし、サビッチはまだリハビリ中。グリーズマンもいないとなれば、それこそクーニャ、コレア、ジョアンの3人で点を取ってもらわないといけないんですが、さて。ちなみにウナイ・エメリ監督のチームは木曜にスポルティング・ヒホンに2-1で負け、コパ敗退しているんですが、リーガはレバンテに5-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らわせたばかり。昨年の4連敗で勝ち点差14ついた首位のお隣さんに追いつく望みを持っているアトレティコファンはもうあまりいないとはいえ、今はCL出場圏の3、4位が激戦区になっているため、しばらくこの調子を維持してほしいところです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.01.08 21:00 Sat
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リーガの時間割は親切じゃなかった…/原ゆみこのマドリッド

「今季はコパ狙うチームが多いかも」そんな風に私が予感していたのは火曜日、リーガ年明け最初の節が終わった途端、コパ・デル・レイ32強対決が始まっているのに気づいた時のことでした。いやあ、マドリッド勢4チームがダブルダービーで相まみえた2日には、10月半ばから無敗の快進撃をしていたレアル・マドリーが負けるという波乱があったものの、それでも4位のお隣さんとの差は勝ち点14、5位バルサとも15ありますからね。2位のセビージャこそ、消化試合が1つ少ない状態で5差となったため、僅かに首位奪取のチャンスが出てきたとはいえ、13差の3位ベティス以下はEL出場権が欲しい8位ビジャレアル、10位アスレティック辺りまで、コパ優勝が一番のヨーロッパへの早道と考えているかもしれなかったから。 まあ、コパについてはまた後から話すことにして、先に先週末のリーガがどうだったか、お伝えしていくことにすると。その日は最初にコリセウム・アルフォンソ・ペレスに行った私だったんですが、コロナ感染者数増加に伴い、直前にスタジアムの入場者数がキャパの75%以下に制限された分はどうやら、マドリーファンのチケットを払い戻しただけで十分だった?その区画以外、スタンドはほぼ満員となる盛況ぶりで、どちらも他と比べると、コロナ陽性者の欠場が少ないチーム同士の対戦だったんですけどね。意外だったのは、アンチェロッティ監督がまだ自宅隔離中のビニシウスの代わりにアザールをスタメンで使わず、昨年最後のアスレティック戦を陽性でプレーできなかったアセンシオとロドリゴをベンゼマのヘルプに置いたことだったでしょうか。 でも、その「コロナのせいで、2人は90分、持たないことがわかっていたから、tenía a Hazard para la segunda parte/テニア・ア・アザール・パラ・ラ・セグンダ・パルテ(後半にアザールをとっておいた)」(アンチェロッティ監督)という作戦の良し悪しがわかる前だったんですよね。開始9分には、敵エリア近くでサンドロがクロースにボールを取られたかと思いきや、それをもらったミリトンがエネス・ウナルにかっさらわれ、そのシュートでヘタフェに先制点が入ったから、ビックリしたの何のって。とはいえ、すぐ後にはモドリッチやクロースにゴールを脅かされていたため、1点だけでは全然、足りないんじゃないかと、まだまだ弟分の勝利は遠いように見えていたんですが…。 仕方ないんですよ、まだ1-0だった前半が終わるやいなや、私がコリセウムを出たのは。というのも午後4時15分から、もう1つの弟分、ラージョをアトレティコが迎えるワンダ・メトロポリターノへはセルカニアス(国鉄近郊路線)とメトロを乗り継いで行くと、1時間以上かかるんですから。それでも途中経過はオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継で追っていたんですが、いつになっても、実況アナからゴールの絶叫は響いてこず。 うーん、後半頭からはアセンシオ、メンディをアザール、マルセロに代え、更にはロドリゴをマリアーノに、最後はイスコやカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のペテルまで入れて、同点を目指したマドリーだったんですけどね。GKダビド・ソリアの好セーブとボルダラス監督がバレンシアに行ってしまった後も選手たちが忘れることのない、今季も20チーム中2番目に多い(1位はバレンシア)敵の連携をぶち切るファールの妙技。そして「マドリーの11人、全員を無効化することはできないから、hemos decidido que Kroos, Modric y Casemiro era el lugar a estrangular/エモス・デシディードー・ケ・クr-ス、モドリッチ・イ・カセミロ・エラ・エル・ルガール・ア・エストラングラール(クロース、モドリッチ、カセミロの中盤を締め上げることにした)」(キケ・サンチェス・フローレス監督)という戦法が上手くはまったか、そのままヘタフェが1-0で勝ってしまうとは! おかげで彼らはクリスマスのparon(パロン/リーガの停止期間)前、最後の試合で抜け出した降格圏外の16位を維持できただけでなく、同じ勝ち点で並んでいたエルチェとアラベスがそれぞれ、グラナダ、レアル・ソシエダと引分けたため、勝ち点差2をつけることができたんですが、喉元過ぎれば熱さ忘れるとはよく言ったもの。こうなると、昨年中にコパ2回戦でアトレティコ・バレアレス(RFEF1部/実質3部)に5-0で敗退したのも、このミッドウィーク、他のチームが32強対決に駆り出されるのを尻目に丸々、日曜のセビージャ戦の準備に当てられるんですから、有難いじゃないですか。 一方、マドリーでは試合後、「Nos hemos quedado de vacaciones un día mas/ノス・エモス・ケダードー・デ・バカシオネス・ウン・ディア・マス(ウチは1日多く、バケーションを続けてしまった)」とアンチェロッティ監督が怒っていたとはいえ、彼らが「Seguimos líderes, sin tragedias/セギモス・リデレス、シン・トラヘディアス(悲劇という訳でもなく、ウチは首位のままだ)」というのは、紛れもない事実ですからね。もう翌日には水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコパ、アルコジャーノ(RFEF1部)戦に向けて練習を始めていますが、実はこの相手には昨季のコパ32強対決で延長戦にもつれ込み、2-1で負けるという苦い思い出が。 そのせいか、アンチェロッティ監督も「Voy a poner el mejor equipo posible/ボイ・ア・ポネール・エル・メホール・エキポ・ポシブレ(最良のメンバーを並べる)」と前日記者会見で言っていたものの、ヘタフェ戦で体に不具合が出たベンゼマ、モドリッチ、メンディ、そしてGKルニンの出番を作るため、クルトワもお休み。カルバハルとベイルはまだリハビリ中のようですし、せっかく日曜にはコロナ陰性となったビニシウスも加わらず、ヨビッチはまだ陽性と、CFがマリアーノしかいないって、ちょっと大丈夫?昨季の対戦でプレーして、痛い目に遭っている選手が沢山いるため、もちろん今度は決して油断などしないでしょうが、一発勝負なだけに怖いところはありますよね。 え、それで私がヘタフェを見捨てて、何とか開始6分頃にはスタンドに辿り着けたアトレティコの試合はどうだったのかって?いやあ、最初にシメオネ監督がイエローカードをもらっているのを見て、何せ彼はバケーション明けにコロナ陽性となりながら、2回のPCR検査陰性で当日、試合開始の1時間前にやっとこ、ベンチ入りが許されたばかりでしたからね。序盤から、そんなに審判に噛みついていてはまた、退席処分になってしまうんじゃないかと心配になったものですが、大丈夫。ルイス・スアレスはここ8試合連続ノーゴールのスランプから抜け出せず、普段なら絶対決めているはずのシュートを2本も外していましたが、前半28分、救世主が現れたんです! それはFKから始まったプレーで、丁度、先週マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場に私が見学に行った際も熱心に稽古していたのを知っていたため、ここは修練の成果を見せてくれるかと、少し期待していたんですけどね。ただ、思っていたのとは違って、デ・パウルの蹴ったFKは難なくクリアされてしまい、戻って来たボールを右サイドに展開。カラスコがエリア内奥から折り返して、エルモーソが撃ったものの、マラスに防がれ、コメサニャがクリアしきれなかったところにコレアがいるとはまったくもって、運がいい。彼のシュートがゴールに入った時は、あまりにプレーがゴチャゴチャしていたせいで、ファールか何かで認めてもらえないんじゃないかという心配もしたんですが、ちゃんとスコアボードに挙がってくれたんですから、今年のアトレティコにはツキがある? とはいえ、昨年の幕を飾った4連敗では終盤に点を奪われて、土壇場で負けた試合も1つではありませんでしたからね。決して安心はできなかったんですが、この日のラージョは4人がまだコロナで隔離中、陰性になって、前日に出場できることになったメンバーも6人程いて、「練習したのが1回だけ、1回もしていない選手もいた。No estábamos preparados para jugar ante el Atlético/ノー・エスタバモス・プレパラードス・パラ・フガール・アンテ・エル・アトレティコ(ウチはアトレティコ相手にプレーする準備ができていなかった)」(イラオラ監督)せいでしょうかね。元々、アルバロ・ガルシアの負傷で右サイドの戦力が落ちていた上、ハーフには左のイシも痛みで交代を申し出ることに。 そこへ後半8分、ロディがゴール前に送ったラストパスをまたコレアが決めて、2-0とされては、いくら31分、キャパが制限されたため、ラージョファンは入れなかったにも関わらず、2010年から2012年にアトレティコに在籍。EL優勝やお隣さんを決勝で下してのコパ優勝の喜びを与えてくれた恩を忘れていないホームサポーターの大喝采を浴びて、ピッチに入った(こちらもコロナ明けの)ファルカオだって、どうすることもできませんって。いえ、アトレティコもコケ、ジョアン・フェリックス、エレーラ、グリーズマンとコロナ欠場者はいたんですけどね。ケガが治ったヒメネスが復帰しながら、3CB制を取らず、シメオネ監督がアトレティコ基本の4-4-2に戻したせいで、コンドグビアが本職のボランチでいい働きをしてくれたのも大きかったかと。 何はともあれ、「Ganar era tremendamente importante/ガナール・エラ・トレメンダメンテ・インポルタンテ(勝利することが非常に大事だった)」とシメオネ監督も認めていたように、しばらくチームが勝つ試合を見せてもらえなかったファンもこの、年明けのクリスマスプレゼントには大喜びだったんですが、もしや一番のご褒美をもらえたのはコレアだった?というのも今季7得点目を挙げた後、火曜には2024年までだった契約が2026年まで延長されたことが発表されたからで、いやまあ、彼は昨季のリーガ優勝の立役者の1人ではあるものの、ここぞという時に外す日も決して珍しくなく、ちょっと評価が難しい選手ですからね。 とりわけ今季は開幕2試合で3得点挙げながら、グリーズマンの加入後は控えに回ることが多かったんですが、それでも「Siempre trato de estar bien físicamente para dar lo máximo/シエンプレ・トラト・デ・エスタル・ビエン・フィシカメンテ・パラ・ダール・ロ・マキシモ(最大限に貢献できるよう、常にフィジカル的にいい状態を保つようにしている)」という当人の心がけは見上げたもの。霧煙る火曜の練習では、いよいよグリーズマンとマルコス・ジョレンテがチームに合流したとはいえ、ルイス・スアレスとヒメネスが累積警告で出場停止となる日曜のビジャレアル戦では再び、コレアのゴールが待たれるところです。 そしてコパでは木曜午後9時30分から、アトレティコの練習場にあるミニスタジアムをホームにしているラージョ・マハダオンダ(RFEF1部、ラージョ・バジェカーノと経営関係はない)と対戦する彼らなんですが、そこは気分の問題でしょうか。通常は格下チームのホーム開催となるところ、ワンダ・メトロポリターノを会場として貸してあげることになったんですが、実はここ2年間、コパはアトレティコの黒歴史になっていてねえ。そう、2019-20シーズンには初戦の32強対決でクルトゥラル・レオネサ(当時は2部B)に負け、昨季も2回戦でコルネジャ(同2部B)に早期敗退に追いやられているんですよ。 それだけに今季は選手たちも気を引き締めていると思いますが、こちらもGKだけはお隣りさん同様、オブラクではなく、控えのルコントにする程度で、後はトップチームの精鋭で挑む模様。丁度木曜はReyes Magos/レジェス・マゴス(東方の3賢人)の祝日とあって、15ユーロ(約2000円)の格安チケットの売れ行きも上々のようですし、今年こそは1部チームの貫禄と余裕で勝利してもらいたいものですが…過去2年もまさか負けるなんて思っていなかったため、あまり楽観はしない方がいいかもしれません。 一方、兄貴分には歯が立たなかったものの、元々、苦手のアウェイですし、シーズン前半戦だけで勝ち点30。土曜の夜には16人ものコロナ&負傷による欠場者を抱えたバルサがマジョルカに勝ったため、6位で折り返すことになったとはいえ、昇格組としては賞賛すべき高みにいるラージョも水曜にはコパのミランデス(2部)戦があるんですが、これも不思議な縁ですよね。2019-20シーズンにリーガの指揮官としてデビューをしたイラオラ監督が率いていたのが、このミランデスで、その時も2部ながら、セビージャやビジャレアルを下して、準決勝に進出。レアル・ソシエダに敗れて、惜しくも決勝は逃しましたが、そうそう滅多にある快挙じゃなかったかと。 今季は逆に格上のラージョを率いて、アンドゥーバを訪れるんですが、どうやら週明けのチーム状況も「毎日、新しい陽性者が出て、戻って来た選手もまだ練習が足りない」(イラオラ監督)とあまり変わっていないよう。まあ、といってもコロナ感染者多発に悩まされているのは今や、どこのチームも同じですからね。こちらは週末のベティス戦が終われば、来週はスペイン・スーパーカップ(アトレティコ、マドリー、バルサ、アスレティクの4チームが参加)開催週でゆっくりできるため、その辺りで戦力が整うように調整できるのではないでしょうか。 ちなみにコパではマドリッド勢2部チームも2つ残っていて、水曜にはレガネスがブタルケにレアル・ソシエダを迎えることに。先週末はバジャドリーに1-0で負けてしまった彼らですが、今は降格圏まで勝ち点差5の17位と、ちょっとリーガでも余裕が出て来ただけに、ナフティ監督も力を入れてくれるかもしれません。その真逆なのがフエンラブラダで、こちらは木曜にカディスとフェルナンド・トーレスで対戦なんですが、20位とどっぷり降格圏に浸っていてはねえ。すでに2回戦で敗退した、最下位を爆走するアルコルコンと共に、今年は残留達成に専念したいところでしょうが、もし1部で19位の相手も同じことを考えていたら、微妙な試合になるかもしれません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.01.05 21:00 Wed
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検査をすればコロナは見つかる…/原ゆみこのマドリッド

「せめてもの慰めだわね」そんな風に私がホッとしていたのは大晦日の金曜日、元旦をまたいで開催されるリーガ19節で1つだけ年内試合となったバレンシアvsエスパニョール戦が夕方に終了。8位のホームチームが1-2の逆転負けをしたため、アトレティコもラージョも順位を落とさず、新年を迎えられるのを知った時のことでした。いやあ、1部に帰って来たシーズンながら、CL出場圏内の4位と頑張っている弟分はともかく、昨季王者の兄貴分が5位とその後塵を拝したまま、クリスマスのparon(パロン/リーガの停止期間)に入ったせいで、アトレティコファンにとっては、あまり気分がいいとは言えない1週間だったと思うんですけどね。 とはいえ、年明け早々の2日にはそのラージョとの兄弟分ダービーがワンダ・メトロポリターノであるため、まだCL出場圏復帰は手の届く課題なんですが、実は最近はスペインもオミクロン株によるコロナ感染者激増となり、サッカー界も影響を受けることに。ええ、ここのところ、スタジアムのキャパ100%で通常営業できていた試合が、メスタジャのバレンシア戦を最後に1月からは75%に減らされてしまうんですよ。それも決まったのが今週半ばだったせいで、何せ、マドリッドではもう1つのカードもヘタフェvsレアル・マドリーの兄弟分ダービーで、チケット販売が始まった後の通達だったため、アトレティコもヘタフェもアボナード(年間指定席購入者)を優先。ビジターチームファンの席をなしにすることにして、粛々と返金しているんですから、新年のサッカー観戦を楽しみにしていた家族連れなどにはかなりいい迷惑だったかと。 おまけにスタジアム内での規則も厳しくなり、いえ、シーズン開始当初に戻っただけとも言えますけどね。最近はまだ絶賛改装中で、場内に売店もないサンティアゴ・ベルナベウを除き、ワンダ・メトロポリターノでもコリセウム・アルフォンソ・ペレス、エスタディオ・バジェカスでもスナックやドリンクを販売していたため、いつの間にか、OKになったんだなと思っていた観戦中の飲食が再び、水以外は禁止となり、喫煙もダメ。常にマスク着用を求められるようになったんですが、そういえば、大晦日のカウントダウンに毎年、大量の人が集まるプエルタ・デ・ソル(マドリッド市の中心にある広場)でも、スペインの慣習で午前0時の鐘の音に合わせて、12粒のブドウを食べる時以外、マスクを外してはいけないとニュースで何度も注意喚起していましたけどね。いや何か、オミクロンだと、その間にうつってしまわない? といってもサッカーを見る側はまだ気楽なんですが、大変なことになっているのは主役のチームの方で、うーん、これもまたラ・リーガのコロナ予防規則で毎日、練習前に抗原検査を実施。試合前日にはPCR検査と、一般人とは比べものにならない回数の検査を課しているからなんですけどね。おかげでバケーションから帰って来た選手たちから、金曜までに100名近くの陽性者が発見されることになったんですが、とりあえず、マドリッド勢の状況を報告していくことにすると。11月の代表戦週間が終わってから、リーガを6勝1分けの無敗で乗り切り、2位セビージャに勝ち点差8をつけて独走態勢に入っているマドリーは水曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習を再開。 ちなみに彼らは例外的にクリスマス前最後となったアスレティック戦前に早くもコロナ禍に襲われており、その時にはモドリッチ、マルセロ、ロドリゴ、アセンシオ、ベイル、ルニン、イスコ、アラバが欠場しながら、サン・マメスではベンゼマの2ゴールで1-2と手堅く勝利することに。そこから約1週間の休暇があったため、その8人はすっかり陰性となって戻って来たんですが、もう仕方ないですよね。クリスマスを国外で祝ったクルトワ(ドバイ)、ビニシウス(マイアミ)、バルベルデ(ウルグアイ)、カマビンガ(フランス)が最初のPCR検査で陽性を出してしまったのは。 よって、この4人は夕方からの練習に参加できなかったんですが、一体、どうなっているんですかね。翌日にはクルトワが「もう2回、PCRで陰性になった」と自身のSNSで呟いたのを皮切りにバルベルデ、カマビンガも陰性になっていたそうで、え、つまり彼らはバケーション前、最後の検査直後に感染、旅行先でウィルスをふんだんにまき散らして、戻って来た頃は丁度、治りがけだったということ?ただ、木曜にはマドリッド州の衛生規則で陽性者の隔離期間が10日間から7日間に減ったものの、まだその日数をクリアしていない3人はチーム練習には合流できず。 クルトワのように自宅で自主トレをするしかないんですが、日曜午後2時(日本時間午後10時)からのヘタフェ戦も出ていいのかどうか、現在はラ・リーガと州当局との結論を待っているところなのだとか。いえまあ、バケーション前のオサスナ戦後半ロスタイムにポベダのゴールで1-0と勝利。やっとこさ降格圏を抜け出し、16位となったものの、17位エルチェ、18位アラベスと同じ勝ち点で、ちょっとでも気を抜くとまたしても深みにはまってしまうヘタフェなどは、来週水曜のコパ・デル・レイ16強対決アルコジャーノ(RFEF1部/実質3部)への準備も兼ねて、GKルニンがコリセウム・アルフォンソ・ペレスで今季初先発してくれるのは大歓迎でしょうけどね。 ただ、クラブの方針でコロナ感染者情報を公開しないことにしたキケ・サンチェス・フローレス監督のチームにもオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の情報によると、3人程、陽性者がいるそうで、練習も完全非公開のため、それが誰かわからないのは不安。出場停止処分を終えて戻って来る予定のマタやジェネでも困りますし、誰が欠けるにしても、2012年8月以来、9シーズン、兄貴分に勝っておらず、ゴールも2019月10月のホルヘ・モリーナ(現グラナダ)以来、挙げていないとなれば、もうそれだけで地元のファンはあまり楽観的にはなれないんじゃないかと思いますが、さて。 それでも運が味方してくれれば、同日、グラナダと対戦するエルチェ、解任されたカジェハ監督に代わり、メンディリバル新監督(昨季までエイバルを指揮)の下でレアル・ソシエダを迎えるアラベスに抜かれないで済みますけどね。そうそう、アンチェロッティ監督のチームではコロナ感染以外でもカルバハルとベイルが別メニュー練習で、ヘタフェ戦には間に合わない模様。逆に復帰するのはアスレティック戦で出場停止だったカセミロで、ここ2試合先発しているアザールは引き続き、スタメンに入って、真価を示すチャンスをもらえそうです。 え、それでお隣さんの試合のすぐ後、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、4位の座を懸けて、ラージョと対戦するアトレティコはどうなんだって?いやあ、こちらも水曜に練習を再開し、当日は抗原検査で全員陰性だったため、マハダオンダ(マドリッドの近郊)のグラウンドでなるたけ、選手同士が近づかない個人練習セッションを実施。ところが翌日になってPCR検査の結果が出てみれば、シメオネ監督を筆頭にコケ、グリーズマン、ジョアン・フェリックス、エレーラの4選手が見事、陽性判定だったから、さあ大変!それこそコケとグリーズマンなど、家族同伴で一緒にニューヨークに飛び、やはりコロナ感染で大勢の欠場者が出ているNBAやNFLの試合観戦を楽しんでいる様子をSNSに上げていたせいで、軽率の誹りを免れなかったんですけどね。 私が練習見学に行った金曜日には、いよいよまた、選手は自宅から練習着に着替えて出勤、ロッカールームは使用せず、シャワーも家に帰って浴びるという、ラ・リーガが課した規則を守っていたのが幸いしたか、それ以上の陽性者が増えることはなし。とはいえ、お隣さんのように陰性になった選手もいなかったため、まだ負傷のリハビリ中のグリーズマンはとにかく、他の3人は前日のテストでOKとなっても、州当局との兼ね合いもありますからね。来週木曜にホームチームはラージョ・マハダオンダ(RFEF1部、ラージョ・バジェカーノと経営関係はなく、アトレティコの練習用ミニスタジアムをホームとして使っている)ながら、ワンダを会場として提供するコパ16強対決も出場は難しいかと。 いやあ、このところ、マドリッドは年末とは思えない好天が続き、気温も15℃以上になるなど、妙に春めいていたため、冒頭15分のフィジカルトレを見ただけで外に出された後も敷地の裏に回って、自宅隔離のシメオネ監督に代わり、第2監督の指揮するセッションの様子を覗ってみた私だったんですけどね。まだファンの目が届くグラウンドでは楽しそうにテーブルサッカーをやっていたりしたものの、シートで覆われた隣のグラウンドに移ってからは何か、やたらコーチの声ばかりが聞こえるセッションに。どうやらルイス・スアレスに敵のプレスがかかっているか、いないかで、トリッピアーとコレアの右サイドの動き方を変えるみたいなことをやらされていたんですが、やっぱりここ4連敗という重圧を選手たちも感じている? その後はセットプレーからの攻撃で、CKやFKの蹴る位置を取っかえ、ひっかえやっていたんですが、毎日見ている訳ではないので断言はできないものの、できれば守備の方を優先してほしかったりもしないではなかったかと。その一方で1つ上に立っているラージョでは、アトレティコ以上のコロナ感染者が発生中。そう、水曜には選手、スタッフ合わせて計17人とも言われ、イラオラ監督も自宅隔離でいなかった練習場にはトップチームの選手が8人しかおらず、一時は日曜の試合を延期してもらうよう、ラ・リーガにお願いするなんて話も出ていたんですけどね。それは最低、カンテラーノ(Bチームの選手)を含めて13人(うちトップチーム5人)を切らないうちは試合をするという決まりにより、実現せず。 そうこうするうちに木曜には3人、金曜にも5人が陰性となり、練習に復帰してきたため、やはりPCR検査をクリアしたイラオラ監督はもう15人のトップチームの選手を使えることになったんですが、何故こうなったかというと、こちらはクリスマス休暇直前の検査で陽性になった12人が続々、回復してきたから。ただ最後のアラベス戦で負傷したアルバロ・ガルシアはリハビリ中ですし、復帰メンバーの中にはキャプテンのトレホやファルカオの名前がなかったため、この辺はまだ陽性なんじゃないかと思いますが、何ともねえ。 今季ホームのエスタディオ・バジェカスでは9試合8勝1分けと無敗を誇るラージョもアウェイでは9試合でまだ1勝だけという低空飛行。だからといって、ワンダでも4勝3分け1敗と、かなり勝ち点を落としているアトレティコが強気に出られる訳でもないんですけどね。休暇明けはヒメネスとベルサイコがチーム練習に合流して、手薄だった守備陣が少しマシになり、コケやマルコス・ジョレンテのいない中盤にコンドグビアが戻れるというのは好材料ではあるものの、とにかくいい加減に勝たないことには。すでに勝ち点差17と首位マドリーは雲の上のチームになってしまったとはいえ、レアル・ソシエダやバルサにも抜かされて、それこそマストの4位ゲットが一筋縄ではいかなくなる可能性もありますし、ここ8試合無得点のルイス・スアレスもそろそろ、昨季のようにゴールづいてくれないでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2022.01.01 21:00 Sat
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